二周目 肆
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そのあとは、あれよあれよという間に、周りの人が煉獄家に荷車の上の買った荷物を届けてくれることになった。
お礼をしたいならと、カフェーでも行っといでということらしい。
んー、この時間なら千寿郎も帰っているだろうし受け取れる。任せちゃおっかな。ありがたく厚意を受け取り、蜜璃を連れて最近できたというカフェーへとお互い自己紹介しながら入る。……実はこのカフェー、一度入ってみたかったんだよね。ちょうど良かった!
ところがどっこい。蜜璃が注文した品は、一種類ひとつのみ。プリンアラモードを一皿だけって。蜜璃に限ってそんなまさか。
お礼だからお代はこっちもちだし遠慮してるのかな?
「それだけですか?お礼ですからもっと食べていいんですよ」
「いや、でも……」
「足ります?食べたければ、我慢することないと思うよ」
プリンアラモード一皿だけだし、お腹の虫がまだまだ鳴いてるのが聞こえてる。
尚も遠慮する彼女が少しでも頼みやすいようにと、私は好物を頼むことにした。好物なら私もたくさん食べられる。
「なら私はたくさん頼みますね。すみませーん!あいすくりんをとりあえず……捌皿ください!!
ほら、みつ……甘露寺さんも遠慮せず!」
「いいのかしら……。あの、ひかないで欲しいのだけれどね。私、あり得ないくらいたくさん食べるの。それでもいい?
今、本当にお腹がぺこぺこで……」
「いいよ。ひいたりなんてしない。
世の中にはね『いっぱい食べる君が好き』。なんて歌詞のある歌があるんだよ。
お腹に余裕もあって……食べられる状態なのに我慢するのってつらいよね。これでもお金は持ってる方だし気にしないでいいから、食べたいだけ食べてよ。ね?」
メニュー表をずいっと渡すと、蜜璃の目から涙が溢れた。こぼれるそれを、メニューで隠しているが、テーブルの上にぼたぼた落ちてて隠せてないよー。
「うう、煉獄さん〜〜〜!」
「ああごめん、煉獄さんって呼ばれ慣れてないから、朝緋って名前の方で呼んでくれると嬉しいな」
「朝緋、さん?」
「そーそー」
苗字で呼ばれることってなかなかないから、つい自分の苗字が杏寿郎さんと同じ「煉獄」であることを忘れがちだ。
恥ずかしいやら嬉しいやら。なんというか、胸のあたりがムズムズする!
その後の蜜璃は本当によく食べた。私のあいすくりん捌皿なんて、まだまだ少ない方だ。でもお腹はすっかり冷えた。気持ちいい冷たさ!
聞けば、今日はこの近くで見合いを終わらせたところだったようだ。なるほど、だから駒沢村近くにいたのか。
たくさん食べる性質も、力が強いことも隠し、髪色はなんと!黒に染めているという。あの桜餅色の髪、私は好きだけどなぁ。
料亭で出された食事もほんのちょっぴりしか食べなかったせいで、今はおかしなくらいお腹が空いていたと、そういうことらしい。
「前にお見合いした時は、髪色を嫌悪されたの。もしも子に遺伝したら恐ろしいって」
「んー。桜餅の食べ過ぎで変わったとか、かわいいと思う。桜餅色なんて素敵じゃない。今すぐその髪色を見たいくらいだよ」
あいすくりんを口に運びながら指摘する。
蜜璃の方も大変美味しいのか、ぱくぱくと食べ進めている。
うーん、ほんと気持ちいいほど食べている!これは料理人としては、作りがいがあるってものね。
褒めたら真っ赤に頬を染めていた。プリンの上のさくらんぼみたい。
「えっえっ、どうしよう。かわいいだなんて照れるわ……」
「でもほら、私の髪を見て?ところどころ黄色と朱色が混じってメッシュ……えっと、まだらになってておかしいよね。さっきの言いがかりおじさんにも、変な髪って言われたし」
「そんな!全然変なんかじゃないわ……!黄金色と朱色、まるで銀杏と紅葉みたいで素敵よ!私は好きだわ」
「ありがとう、嬉しい。
自分の髪色が一般的じゃないとわかってるけど、私もこの髪がとても好き。大好きな人とお揃いで私の誇りでもあるの」
「その人のこと、本当に好きなのね……きゅんきゅんするわぁ〜」
硝子に入るお冷の水。そこに映る私は恋する人の顔をしていた。
何かあるとすぐにきゅんきゅんする大変乙女らしい乙女、甘露寺蜜璃はそんな私の姿を見て、やはり心ときめかせていた。
「そういうところ、貴女は変わらないね」
「え?なぁに?」
「ううん」
やり直して変わったこともある。でも、変わらないものもある。
それがとても嬉しかった。
「力が強いのも、いっぱい食べるのも甘露寺さんなんでしょ。甘露寺さんはそのまま自然体でいるほうが魅力的だと思う。
それを否定してくる男なんてこっちから願い下げ。大体なによ熊やら猪としか結婚できないって失礼すぎる!嫌なやつの記憶なんか、落ち葉とまとめて一緒に焼いちゃえ。
もっといい人が必ずいるから。ね!?」
「そう?私のままでいていいのかしら……。本当に、認めてくれる殿方がどこかにいるのかしら?」
大丈夫、いるよ。断言する。
ふと思い浮かぶのは、ネチネチしてる蛇柱。
「私のままでいられる場所は、本当にあるのかなぁ。筋肉が異常に発達した、捌倍娘の私を認めてくれる場所なんて……」
鬼殺隊を勧めていいのか否か。判断がいまいちつかない。考えあぐねていると。
「居場所がほしい?ならば、鬼殺隊にはいってみてはどうだろうか!!」
お礼をしたいならと、カフェーでも行っといでということらしい。
んー、この時間なら千寿郎も帰っているだろうし受け取れる。任せちゃおっかな。ありがたく厚意を受け取り、蜜璃を連れて最近できたというカフェーへとお互い自己紹介しながら入る。……実はこのカフェー、一度入ってみたかったんだよね。ちょうど良かった!
ところがどっこい。蜜璃が注文した品は、一種類ひとつのみ。プリンアラモードを一皿だけって。蜜璃に限ってそんなまさか。
お礼だからお代はこっちもちだし遠慮してるのかな?
「それだけですか?お礼ですからもっと食べていいんですよ」
「いや、でも……」
「足ります?食べたければ、我慢することないと思うよ」
プリンアラモード一皿だけだし、お腹の虫がまだまだ鳴いてるのが聞こえてる。
尚も遠慮する彼女が少しでも頼みやすいようにと、私は好物を頼むことにした。好物なら私もたくさん食べられる。
「なら私はたくさん頼みますね。すみませーん!あいすくりんをとりあえず……捌皿ください!!
ほら、みつ……甘露寺さんも遠慮せず!」
「いいのかしら……。あの、ひかないで欲しいのだけれどね。私、あり得ないくらいたくさん食べるの。それでもいい?
今、本当にお腹がぺこぺこで……」
「いいよ。ひいたりなんてしない。
世の中にはね『いっぱい食べる君が好き』。なんて歌詞のある歌があるんだよ。
お腹に余裕もあって……食べられる状態なのに我慢するのってつらいよね。これでもお金は持ってる方だし気にしないでいいから、食べたいだけ食べてよ。ね?」
メニュー表をずいっと渡すと、蜜璃の目から涙が溢れた。こぼれるそれを、メニューで隠しているが、テーブルの上にぼたぼた落ちてて隠せてないよー。
「うう、煉獄さん〜〜〜!」
「ああごめん、煉獄さんって呼ばれ慣れてないから、朝緋って名前の方で呼んでくれると嬉しいな」
「朝緋、さん?」
「そーそー」
苗字で呼ばれることってなかなかないから、つい自分の苗字が杏寿郎さんと同じ「煉獄」であることを忘れがちだ。
恥ずかしいやら嬉しいやら。なんというか、胸のあたりがムズムズする!
その後の蜜璃は本当によく食べた。私のあいすくりん捌皿なんて、まだまだ少ない方だ。でもお腹はすっかり冷えた。気持ちいい冷たさ!
聞けば、今日はこの近くで見合いを終わらせたところだったようだ。なるほど、だから駒沢村近くにいたのか。
たくさん食べる性質も、力が強いことも隠し、髪色はなんと!黒に染めているという。あの桜餅色の髪、私は好きだけどなぁ。
料亭で出された食事もほんのちょっぴりしか食べなかったせいで、今はおかしなくらいお腹が空いていたと、そういうことらしい。
「前にお見合いした時は、髪色を嫌悪されたの。もしも子に遺伝したら恐ろしいって」
「んー。桜餅の食べ過ぎで変わったとか、かわいいと思う。桜餅色なんて素敵じゃない。今すぐその髪色を見たいくらいだよ」
あいすくりんを口に運びながら指摘する。
蜜璃の方も大変美味しいのか、ぱくぱくと食べ進めている。
うーん、ほんと気持ちいいほど食べている!これは料理人としては、作りがいがあるってものね。
褒めたら真っ赤に頬を染めていた。プリンの上のさくらんぼみたい。
「えっえっ、どうしよう。かわいいだなんて照れるわ……」
「でもほら、私の髪を見て?ところどころ黄色と朱色が混じってメッシュ……えっと、まだらになってておかしいよね。さっきの言いがかりおじさんにも、変な髪って言われたし」
「そんな!全然変なんかじゃないわ……!黄金色と朱色、まるで銀杏と紅葉みたいで素敵よ!私は好きだわ」
「ありがとう、嬉しい。
自分の髪色が一般的じゃないとわかってるけど、私もこの髪がとても好き。大好きな人とお揃いで私の誇りでもあるの」
「その人のこと、本当に好きなのね……きゅんきゅんするわぁ〜」
硝子に入るお冷の水。そこに映る私は恋する人の顔をしていた。
何かあるとすぐにきゅんきゅんする大変乙女らしい乙女、甘露寺蜜璃はそんな私の姿を見て、やはり心ときめかせていた。
「そういうところ、貴女は変わらないね」
「え?なぁに?」
「ううん」
やり直して変わったこともある。でも、変わらないものもある。
それがとても嬉しかった。
「力が強いのも、いっぱい食べるのも甘露寺さんなんでしょ。甘露寺さんはそのまま自然体でいるほうが魅力的だと思う。
それを否定してくる男なんてこっちから願い下げ。大体なによ熊やら猪としか結婚できないって失礼すぎる!嫌なやつの記憶なんか、落ち葉とまとめて一緒に焼いちゃえ。
もっといい人が必ずいるから。ね!?」
「そう?私のままでいていいのかしら……。本当に、認めてくれる殿方がどこかにいるのかしら?」
大丈夫、いるよ。断言する。
ふと思い浮かぶのは、ネチネチしてる蛇柱。
「私のままでいられる場所は、本当にあるのかなぁ。筋肉が異常に発達した、捌倍娘の私を認めてくれる場所なんて……」
鬼殺隊を勧めていいのか否か。判断がいまいちつかない。考えあぐねていると。
「居場所がほしい?ならば、鬼殺隊にはいってみてはどうだろうか!!」