四周目 壱
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瑠火さんがお風邪を召された。
今回はただの風邪だったからいいものの、彼女は産後の肥立ち も悪かったようで、元から体が丈夫ではない方だ。季節の変わり目には幾度となく体調を崩していると聞く。
このままではまた結核に罹患 してしまうかもしれない……。悲しむ家族を見たくない。もう、つらそうな瑠火さんを見たくない。
結核は保菌してから大抵が二年以内に発症することが多いと言われている。
特に体の丈夫でない者、抵抗力の弱った者の発症率が高く、体が丈夫な者だと保菌しても一生かからないで終わることも多い病だ。
ちょっと違う気がするけれどかからない人にとっては常在菌と同じ様なものなのかも。
瑠火さんがどこで誰から移ったのか、いつ保菌したのか、今も既に保菌してしまっているのかそれは医者でもない私には調べようも知りようもない。
ならば発症のリスクについては変えようも考えようもなく。
大事なのは保菌させないことではなく、発症させないこと。抵抗力を低下させないこと。これ以上風邪なんてひかせず、良質な栄養を摂らせること。
どちらにせよ幼い私にできることなんて、瑠火さんにしっかりと栄養を摂ってもらうことくらいだった。
「は?朝緋、これはなんだ」
「普段から食卓にあげるために欲しい食材です。父様は柱でいらっしゃるからして、これくらいの食材を家に毎日届けてもらうための伝手くらいあるかなぁと」
そう言って槇寿朗さんに渡した紙には、欲しい食材が箇条書きでずらりと並んでいた。
実芭蕉、つまりバナナに、牛や豚の肉、鶏卵に牛乳、山の芋、その他たくさんの食材。
全てが毎日とは言わないけれど、日々の食卓にできる限り多い頻度で登場させたい滋養のあるものばかりだ。
「多くないか!?」
「隊士はいっぱい食べて、吐きそうになるほど……というか実際吐きながら修行して強くなっていくと聞きました。強くなるため杏寿郎兄さんにもいっぱい食べてもらいたいし、私もいっぱい食べたいです。
それに私は、お体の弱い母様にこそ、栄養をつけてもらいたくって。だから欲しいの」
「修行中に吐くのは確かに珍しい光景ではないが。隊士関係ない瑠火にもなのか……?」
「栄養のある食事を摂ってもらえば、母様の御身体も少しは体調を崩しにくい体になると思って。
……ねえ父様、駄目?父様の力をもってしても無理?手に入らない??」
娘パワー全開。目を潤ませて上目遣いでおねだり。
「駄目でも無理でもない。柱であるこの俺に、いや……この父に任せろ!
いやしかし、毎日鶏卵をか……まるで養鶏場だな。うわ、牛の乳まであるではないか」
牛乳などには馴染みがあまりなく渋い顔をしてはいたが、破壊力抜群な娘のおねだり、愛する人が関わる言葉を得たことでその願いは早速叶えられた。
次の日の朝には煉獄家の勝手場に卵や新鮮な牛乳が届けられたのだ。次いで他の食材もぽんぽん届く。槇寿朗さんが任務でいないのにだ。
んんん早い!嬉しいけれど相変わらず炎の呼吸使いは行動が早すぎる!!
でも何事もなかったかのようにすぐ使い出す私も私か。
「最近の食卓は朝も昼も夜も、とても豪華になりましたね」
「美味い!わっしょい!美味い!わっしょい!」
「巷では一汁三菜 が主流なのですよ〜。学校でも習いましたので」
「あらまあ、学校ではそんなことも習うのですか」
「あー、あはは!!」
いいや、そんなものは学んだりしない。
毎朝の玉子焼きに魚、具材たっぷりのおみおつけ……特にさつまいもが入った物。いつもの糠漬け。昼夜は牛丼もどきに肉じゃが、ハンバーグ、とんかつ、麦とろなど和食も洋食も関係なく多岐に渡って登場する私の料理。
うるさいほどのわっしょいの声が響き渡る中。
「美味い!わっしょい!美味い!わっしょ「美味いのは否定せぬがうるさいぞ杏寿郎っ」はいすみませんっ!!」
ううん、早速うるささに槇寿朗さんが注意する声が響く中、家族全員で食卓を囲む。
まさか私の料理食べたさに、藤の家紋の家にも寄らず柱たる槇寿朗さんがちょくちょく生家に帰ってきてくれるようになるとは。
こんな機会が増えたのは全く喜ばしいことだ。嬉しい誤算といえよう。
「相変わらず品数が多いし色彩豊かだな……朝緋はどこでこんな料理を覚えてくるんだ?」
「今日の場合の副菜は人参しりしりと、新鮮なお茄子が手に入ったので焼いただけですよ。なんかこう、その時その時で食べたいものを適当に作ってるだけで。
品数多いといろんな栄養摂れていいし、色も多い方が食欲湧くかなーって」
適当と言うしかない。だって、令和の世で日常的に食べていたおかずばかりだもの。
「茄子はごま油で焼いてお醤油チョチョイおろし生姜たっぷり、人参はじっくり油で炒めてからふわふわ卵と炒め合わせる……これが最高で。
特にこの二つのお野菜なんて、油と相性抜群でカロテンが増えて体にいいんですよねぇ」
ごくり。食べながらも喉を鳴らす杏寿郎さんは早速そのおかずで白飯を掻き込んでいる。
同じくそそられるものがあったのだろう、槇寿朗さんと瑠火さんの箸もその品にのびた。
「人参のしり?や、かろてんというのがよくわからんが白飯が進むな」
「ええ、どれも美味しいですよ、朝緋」
人参のしりではなくしりしりだし、カロテンは栄養素だが置いといて。美味しいと、そう言ってもらえるのが何より嬉しい。料理するのは既に私のかけがえのない趣味だもの。もちろん、味は瑠火さんの作る食事に勝るものはないけれどね。
食いしん坊なので、瑠火さんの作るおいなり寿司が食べたい。
「父上母上、朝緋は食事が一等好きなんです。何でも美味そうに食べるし、いつも楽しそうに作っています!」
「ははは、楽しいなら何よりだが、杏寿郎はいつもそうやって覗いているのだな?」
「はいっ!お腹が空くので!!」
杏寿郎さんはよくつまみ食いしに来るからなあ。
「私は皆の体づくりの助けになればいいなって思って作ってるの。
でも、おいしくなーれおいしくなーれって唱えながら作ってたら思いのほか楽しくて、実際に美味しく出来たってだけなんだよ」
離乳食を千寿郎に食べさせてやりながら、そう答える。
この家族団欒の場は、かけがえない大切な空間。ずっと続けばいいと思う。私はこの幸せのために少しお手伝いをしているだけだ。
千寿郎の離乳食を見ていたら今夜のおかずが早速浮かんだ。
今夜は里芋揚げて胡麻味噌で和えようかな。それか大根を濃い目に炊いて衣をつけてフライに揚げようか。椎の原木に椎茸が生え始まったから一緒に揚げても美味しそう。鶏の唐揚げもいいなあ。
「朝緋の作る美味しいものばかり食べていたら鍛錬に支障をきたしそうだ」
声に出ていたらしく、槇寿朗さんも瑠火さんも笑っている。
「そうですね、食べ過ぎでお腹がぽっこりしてきたら、父様は柱としての威厳に関わりますよ〜?」
「うぐ、怖いことをさらりと言う子だな……」
「俺はいくら食べてもまだまだ入るぞ朝緋!今もだ!おかわり!!」
「「それはいつものことだから知ってる」」
お茶碗にこんもりとおかわりを乗せつつ、槇寿朗さんと言葉を重ねて発する。
「あらあら。なら杏寿郎、私の分もどうぞお食べなさい」
「あっ母様、杏寿郎さんに余分なおかずを与えないで!?母様の分は母様が食べてよ〜」
栄養的にも瑠火さんにはきちんと食事を摂ってもらわないとだし、何より杏寿郎さんにおかずを与えるとその分更にご飯の消費量が増える。
しかし結局のところ、瑠火さんがおかずを与えなくとも、おひついっぱいのご飯はそのほとんどが杏寿郎さんのブラックホール胃袋に消えた。
私や槇寿朗さんも食べるほうだけど、杏寿郎さんには負ける。
「瑠火の体調も頗る良くなったようだ。少し肥えたと、苦笑しているくらいだぞ。
朝緋のおかげだな、ありがとう」
夜半過ぎ、槇寿朗さんが柔らかく笑いながら声をかけてきた。柱だから厳しい顔もすることはあるだろうけれど、家族の前ではこの先もずっとこの顔をしていてくれるといいなぁ。
「俺も屋敷に帰ると美味い飯が食えて嬉しい。無事に帰らねばなとより一層気合が入る」
「やだなあ父様。私は待つ者として当前のことをしているに過ぎませんよ!
お礼を言ってもらうより、もっと稽古をつけてもらう方が嬉しいな……」
「そう来たか!だがこれ以上は駄目だな。
体の成長に見合う修行量にするのが望ましい。朝緋には今つけている稽古で十分なのだ。それで納得出来ないのならば、杏寿郎から一本取れるようになってから言いなさい」
「杏寿郎……兄さんから一本……」
槇寿朗さんに頭をぐしゃぐしゃと撫でられながら、言われた言葉を反芻する。
今の私には無理だ。到底、杏寿郎さんには敵いっこない。
無理だと分かっているからこそ、槇寿朗さんはその条件を提示してきた。
いくら経験値の高さが杏寿郎さんどころか槇寿朗さん以上になっていようと、今の私には圧倒的に速さも力も足りていない。体が成長過程だから仕方ないけれど、もう少し速さを、強さを磨いてから言えということだ。
今回はただの風邪だったからいいものの、彼女は産後の
このままではまた結核に
結核は保菌してから大抵が二年以内に発症することが多いと言われている。
特に体の丈夫でない者、抵抗力の弱った者の発症率が高く、体が丈夫な者だと保菌しても一生かからないで終わることも多い病だ。
ちょっと違う気がするけれどかからない人にとっては常在菌と同じ様なものなのかも。
瑠火さんがどこで誰から移ったのか、いつ保菌したのか、今も既に保菌してしまっているのかそれは医者でもない私には調べようも知りようもない。
ならば発症のリスクについては変えようも考えようもなく。
大事なのは保菌させないことではなく、発症させないこと。抵抗力を低下させないこと。これ以上風邪なんてひかせず、良質な栄養を摂らせること。
どちらにせよ幼い私にできることなんて、瑠火さんにしっかりと栄養を摂ってもらうことくらいだった。
「は?朝緋、これはなんだ」
「普段から食卓にあげるために欲しい食材です。父様は柱でいらっしゃるからして、これくらいの食材を家に毎日届けてもらうための伝手くらいあるかなぁと」
そう言って槇寿朗さんに渡した紙には、欲しい食材が箇条書きでずらりと並んでいた。
実芭蕉、つまりバナナに、牛や豚の肉、鶏卵に牛乳、山の芋、その他たくさんの食材。
全てが毎日とは言わないけれど、日々の食卓にできる限り多い頻度で登場させたい滋養のあるものばかりだ。
「多くないか!?」
「隊士はいっぱい食べて、吐きそうになるほど……というか実際吐きながら修行して強くなっていくと聞きました。強くなるため杏寿郎兄さんにもいっぱい食べてもらいたいし、私もいっぱい食べたいです。
それに私は、お体の弱い母様にこそ、栄養をつけてもらいたくって。だから欲しいの」
「修行中に吐くのは確かに珍しい光景ではないが。隊士関係ない瑠火にもなのか……?」
「栄養のある食事を摂ってもらえば、母様の御身体も少しは体調を崩しにくい体になると思って。
……ねえ父様、駄目?父様の力をもってしても無理?手に入らない??」
娘パワー全開。目を潤ませて上目遣いでおねだり。
「駄目でも無理でもない。柱であるこの俺に、いや……この父に任せろ!
いやしかし、毎日鶏卵をか……まるで養鶏場だな。うわ、牛の乳まであるではないか」
牛乳などには馴染みがあまりなく渋い顔をしてはいたが、破壊力抜群な娘のおねだり、愛する人が関わる言葉を得たことでその願いは早速叶えられた。
次の日の朝には煉獄家の勝手場に卵や新鮮な牛乳が届けられたのだ。次いで他の食材もぽんぽん届く。槇寿朗さんが任務でいないのにだ。
んんん早い!嬉しいけれど相変わらず炎の呼吸使いは行動が早すぎる!!
でも何事もなかったかのようにすぐ使い出す私も私か。
「最近の食卓は朝も昼も夜も、とても豪華になりましたね」
「美味い!わっしょい!美味い!わっしょい!」
「巷では
「あらまあ、学校ではそんなことも習うのですか」
「あー、あはは!!」
いいや、そんなものは学んだりしない。
毎朝の玉子焼きに魚、具材たっぷりのおみおつけ……特にさつまいもが入った物。いつもの糠漬け。昼夜は牛丼もどきに肉じゃが、ハンバーグ、とんかつ、麦とろなど和食も洋食も関係なく多岐に渡って登場する私の料理。
うるさいほどのわっしょいの声が響き渡る中。
「美味い!わっしょい!美味い!わっしょ「美味いのは否定せぬがうるさいぞ杏寿郎っ」はいすみませんっ!!」
ううん、早速うるささに槇寿朗さんが注意する声が響く中、家族全員で食卓を囲む。
まさか私の料理食べたさに、藤の家紋の家にも寄らず柱たる槇寿朗さんがちょくちょく生家に帰ってきてくれるようになるとは。
こんな機会が増えたのは全く喜ばしいことだ。嬉しい誤算といえよう。
「相変わらず品数が多いし色彩豊かだな……朝緋はどこでこんな料理を覚えてくるんだ?」
「今日の場合の副菜は人参しりしりと、新鮮なお茄子が手に入ったので焼いただけですよ。なんかこう、その時その時で食べたいものを適当に作ってるだけで。
品数多いといろんな栄養摂れていいし、色も多い方が食欲湧くかなーって」
適当と言うしかない。だって、令和の世で日常的に食べていたおかずばかりだもの。
「茄子はごま油で焼いてお醤油チョチョイおろし生姜たっぷり、人参はじっくり油で炒めてからふわふわ卵と炒め合わせる……これが最高で。
特にこの二つのお野菜なんて、油と相性抜群でカロテンが増えて体にいいんですよねぇ」
ごくり。食べながらも喉を鳴らす杏寿郎さんは早速そのおかずで白飯を掻き込んでいる。
同じくそそられるものがあったのだろう、槇寿朗さんと瑠火さんの箸もその品にのびた。
「人参のしり?や、かろてんというのがよくわからんが白飯が進むな」
「ええ、どれも美味しいですよ、朝緋」
人参のしりではなくしりしりだし、カロテンは栄養素だが置いといて。美味しいと、そう言ってもらえるのが何より嬉しい。料理するのは既に私のかけがえのない趣味だもの。もちろん、味は瑠火さんの作る食事に勝るものはないけれどね。
食いしん坊なので、瑠火さんの作るおいなり寿司が食べたい。
「父上母上、朝緋は食事が一等好きなんです。何でも美味そうに食べるし、いつも楽しそうに作っています!」
「ははは、楽しいなら何よりだが、杏寿郎はいつもそうやって覗いているのだな?」
「はいっ!お腹が空くので!!」
杏寿郎さんはよくつまみ食いしに来るからなあ。
「私は皆の体づくりの助けになればいいなって思って作ってるの。
でも、おいしくなーれおいしくなーれって唱えながら作ってたら思いのほか楽しくて、実際に美味しく出来たってだけなんだよ」
離乳食を千寿郎に食べさせてやりながら、そう答える。
この家族団欒の場は、かけがえない大切な空間。ずっと続けばいいと思う。私はこの幸せのために少しお手伝いをしているだけだ。
千寿郎の離乳食を見ていたら今夜のおかずが早速浮かんだ。
今夜は里芋揚げて胡麻味噌で和えようかな。それか大根を濃い目に炊いて衣をつけてフライに揚げようか。椎の原木に椎茸が生え始まったから一緒に揚げても美味しそう。鶏の唐揚げもいいなあ。
「朝緋の作る美味しいものばかり食べていたら鍛錬に支障をきたしそうだ」
声に出ていたらしく、槇寿朗さんも瑠火さんも笑っている。
「そうですね、食べ過ぎでお腹がぽっこりしてきたら、父様は柱としての威厳に関わりますよ〜?」
「うぐ、怖いことをさらりと言う子だな……」
「俺はいくら食べてもまだまだ入るぞ朝緋!今もだ!おかわり!!」
「「それはいつものことだから知ってる」」
お茶碗にこんもりとおかわりを乗せつつ、槇寿朗さんと言葉を重ねて発する。
「あらあら。なら杏寿郎、私の分もどうぞお食べなさい」
「あっ母様、杏寿郎さんに余分なおかずを与えないで!?母様の分は母様が食べてよ〜」
栄養的にも瑠火さんにはきちんと食事を摂ってもらわないとだし、何より杏寿郎さんにおかずを与えるとその分更にご飯の消費量が増える。
しかし結局のところ、瑠火さんがおかずを与えなくとも、おひついっぱいのご飯はそのほとんどが杏寿郎さんのブラックホール胃袋に消えた。
私や槇寿朗さんも食べるほうだけど、杏寿郎さんには負ける。
「瑠火の体調も頗る良くなったようだ。少し肥えたと、苦笑しているくらいだぞ。
朝緋のおかげだな、ありがとう」
夜半過ぎ、槇寿朗さんが柔らかく笑いながら声をかけてきた。柱だから厳しい顔もすることはあるだろうけれど、家族の前ではこの先もずっとこの顔をしていてくれるといいなぁ。
「俺も屋敷に帰ると美味い飯が食えて嬉しい。無事に帰らねばなとより一層気合が入る」
「やだなあ父様。私は待つ者として当前のことをしているに過ぎませんよ!
お礼を言ってもらうより、もっと稽古をつけてもらう方が嬉しいな……」
「そう来たか!だがこれ以上は駄目だな。
体の成長に見合う修行量にするのが望ましい。朝緋には今つけている稽古で十分なのだ。それで納得出来ないのならば、杏寿郎から一本取れるようになってから言いなさい」
「杏寿郎……兄さんから一本……」
槇寿朗さんに頭をぐしゃぐしゃと撫でられながら、言われた言葉を反芻する。
今の私には無理だ。到底、杏寿郎さんには敵いっこない。
無理だと分かっているからこそ、槇寿朗さんはその条件を提示してきた。
いくら経験値の高さが杏寿郎さんどころか槇寿朗さん以上になっていようと、今の私には圧倒的に速さも力も足りていない。体が成長過程だから仕方ないけれど、もう少し速さを、強さを磨いてから言えということだ。