四周目 伍
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すまん朝緋。
つぶやかれた言葉と同時、指の代わりに唇が押しつけられた。
ぶちゅうううう〜〜〜!!
分厚くて熱い舌が、口内を荒々しく暴れまわる。かわいそうに、疲弊した私の舌は彼の舌に絡め取られ蹂躙されていた。
「んっんっ、んんーーっ!!」
まだ清い私の体なのに、激しい口づけ一つで堕とされそう。女として開花してしまいそう。
快感に流されて、達してしまう。背筋にぴりぴりとした何かが走りそうに助走をつけていた。
駄目、駄目。駄目だってば。持ち堪えて私の体。もっと熱が出ちゃうよ……!
駄目だと、我慢の限界だと言っているのは杏寿郎さんも同じで。でも我慢の内容は正反対で。
「ああもう駄目だ、我慢できん!芯まで温めると誓う!責任も取る!共に汗をかこう!熱を発散しよう!!
だからどうか君の全てを隠すそのサラシをとらせてくれ。朝緋の生まれたままの姿を見せてくれ。体を重ねさせてくれ。
朝緋の全てを俺にくれ……!」
「ひゃわ、ゃ、駄目、杏寿郎さ、駄目だってばぁ……、私、かぜひぃて……、っ」
すごい力だ。思い切りサラシを破かれそうになり全力で抵抗する。
「むぅ!熱だって出ているというにまだ抵抗する力があるのか、さすがは俺の継子!いや、俺の朝緋だ!!
だがそれもここまでだ」
ぶちゅ、むちゅ。
私の腕を。体を体重をかけて押さえつけ、サラシの上から胸を揉みしだいて、同時に口吸いしてくる。
喉奥まで進入せんと伸ばされた舌が、気道をも覆い蓋をし、上手く息ができず苦しくて。脳に血液もいかない。
酔ったようにふわふわしてくる。
「んんん、ん、ふぁ、……、」
「……ん、ああそうだな。その邪魔な思考、蕩けさせてあげような」
無抵抗になった私の体に、杏寿郎さんの手が伸びる。
パーーーン!!
その瞬間突如障子戸が吹っ飛んだ。ついでに私の上の杏寿郎さんも。
「朝緋に何をしとるか杏寿郎ーーッ!!」
その瞬間を、頭がふわふわして何も考えられない私は見てない。言葉の意味も聞こえない。でも声はわかる。槇寿朗さんだ。
「ち、父上っ!?」
「具合の悪いおなごに何という無体を!見損なったぞ杏寿郎!!」
あ、杏寿郎さんは殴られたぽいな。でも動きたくないから寝てよう……。父と息子のお話に娘は口を出しません。
「何故、父上がここに……!」
「千寿郎の日輪刀の儀のため。そして風邪が治らんという朝緋の様子を見にきたんだ!」
そういえば千寿郎の日輪刀が届いたことと、ついでに私が風邪ひいたことを伝えておいたんだったね。
ナイスタイミングだよ槇寿朗さん。
「千寿郎。お前は朝緋が食べやすいものを用意しに勝手場に行きなさい」
「は、はい」
千寿郎もすぐ後ろにいたのね。パタパタ駆けていく軽い足音が懐かしい。
「朝緋にはもう朝餉を食べさせました。薬も飲ませましたが?」
うん。芋だけどね。
「はあ、……あの子に変なものを見せるわけにいかん。だから席を外させただけだ」
「変なものなんて何一つないですが?」
「お前は自分が犯した罪を鑑みてから言え!」
「??」
私を……その、強姦のような真似したことだよね。でも杏寿郎さんはその辺わかってないみたい。あれか、行為が進めば私が快楽に陥落するとわかっているからか。最後は同意の上の行為になると、杏寿郎さんはそう思ってるに違いない。……事実なのが悔しい。
「はああああやはり俺が危惧するようなことになっているではないか。
朝緋は煉獄家に連れて帰る」
「なっ!?許可しません!!」
「ばかもの。風邪が治るまでの間だ!
お前に炊きができるのか?粥が作れるのか?」
「千寿郎にいてもらって頼みます」
「千寿郎はここには逗留しない。学校がある。
……お前もくればいいだろう。どうせ食事を作れないのだから」
「父上……!!」
お、お?なんだか話が勝手に進んでいるようだぞ。炎柱邸から一時的におうち帰るのー?みんなで住めるのー?もしそうなら嬉しい。
「いいから服を着せてやるか布団をかけてやるかしろ!朝緋の風邪を悪化させるだろうが!」
「そ、そうでした」
……そういえば寒いと思った。動くの億劫で忘れてたわ。
布団をふんわりかけられる。あーぬくいー。
「お前もだ!服を着ろ!いつまで俺にそんな痴態を見せる気だ!?
厠にでも行って処理してこいっ!!」
「すみません行ってきます!!」
厠って……あ。
杏寿郎さんのために言わないでおくけど意味に気がついてしまった。
もうそんな状態にまでなってたのね。杏寿郎さんには申し訳ないことをした。
でももう少し待ってほしいし、そもそも風邪で寝込んでいる時に初体験なんて絶対にやだ。
こんな私でも、好きな相手との行為にはロマンを求めたいし夢も見たい見させて。
走っていく杏寿郎さんの足音が消えて、ようやく言葉を発する。
「……父様」
布団の中から見上げた槇寿朗さんは、お酒を少しやめられたのか、スッキリした目元のダンディーイケオジに進化していた。杏寿郎さんもこの歳になったらこんなかっこよくなるのか……。
「起きたか。いや、起きていたな。はあ、あいつのお守りは大変そうだな、朝緋」
「いいえ、これでも普段は私がお守りされてるんですよ〜?」
「そうかぁ?アレは朝緋の前ではわがままを言う大きい子供だろう。好き放題されて嫌になっていないか?一時的でなく帰ってきてしまってもよいのだぞ」
嬉しい言葉だけど、それやったら後が怖いやつ。……それに。
「ありがとうございます。
でも嫌になんてならないですよ。わがままを言われても全部受け止められちゃう。むしろそれが嬉しくて。私は彼の全てが大好きなのです」
にっこり笑って言えば、槇寿朗さんは苦笑を返した。
「なんと愛の深い女だ」
「母様もそうでしたよ」
「……そうだな」
瑠火さんも、槇寿朗さんのことが大好きで。
だから最期まで家族全員のことを心配して心配して。たくさんの指標になる言葉を残されたのだ。
その愛は広くて深くて大きくて。
槇寿朗さんにもそれは伝わっていた。
ちなみに『また』千寿郎の日輪刀は色を変えてくれなかった。
杏寿郎さんと槇寿朗さんが千寿郎にわからないようにホッとしているのが見える。
家族には鬼と対峙してほしくない。傷つくのを見たくない。そう思うのは当然のこと。だからその気持ちは私にもわかる。でも同時に応援もしたくって。
こんなに頑張ってきたのになぁ。私と一緒になって『前』よりも過酷な修行をたくさん積んだのに。千寿郎だって強いのに。
何が悪いんだろう?やはり、千寿郎のその優しすぎる質のせいなの?
私にとっては、この日輪刀は不良品?と思ってしまったほどの衝撃だった。
つぶやかれた言葉と同時、指の代わりに唇が押しつけられた。
ぶちゅうううう〜〜〜!!
分厚くて熱い舌が、口内を荒々しく暴れまわる。かわいそうに、疲弊した私の舌は彼の舌に絡め取られ蹂躙されていた。
「んっんっ、んんーーっ!!」
まだ清い私の体なのに、激しい口づけ一つで堕とされそう。女として開花してしまいそう。
快感に流されて、達してしまう。背筋にぴりぴりとした何かが走りそうに助走をつけていた。
駄目、駄目。駄目だってば。持ち堪えて私の体。もっと熱が出ちゃうよ……!
駄目だと、我慢の限界だと言っているのは杏寿郎さんも同じで。でも我慢の内容は正反対で。
「ああもう駄目だ、我慢できん!芯まで温めると誓う!責任も取る!共に汗をかこう!熱を発散しよう!!
だからどうか君の全てを隠すそのサラシをとらせてくれ。朝緋の生まれたままの姿を見せてくれ。体を重ねさせてくれ。
朝緋の全てを俺にくれ……!」
「ひゃわ、ゃ、駄目、杏寿郎さ、駄目だってばぁ……、私、かぜひぃて……、っ」
すごい力だ。思い切りサラシを破かれそうになり全力で抵抗する。
「むぅ!熱だって出ているというにまだ抵抗する力があるのか、さすがは俺の継子!いや、俺の朝緋だ!!
だがそれもここまでだ」
ぶちゅ、むちゅ。
私の腕を。体を体重をかけて押さえつけ、サラシの上から胸を揉みしだいて、同時に口吸いしてくる。
喉奥まで進入せんと伸ばされた舌が、気道をも覆い蓋をし、上手く息ができず苦しくて。脳に血液もいかない。
酔ったようにふわふわしてくる。
「んんん、ん、ふぁ、……、」
「……ん、ああそうだな。その邪魔な思考、蕩けさせてあげような」
無抵抗になった私の体に、杏寿郎さんの手が伸びる。
パーーーン!!
その瞬間突如障子戸が吹っ飛んだ。ついでに私の上の杏寿郎さんも。
「朝緋に何をしとるか杏寿郎ーーッ!!」
その瞬間を、頭がふわふわして何も考えられない私は見てない。言葉の意味も聞こえない。でも声はわかる。槇寿朗さんだ。
「ち、父上っ!?」
「具合の悪いおなごに何という無体を!見損なったぞ杏寿郎!!」
あ、杏寿郎さんは殴られたぽいな。でも動きたくないから寝てよう……。父と息子のお話に娘は口を出しません。
「何故、父上がここに……!」
「千寿郎の日輪刀の儀のため。そして風邪が治らんという朝緋の様子を見にきたんだ!」
そういえば千寿郎の日輪刀が届いたことと、ついでに私が風邪ひいたことを伝えておいたんだったね。
ナイスタイミングだよ槇寿朗さん。
「千寿郎。お前は朝緋が食べやすいものを用意しに勝手場に行きなさい」
「は、はい」
千寿郎もすぐ後ろにいたのね。パタパタ駆けていく軽い足音が懐かしい。
「朝緋にはもう朝餉を食べさせました。薬も飲ませましたが?」
うん。芋だけどね。
「はあ、……あの子に変なものを見せるわけにいかん。だから席を外させただけだ」
「変なものなんて何一つないですが?」
「お前は自分が犯した罪を鑑みてから言え!」
「??」
私を……その、強姦のような真似したことだよね。でも杏寿郎さんはその辺わかってないみたい。あれか、行為が進めば私が快楽に陥落するとわかっているからか。最後は同意の上の行為になると、杏寿郎さんはそう思ってるに違いない。……事実なのが悔しい。
「はああああやはり俺が危惧するようなことになっているではないか。
朝緋は煉獄家に連れて帰る」
「なっ!?許可しません!!」
「ばかもの。風邪が治るまでの間だ!
お前に炊きができるのか?粥が作れるのか?」
「千寿郎にいてもらって頼みます」
「千寿郎はここには逗留しない。学校がある。
……お前もくればいいだろう。どうせ食事を作れないのだから」
「父上……!!」
お、お?なんだか話が勝手に進んでいるようだぞ。炎柱邸から一時的におうち帰るのー?みんなで住めるのー?もしそうなら嬉しい。
「いいから服を着せてやるか布団をかけてやるかしろ!朝緋の風邪を悪化させるだろうが!」
「そ、そうでした」
……そういえば寒いと思った。動くの億劫で忘れてたわ。
布団をふんわりかけられる。あーぬくいー。
「お前もだ!服を着ろ!いつまで俺にそんな痴態を見せる気だ!?
厠にでも行って処理してこいっ!!」
「すみません行ってきます!!」
厠って……あ。
杏寿郎さんのために言わないでおくけど意味に気がついてしまった。
もうそんな状態にまでなってたのね。杏寿郎さんには申し訳ないことをした。
でももう少し待ってほしいし、そもそも風邪で寝込んでいる時に初体験なんて絶対にやだ。
こんな私でも、好きな相手との行為にはロマンを求めたいし夢も見たい見させて。
走っていく杏寿郎さんの足音が消えて、ようやく言葉を発する。
「……父様」
布団の中から見上げた槇寿朗さんは、お酒を少しやめられたのか、スッキリした目元のダンディーイケオジに進化していた。杏寿郎さんもこの歳になったらこんなかっこよくなるのか……。
「起きたか。いや、起きていたな。はあ、あいつのお守りは大変そうだな、朝緋」
「いいえ、これでも普段は私がお守りされてるんですよ〜?」
「そうかぁ?アレは朝緋の前ではわがままを言う大きい子供だろう。好き放題されて嫌になっていないか?一時的でなく帰ってきてしまってもよいのだぞ」
嬉しい言葉だけど、それやったら後が怖いやつ。……それに。
「ありがとうございます。
でも嫌になんてならないですよ。わがままを言われても全部受け止められちゃう。むしろそれが嬉しくて。私は彼の全てが大好きなのです」
にっこり笑って言えば、槇寿朗さんは苦笑を返した。
「なんと愛の深い女だ」
「母様もそうでしたよ」
「……そうだな」
瑠火さんも、槇寿朗さんのことが大好きで。
だから最期まで家族全員のことを心配して心配して。たくさんの指標になる言葉を残されたのだ。
その愛は広くて深くて大きくて。
槇寿朗さんにもそれは伝わっていた。
ちなみに『また』千寿郎の日輪刀は色を変えてくれなかった。
杏寿郎さんと槇寿朗さんが千寿郎にわからないようにホッとしているのが見える。
家族には鬼と対峙してほしくない。傷つくのを見たくない。そう思うのは当然のこと。だからその気持ちは私にもわかる。でも同時に応援もしたくって。
こんなに頑張ってきたのになぁ。私と一緒になって『前』よりも過酷な修行をたくさん積んだのに。千寿郎だって強いのに。
何が悪いんだろう?やはり、千寿郎のその優しすぎる質のせいなの?
私にとっては、この日輪刀は不良品?と思ってしまったほどの衝撃だった。