四周目 伍
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頬を両手で押さえつけられ、かぷりと噛み付くように唇を重ねられた。
ぶちゅ、ぐぢゅるうううう!
すぐに侵入してきた舌先で、口内を荒らされ、吸いつかれ、私の口なのにすでにそこは杏寿郎さんの領域。彼のものにされてしまった。
「んっ、ぁ、……は、きょ、じゅろ、さ……っ」
「……ン、」
そのまま私の体は完全に布団の上へと押し倒され、獣の猛攻から逃れられなくされた。
体で体をぎゅうぎゅうに押さえつけられ、ぴたりと密着してこられ、杏寿郎さんの体の形がよくわかる。久しぶりに伝わる雄の体のカタチを前に、私の体が雌の本能で喜んでいる。
口の中いっぱいに入り込んできた杏寿郎さんが、逃げていた私の舌をとうとう捕らえる。
絡め取られ吸われ、意識まで持っていかれるよう。
引き上げられてゆく舌先に合わせるように、快感が体の奥底から引き上げられていく。
激しい口吸いを前に陥落する。頭が痺れてぼーっとする。違う、脳が焼き切れる寸前だ。
ああ駄目、イきそう。キスだけでイッちゃいそう。
唇が離れる頃には、型を放ち続ける鍛錬をした時のように激しく息が切れていた。
「ぁ、ふ、……、」
「イイ顔だな。口吸いだけで良くなったか?」
唾液にまみれた唇をするり、なぞられる。それだけなのにぴくぴく快感で揺れる体。
今何かされたら、すぐにでも達してしまう。甘く喘いでしまう。そんな危うい位置に立っていた。
「ふ、ふふふ。俺は君の思惑にまんまと乗せられたわけだが。
朝緋……俺をこんなにも煽りに煽って、ただで済むと思うなよ……」
にんまりと怒りを交えて笑う杏寿郎さん。その額には血管が薄く浮いていた。その血管は怒りで?それとも興奮で?聞くのさえ恐ろしい。
「着物が乱れているのを見せられた時はどうにか自分を律することができた。裸にエプロンも、かなりそそられたが我慢できていた。
けれど、俺の羽織を纏って。俺の炎柱の羽織をその身に纏って……、」
ああ、杏寿郎さんは私が彼シャツを着ている姿を見ている時のような、それに近しい気分になったんだね。恋愛特集が組まれているようなティーン向けの雑誌でも、明槻がプレイしていたゲームでもよく見かけたよ。
あれもまた、男のロマンらしいもんね。でもあれは女のロマンでもある。杏寿郎さんのシャツとか隊服?着てみたいに決まってる。
クラクラしている頭の隅で、そんなズレたことを考えていたら。
「きゃん!!」
一気に羽織が取り払われエプロンもビリビリに破かれる。あー!蜜璃に貰ったエプロンがー!
布団であわてて隠したけれど、それだってすぐに奪われて終わるだろう。
杏寿郎さんは私の一挙一動から一つも取りこぼしをしない。私を逃さない。
「もう我慢の限界だ!そんなにも誘われたら、応えるに決まっておろう!!
俺は朝緋が壊れてもやめない!明日の任務も行けなくなると思え……!俺は決して離してやらん。朝緋ではなく俺が満足するまでな……っ」
任務に行けなくなる!?急遽今夜言い渡されるかもしれない任務だけでなく、明日!?明日の夜の任務まで行けなくなるほど抱かれるの!?杏寿郎さんが満足するまでだなんて、……私死ぬのでは?
先に進みたいと言ったのは本心で。杏寿郎さんと体を重ねたいのも願望で。
だけど、動けなくなるほどしたいわけじゃない。
「杏寿郎さ、お、お手柔らかにっ、ね……?ね!?」
頭の中は経験も知識もそこそこ豊富になってしまった私だけど、この体自体は未経験。幼少期に戻れば体の傷、怪我、全てはリセットされる。
またあの初めて特有の痛み。そして杏寿郎さんの杏寿郎さんの大きさを思うと怖くもなる。
どうか優しくしてほしい。
「無理だな。恨むなら、俺を煽った自分を恨め……」
舌舐めずりした獣が、私を守る最後の砦である布団を剥ぎ取った。
散々啼かされたあと、布団の中で睦み合いながら互いの体に触れる。
杏寿郎さんの腹筋の割れ目、胸板を触るのが私は好きだ。ツンツンと触れるたびにぴくりと反応をこぼすのも嬉しい。……愛おしい。
それは杏寿郎さんも同じで。
私の体のそこかしこに口づけで快感を与えながら、指で。手で触れて、体全体で形を覚えるようになぞり上げていくのが好きらしい。
触れただけの気持ちよさに喘ぐ声も、また、好ましいとのこと。
好ましいのは構わないけど、それでまた元気になるのはやめてほしい。
その指先が私の脇腹に到達した。引き攣れたような大きめのその傷跡に。
「これが最終選別の時の傷か……。本当に肌に傷が残ってしまったんだな」
「ん……、ちょっと気になるけど仕方ないよ。
傷は鬼殺隊士なら日常茶飯事だけど、あの頃はまだ弱かったし」
あの時もっと回復の呼吸の精度が高ければこんな傷跡も残らなかったのにな。
杏寿郎さんに言われたら、余計気になってしまった。
「こんな汚い体の女でごめんなさい」
「俺は気にしていない。その傷ごと、君を愛しているからな。
俺こそ申し訳なかった。おなごなら気にするようなことを言ってしまった」
申し訳なさそうに言ってくる杏寿郎さんに思い切り抱きつく。
「いいの。でもね、杏寿郎さん。どっちにしろ私はもう貴方から。杏寿郎さんから離れてあげられないんだぁ」
「……俺もだよ」
強く、強く抱きしめ返してくれた。それこそが、私への一番の返答だ。
杏寿郎さんの目の中に私が映ってる。杏寿郎さんを愛してやまない一人の女が。
きっと、私の目の中にも同じ顔した目の前の杏寿郎さんが映り込んでる。ふふ、お揃い。
見つめ合ったままお鼻の頭をスリスリし合って、おでこをコツンとぶつける。お互いをくすぐるように、確かめるように嗅ぎ合ってからかぷり、また口づけを交わした。
激しくするなんて言葉だけで。
二度目からは、優しく優しく真綿で包み込むように愛してもらえた。
今日も明日も任務には行けなかったけれど。
ぶちゅ、ぐぢゅるうううう!
すぐに侵入してきた舌先で、口内を荒らされ、吸いつかれ、私の口なのにすでにそこは杏寿郎さんの領域。彼のものにされてしまった。
「んっ、ぁ、……は、きょ、じゅろ、さ……っ」
「……ン、」
そのまま私の体は完全に布団の上へと押し倒され、獣の猛攻から逃れられなくされた。
体で体をぎゅうぎゅうに押さえつけられ、ぴたりと密着してこられ、杏寿郎さんの体の形がよくわかる。久しぶりに伝わる雄の体のカタチを前に、私の体が雌の本能で喜んでいる。
口の中いっぱいに入り込んできた杏寿郎さんが、逃げていた私の舌をとうとう捕らえる。
絡め取られ吸われ、意識まで持っていかれるよう。
引き上げられてゆく舌先に合わせるように、快感が体の奥底から引き上げられていく。
激しい口吸いを前に陥落する。頭が痺れてぼーっとする。違う、脳が焼き切れる寸前だ。
ああ駄目、イきそう。キスだけでイッちゃいそう。
唇が離れる頃には、型を放ち続ける鍛錬をした時のように激しく息が切れていた。
「ぁ、ふ、……、」
「イイ顔だな。口吸いだけで良くなったか?」
唾液にまみれた唇をするり、なぞられる。それだけなのにぴくぴく快感で揺れる体。
今何かされたら、すぐにでも達してしまう。甘く喘いでしまう。そんな危うい位置に立っていた。
「ふ、ふふふ。俺は君の思惑にまんまと乗せられたわけだが。
朝緋……俺をこんなにも煽りに煽って、ただで済むと思うなよ……」
にんまりと怒りを交えて笑う杏寿郎さん。その額には血管が薄く浮いていた。その血管は怒りで?それとも興奮で?聞くのさえ恐ろしい。
「着物が乱れているのを見せられた時はどうにか自分を律することができた。裸にエプロンも、かなりそそられたが我慢できていた。
けれど、俺の羽織を纏って。俺の炎柱の羽織をその身に纏って……、」
ああ、杏寿郎さんは私が彼シャツを着ている姿を見ている時のような、それに近しい気分になったんだね。恋愛特集が組まれているようなティーン向けの雑誌でも、明槻がプレイしていたゲームでもよく見かけたよ。
あれもまた、男のロマンらしいもんね。でもあれは女のロマンでもある。杏寿郎さんのシャツとか隊服?着てみたいに決まってる。
クラクラしている頭の隅で、そんなズレたことを考えていたら。
「きゃん!!」
一気に羽織が取り払われエプロンもビリビリに破かれる。あー!蜜璃に貰ったエプロンがー!
布団であわてて隠したけれど、それだってすぐに奪われて終わるだろう。
杏寿郎さんは私の一挙一動から一つも取りこぼしをしない。私を逃さない。
「もう我慢の限界だ!そんなにも誘われたら、応えるに決まっておろう!!
俺は朝緋が壊れてもやめない!明日の任務も行けなくなると思え……!俺は決して離してやらん。朝緋ではなく俺が満足するまでな……っ」
任務に行けなくなる!?急遽今夜言い渡されるかもしれない任務だけでなく、明日!?明日の夜の任務まで行けなくなるほど抱かれるの!?杏寿郎さんが満足するまでだなんて、……私死ぬのでは?
先に進みたいと言ったのは本心で。杏寿郎さんと体を重ねたいのも願望で。
だけど、動けなくなるほどしたいわけじゃない。
「杏寿郎さ、お、お手柔らかにっ、ね……?ね!?」
頭の中は経験も知識もそこそこ豊富になってしまった私だけど、この体自体は未経験。幼少期に戻れば体の傷、怪我、全てはリセットされる。
またあの初めて特有の痛み。そして杏寿郎さんの杏寿郎さんの大きさを思うと怖くもなる。
どうか優しくしてほしい。
「無理だな。恨むなら、俺を煽った自分を恨め……」
舌舐めずりした獣が、私を守る最後の砦である布団を剥ぎ取った。
散々啼かされたあと、布団の中で睦み合いながら互いの体に触れる。
杏寿郎さんの腹筋の割れ目、胸板を触るのが私は好きだ。ツンツンと触れるたびにぴくりと反応をこぼすのも嬉しい。……愛おしい。
それは杏寿郎さんも同じで。
私の体のそこかしこに口づけで快感を与えながら、指で。手で触れて、体全体で形を覚えるようになぞり上げていくのが好きらしい。
触れただけの気持ちよさに喘ぐ声も、また、好ましいとのこと。
好ましいのは構わないけど、それでまた元気になるのはやめてほしい。
その指先が私の脇腹に到達した。引き攣れたような大きめのその傷跡に。
「これが最終選別の時の傷か……。本当に肌に傷が残ってしまったんだな」
「ん……、ちょっと気になるけど仕方ないよ。
傷は鬼殺隊士なら日常茶飯事だけど、あの頃はまだ弱かったし」
あの時もっと回復の呼吸の精度が高ければこんな傷跡も残らなかったのにな。
杏寿郎さんに言われたら、余計気になってしまった。
「こんな汚い体の女でごめんなさい」
「俺は気にしていない。その傷ごと、君を愛しているからな。
俺こそ申し訳なかった。おなごなら気にするようなことを言ってしまった」
申し訳なさそうに言ってくる杏寿郎さんに思い切り抱きつく。
「いいの。でもね、杏寿郎さん。どっちにしろ私はもう貴方から。杏寿郎さんから離れてあげられないんだぁ」
「……俺もだよ」
強く、強く抱きしめ返してくれた。それこそが、私への一番の返答だ。
杏寿郎さんの目の中に私が映ってる。杏寿郎さんを愛してやまない一人の女が。
きっと、私の目の中にも同じ顔した目の前の杏寿郎さんが映り込んでる。ふふ、お揃い。
見つめ合ったままお鼻の頭をスリスリし合って、おでこをコツンとぶつける。お互いをくすぐるように、確かめるように嗅ぎ合ってからかぷり、また口づけを交わした。
激しくするなんて言葉だけで。
二度目からは、優しく優しく真綿で包み込むように愛してもらえた。
今日も明日も任務には行けなかったけれど。