五周目 伍
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周りの人に見つからないようこっそりと黒刀である俺の日輪刀を見せていたら、朝緋さんの薬指に光るものがはまっているのに気がついた。よく見たら煉獄さんの指にも同じものがはまっている。
「指輪……?されているんですね」
指摘すれば、二人同時に慌てて首にかけられていたらしい鎖に通していた。
「いけないいけない。首にかけるの忘れてた」
「俺もだ。なくしては大変だからな……少年!指摘感謝する!」
「いえ……。同じ石のもの……お揃いですね」
お揃いだと言えば、煉獄さんがこれ以上ないほど嬉しそうな顔をする。うっ、太陽のような眩しさ……!
「ああ!朝緋は俺の大切な妻だから指輪を贈った!!」
「まだ妻にはなってません」
「むっ!?婚前旅行まで行っておいてまだ夫婦になっていないなどと、そんなに否定せずともいいではないか。朝緋はほんにいけずな子だ……」
するぅり、意味深に朝緋さんの指をなぞっているのに気がついた。なんだろう、お二人の間に流れる空気を前にすると、心臓がうるさくなる。
伊之助にかかり切りだったはずの善逸が、婚前旅行と聞いて騒ぎ、こちらに詰め寄る。
「婚前旅行!何それ!?」
「ふむ。ハネムーン、と言ったか?語源や意味は知らぬが夫婦が旅行に行くことだ」
ハネムーン……初めて聞く単語だ。
「ええと、外国語で蜂蜜をハニー、月をムーンって言うんだけれど、つまり蜜月。二人きりで甘い時間を過ごすための旅行のことみたい。
実際のハネムーンは新婚旅行と言って、結婚してから行くらしいけどねー」
聞いていた善逸がぷるぷる震える。怒っている、ような匂い?
「善逸?どうしたんだ」
「蜜月だって!?アンタら破廉恥極まりないな!?
鬼殺隊は男女の出会いの場でも、出合茶屋でもねぇんだぞ!いい御身分だな柱ってのはよー!!柱と継子でいちゃいちゃかよキーッ羨ましいッ!!」
善逸は嫉妬で怒っているのか……すごい勢いだ。
「えっと、ごめんなさい??」
「俺達を破廉恥だと思う君の方こそ破廉恥だ!好いた者同士なら蜜月を過ごすのは当然だ!」
「まあ、一理あるよね。柱だろうと何だろうと、恋人同士なら仲良くしててもしょうがないよ。任務に支障が出なければ別に良い気がする」
柱だって人間だもんな。善逸、恋愛くらいは自由にしていいと俺も思うぞ。
「うむ!それにすでに俺と朝緋は男女の営みを散々経験済みだぞ少年!旅行時はまだ行為に及んでいなかったがな!!」
「!?そんな事まで教えちゃうんかい杏寿郎さん!いや師範!?」
ピャア!と顔を手で覆って恥じている。営み?行為??
「ア゛ーーーー!腹立つーーーー!!」
「善逸うるさいぞ!周りの人の迷惑だ!」
と思ったけれど、あれ?周りの人は全員寝ている……?眠りの妨げにならないならいいが。
「男女の営み、とはなんですか?」
「ああそれは」
復活した朝緋さんがシュバ!と俺の耳を塞ぎ、反対の手で煉獄さんの口を押さえた。
「純粋で無垢でまっさらな炭治郎に変なこと吹き込まないで!?炭治郎も聞かなくていい!耳が腐る!!」
けれど違うところから教わることができた。
「交尾のことだろ?春になると雄と雌がそこかしこで励んでるじゃねぇか」
「ぎゃーー!伊之助ぇー!やだー!!」
こっ、交尾!?さすがにそれは俺にもわかる。
「そうだな!俺も春に猫のを見かけたが凄かった!前にな、同じように後ろから朝緋の首を噛んでだな……」
ヒソ、と小さい声で言っているけど、朝緋さんにも聞こえる距離です……。
「やだやめて!ほんとにやめてください!!」
朝緋さんが泣きそうだ。
「男の俺は楽しいですけどね、朝緋さんがかわいそうだからやめてあげて下さいよ煉獄さん」
「黄色い少年……そうか、そうだな!」
わははと笑い飛ばしている。善逸が言わなかったらまだ続いていたんだろうなあ……少し聞きたいような気もする。
「あああ穴があったら入りたい〜もうやだこの人達……ねえ消えて良い?私消えて良い?」
「消えないでください朝緋さん!」
「善逸、君は良い子だねぇ。飴ちゃんあげる」
善逸に飴を渡す朝緋さんは、座席に突っ伏して本当に涙ほろりだ。あの時のことを謝罪した方がいいかもな。
「だから初めて会った時にあんな匂いがしていたんですね。気が付かずに煉獄さんと同じ匂いだとか、甘くて潮っぽい匂いが、だなんて言ってすみませんでした」
「ぐふっ!?」
「ブッ!」
え?余計に突っ伏した!?煉獄さんが笑ってる?
「……お前も何気に酷いよな、炭治郎」
「ええっ」
「たんじろぉ……素直なのは良いけど理解したならそれを改めて言うのやめて……鬼退治の前なのに、私使い物にならなくなっちゃうよ」
「す、すみません?」
地の底から這い出るような声。何か、とどめを刺してしまったようだった。
「いいではないか!好いた者同士、同じ匂いだなんて嬉しいぞ!!」
「んもうっ!元はといえば師範のせいなんですからねっ」
バシバシバシバシ!!
「はっはっはっ!痛いぞ朝緋!!」
復活した朝緋さんに叩かれる煉獄さんは、それはもう、とても幸せそうだった。
朝緋さんもぷりぷりと怒りつつ煉獄さんのことが心底好きみたいだし、幸せそうで何よりだ。
「指輪……?されているんですね」
指摘すれば、二人同時に慌てて首にかけられていたらしい鎖に通していた。
「いけないいけない。首にかけるの忘れてた」
「俺もだ。なくしては大変だからな……少年!指摘感謝する!」
「いえ……。同じ石のもの……お揃いですね」
お揃いだと言えば、煉獄さんがこれ以上ないほど嬉しそうな顔をする。うっ、太陽のような眩しさ……!
「ああ!朝緋は俺の大切な妻だから指輪を贈った!!」
「まだ妻にはなってません」
「むっ!?婚前旅行まで行っておいてまだ夫婦になっていないなどと、そんなに否定せずともいいではないか。朝緋はほんにいけずな子だ……」
するぅり、意味深に朝緋さんの指をなぞっているのに気がついた。なんだろう、お二人の間に流れる空気を前にすると、心臓がうるさくなる。
伊之助にかかり切りだったはずの善逸が、婚前旅行と聞いて騒ぎ、こちらに詰め寄る。
「婚前旅行!何それ!?」
「ふむ。ハネムーン、と言ったか?語源や意味は知らぬが夫婦が旅行に行くことだ」
ハネムーン……初めて聞く単語だ。
「ええと、外国語で蜂蜜をハニー、月をムーンって言うんだけれど、つまり蜜月。二人きりで甘い時間を過ごすための旅行のことみたい。
実際のハネムーンは新婚旅行と言って、結婚してから行くらしいけどねー」
聞いていた善逸がぷるぷる震える。怒っている、ような匂い?
「善逸?どうしたんだ」
「蜜月だって!?アンタら破廉恥極まりないな!?
鬼殺隊は男女の出会いの場でも、出合茶屋でもねぇんだぞ!いい御身分だな柱ってのはよー!!柱と継子でいちゃいちゃかよキーッ羨ましいッ!!」
善逸は嫉妬で怒っているのか……すごい勢いだ。
「えっと、ごめんなさい??」
「俺達を破廉恥だと思う君の方こそ破廉恥だ!好いた者同士なら蜜月を過ごすのは当然だ!」
「まあ、一理あるよね。柱だろうと何だろうと、恋人同士なら仲良くしててもしょうがないよ。任務に支障が出なければ別に良い気がする」
柱だって人間だもんな。善逸、恋愛くらいは自由にしていいと俺も思うぞ。
「うむ!それにすでに俺と朝緋は男女の営みを散々経験済みだぞ少年!旅行時はまだ行為に及んでいなかったがな!!」
「!?そんな事まで教えちゃうんかい杏寿郎さん!いや師範!?」
ピャア!と顔を手で覆って恥じている。営み?行為??
「ア゛ーーーー!腹立つーーーー!!」
「善逸うるさいぞ!周りの人の迷惑だ!」
と思ったけれど、あれ?周りの人は全員寝ている……?眠りの妨げにならないならいいが。
「男女の営み、とはなんですか?」
「ああそれは」
復活した朝緋さんがシュバ!と俺の耳を塞ぎ、反対の手で煉獄さんの口を押さえた。
「純粋で無垢でまっさらな炭治郎に変なこと吹き込まないで!?炭治郎も聞かなくていい!耳が腐る!!」
けれど違うところから教わることができた。
「交尾のことだろ?春になると雄と雌がそこかしこで励んでるじゃねぇか」
「ぎゃーー!伊之助ぇー!やだー!!」
こっ、交尾!?さすがにそれは俺にもわかる。
「そうだな!俺も春に猫のを見かけたが凄かった!前にな、同じように後ろから朝緋の首を噛んでだな……」
ヒソ、と小さい声で言っているけど、朝緋さんにも聞こえる距離です……。
「やだやめて!ほんとにやめてください!!」
朝緋さんが泣きそうだ。
「男の俺は楽しいですけどね、朝緋さんがかわいそうだからやめてあげて下さいよ煉獄さん」
「黄色い少年……そうか、そうだな!」
わははと笑い飛ばしている。善逸が言わなかったらまだ続いていたんだろうなあ……少し聞きたいような気もする。
「あああ穴があったら入りたい〜もうやだこの人達……ねえ消えて良い?私消えて良い?」
「消えないでください朝緋さん!」
「善逸、君は良い子だねぇ。飴ちゃんあげる」
善逸に飴を渡す朝緋さんは、座席に突っ伏して本当に涙ほろりだ。あの時のことを謝罪した方がいいかもな。
「だから初めて会った時にあんな匂いがしていたんですね。気が付かずに煉獄さんと同じ匂いだとか、甘くて潮っぽい匂いが、だなんて言ってすみませんでした」
「ぐふっ!?」
「ブッ!」
え?余計に突っ伏した!?煉獄さんが笑ってる?
「……お前も何気に酷いよな、炭治郎」
「ええっ」
「たんじろぉ……素直なのは良いけど理解したならそれを改めて言うのやめて……鬼退治の前なのに、私使い物にならなくなっちゃうよ」
「す、すみません?」
地の底から這い出るような声。何か、とどめを刺してしまったようだった。
「いいではないか!好いた者同士、同じ匂いだなんて嬉しいぞ!!」
「んもうっ!元はといえば師範のせいなんですからねっ」
バシバシバシバシ!!
「はっはっはっ!痛いぞ朝緋!!」
復活した朝緋さんに叩かれる煉獄さんは、それはもう、とても幸せそうだった。
朝緋さんもぷりぷりと怒りつつ煉獄さんのことが心底好きみたいだし、幸せそうで何よりだ。