五周目 壱
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鍛錬をする場所や水を汲む場所など各所を案内され、最後に狭霧山に登った。思った通り頂上は空気がとてつもなく薄い。
霧も出ていて、麓の家が全く見えない。なんならすぐそばにいる鱗滝さんの姿も輪郭が見える程度。
「その歳で常中ができているとはな」
「物心向いた頃には訓練しておりましたので」
「なるほどな。いかなる時でも、常中だけは途切れさせないようにしなさい。鬼殺の中では常中の有無が命運を分ける。返事ははいだけだ」
「はい!」
「そして水の呼吸は炎の呼吸とは全く違う。
その呼吸の仕方も、心の持ちようも、鍛錬も、何もかもだ。炎の呼吸を捨てろとは言わん。頭の片隅に押しやって、自分のことを呼吸法を知らぬ初心者だと思って心してかかれ」
相手の攻撃を利用して此方も攻撃に転ずることができる受け身の型。どんな形にもなれる水を想像し、肩の力を抜いて刃を振るい、流れるような動きを生み出す。それが水の呼吸なのだという。
確かに、攻撃型である炎の呼吸とは真逆で難しそうだ。
そうして唐突に始まる低酸素トレーニング。
罠が張られたその山からの下山だ。言い終えた後、一瞬にして鱗滝さんが消えた。ひと足先に下りていることだろう。
麓の家まで下りてこい、か。基本はこの修行での体力作りが主だったものらしい。そこに他の鍛錬が入る感じ。
時間帯こそずれているけれど、これは錆兎達もやっている修行とのこと。腕が鳴るね。
石や丸太が飛んできたのは、山を下りだした瞬間だった。避ければ今度は、着地点に掘られた落とし穴。上手く作られている。
落ちそうになって、でも穴の縁を掴んで耐える。
「本当に罠がめちゃくちゃたくさん張ってある……」
周りをぐるりと見渡せば、数歩単位での罠地獄。避け切れるとは思うけど、これだけの罠を張る方が大変そうだな、なんて思ってしまった。だってこれ、罠のパターンを覚えられないように、毎回少しずつ違うところに張り直してるでしょ。罠をほじくり返した痕跡があるもの。
「悪いけど、そうそう罠になんてかかってあげないんだから!」
水の呼吸の仕方を思い出す。足に人魚の鰭がついている感覚をイメージし、罠と罠の間を水流の動きで避けながら下り始めた。
しかし、それは長くは続かない。
ウッ、空気薄いから肺にも頭にも負担がかかる!キツい……!まるで高山病だ。
常中で空気を溜め込んでも酸素自体が少ないから疲労度も半端ない。なるほどね、あまりにも早く下りようとするだけで苦しさが増していくわけか。
「呼吸を激流の動きから緩やかな流れに換えた方が良さそ……、ああっ!?」
罠の張り方が変わった。
とうとう引っかかった私めがけて飛んできたのは刃物の類い。咄嗟に避けたことでその全てが木に刺さって終わる。
暗闇の霧の中でもきらりと光る刃が恐ろしい!
「ひぃぃ、これあと少し遅かったら、私の体は刃物で穴だらけよね!?」
それを皮切りに次々かかり出す罠、罠、罠。
「ぎゃっ!落とし穴に設置してあるのが鋭い竹や包丁!?そんな、漫画じゃあるまいし!いや、そんなことよりも……」
頂上付近より格段に罠の難易度が上がっている!殺す気か!!
おぬしは強そうだから初めからすべての罠を取り入れておいた。って鱗滝さんが付け足していた意味がようやくわかった。
罠をフルで発動しなくていいのに。もうこれ、絶対殺すマンでしょ。
炭治郎はこれを修行の一環として経験したのか。それも最後までやり遂げ、鱗滝ブートキャンプに着いていけたということなのね。そりゃ強くなるわけだよ。
ぜいぜいしながらも下り切ったあと、今度は素振りの時間だった。といっても素振りなら普段から慣れている私には大した苦にはならず、その後の勉強だってすぐにおわり、正直に言うと全員が食べる食事の準備が一番大変だった。
お風呂や洗濯も私が一番の新参者だからと回してもらってしまい、余計にてんてこまい。
朝から夜中までくたくたで、私は短時間の中でしっかり熟睡する方法を取得してしまった。
下山が楽にこなせるようになってからは、刀を持った状態で下りるよう指示された。刀を邪魔だなんて思ったことはないけど、この体の小ささと、空気の薄さと罠の中では結構大変で。
それにより何度か血を流す羽目にもなった。傷を負うとは、なんと不甲斐ない。
私は稀血なのだから、怪我をしてはいけないというに。
ついでに、この薄い空気の中山に現れた動物はしとめた。ただでは帰らなぁい!
お土産つきとは、さすが私……食い意地張ってるよね!!
刀をお借りするようになったからわかると思うけど、真剣での素振りも修行内容に追加された。刀身を折ったらこちらの骨を折ると脅された……こわい。
けど、私を誰とお思いで?何度も自分の日輪刀と過ごしてきた隊士経験者やぞ。刀の扱いはお手のものの猛者やぞ。
ただ、いいのかな?とは思う。
こんな歳から真剣だなんて。槇寿朗さんだったら絶対許してくれないよ。危ないから駄目だーって。
受け身と起き上がりの訓練も追加されたし、滝行、そして水と一体化ということで、崖の上から滝壺に真っ逆さまに落とされる修行もした。水中で長時間息を止める訓練もね……。
風邪ひきそうだな、と思っていたけれど逆に体が強化された感じがする。風邪なんかひかなくなっちゃうね。
そして最後に言い渡された修行は、真剣同士での打ち稽古だった。
「えっ、……打ち稽古をするには早くないですか?まだ私弱いですよ。体力もそんなについてないです」
「妥当だ。早くはない。朝緋のどこを見たら弱いになるのか、体力がないのかもわからん。謙遜をするな」
「いやそんな謙遜してるわけじゃ……。だいたい、なんで真剣同士……?」
鱗滝さんは打ち稽古の時素手だったって、炭治郎は言ってたのに!!なんできらりと光る刀がその手にあるのさ。せめて木刀にして!
その刃で怪我をさせられることはなかったけれど、かなりギリギリのところを攻められた。
上手く攻防を重ねながら、無駄な動きのない洗練された剣術。水の呼吸を学んでいく。
漸くわかった。この動きを直に見せたかったわけか。皮一枚スレスレ状態で相手取りながらも見取り稽古しろと、そういうことね。
そうして疲れ切っていつものように地面に倒れ伏し、礼の言葉を述べる。
「ありがとう……ございましたあ……」
ん?鱗滝さんが珍しくも、それを上から覗き込んできた。なんだろう、まだ何かあるのかな。もう刃をさばききれないよ……。
「水の呼吸を用いて儂から一本取れたな。これで儂が教えることは無くなった」
「ぇ……、えぇっ!?」
確かに今、ようやっと一本取れたけどさ!偶然みたいなものだったのに。なのに、もう教えることがない!?そんなまさか!
「ちょ、待ってください……っ!」
「いいや待たん。おぬしなら大丈夫だ。
あとはしばらく錆兎と義勇、真菰と打ち稽古に専念していなさい。相手を鬼と思い戦えば、お互いいい修行になるはずだ。基礎は忘れるな」
言葉を返す暇なく、去る鱗滝さん。こうして、鱗滝さんから受ける数ヶ月の修行が終わりを告げた。
残りはあの三人と……?数ヶ月ともに過ごしているし仲もいいけれど、今の今まで修行内容も時間も異なり、私は私。三人は三人での修行だった。
稽古についてはほぼ初対面なのに。
でも、さすがは打ち稽古。刃を交えれば分かり合えるとはよくいったもので。
共に修行する前よりもさらに仲良くなることができた。まあ、私と錆兎達は杏寿郎さんと同じくらい歳が離れているからか、妹分扱いは変わらないけども。
「男ならば!これくらい受け切ってみせろ!!」
「わああああ!?」
バシィィィン!!
「あ、口癖と共にまた錆兎が義勇に打ち込んでる。容赦ないねえ」
「容赦ないよねえ。この前は自分が姉の代わりに死ねばよかったって、泣き言を言って散々怒られてたよ」
「ちょっぴり気弱なところあるみたいだもんね。それを錆兎が叱咤激励して引き上げる感じか……」
錆兎は杏寿郎さんとどこか似ている。だからといって、好きになったりはしない。ただ、かっこいいとは思う。
「朝緋は人を分析してる場合かな?」
そう言われ、真菰の方を見る。こっちはこっちで打ち稽古中なのをすっかり忘れていた。
真菰が打ち出した連続の突きを刃の回転で絡めとるようにして防ぐ。
真菰のこれは漆ノ型・雫波紋突き、かな。私のこれは水の呼吸でなく、つい使ってしまった炎の呼吸、肆ノ型・盛炎のうねりである。
水の呼吸を学びに来ているのに、気を抜くとすーぐ炎の呼吸を使ってしまう……。
「なかなかやるね。その内私の速さも朝緋に追い抜かされちゃいそう!」
「ご冗談を!」
「冗談なんかじゃ、ないよっ!でもこれならどうっ!?水の呼吸、壱ノ型・水面斬り!!」
「う、わーー!?」
真菰の水面斬り速すぎる!!
水の呼吸の走りはもともと速い。それは炎の呼吸独特の煙を巻き上げて爆走するようなものでなく、うねる激流のような捉え難い速さだ。
そして真菰はその中でも特別速い。小柄だからか、その攻撃力は低いのだけれどちょこまかとこちらを翻弄してくる動きで、軽やかに跳ねて飛んで攻撃を仕掛けてくる。
何度やられたことか。
霧も出ていて、麓の家が全く見えない。なんならすぐそばにいる鱗滝さんの姿も輪郭が見える程度。
「その歳で常中ができているとはな」
「物心向いた頃には訓練しておりましたので」
「なるほどな。いかなる時でも、常中だけは途切れさせないようにしなさい。鬼殺の中では常中の有無が命運を分ける。返事ははいだけだ」
「はい!」
「そして水の呼吸は炎の呼吸とは全く違う。
その呼吸の仕方も、心の持ちようも、鍛錬も、何もかもだ。炎の呼吸を捨てろとは言わん。頭の片隅に押しやって、自分のことを呼吸法を知らぬ初心者だと思って心してかかれ」
相手の攻撃を利用して此方も攻撃に転ずることができる受け身の型。どんな形にもなれる水を想像し、肩の力を抜いて刃を振るい、流れるような動きを生み出す。それが水の呼吸なのだという。
確かに、攻撃型である炎の呼吸とは真逆で難しそうだ。
そうして唐突に始まる低酸素トレーニング。
罠が張られたその山からの下山だ。言い終えた後、一瞬にして鱗滝さんが消えた。ひと足先に下りていることだろう。
麓の家まで下りてこい、か。基本はこの修行での体力作りが主だったものらしい。そこに他の鍛錬が入る感じ。
時間帯こそずれているけれど、これは錆兎達もやっている修行とのこと。腕が鳴るね。
石や丸太が飛んできたのは、山を下りだした瞬間だった。避ければ今度は、着地点に掘られた落とし穴。上手く作られている。
落ちそうになって、でも穴の縁を掴んで耐える。
「本当に罠がめちゃくちゃたくさん張ってある……」
周りをぐるりと見渡せば、数歩単位での罠地獄。避け切れるとは思うけど、これだけの罠を張る方が大変そうだな、なんて思ってしまった。だってこれ、罠のパターンを覚えられないように、毎回少しずつ違うところに張り直してるでしょ。罠をほじくり返した痕跡があるもの。
「悪いけど、そうそう罠になんてかかってあげないんだから!」
水の呼吸の仕方を思い出す。足に人魚の鰭がついている感覚をイメージし、罠と罠の間を水流の動きで避けながら下り始めた。
しかし、それは長くは続かない。
ウッ、空気薄いから肺にも頭にも負担がかかる!キツい……!まるで高山病だ。
常中で空気を溜め込んでも酸素自体が少ないから疲労度も半端ない。なるほどね、あまりにも早く下りようとするだけで苦しさが増していくわけか。
「呼吸を激流の動きから緩やかな流れに換えた方が良さそ……、ああっ!?」
罠の張り方が変わった。
とうとう引っかかった私めがけて飛んできたのは刃物の類い。咄嗟に避けたことでその全てが木に刺さって終わる。
暗闇の霧の中でもきらりと光る刃が恐ろしい!
「ひぃぃ、これあと少し遅かったら、私の体は刃物で穴だらけよね!?」
それを皮切りに次々かかり出す罠、罠、罠。
「ぎゃっ!落とし穴に設置してあるのが鋭い竹や包丁!?そんな、漫画じゃあるまいし!いや、そんなことよりも……」
頂上付近より格段に罠の難易度が上がっている!殺す気か!!
おぬしは強そうだから初めからすべての罠を取り入れておいた。って鱗滝さんが付け足していた意味がようやくわかった。
罠をフルで発動しなくていいのに。もうこれ、絶対殺すマンでしょ。
炭治郎はこれを修行の一環として経験したのか。それも最後までやり遂げ、鱗滝ブートキャンプに着いていけたということなのね。そりゃ強くなるわけだよ。
ぜいぜいしながらも下り切ったあと、今度は素振りの時間だった。といっても素振りなら普段から慣れている私には大した苦にはならず、その後の勉強だってすぐにおわり、正直に言うと全員が食べる食事の準備が一番大変だった。
お風呂や洗濯も私が一番の新参者だからと回してもらってしまい、余計にてんてこまい。
朝から夜中までくたくたで、私は短時間の中でしっかり熟睡する方法を取得してしまった。
下山が楽にこなせるようになってからは、刀を持った状態で下りるよう指示された。刀を邪魔だなんて思ったことはないけど、この体の小ささと、空気の薄さと罠の中では結構大変で。
それにより何度か血を流す羽目にもなった。傷を負うとは、なんと不甲斐ない。
私は稀血なのだから、怪我をしてはいけないというに。
ついでに、この薄い空気の中山に現れた動物はしとめた。ただでは帰らなぁい!
お土産つきとは、さすが私……食い意地張ってるよね!!
刀をお借りするようになったからわかると思うけど、真剣での素振りも修行内容に追加された。刀身を折ったらこちらの骨を折ると脅された……こわい。
けど、私を誰とお思いで?何度も自分の日輪刀と過ごしてきた隊士経験者やぞ。刀の扱いはお手のものの猛者やぞ。
ただ、いいのかな?とは思う。
こんな歳から真剣だなんて。槇寿朗さんだったら絶対許してくれないよ。危ないから駄目だーって。
受け身と起き上がりの訓練も追加されたし、滝行、そして水と一体化ということで、崖の上から滝壺に真っ逆さまに落とされる修行もした。水中で長時間息を止める訓練もね……。
風邪ひきそうだな、と思っていたけれど逆に体が強化された感じがする。風邪なんかひかなくなっちゃうね。
そして最後に言い渡された修行は、真剣同士での打ち稽古だった。
「えっ、……打ち稽古をするには早くないですか?まだ私弱いですよ。体力もそんなについてないです」
「妥当だ。早くはない。朝緋のどこを見たら弱いになるのか、体力がないのかもわからん。謙遜をするな」
「いやそんな謙遜してるわけじゃ……。だいたい、なんで真剣同士……?」
鱗滝さんは打ち稽古の時素手だったって、炭治郎は言ってたのに!!なんできらりと光る刀がその手にあるのさ。せめて木刀にして!
その刃で怪我をさせられることはなかったけれど、かなりギリギリのところを攻められた。
上手く攻防を重ねながら、無駄な動きのない洗練された剣術。水の呼吸を学んでいく。
漸くわかった。この動きを直に見せたかったわけか。皮一枚スレスレ状態で相手取りながらも見取り稽古しろと、そういうことね。
そうして疲れ切っていつものように地面に倒れ伏し、礼の言葉を述べる。
「ありがとう……ございましたあ……」
ん?鱗滝さんが珍しくも、それを上から覗き込んできた。なんだろう、まだ何かあるのかな。もう刃をさばききれないよ……。
「水の呼吸を用いて儂から一本取れたな。これで儂が教えることは無くなった」
「ぇ……、えぇっ!?」
確かに今、ようやっと一本取れたけどさ!偶然みたいなものだったのに。なのに、もう教えることがない!?そんなまさか!
「ちょ、待ってください……っ!」
「いいや待たん。おぬしなら大丈夫だ。
あとはしばらく錆兎と義勇、真菰と打ち稽古に専念していなさい。相手を鬼と思い戦えば、お互いいい修行になるはずだ。基礎は忘れるな」
言葉を返す暇なく、去る鱗滝さん。こうして、鱗滝さんから受ける数ヶ月の修行が終わりを告げた。
残りはあの三人と……?数ヶ月ともに過ごしているし仲もいいけれど、今の今まで修行内容も時間も異なり、私は私。三人は三人での修行だった。
稽古についてはほぼ初対面なのに。
でも、さすがは打ち稽古。刃を交えれば分かり合えるとはよくいったもので。
共に修行する前よりもさらに仲良くなることができた。まあ、私と錆兎達は杏寿郎さんと同じくらい歳が離れているからか、妹分扱いは変わらないけども。
「男ならば!これくらい受け切ってみせろ!!」
「わああああ!?」
バシィィィン!!
「あ、口癖と共にまた錆兎が義勇に打ち込んでる。容赦ないねえ」
「容赦ないよねえ。この前は自分が姉の代わりに死ねばよかったって、泣き言を言って散々怒られてたよ」
「ちょっぴり気弱なところあるみたいだもんね。それを錆兎が叱咤激励して引き上げる感じか……」
錆兎は杏寿郎さんとどこか似ている。だからといって、好きになったりはしない。ただ、かっこいいとは思う。
「朝緋は人を分析してる場合かな?」
そう言われ、真菰の方を見る。こっちはこっちで打ち稽古中なのをすっかり忘れていた。
真菰が打ち出した連続の突きを刃の回転で絡めとるようにして防ぐ。
真菰のこれは漆ノ型・雫波紋突き、かな。私のこれは水の呼吸でなく、つい使ってしまった炎の呼吸、肆ノ型・盛炎のうねりである。
水の呼吸を学びに来ているのに、気を抜くとすーぐ炎の呼吸を使ってしまう……。
「なかなかやるね。その内私の速さも朝緋に追い抜かされちゃいそう!」
「ご冗談を!」
「冗談なんかじゃ、ないよっ!でもこれならどうっ!?水の呼吸、壱ノ型・水面斬り!!」
「う、わーー!?」
真菰の水面斬り速すぎる!!
水の呼吸の走りはもともと速い。それは炎の呼吸独特の煙を巻き上げて爆走するようなものでなく、うねる激流のような捉え難い速さだ。
そして真菰はその中でも特別速い。小柄だからか、その攻撃力は低いのだけれどちょこまかとこちらを翻弄してくる動きで、軽やかに跳ねて飛んで攻撃を仕掛けてくる。
何度やられたことか。