四周目 参
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日輪刀が届く日に杏寿郎さんが同席した。
私の日輪刀を鍛刀したのは『今回』も鋼鐵塚さんだ。気難しくて癇癪持ちで扱いにくい人ではあるけれど、私は嫌いじゃない。職人さんなんて、このくらい頑固一徹でもいい。彼は、刀に愛着がありすぎるだけだもの。
むしろ彼が研いだという包丁もぜひうちに一本欲しいところだ。
おかえり、そしてただいま。やっと会えたね私の日輪刀 。
日輪刀を握る私に降り注ぐ賞賛の声。ううん、鋼鐵塚さんのは私にじゃなくて日輪刀にかな。
「美しい……なんと美しい刀身!!
先端の青に燃える赤い刃。火花のように走る白い光。こんな熱くて綺麗なのは初めて見る!!」
「ああ、青と赤とは俺も初めてだ。とても綺麗な日輪刀だなぁ。だがこれで炎の呼吸の使い手だという事が確定した。おめでとう朝緋!」
ふふ、私は毎回見てるけどね。本当は貴方達も毎回見ているのだけれど、見る度に初めてを経験できるのは感動の度合いが違うんだろうな。良いなあ。
「決めた!朝緋お前俺の嫁になれ!!
その炎は縁起がいい!!」
「え?」
「は?」
……またプロポーズもされた。これは良くない。
もちろん杏寿郎さんが主体で全力で断った。私も同じく断る。だって私は杏寿郎さんが好きなのだから。
「鋼鐵塚さん!」
けれど私は今回、鋼鐵塚さんには他にも用事がある。去っていく彼を追いかけ、呼び止めた。
「嫁にならない女に用はない!ただ俺の刀を折ったら殺すがな!!」
あちゃー、断ったの根に持ってるよこの人。今いくつだっけ?多分、槇寿朗さんとそんなに変わらないと思うんだけど。
「もちろん折らないよう気をつけます!!
そうでなくて、個人的にお願いがありまして……」
「お願い?お前の願いなんかただで聞いてやる筋合いは……みたらし!?」
私が後ろ手から取り出したるは、みたらし団子がぎっしり詰まったお重箱だ。
炎の呼吸の無駄遣いかもしれないけれど、呼吸を駆使して焼いた最高の焼き加減の団子に、つやっつやであまじょっぱ〜い餡がたっぷりかかった渾身の出来のみたらしである。
早速一本食べてご満悦の顔をしている。あれ?一瞬見えた顔……この人めちゃくちゃかっこよくない?杏寿郎さんには負けるけど。
「それで……モグモグ、願いとは……もっもっ、なんだ?一応、ングング、聞いてやる」
食べるか話すかどっちにしろと言いたい。でも機嫌は損ねるわけにいかない。
「鋼鐵塚さん。私に二本目の日輪刀を打ってください」
「…………話を聞こう」
団子を食べる手が止まった。彼の気が変わらない内に願いを。思いを伝える。
「耐久性により優れた、私の炎を鍛えてほしいのです。他のどの呼吸と合わせようと折れずに済む、私の炎を」
鋼鐵塚さんの呼吸すら止まった。
「長さや重さには規定は設けません。短刀でも脇差でもいい。無理に他の呼吸を使おうとすると、木刀ですら折れるのです。だからこそ、折れない刀を欲しています」
「他の呼吸だと?それはお前の体にも負担が大きかろう。かなりの反動がくるはずだ」
それは炭治郎に聞いた。二つの呼吸を使うと反動で動けなくなるのだと。私もまた、動けるようになるまでにかなりの時間がかかった。疲労度がいつもと違った。でも。
「私の体はいいのです。私はどうしても他の呼吸も使わなくちゃならない」
そしてあの鬼の頸に刃をーー。
「お前、自分に合わないモンまで持ち出して相当必死だがなぜそこまで生き急ぐ?苦しいぞ?」
「わかっていて頼んでいるのです。こんな事、自分の刀鍛冶にしか頼めない。
隊士でなく刀を一番に想う鋼鐵塚さんだからこそ、頼んでます」
鋼鐵塚さんは団子の串を咥えたまましばし考え込み、私の目を見つめた。
「その心意気に惚れたわ。わかった!時間はかかるだろうが必ず打って届ける!
いいか?打ってやるが絶対に折るなよ!」
「はい。よろしくお願いします」
大変なお願いではあろうが、私の刀鍛冶はとても楽しそうだった。この人は刀を打つのが好きなのだ。……そしてみたらし団子も。
団子の重箱をそれはもう大事そうに抱えている。
「じゃあこいつは貰っていくぞ!」
「ええそのみたらし団子は鋼鐵塚さんのために作ったものですから」
「美味いからまた作れ!二本目の刀を届けにくる時でいい!」
「ふふ、了解しました」
くすくす笑い合って別れた私に、背後から杏寿郎さんの視線が注がれていた。
「朝緋」
「どうしました師範……ヒェ」
嫉妬に燃える炎を灯した怖い視線だった。
私の日輪刀を鍛刀したのは『今回』も鋼鐵塚さんだ。気難しくて癇癪持ちで扱いにくい人ではあるけれど、私は嫌いじゃない。職人さんなんて、このくらい頑固一徹でもいい。彼は、刀に愛着がありすぎるだけだもの。
むしろ彼が研いだという包丁もぜひうちに一本欲しいところだ。
おかえり、そしてただいま。やっと会えたね私の
日輪刀を握る私に降り注ぐ賞賛の声。ううん、鋼鐵塚さんのは私にじゃなくて日輪刀にかな。
「美しい……なんと美しい刀身!!
先端の青に燃える赤い刃。火花のように走る白い光。こんな熱くて綺麗なのは初めて見る!!」
「ああ、青と赤とは俺も初めてだ。とても綺麗な日輪刀だなぁ。だがこれで炎の呼吸の使い手だという事が確定した。おめでとう朝緋!」
ふふ、私は毎回見てるけどね。本当は貴方達も毎回見ているのだけれど、見る度に初めてを経験できるのは感動の度合いが違うんだろうな。良いなあ。
「決めた!朝緋お前俺の嫁になれ!!
その炎は縁起がいい!!」
「え?」
「は?」
……またプロポーズもされた。これは良くない。
もちろん杏寿郎さんが主体で全力で断った。私も同じく断る。だって私は杏寿郎さんが好きなのだから。
「鋼鐵塚さん!」
けれど私は今回、鋼鐵塚さんには他にも用事がある。去っていく彼を追いかけ、呼び止めた。
「嫁にならない女に用はない!ただ俺の刀を折ったら殺すがな!!」
あちゃー、断ったの根に持ってるよこの人。今いくつだっけ?多分、槇寿朗さんとそんなに変わらないと思うんだけど。
「もちろん折らないよう気をつけます!!
そうでなくて、個人的にお願いがありまして……」
「お願い?お前の願いなんかただで聞いてやる筋合いは……みたらし!?」
私が後ろ手から取り出したるは、みたらし団子がぎっしり詰まったお重箱だ。
炎の呼吸の無駄遣いかもしれないけれど、呼吸を駆使して焼いた最高の焼き加減の団子に、つやっつやであまじょっぱ〜い餡がたっぷりかかった渾身の出来のみたらしである。
早速一本食べてご満悦の顔をしている。あれ?一瞬見えた顔……この人めちゃくちゃかっこよくない?杏寿郎さんには負けるけど。
「それで……モグモグ、願いとは……もっもっ、なんだ?一応、ングング、聞いてやる」
食べるか話すかどっちにしろと言いたい。でも機嫌は損ねるわけにいかない。
「鋼鐵塚さん。私に二本目の日輪刀を打ってください」
「…………話を聞こう」
団子を食べる手が止まった。彼の気が変わらない内に願いを。思いを伝える。
「耐久性により優れた、私の炎を鍛えてほしいのです。他のどの呼吸と合わせようと折れずに済む、私の炎を」
鋼鐵塚さんの呼吸すら止まった。
「長さや重さには規定は設けません。短刀でも脇差でもいい。無理に他の呼吸を使おうとすると、木刀ですら折れるのです。だからこそ、折れない刀を欲しています」
「他の呼吸だと?それはお前の体にも負担が大きかろう。かなりの反動がくるはずだ」
それは炭治郎に聞いた。二つの呼吸を使うと反動で動けなくなるのだと。私もまた、動けるようになるまでにかなりの時間がかかった。疲労度がいつもと違った。でも。
「私の体はいいのです。私はどうしても他の呼吸も使わなくちゃならない」
そしてあの鬼の頸に刃をーー。
「お前、自分に合わないモンまで持ち出して相当必死だがなぜそこまで生き急ぐ?苦しいぞ?」
「わかっていて頼んでいるのです。こんな事、自分の刀鍛冶にしか頼めない。
隊士でなく刀を一番に想う鋼鐵塚さんだからこそ、頼んでます」
鋼鐵塚さんは団子の串を咥えたまましばし考え込み、私の目を見つめた。
「その心意気に惚れたわ。わかった!時間はかかるだろうが必ず打って届ける!
いいか?打ってやるが絶対に折るなよ!」
「はい。よろしくお願いします」
大変なお願いではあろうが、私の刀鍛冶はとても楽しそうだった。この人は刀を打つのが好きなのだ。……そしてみたらし団子も。
団子の重箱をそれはもう大事そうに抱えている。
「じゃあこいつは貰っていくぞ!」
「ええそのみたらし団子は鋼鐵塚さんのために作ったものですから」
「美味いからまた作れ!二本目の刀を届けにくる時でいい!」
「ふふ、了解しました」
くすくす笑い合って別れた私に、背後から杏寿郎さんの視線が注がれていた。
「朝緋」
「どうしました師範……ヒェ」
嫉妬に燃える炎を灯した怖い視線だった。