mission 12:the chicken race ~暴れダンテと暴れ馬~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その炎も上手く避けきったダンテは、今度は馬車ではなく、ゲリュオン本体に飛び乗ることに成功した。
「どうどうどう!」
元々暴れ馬だったのが、ダンテが飛び乗ったことにより更に暴れ馬に進化する。
ダンテは暴れるゲリュオンをなだめるべく、力任せにリベリオンを叩き込んだ。
「おと……な、しくっ!してろ!!」
ダンテの強力な攻撃の前に、まるでウサギのように大きく跳ね飛ぶゲリュオン。
その衝撃でダンテも跳ね飛んだ。
ダンテはそのまま、今度は自分から降りて着地する。
ゲリュオンはそろそろ体力の限界だろう、証拠に息を荒くしている。
「さあて、そろそろフィニッシュと行こうぜ」
ダンテがリベリオンを振り上げるのと、それは同時だった。
ヒヒーン!
今までにないくらい激しくいなないたと思いきや、青い体青い炎とは似ても似つかない赤黒い球をいくつも周りに召喚し始めたのだ。
「なん……だ、こりゃ」
たゆたうそれは、ダンテの姿を認めるとゆっくりとした動きで追尾し出す。
何だかわからないが触らない方がよさそうだ。
「むやみやたらに触らない!
って小うるさい誰かさんに言い聞かされてるしな」
「聞こえてるよダンテ」
「げっ」
拡声器でも内蔵されているコロシアムなのか、こちらの呟きがもれていた。
ただし、ディーヴァ達の呟きも聞こえているようだ。
「ダンテ、それは時間球だ。触れれば時間が緩やかになり攻撃を受けやすくなる!気を付けろ」
「ありがとよ!」
ケルベロスによると、ゲリュオンは魔界で長い年月を過ごす内に時を操る力を身に付けたとのこと。
敵の動きを遅くし攻撃をしかける、そんなことを考えて戦うとは……。
「もしかしてダンテより頭いい?」
「おい!聞こえてるぜ!そんなこという悪い子にはあとでたっぷりお仕置きしないとだな!」
「そ、それは勘弁してよ~」
聞こえているのを忘れていた。
ダンテはいじわるく笑うと、目の前の時間球に向き直る。
上手く間をぬいながら、ゲリュオンへ距離を縮めていく。
だが、あと数個の時間球をよけようとした時だ。
ゲリュオンの放つ青い炎がダンテを襲い、続けざまにゲリュオン自身が横から突進してきた。
避けきれずダンテは否応なしに時間球に触れてしまった。
受けた感想としては、どうということない。
だが、周りから見ればダンテだけがスローモーションで動いて見えている。
完全に時を止めることはできなくとも、ちょこまかと動くダンテの動きを緩やかにするだけでゲリュオンには十分だったよう。
ゲリュオンは馬車から無数の槍を召喚しダンテに向けて撃ち込んだ。
「……ぐっ!?」
「ダンテーーーッ!」
ダンテは動きが元に戻って初めてその怪我に気がつく。
体の数ヶ所を槍が貫いていたのだ。
致命傷ではないがだらだらと血があふれ、あまり見た目がよろしくない。
ディーヴァに心配はかけたくない。
「かすり傷だ!気にすんな」
こうなりゃとっとと終わらせてやる。
ダンテは全身の魔力を集中して高めると、風を巻き起こしながら魔人化した。
「ったく、馬ヤローごときに本気出さなきゃなんねーとはな!!」
ダンテは装備をリベリオンからネヴァンに変えると、その背に現れた悪魔の翼で地を蹴った。
そこから高速でゲリュオンに近づき、左右の手のひらから白く発光する稲妻を放つ。
「サンダーボルトッ!」
直撃した稲妻により、ゲリュオンの巨体が宙を舞う。
そして空中には逃げ場がなく、ただ重力に従い落ちるのみ。
それを逃がすダンテではない。
ダンテは体に紫色のオーラをまとわせると、きりもみ回転をかけた体で渾身の体当たりを見舞った。
攻撃を受けたゲリュオンは地面に激突し倒れて動かない。
同じく地面に降り立ったダンテは一瞬にして魔人化を解いた。
終わったかと思い近づくと、ゆっくりとゲリュオンは立ち上がる。
「まだやる気か?」
突然おとなしくなってしまった。
意外と小さかった瞳にダンテを映しこみ、荒い呼吸を繰り返す。
そして間をおいてから盛大に倒れこんだ。
その体は直後に跡形もなく消える。
消えたのを確認したディーヴァが席からコロシアムの中へと出てきた。
ケルベロスはその手の中ですでに武器形態に戻っている。
「終わった……の?」
「みたいだぜ」
ゲリュオンは消えてしまったが、代わりにその場所には青白い光が煌めいていてダンテに向かってきた。
ケルベロスが武器になった時と同じで、悪魔の魂のようだ。
それはダンテの体に吸い込まれた。
「……力を貸してやる、とさ」
「そうなの?よかったね。……さて早くもどろうよ」
「ああ」
ホントはダンテの怪我を治そうと思ったが、魔人化した影響かすべて回復していた。
まったく便利な体である。
ディーヴァは小さくため息を吐いた。
と、戻っていく二人の頭上に岩が崩れ落ちてきた。
二人というかダンテの頭上に、だが。
「え?…きゃああ、危ないっ!」
このままではダンテの頭がパカッとなる。
ディーヴァが両手で口を覆い叫ぶのとダンテが上を向いて一睨みするのは同時だった。
ザ・●ールド!
いや……ここは、クイックシルバー、か。
周りの時間が止まる。
岩はダンテの数センチ上まで来ていたが、ギリギリでピタリと止まっていた。
……トン。
指で突いても落ちる気配はない。
ニヤリと笑うとそこを後にしようとするダンテ。
「ディーヴァ、今のうちに行く……ぞって、え!?」
振り向けば、ディーヴァの動きさえも止まっていた。
「…………」
しばしの沈黙ののち。
「ひゃっほう!こりゃいいな。触り放題覗き放題食い放題じゃねーか!」
この男、やっぱりだめである。
そんな考えしかないのか、ダンテよ。
「さぁて、どっから攻めようか」
ニマニマとイヤらしい笑みを浮かべ、ディーヴァの周りを手をワキワキさせながらウロウロ。
と、思ったところでその魔力が尽きたからか、時間が動き出す。
それと共につりあがるディーヴァの眉毛。
「聞ーこーえーてーたーよー」
「げぇ!」
時間は止まるが、見えているし聞こえているらしい。
ダンテ、残念だったな。
「どうどうどう!」
元々暴れ馬だったのが、ダンテが飛び乗ったことにより更に暴れ馬に進化する。
ダンテは暴れるゲリュオンをなだめるべく、力任せにリベリオンを叩き込んだ。
「おと……な、しくっ!してろ!!」
ダンテの強力な攻撃の前に、まるでウサギのように大きく跳ね飛ぶゲリュオン。
その衝撃でダンテも跳ね飛んだ。
ダンテはそのまま、今度は自分から降りて着地する。
ゲリュオンはそろそろ体力の限界だろう、証拠に息を荒くしている。
「さあて、そろそろフィニッシュと行こうぜ」
ダンテがリベリオンを振り上げるのと、それは同時だった。
ヒヒーン!
今までにないくらい激しくいなないたと思いきや、青い体青い炎とは似ても似つかない赤黒い球をいくつも周りに召喚し始めたのだ。
「なん……だ、こりゃ」
たゆたうそれは、ダンテの姿を認めるとゆっくりとした動きで追尾し出す。
何だかわからないが触らない方がよさそうだ。
「むやみやたらに触らない!
って小うるさい誰かさんに言い聞かされてるしな」
「聞こえてるよダンテ」
「げっ」
拡声器でも内蔵されているコロシアムなのか、こちらの呟きがもれていた。
ただし、ディーヴァ達の呟きも聞こえているようだ。
「ダンテ、それは時間球だ。触れれば時間が緩やかになり攻撃を受けやすくなる!気を付けろ」
「ありがとよ!」
ケルベロスによると、ゲリュオンは魔界で長い年月を過ごす内に時を操る力を身に付けたとのこと。
敵の動きを遅くし攻撃をしかける、そんなことを考えて戦うとは……。
「もしかしてダンテより頭いい?」
「おい!聞こえてるぜ!そんなこという悪い子にはあとでたっぷりお仕置きしないとだな!」
「そ、それは勘弁してよ~」
聞こえているのを忘れていた。
ダンテはいじわるく笑うと、目の前の時間球に向き直る。
上手く間をぬいながら、ゲリュオンへ距離を縮めていく。
だが、あと数個の時間球をよけようとした時だ。
ゲリュオンの放つ青い炎がダンテを襲い、続けざまにゲリュオン自身が横から突進してきた。
避けきれずダンテは否応なしに時間球に触れてしまった。
受けた感想としては、どうということない。
だが、周りから見ればダンテだけがスローモーションで動いて見えている。
完全に時を止めることはできなくとも、ちょこまかと動くダンテの動きを緩やかにするだけでゲリュオンには十分だったよう。
ゲリュオンは馬車から無数の槍を召喚しダンテに向けて撃ち込んだ。
「……ぐっ!?」
「ダンテーーーッ!」
ダンテは動きが元に戻って初めてその怪我に気がつく。
体の数ヶ所を槍が貫いていたのだ。
致命傷ではないがだらだらと血があふれ、あまり見た目がよろしくない。
ディーヴァに心配はかけたくない。
「かすり傷だ!気にすんな」
こうなりゃとっとと終わらせてやる。
ダンテは全身の魔力を集中して高めると、風を巻き起こしながら魔人化した。
「ったく、馬ヤローごときに本気出さなきゃなんねーとはな!!」
ダンテは装備をリベリオンからネヴァンに変えると、その背に現れた悪魔の翼で地を蹴った。
そこから高速でゲリュオンに近づき、左右の手のひらから白く発光する稲妻を放つ。
「サンダーボルトッ!」
直撃した稲妻により、ゲリュオンの巨体が宙を舞う。
そして空中には逃げ場がなく、ただ重力に従い落ちるのみ。
それを逃がすダンテではない。
ダンテは体に紫色のオーラをまとわせると、きりもみ回転をかけた体で渾身の体当たりを見舞った。
攻撃を受けたゲリュオンは地面に激突し倒れて動かない。
同じく地面に降り立ったダンテは一瞬にして魔人化を解いた。
終わったかと思い近づくと、ゆっくりとゲリュオンは立ち上がる。
「まだやる気か?」
突然おとなしくなってしまった。
意外と小さかった瞳にダンテを映しこみ、荒い呼吸を繰り返す。
そして間をおいてから盛大に倒れこんだ。
その体は直後に跡形もなく消える。
消えたのを確認したディーヴァが席からコロシアムの中へと出てきた。
ケルベロスはその手の中ですでに武器形態に戻っている。
「終わった……の?」
「みたいだぜ」
ゲリュオンは消えてしまったが、代わりにその場所には青白い光が煌めいていてダンテに向かってきた。
ケルベロスが武器になった時と同じで、悪魔の魂のようだ。
それはダンテの体に吸い込まれた。
「……力を貸してやる、とさ」
「そうなの?よかったね。……さて早くもどろうよ」
「ああ」
ホントはダンテの怪我を治そうと思ったが、魔人化した影響かすべて回復していた。
まったく便利な体である。
ディーヴァは小さくため息を吐いた。
と、戻っていく二人の頭上に岩が崩れ落ちてきた。
二人というかダンテの頭上に、だが。
「え?…きゃああ、危ないっ!」
このままではダンテの頭がパカッとなる。
ディーヴァが両手で口を覆い叫ぶのとダンテが上を向いて一睨みするのは同時だった。
ザ・●ールド!
いや……ここは、クイックシルバー、か。
周りの時間が止まる。
岩はダンテの数センチ上まで来ていたが、ギリギリでピタリと止まっていた。
……トン。
指で突いても落ちる気配はない。
ニヤリと笑うとそこを後にしようとするダンテ。
「ディーヴァ、今のうちに行く……ぞって、え!?」
振り向けば、ディーヴァの動きさえも止まっていた。
「…………」
しばしの沈黙ののち。
「ひゃっほう!こりゃいいな。触り放題覗き放題食い放題じゃねーか!」
この男、やっぱりだめである。
そんな考えしかないのか、ダンテよ。
「さぁて、どっから攻めようか」
ニマニマとイヤらしい笑みを浮かべ、ディーヴァの周りを手をワキワキさせながらウロウロ。
と、思ったところでその魔力が尽きたからか、時間が動き出す。
それと共につりあがるディーヴァの眉毛。
「聞ーこーえーてーたーよー」
「げぇ!」
時間は止まるが、見えているし聞こえているらしい。
ダンテ、残念だったな。