三周目 陸
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
予定ならそろそろ炭治郎が起きるはずよね……ん?
炭治郎の背負い籠が開いた。中からゴロンと落ちてきたのは。
「ね、禰󠄀豆子ちゃん!?」
「む?」
ぷりちーサイズの禰󠄀豆子ちゃんが一人で出てきた!!一人で出られるんだね!偉い!!
「はじめまして禰󠄀豆子ちゃん。私は煉獄朝緋って言います。貴方のお兄さん……炭治郎のお友達よ。よろしくね!」
「むー、むーぅ!」
スススと目の前にしゃがんで挨拶すれば、にっこりと笑顔でお返事された!きゅううううん!!かわいい!!
「はわー、やっぱり禰󠄀豆子ちゃんってかわいくて癒される!鬼じゃなかったらもっといいけど、この際禰󠄀豆子ちゃんなら鬼でも許す!ちっちゃくてかわいい!」
「む、むむー!?」
「このちっちゃいおてて!ぷにぷにふくふく!体が縮められるだなんて最高!!」
「むむむー!!」
すりすり頬擦りからのぎゅー!!
「な、なあ君、その女の子、そろそろ離してほしいって言ってるんじゃないか?あと気持ちが声に出てるぞ……」
苦笑する男性に言われて気がついた。これは男性でなくても、苦笑案件ね。
「あっ、ごめん!超頬擦りしてたわ……禰󠄀豆子ちゃん、炭治郎達を起こしたいの。手伝ってくれる?」
「む!」
炭治郎は禰󠄀豆子ちゃんに任せよう。私は善逸と伊之助を……。
ゆさゆさ、ゆさ。炭治郎は起きない。何度ゆらしても揺らしても起きない。
痺れを切らした禰󠄀豆子ちゃんが、炭治郎の額に自らの額を打ちつけた。
パァーーーン!いい音したね?
プシュッ。
えっ禰󠄀豆子ちゃんの額から血が噴き出した!?炭治郎の額は……やっぱり無傷!!
そして禰󠄀豆子ちゃんが自分の血気術、燃える血を使って炭治郎を燃やしにかかった。
うわめっちゃ怒ってる……!でもこれ、人間は燃えないんだよね?炭治郎に怒ってるけど同時に起こしてる感じ?
っていうか鬼である禰󠄀豆子ちゃんの額が割れた……?いや、槇寿朗さんが気絶するほどの石頭なのは知ってたけどさ。まさか禰󠄀豆子ちゃんの額までもが割れて血が……とか思わないよね?
「禰󠄀豆子ちゃん、大丈夫!?私の血、稀血なんだけど回復に要る?……え、あ、要らないか。そっかぁ」
これは良い機会だと、禰󠄀豆子ちゃんに私の稀血を嗅がせるとどうなるのか反応を見ようと思ったけど……要らないってさ。鬼なのに。
んー、せめて炭治郎というストッパーがいる時に確かめさせてもらえないだろうか。
「目覚めないと……」
はっ!?炭治郎が目を覚ましかけてる!!
「炭治郎!起きて!起き……、」
「うわあああああああ!!!」
ゴスッッッ!!
炭治郎の額が今度は私の額にぶち当たった。一瞬頭逸らしたから直撃しなかったけど。
やば、目の前に星が回ってる……?私死ぬ?
「大丈夫、生きてる……禰󠄀豆子!大丈夫か!!……え、下??」
禰󠄀豆子ちゃんも自分の額を押さえてるけど、私の方を向くように指示している。そう、下に倒れた私の方に。
「わー!!朝緋さん!!どうしたんですか!!」
「貴方が起きた勢いで私の額にごっつんこしたのよ……。炭治郎、貴方まじ石頭……」
階級が上がってない隊士で直撃だったら本当に死んでたかもしれない。
まだクラクラしてるけど、甲隊士としての矜持が許さないのでなんとか立ち上がる。
「す、すみません……」
「これだけ固かったらいい武器になるでしょ。味方に使うのはやめてほしいけど。
……さて、早速で悪いけれど、他の皆を起こすのを手伝ってほしいな」
どうせなかなか起きないだろうけれどもね。
あ、善逸は起こさなくていいのか。
「わかりました。あの、その前にこの人達は?それにこの縄は……」
「この人達は鬼の協力者だから敵ね。まあ、私に繋がってた人と「あ、僕です」、炭治郎と繋がってた人は敵じゃないみたいだけど。起きてるよね、そこの子」
「……起きてます。ごめんなさい、もうしません……ケホケホッ」
「うん。病気でしょう?休んでいてね。
それでこの縄は鬼のもの。繋いだ者の夢の中に侵入して……なんか悪さする!予定だったみたい」
「なんかってなんですか……?」
詳しく聞いてないしなぁ。報告書を上げるためにもちゃんと聞かないといけないんだけど……今はいいか。
「なんかはなんか!竈門隊士!鬼の協力者をやってた人達から任務が終わったあとに聞くこと!いいね!?」
「は、はいっ!」
丸投げである。
「それでね、起こすにあたって禰󠄀豆子ちゃんにも手伝って貰うしかないの。切符あったでしょ?縄とあれを燃やしてほしいなって」
「切符……そういえば縄にも切符にも、僅かだけど鬼の匂いがします」
「切符を切ると鬼の血鬼術が発動するようだよ。だから大元を燃やすの」
燃やせば起きやすくなることももうわかっているのだから、焼いちゃうしかないよね?
「禰󠄀豆子、できるか?」
「むぅ!」
「よーし!禰󠄀豆子ちゃん、ふぁいやー!」
ついでにあいすすとーむ!だいやきゅーと!なんて掛け声あげたくなるのは、きっと明槻のせいだろう。
切符自体はどこに入れてるかわからないので、丸ごと燃やし尽くす!杏寿郎さんも、善逸も伊之助も!!
火だるまの光景はちょっと怖いけど実際に燃えるわけじゃないからつまり、炎の呼吸と一緒一緒!
禰󠄀豆子ちゃんの炎によって、縄と切符が跡形もなく燃え尽きた。
「上手に焼けましたー!!ありがとうね、禰󠄀豆子ちゃん」
「むーう!」
まだ三人は起きないけれど、炭治郎と共に禰󠄀豆子ちゃんを労い撫でる。
仕方ない、『今回』も炭治郎と奴を仕留めに行こうかな。どうせ本体ではないのだろうけれど。
戦っていれば衝撃で起きるはずだし。今先頭車両で頸を斬りにいくのは得策じゃない。
まだ汽車との融合が済んでいない可能性がある。融合していなければ、逃げられてしまうかも……。そしたら元の木阿弥。何の意味もない!
ん?縄を燃やしたから鬼に協力していた子達が起きたわね……。
『前』同様に歯向かってきた三人を手刀で眠らせた炭治郎。
「俺は戦いに行かなきゃならないから」
その顔に浮かぶのは、何度も見てきた悲しい表情。
「炭治郎大丈夫?行くよ」
「っはい!」
次の客車へと移動する途中で気になっていたことを聞いてみる。
私は他の呼吸も使いたい。そう思うきっかけはこの炭治郎だ。少しやってみたらへばってしまって駄目だったけれど、大元である炭治郎から情報を聞き出せればあるいは……と思ったのだ。
「そういえば炭治郎、貴方は二つの呼吸を使えるってことなんだよね?確か水の呼吸と、その……日の呼吸?を。あ、水の呼吸を使うっていうのは、報告書で軽く読んだの」
確認のためだ。知ってるていで聞くのはあやしいし。
「ヒの呼吸?」
「あ、ううん。ヒノカミ神楽だっけ?それのこと」
おっといけない。炎の呼吸を日の呼吸と呼んではならないってことと同じくらい、日の呼吸があるなんて私が知ってたら変よね!
まあ、槇寿朗さんとやり合った時とかでガッツリ知っちゃったんだけれど。
「一応は……でも反動がすごくて動けなくなります。無理矢理呼吸を違うものに切り替えるからだと思うんです」
「そっかあ……やっぱり反動くるよねぇ」
「やっぱり??」
「そういう時はどうしてるの?」
「まだそんなに併用していないのでわかりません!!」
「えっ……」
聞いても意味がなかった。炭治郎もまだ、使いこなせていない……!
そうか、鍛錬不足か。複数の呼吸を使いながらの鍛錬をより一層積んで努力して努力して強くならなくては使いこなせない、そういうことね。
つまりこのままだと二つの呼吸を使うのは無理。
結局、『鍛錬』に行き着くわけだ。
上弦の参を退けて。
今すぐは無理でも鍛錬して呼吸を身につけて。
いつか鬼の首領へこの刃が届くように。
私強くなるからね、杏寿郎さん。
炭治郎の背負い籠が開いた。中からゴロンと落ちてきたのは。
「ね、禰󠄀豆子ちゃん!?」
「む?」
ぷりちーサイズの禰󠄀豆子ちゃんが一人で出てきた!!一人で出られるんだね!偉い!!
「はじめまして禰󠄀豆子ちゃん。私は煉獄朝緋って言います。貴方のお兄さん……炭治郎のお友達よ。よろしくね!」
「むー、むーぅ!」
スススと目の前にしゃがんで挨拶すれば、にっこりと笑顔でお返事された!きゅううううん!!かわいい!!
「はわー、やっぱり禰󠄀豆子ちゃんってかわいくて癒される!鬼じゃなかったらもっといいけど、この際禰󠄀豆子ちゃんなら鬼でも許す!ちっちゃくてかわいい!」
「む、むむー!?」
「このちっちゃいおてて!ぷにぷにふくふく!体が縮められるだなんて最高!!」
「むむむー!!」
すりすり頬擦りからのぎゅー!!
「な、なあ君、その女の子、そろそろ離してほしいって言ってるんじゃないか?あと気持ちが声に出てるぞ……」
苦笑する男性に言われて気がついた。これは男性でなくても、苦笑案件ね。
「あっ、ごめん!超頬擦りしてたわ……禰󠄀豆子ちゃん、炭治郎達を起こしたいの。手伝ってくれる?」
「む!」
炭治郎は禰󠄀豆子ちゃんに任せよう。私は善逸と伊之助を……。
ゆさゆさ、ゆさ。炭治郎は起きない。何度ゆらしても揺らしても起きない。
痺れを切らした禰󠄀豆子ちゃんが、炭治郎の額に自らの額を打ちつけた。
パァーーーン!いい音したね?
プシュッ。
えっ禰󠄀豆子ちゃんの額から血が噴き出した!?炭治郎の額は……やっぱり無傷!!
そして禰󠄀豆子ちゃんが自分の血気術、燃える血を使って炭治郎を燃やしにかかった。
うわめっちゃ怒ってる……!でもこれ、人間は燃えないんだよね?炭治郎に怒ってるけど同時に起こしてる感じ?
っていうか鬼である禰󠄀豆子ちゃんの額が割れた……?いや、槇寿朗さんが気絶するほどの石頭なのは知ってたけどさ。まさか禰󠄀豆子ちゃんの額までもが割れて血が……とか思わないよね?
「禰󠄀豆子ちゃん、大丈夫!?私の血、稀血なんだけど回復に要る?……え、あ、要らないか。そっかぁ」
これは良い機会だと、禰󠄀豆子ちゃんに私の稀血を嗅がせるとどうなるのか反応を見ようと思ったけど……要らないってさ。鬼なのに。
んー、せめて炭治郎というストッパーがいる時に確かめさせてもらえないだろうか。
「目覚めないと……」
はっ!?炭治郎が目を覚ましかけてる!!
「炭治郎!起きて!起き……、」
「うわあああああああ!!!」
ゴスッッッ!!
炭治郎の額が今度は私の額にぶち当たった。一瞬頭逸らしたから直撃しなかったけど。
やば、目の前に星が回ってる……?私死ぬ?
「大丈夫、生きてる……禰󠄀豆子!大丈夫か!!……え、下??」
禰󠄀豆子ちゃんも自分の額を押さえてるけど、私の方を向くように指示している。そう、下に倒れた私の方に。
「わー!!朝緋さん!!どうしたんですか!!」
「貴方が起きた勢いで私の額にごっつんこしたのよ……。炭治郎、貴方まじ石頭……」
階級が上がってない隊士で直撃だったら本当に死んでたかもしれない。
まだクラクラしてるけど、甲隊士としての矜持が許さないのでなんとか立ち上がる。
「す、すみません……」
「これだけ固かったらいい武器になるでしょ。味方に使うのはやめてほしいけど。
……さて、早速で悪いけれど、他の皆を起こすのを手伝ってほしいな」
どうせなかなか起きないだろうけれどもね。
あ、善逸は起こさなくていいのか。
「わかりました。あの、その前にこの人達は?それにこの縄は……」
「この人達は鬼の協力者だから敵ね。まあ、私に繋がってた人と「あ、僕です」、炭治郎と繋がってた人は敵じゃないみたいだけど。起きてるよね、そこの子」
「……起きてます。ごめんなさい、もうしません……ケホケホッ」
「うん。病気でしょう?休んでいてね。
それでこの縄は鬼のもの。繋いだ者の夢の中に侵入して……なんか悪さする!予定だったみたい」
「なんかってなんですか……?」
詳しく聞いてないしなぁ。報告書を上げるためにもちゃんと聞かないといけないんだけど……今はいいか。
「なんかはなんか!竈門隊士!鬼の協力者をやってた人達から任務が終わったあとに聞くこと!いいね!?」
「は、はいっ!」
丸投げである。
「それでね、起こすにあたって禰󠄀豆子ちゃんにも手伝って貰うしかないの。切符あったでしょ?縄とあれを燃やしてほしいなって」
「切符……そういえば縄にも切符にも、僅かだけど鬼の匂いがします」
「切符を切ると鬼の血鬼術が発動するようだよ。だから大元を燃やすの」
燃やせば起きやすくなることももうわかっているのだから、焼いちゃうしかないよね?
「禰󠄀豆子、できるか?」
「むぅ!」
「よーし!禰󠄀豆子ちゃん、ふぁいやー!」
ついでにあいすすとーむ!だいやきゅーと!なんて掛け声あげたくなるのは、きっと明槻のせいだろう。
切符自体はどこに入れてるかわからないので、丸ごと燃やし尽くす!杏寿郎さんも、善逸も伊之助も!!
火だるまの光景はちょっと怖いけど実際に燃えるわけじゃないからつまり、炎の呼吸と一緒一緒!
禰󠄀豆子ちゃんの炎によって、縄と切符が跡形もなく燃え尽きた。
「上手に焼けましたー!!ありがとうね、禰󠄀豆子ちゃん」
「むーう!」
まだ三人は起きないけれど、炭治郎と共に禰󠄀豆子ちゃんを労い撫でる。
仕方ない、『今回』も炭治郎と奴を仕留めに行こうかな。どうせ本体ではないのだろうけれど。
戦っていれば衝撃で起きるはずだし。今先頭車両で頸を斬りにいくのは得策じゃない。
まだ汽車との融合が済んでいない可能性がある。融合していなければ、逃げられてしまうかも……。そしたら元の木阿弥。何の意味もない!
ん?縄を燃やしたから鬼に協力していた子達が起きたわね……。
『前』同様に歯向かってきた三人を手刀で眠らせた炭治郎。
「俺は戦いに行かなきゃならないから」
その顔に浮かぶのは、何度も見てきた悲しい表情。
「炭治郎大丈夫?行くよ」
「っはい!」
次の客車へと移動する途中で気になっていたことを聞いてみる。
私は他の呼吸も使いたい。そう思うきっかけはこの炭治郎だ。少しやってみたらへばってしまって駄目だったけれど、大元である炭治郎から情報を聞き出せればあるいは……と思ったのだ。
「そういえば炭治郎、貴方は二つの呼吸を使えるってことなんだよね?確か水の呼吸と、その……日の呼吸?を。あ、水の呼吸を使うっていうのは、報告書で軽く読んだの」
確認のためだ。知ってるていで聞くのはあやしいし。
「ヒの呼吸?」
「あ、ううん。ヒノカミ神楽だっけ?それのこと」
おっといけない。炎の呼吸を日の呼吸と呼んではならないってことと同じくらい、日の呼吸があるなんて私が知ってたら変よね!
まあ、槇寿朗さんとやり合った時とかでガッツリ知っちゃったんだけれど。
「一応は……でも反動がすごくて動けなくなります。無理矢理呼吸を違うものに切り替えるからだと思うんです」
「そっかあ……やっぱり反動くるよねぇ」
「やっぱり??」
「そういう時はどうしてるの?」
「まだそんなに併用していないのでわかりません!!」
「えっ……」
聞いても意味がなかった。炭治郎もまだ、使いこなせていない……!
そうか、鍛錬不足か。複数の呼吸を使いながらの鍛錬をより一層積んで努力して努力して強くならなくては使いこなせない、そういうことね。
つまりこのままだと二つの呼吸を使うのは無理。
結局、『鍛錬』に行き着くわけだ。
上弦の参を退けて。
今すぐは無理でも鍛錬して呼吸を身につけて。
いつか鬼の首領へこの刃が届くように。
私強くなるからね、杏寿郎さん。