四周目 肆
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気がつけば後ろから抱きつかれて動けなくされた。
「これ、組手じゃなくてただの羽交締め……っ、ただの拘束で、ぎゃあ!?」
杏寿郎さんを投げ飛ばすどころではない。
床に投げられ上からのしかかられ。呆気なく潰れる私の体。
「う、動けない……」
「もう勝負を捨てるのか?俺はただ押さえつけているだけなのだがなあ?この程度で一つも動けんようでは、鬼に食われてしまうぞ?ん?」
「くうっ……ねえ師範、楽しんでない?」
「さあどうだろうなぁ」
押し倒し上から眺めるその視線が、獲物をいたぶる肉食獣のように笑っていた。
「そもそも私達、普段日輪刀で鬼をやっつけてるのに、組手なんて必要あるの?」
「ある!鬼にこうされたらどうする?」
「そうされないように避けるのが普通でしょっ」
「避けられずに捕まった者が何を言う」
ズイと顔が、体が近づいてくる。ああ、ゼロ距離にされた。あと少しで唇までも奪われそう。汗でちょっとしょっぱいからキスするのも嫌なのに……。
女の子は汗とか匂いを気にするのだ。
「ん、やだ……そんなに体重っ、かけないで……っ!そんなにぴったりくっつかないでっ!?」
イヤイヤとじたばた暴れてみるも、逆に押さえられて身じろぎひとつできなくされた。股にまで拘束の魔の手……ううん、魔の足が充てがわれる。
「断る。この状態から抜け出してみろ、ほら朝緋」
「だったら手首押さえつけるのやめて!体を密着させてこないで!膝小僧、私の足の間に食い込ませないで!?」
訴えは無視された。それどころかより一層、股に杏寿郎さんの足が食い込む。汗がペトリと張り付くほど体の密着の度合いも強くなる。
「ん?汗かそれとも他の何かでか、全身そこかしこが濡れているようだがどうした?いや、ほとんどは汗かな?」
ゼロ距離で首筋や耳元、それから一番嬉しくない脇に至るまですんすん匂いを嗅がれた。
ぞわり、肌が粟立つ。
「ぎゃーー!嗅がないでってば!!」
「嗅ぐくらいよかろう!
まだ俺は甲でも柱でもない。君と肌を重ねたいのは山々だが、それは俺が柱になってからと、自分で自分を律しているんだぞ」
「肌を重ね……っ!?」
私が望んでやまない杏寿郎さんとの行為。
『前』に経験してからというもの、思い出しては杏寿郎さんを。杏寿郎さんの下半身までもを意識してしまうそれ。
何度も何度も、愛して愛されて。腰が立たなくなり意識を失うような時もあったけれど、そのどれもが幸せに満ちていた行為だった。
正直に言うと早く満たされたいし、愛されたくてたまらない。杏寿郎さんがほしい。
「当たり前だろう。俺と君は今や恋仲なのだから。朝緋は俺との恋愛をごっこ遊びかなにかと勘違いしているのか?」
「そんなことない……」
むしろその反対。
私ったらなんてド助平なんだろう。杏寿郎さんのことを言えない。
「ならいい。
それに、君のココも……、」
「ひぅ……」
すぅるりと、下腹部を撫でられた。胎が収められたその上を。
「まだ少しばかり幼い……。見てくれが女の体に出来上がってきていたとしても、内側は未熟だと思う。俺を受け入れる準備はまだ整っていなかろう?
俺は待つよ。君がもう少し大人になるのをな」
「杏寿郎さん……」
『今まで』はもう少し先。杏寿郎さんが柱となった後で、体を重ねた。『今回』はまだどちらもその領域に年齢も何もかも至っていない。
男性はそういう気分になった時つらいと聞く。どんなに体が辛かろうとも杏寿郎さんは待ってくださると言ってくれた。
愛されていると感じる。体ではなく心で、満たされていると感じた。
「と!いうわけでそれ以外をさせてもらう!!」
「それ以外って……、んっ、」
ぐりぐりと感度を上げさせようとする足はそのままに、唇にむしゃぶりつかれた。
言ってることとやってることが微妙に矛盾してないかなコレ!?
「ん、……、ふ、んぅ、」
「少しばかり激しい、ン……口吸いくらいならば、許される……んん、だろう?」
「そンな、わけ……、」
ああでも、杏寿郎さんとのキス……あったかい舌が入り込んできて、べろ吸われて頭ふわふわして、気持ちいい……。
足から与えられる刺激もまた、ビリビリと私の中心に痺れを走らせてきて気持ち良くなってくる。
その時、稽古場である同情入り口から、蜜璃の黄色い声が届いた。
「きゃーーっ!朝緋ちゃん!煉獄さん!お二人ったらーー!!」
いつのまにか蜜璃が来る時間になっていたのか!
やばい、一番見られたくないところを見られた!体の位置的に、見方によれば着衣のまま体を重ねているようにも見えなくない!
「!?んむっ、みっ、蜜璃ちゃんんーー!?
杏寿郎さ、師範っ、み、蜜璃ちゃんが見てる!見てるからっ」
「……ふむ、甘露寺には刺激が強すぎたか」
唇を離し、退くように体を押す。えっ!びくともしない!退く気ゼロだ!?
しかも蜜璃も続けるようにと言い始める始末。
「だだだ大丈夫です!そのまま続けてどうぞ!!お二人が仲良くされている姿を見てると力が湧くわ!最終選別も頑張れちゃいそうです!!」
「最終選別で頑張れるというなら遠慮なく続きをさせてもらおう!」
「ちょ、ちょっとまっ……ンンンーー!?」
再び重ねられた唇。入り込む熱い舌。ぬめる口内。グリグリくちゅり。快楽の底にすとんと落とされる私。
そして……。視界いっぱいに杏寿郎さんの顔が広がる中、その端からは道場の壁と化すかのように興奮気味に覗く蜜璃の姿。顔を手のひらで覆ってはいるけれど、指を開いてこっちをガン見してる。おい手のひらで顔覆う意味ー!
蜜璃ったら出歯亀する気満々?私見られるの嫌なんだけど!?
それに蜜璃のきゃー、で槇寿朗さんが駆けつけてくるかもしれない。
槇寿朗さん、今は何も言ってこないけど多分、それとなく私達の関係にだって気付いてるよね!?
遊びか何かだと思ってるかもしれないけど、さすがにこの行動見られたら何か言われるよ!杏寿郎さんぶん殴られるかもしれな、
「んっんっ、んん〜〜〜〜っ!?」
顔を両手で押さえつけられ、じゅるじゅると舌を吸われる。どれだけ長い時間、そうされていたか。
息も碌に吸えず、ただただ吸われて吸われて。ふわふわどころじゃない。頭が真っ白になっていく。
さすがの私もずっと続く口吸いを前に、気を失ってしまった。
その後蜜璃は自身が頑張れると言った通りに、何事もなく怪我も特になく、無事に最終選別を終えて隊士になった。
鍛錬を開始してから半年でという、壱ノ型・不知火もびっくりなフルスピードっぷりだ。
杏寿郎さんも伊黒さんもそうだけど、蜜璃もやはり『持っている』。柱になるべくして生まれた才能を。力を。運命を。
私もそういう力が欲しかったなぁ。
蜜璃のことは大好きだけど、毎回少しの嫉妬心が湧いてしまう。
こればかりは致し方なきこと。
「これ、組手じゃなくてただの羽交締め……っ、ただの拘束で、ぎゃあ!?」
杏寿郎さんを投げ飛ばすどころではない。
床に投げられ上からのしかかられ。呆気なく潰れる私の体。
「う、動けない……」
「もう勝負を捨てるのか?俺はただ押さえつけているだけなのだがなあ?この程度で一つも動けんようでは、鬼に食われてしまうぞ?ん?」
「くうっ……ねえ師範、楽しんでない?」
「さあどうだろうなぁ」
押し倒し上から眺めるその視線が、獲物をいたぶる肉食獣のように笑っていた。
「そもそも私達、普段日輪刀で鬼をやっつけてるのに、組手なんて必要あるの?」
「ある!鬼にこうされたらどうする?」
「そうされないように避けるのが普通でしょっ」
「避けられずに捕まった者が何を言う」
ズイと顔が、体が近づいてくる。ああ、ゼロ距離にされた。あと少しで唇までも奪われそう。汗でちょっとしょっぱいからキスするのも嫌なのに……。
女の子は汗とか匂いを気にするのだ。
「ん、やだ……そんなに体重っ、かけないで……っ!そんなにぴったりくっつかないでっ!?」
イヤイヤとじたばた暴れてみるも、逆に押さえられて身じろぎひとつできなくされた。股にまで拘束の魔の手……ううん、魔の足が充てがわれる。
「断る。この状態から抜け出してみろ、ほら朝緋」
「だったら手首押さえつけるのやめて!体を密着させてこないで!膝小僧、私の足の間に食い込ませないで!?」
訴えは無視された。それどころかより一層、股に杏寿郎さんの足が食い込む。汗がペトリと張り付くほど体の密着の度合いも強くなる。
「ん?汗かそれとも他の何かでか、全身そこかしこが濡れているようだがどうした?いや、ほとんどは汗かな?」
ゼロ距離で首筋や耳元、それから一番嬉しくない脇に至るまですんすん匂いを嗅がれた。
ぞわり、肌が粟立つ。
「ぎゃーー!嗅がないでってば!!」
「嗅ぐくらいよかろう!
まだ俺は甲でも柱でもない。君と肌を重ねたいのは山々だが、それは俺が柱になってからと、自分で自分を律しているんだぞ」
「肌を重ね……っ!?」
私が望んでやまない杏寿郎さんとの行為。
『前』に経験してからというもの、思い出しては杏寿郎さんを。杏寿郎さんの下半身までもを意識してしまうそれ。
何度も何度も、愛して愛されて。腰が立たなくなり意識を失うような時もあったけれど、そのどれもが幸せに満ちていた行為だった。
正直に言うと早く満たされたいし、愛されたくてたまらない。杏寿郎さんがほしい。
「当たり前だろう。俺と君は今や恋仲なのだから。朝緋は俺との恋愛をごっこ遊びかなにかと勘違いしているのか?」
「そんなことない……」
むしろその反対。
私ったらなんてド助平なんだろう。杏寿郎さんのことを言えない。
「ならいい。
それに、君のココも……、」
「ひぅ……」
すぅるりと、下腹部を撫でられた。胎が収められたその上を。
「まだ少しばかり幼い……。見てくれが女の体に出来上がってきていたとしても、内側は未熟だと思う。俺を受け入れる準備はまだ整っていなかろう?
俺は待つよ。君がもう少し大人になるのをな」
「杏寿郎さん……」
『今まで』はもう少し先。杏寿郎さんが柱となった後で、体を重ねた。『今回』はまだどちらもその領域に年齢も何もかも至っていない。
男性はそういう気分になった時つらいと聞く。どんなに体が辛かろうとも杏寿郎さんは待ってくださると言ってくれた。
愛されていると感じる。体ではなく心で、満たされていると感じた。
「と!いうわけでそれ以外をさせてもらう!!」
「それ以外って……、んっ、」
ぐりぐりと感度を上げさせようとする足はそのままに、唇にむしゃぶりつかれた。
言ってることとやってることが微妙に矛盾してないかなコレ!?
「ん、……、ふ、んぅ、」
「少しばかり激しい、ン……口吸いくらいならば、許される……んん、だろう?」
「そンな、わけ……、」
ああでも、杏寿郎さんとのキス……あったかい舌が入り込んできて、べろ吸われて頭ふわふわして、気持ちいい……。
足から与えられる刺激もまた、ビリビリと私の中心に痺れを走らせてきて気持ち良くなってくる。
その時、稽古場である同情入り口から、蜜璃の黄色い声が届いた。
「きゃーーっ!朝緋ちゃん!煉獄さん!お二人ったらーー!!」
いつのまにか蜜璃が来る時間になっていたのか!
やばい、一番見られたくないところを見られた!体の位置的に、見方によれば着衣のまま体を重ねているようにも見えなくない!
「!?んむっ、みっ、蜜璃ちゃんんーー!?
杏寿郎さ、師範っ、み、蜜璃ちゃんが見てる!見てるからっ」
「……ふむ、甘露寺には刺激が強すぎたか」
唇を離し、退くように体を押す。えっ!びくともしない!退く気ゼロだ!?
しかも蜜璃も続けるようにと言い始める始末。
「だだだ大丈夫です!そのまま続けてどうぞ!!お二人が仲良くされている姿を見てると力が湧くわ!最終選別も頑張れちゃいそうです!!」
「最終選別で頑張れるというなら遠慮なく続きをさせてもらおう!」
「ちょ、ちょっとまっ……ンンンーー!?」
再び重ねられた唇。入り込む熱い舌。ぬめる口内。グリグリくちゅり。快楽の底にすとんと落とされる私。
そして……。視界いっぱいに杏寿郎さんの顔が広がる中、その端からは道場の壁と化すかのように興奮気味に覗く蜜璃の姿。顔を手のひらで覆ってはいるけれど、指を開いてこっちをガン見してる。おい手のひらで顔覆う意味ー!
蜜璃ったら出歯亀する気満々?私見られるの嫌なんだけど!?
それに蜜璃のきゃー、で槇寿朗さんが駆けつけてくるかもしれない。
槇寿朗さん、今は何も言ってこないけど多分、それとなく私達の関係にだって気付いてるよね!?
遊びか何かだと思ってるかもしれないけど、さすがにこの行動見られたら何か言われるよ!杏寿郎さんぶん殴られるかもしれな、
「んっんっ、んん〜〜〜〜っ!?」
顔を両手で押さえつけられ、じゅるじゅると舌を吸われる。どれだけ長い時間、そうされていたか。
息も碌に吸えず、ただただ吸われて吸われて。ふわふわどころじゃない。頭が真っ白になっていく。
さすがの私もずっと続く口吸いを前に、気を失ってしまった。
その後蜜璃は自身が頑張れると言った通りに、何事もなく怪我も特になく、無事に最終選別を終えて隊士になった。
鍛錬を開始してから半年でという、壱ノ型・不知火もびっくりなフルスピードっぷりだ。
杏寿郎さんも伊黒さんもそうだけど、蜜璃もやはり『持っている』。柱になるべくして生まれた才能を。力を。運命を。
私もそういう力が欲しかったなぁ。
蜜璃のことは大好きだけど、毎回少しの嫉妬心が湧いてしまう。
こればかりは致し方なきこと。