四周目 陸
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
柱合会議への私の参加が許された。
でも御館様や杏寿郎さんが許そうとも、一部の柱達はいい顔をしないかもしれない。
……好感度によったりして?いやそんな、明槻がやってたゲームじゃあるまいし、ハートのゲージはないだろうけど。
いつもは我先にという感じに、早めに本部へと到着する杏寿郎さん。今回は他の柱が、ひぃふぅみぃ……えっと、不死川さん以外が揃ってる状態での到着だった。
要達が御館様のところに行ってー、それからお返事持って帰ってきてー、という時までずっとお風呂で私のことを貪ってたからだよ。
おかげさまで、朝ご飯はゆっくり食べられなかった。恨む。
「やぁ!ほぼ揃っているな!」
「煉獄!いつも早いお前が珍しいな。お前が一番先に来てると思、……朝緋?」
杏寿郎さんの後ろにいる私に、宇髄さんがいち早く気がついた。
気がつかれた以上、挨拶しなくては失礼だ。
「こんにちは。すみません私もいるんです……」
一般隊士なので、今回もまた隠に連れられてやってきたのだけれど、その際また隠の男性を睨んだ杏寿郎さんは、隠と別れた後の私から片時も離れない。後ろについていろと言って聞かなかった。断ったら手を繋いで隣に並ばせられるやつぅ……!
「うむ!俺の継子もいる!会議には参加しないがな!!」
「へー。おっかねぇ柱勢揃いの柱合会議にくっついて来たいほど、煉獄と一緒にいたいってことか?」
「んー。そういう理由ではないんですけどねぇ……」
頬をポリポリ掻いて返答する私に、大きな影がかかる。悲鳴嶼さんだった。
「煉獄。継子とはいえなぜ一般の隊士がここにいる。会議では柱以外に聞かせるべきでない話もすると思うのだが。御館様から許可はいただいているのか」
びくっ。怒気強めの言葉を前に、つい震えてしまう。ジャリジャリと数珠を鳴らし、私の顔をぬぅと覗き込みながらそんな話をされると少しだけ怖い。
その高い上背と、威圧してきた時の空気が怖いと思ってしまってね。普段はね?怖くなくむしろ頼もしいんだけどね?
今いる柱一番の古参で、一番力が強くて、一番怒らせてはいけない人だから。普段優しいからこそ、絶対に。絶対に怒らせてはいけない。
『前』の時はともかくとして、『今回』はあまり交流がなかったのも大きいかも。
「はい!御館様には許可をいただいています!」
それなのに、元気いっぱいに返事できてしまう杏寿郎さんはすごい……。あ、杏寿郎さんも柱だから当然だった。
「ならいいが。
……何もしないから、借りてきた猫のようにそう怖がらなくともよい」
ぽんぽん。悲鳴嶼さんが頭を撫でてくれた。ほんと猫みたいな扱いだけど、彼は猫が好きなんだもんね。
悲鳴嶼さんの世界は今日もお猫様で回っている……とか?想像したらかわいい。
「でしょう!俺だけが飼うことを許された猫です!!」
「……継子だろう?」
しかし杏寿郎さんのズレた言葉には怪訝な顔をされた。
悲鳴嶼さんは『猫のようだ』って言ってるだけで、猫そのものとは言ってないよ?もうやめて恥ずかしい。
その時、ドフッと体にものすごい衝撃が。
痛みはなく、むしろもっちりと柔らかで。むむむ!?この背中にあたる感触はよく知ってるぞ?
「朝緋ちゃーん!」
「あ、やっぱり蜜璃ちゃんだ」
やった!当たった!これぞ蜜璃の胸の感触!!
きゃいきゃいお話していると、後ろから柔らかく優しい声。
「私もいますよー」
「しのぶちゃんも!久しぶり!」
「ええ。久しぶりですね」
蜜璃とはたまに任務が重なるせいか久しぶりという感覚はないものの、しのぶとは任務も重ならず、私も大した怪我をしないから蝶屋敷には行かなくてね……何より、私が蝶屋敷に行ったタイミングでしのぶがいないことが多くて会っていなかった。
柱は多忙、を一番体現している人。それが蟲柱・胡蝶しのぶだ。
女三人寄れば姦しいとはよく言ったもので、杏寿郎さんは私達が会話する様子を微笑ましく見ていた。
あ、姦しいと言っても、やかましい、騒々しいという意味よりも、賑やかで華やかな雰囲気を想像して欲しい。
ついでに伊黒さんも木の上から微笑ましく見ている。多分、蜜璃を見守ってるんだろうね。蜜璃が幸せであれば、私が柱合会議にいようと気にしてこない人だ。まあ、あとでネチネチ言われるだろうけど。
それはそうと下に降りようよ……。
ところで、冨岡さんは相変わらずこの輪の中にも入らず、少し遠くで一人スンッとしているようだった。
あ、杏寿郎さんが声をかけに行った。口の端の動きでわかる。冨岡さん嬉しそう。けど杏寿郎さんがぐいぐい行きすぎて、途中から迷惑そうな顔に……。
貴方達、足して二で割った方がいいよ。
時透君も似たり寄ったりで。でも、こちらは話しかけに行った杏寿郎さんの言葉にも迷惑そうにしていない。ただ、ぼーっとお空を見上げていた。
何か飛んでるの?空に何が……?
あ、すごく綺麗な青空にソフトクリームみたいな雲がぽわんと浮かんでいる。トッピングにチョコレートソースやアーモンドスライス、たくさんのフルーツを乗せて食べたら美味しそう。
この時代にもおっきなパフェを提供してくれるようなフルーツパーラーが欲しい。
自分で作れ?そうだね作ろう。
昨日の夜から疲れているから、甘いものはこの身にすごく沁みるだろうな……遠い目になってしまう。
そんな時に、宇髄さんがにやにやしながら聞いてきた。
「なんか煉獄、顔ツヤツヤしてねぇ?そんで朝緋、お前は反対に生気を吸い尽くされたような顔してるな。……お前ら、もしかして時間ギリギリまでナニかしてた?」
「!?」
ウアアアアアーー!!
顔!顔から炎の呼吸が出そう!!炎の呼吸どころか、頭から湯気出そう!!
「宇髄!君は朝緋の名を呼び捨てにするだけでは飽き足らず!そんなニヤついた顔してまぐわっていたかなどと聞かないでくれるか!?朝緋が恥ずかしがっている!!」
「お前のが恥ずかしいだろ」
あああ声がほんと大きすぎるよやめて杏寿郎さん……泣きたい。消えてしまいたい……。
柱が怖いなどという普通の隊士が抱くそんな理由ではなく、恥ずかしさからここに来たことを後悔した。
それからしばらくして、隠によって炭治郎が連れてこられるその時まで、私の顔は茹蛸のように赤く、そして熱いままだった。
あんな変な話を聞かれた以上、もう、まっすぐ他の柱の顔は見れない。話を振った宇髄さん、そしてとんでもない返答をした杏寿郎さん……恨むよ。
杏寿郎さん!今夜のおかずはないと思え!!
でも御館様や杏寿郎さんが許そうとも、一部の柱達はいい顔をしないかもしれない。
……好感度によったりして?いやそんな、明槻がやってたゲームじゃあるまいし、ハートのゲージはないだろうけど。
いつもは我先にという感じに、早めに本部へと到着する杏寿郎さん。今回は他の柱が、ひぃふぅみぃ……えっと、不死川さん以外が揃ってる状態での到着だった。
要達が御館様のところに行ってー、それからお返事持って帰ってきてー、という時までずっとお風呂で私のことを貪ってたからだよ。
おかげさまで、朝ご飯はゆっくり食べられなかった。恨む。
「やぁ!ほぼ揃っているな!」
「煉獄!いつも早いお前が珍しいな。お前が一番先に来てると思、……朝緋?」
杏寿郎さんの後ろにいる私に、宇髄さんがいち早く気がついた。
気がつかれた以上、挨拶しなくては失礼だ。
「こんにちは。すみません私もいるんです……」
一般隊士なので、今回もまた隠に連れられてやってきたのだけれど、その際また隠の男性を睨んだ杏寿郎さんは、隠と別れた後の私から片時も離れない。後ろについていろと言って聞かなかった。断ったら手を繋いで隣に並ばせられるやつぅ……!
「うむ!俺の継子もいる!会議には参加しないがな!!」
「へー。おっかねぇ柱勢揃いの柱合会議にくっついて来たいほど、煉獄と一緒にいたいってことか?」
「んー。そういう理由ではないんですけどねぇ……」
頬をポリポリ掻いて返答する私に、大きな影がかかる。悲鳴嶼さんだった。
「煉獄。継子とはいえなぜ一般の隊士がここにいる。会議では柱以外に聞かせるべきでない話もすると思うのだが。御館様から許可はいただいているのか」
びくっ。怒気強めの言葉を前に、つい震えてしまう。ジャリジャリと数珠を鳴らし、私の顔をぬぅと覗き込みながらそんな話をされると少しだけ怖い。
その高い上背と、威圧してきた時の空気が怖いと思ってしまってね。普段はね?怖くなくむしろ頼もしいんだけどね?
今いる柱一番の古参で、一番力が強くて、一番怒らせてはいけない人だから。普段優しいからこそ、絶対に。絶対に怒らせてはいけない。
『前』の時はともかくとして、『今回』はあまり交流がなかったのも大きいかも。
「はい!御館様には許可をいただいています!」
それなのに、元気いっぱいに返事できてしまう杏寿郎さんはすごい……。あ、杏寿郎さんも柱だから当然だった。
「ならいいが。
……何もしないから、借りてきた猫のようにそう怖がらなくともよい」
ぽんぽん。悲鳴嶼さんが頭を撫でてくれた。ほんと猫みたいな扱いだけど、彼は猫が好きなんだもんね。
悲鳴嶼さんの世界は今日もお猫様で回っている……とか?想像したらかわいい。
「でしょう!俺だけが飼うことを許された猫です!!」
「……継子だろう?」
しかし杏寿郎さんのズレた言葉には怪訝な顔をされた。
悲鳴嶼さんは『猫のようだ』って言ってるだけで、猫そのものとは言ってないよ?もうやめて恥ずかしい。
その時、ドフッと体にものすごい衝撃が。
痛みはなく、むしろもっちりと柔らかで。むむむ!?この背中にあたる感触はよく知ってるぞ?
「朝緋ちゃーん!」
「あ、やっぱり蜜璃ちゃんだ」
やった!当たった!これぞ蜜璃の胸の感触!!
きゃいきゃいお話していると、後ろから柔らかく優しい声。
「私もいますよー」
「しのぶちゃんも!久しぶり!」
「ええ。久しぶりですね」
蜜璃とはたまに任務が重なるせいか久しぶりという感覚はないものの、しのぶとは任務も重ならず、私も大した怪我をしないから蝶屋敷には行かなくてね……何より、私が蝶屋敷に行ったタイミングでしのぶがいないことが多くて会っていなかった。
柱は多忙、を一番体現している人。それが蟲柱・胡蝶しのぶだ。
女三人寄れば姦しいとはよく言ったもので、杏寿郎さんは私達が会話する様子を微笑ましく見ていた。
あ、姦しいと言っても、やかましい、騒々しいという意味よりも、賑やかで華やかな雰囲気を想像して欲しい。
ついでに伊黒さんも木の上から微笑ましく見ている。多分、蜜璃を見守ってるんだろうね。蜜璃が幸せであれば、私が柱合会議にいようと気にしてこない人だ。まあ、あとでネチネチ言われるだろうけど。
それはそうと下に降りようよ……。
ところで、冨岡さんは相変わらずこの輪の中にも入らず、少し遠くで一人スンッとしているようだった。
あ、杏寿郎さんが声をかけに行った。口の端の動きでわかる。冨岡さん嬉しそう。けど杏寿郎さんがぐいぐい行きすぎて、途中から迷惑そうな顔に……。
貴方達、足して二で割った方がいいよ。
時透君も似たり寄ったりで。でも、こちらは話しかけに行った杏寿郎さんの言葉にも迷惑そうにしていない。ただ、ぼーっとお空を見上げていた。
何か飛んでるの?空に何が……?
あ、すごく綺麗な青空にソフトクリームみたいな雲がぽわんと浮かんでいる。トッピングにチョコレートソースやアーモンドスライス、たくさんのフルーツを乗せて食べたら美味しそう。
この時代にもおっきなパフェを提供してくれるようなフルーツパーラーが欲しい。
自分で作れ?そうだね作ろう。
昨日の夜から疲れているから、甘いものはこの身にすごく沁みるだろうな……遠い目になってしまう。
そんな時に、宇髄さんがにやにやしながら聞いてきた。
「なんか煉獄、顔ツヤツヤしてねぇ?そんで朝緋、お前は反対に生気を吸い尽くされたような顔してるな。……お前ら、もしかして時間ギリギリまでナニかしてた?」
「!?」
ウアアアアアーー!!
顔!顔から炎の呼吸が出そう!!炎の呼吸どころか、頭から湯気出そう!!
「宇髄!君は朝緋の名を呼び捨てにするだけでは飽き足らず!そんなニヤついた顔してまぐわっていたかなどと聞かないでくれるか!?朝緋が恥ずかしがっている!!」
「お前のが恥ずかしいだろ」
あああ声がほんと大きすぎるよやめて杏寿郎さん……泣きたい。消えてしまいたい……。
柱が怖いなどという普通の隊士が抱くそんな理由ではなく、恥ずかしさからここに来たことを後悔した。
それからしばらくして、隠によって炭治郎が連れてこられるその時まで、私の顔は茹蛸のように赤く、そして熱いままだった。
あんな変な話を聞かれた以上、もう、まっすぐ他の柱の顔は見れない。話を振った宇髄さん、そしてとんでもない返答をした杏寿郎さん……恨むよ。
杏寿郎さん!今夜のおかずはないと思え!!