二周目 捌
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目を開けたら列車の天井が見えた。天井もピカピカだわ。あの整備士さん達ったら、こんなところまでお掃除したのね……プロ根性すごい。
にしても。
「死んだかと思った」
いや実際死んだけど。ん?目の前に焚き火だ焚き火だ落ち葉焚き〜って火が見える。
「って燃えてるの自分なんですけど!?火、火!熱ッ……あれ?熱くない」
「朝緋さんッ!!よかった、起きた!!」
火を気にせず隣から私の肩を揺さぶり、声をかける者が。……炭治郎だった。
ひとしきり燃えたあと勝手に消えた、赤というよりピンクの炎。吸っても触っても特になんということもなく害はなかった。
禰󠄀豆子ちゃんの炎なのはわかるし、縄を燃やしたんだな〜ってのはわかるけど、目の前で見ると驚くね。火葬場の中という気分だったわ……。
「今の火は禰󠄀豆子の血鬼術です!手首にあった鬼の縄を燃やしただけですすみませんっ!体はなんともないでしょうか!?」
「あ、うん」
禰󠄀豆子ちゃんを庇いつつ、炭治郎がぺこぺこと謝罪を繰り返している。
もしかして、血鬼術だから攻撃だと私が勘違いして、禰󠄀豆子ちゃんにメッ!すると思ってるのだろうか。
「ふふふっ。なんともないし血鬼術使ったって禰󠄀豆子ちゃんを斬ったりしないよ。そう身構えないでよ」
「そ、そうですよね」
ちょいちょい、と禰󠄀豆子ちゃんに来るよう呼びかけると、私が撫でやすい位置に頭を差し出してくれた。
「むーぅ!」
自己紹介しながら撫でさせてもらうと、うりうりと頭を押し付けてくる。
はわ……かわいい……。妹が欲しい。
癒しを補給し終え、杏寿郎さん達に起きろ起きろと呼びかけ、時につねり、時にくすぐり攻撃を仕掛ける。
あ、つねるのとくすぐるのは私がやりました。階級甲の全力つねりは相当痛いはずなのに、全く起きないってやっぱり問題あるよ。
他にも試そうとしてたのに私ったらまた筆も忘れてる。これじゃ額に落書き……いや、額はやめよう。煉獄家の額は日本の宝だった。
「朝緋さんは、俺の事や禰󠄀豆子の事を前々から知っていたんですか?
そうじゃなかったら、そんな友好的な匂いをしているわけがないですよね」
善逸と伊之助を起こすべく小さくポカポカ殴りながら、炭治郎が聞いてくる。
ずっと気になっていたのか……。出たな、炭治郎の超嗅覚。さて、今はどこまで嗅ぎ取れるか。お手並み拝見。
「ふふふ。ほら、私炎柱の継子じゃない?師範から先に聞いていたの」
「朝緋さん、それは嘘ですよね?
嘘をついている匂いがします!」
え、まじで?こんなちょっとの誤魔化しも効かないの?
本当に稀血だけじゃないんだ……ちっちゃーい感情の変化とかもわかるってすごいなぁ。
「って!嗅がないでくれる?私一応女性なので恥ずかしい」
炭治郎が鼻を近づけてくんくん嗅いできた!犬じゃないんだからやめようよそういうの。まるでかつての杏寿郎さんだ。
それに、『前』と同じで体臭は臭くないはずだけど、万が一もあるし。あ、杏寿郎さんと恋仲になったから匂い変わってたりして?
ソウイウコトもしてるし私からは杏寿郎さんからの愛の匂いが……。
って何変なこと考えてるんだろ恥ずかしすぎる!
顔から火が出そうになった私は、思考をも隠すように禰󠄀豆子ちゃんの後ろに隠れた。禰󠄀豆子ちゃんも私を隠してくれた。
でも体が小さいから何にも隠れないし、ただの隠れん坊の真似事だ。
「禰󠄀豆子ちゃん助けて〜」
「むー!!」
「す、すみません!!禰󠄀豆子の言う通りだよな、ごめんなさい!」
もしかして禰󠄀豆子ちゃんは「失礼だよお兄ちゃん」とか言っていたりするのかな?
だとしたらほっこりしちゃうし、ありがたいし頼りになるぅ〜。
炭治郎ってば、なーんか杏寿郎さんとちょっぴり似てるところある気がするからね。上手く言えないけど、性質というかなんというか。
「すみません……煉獄さんの話ぶりだとそうは見えませんでしたので……。それに最初から朝緋さんは、敬称をつけて禰󠄀豆子の名を呼んでいましたし」
「そういえばそうだね?しくじったなぁ……」
「悪いことじゃないからいいです。
俺達を信じてくれて。危険じゃないって言ってくれて嬉しかった!ありがとうございます!!」
いい子だし眩しい〜〜!撫で回したい〜〜!!
「炭治郎撫でていい?」
「もう撫でてます!禰󠄀豆子はいいけど俺を撫でるのはやめてください!怒りますよ!」
「ケチぃ……」
炭治郎を撫でると怒られるので私は代わりに禰󠄀豆子ちゃんを愛でながら、予備に持ってきていた髪紐で禰󠄀豆子ちゃんの髪を私と同じ髪型に結んだ。
『前』の時に同じ髪型にするって約束したもんねー。
まあ、この禰󠄀豆子ちゃんはしらないだろうけどさ。
それはそうと、鴇色の女の子らしい髪紐で括られたポニーテール禰󠄀豆子ちゃんはめちゃかわいいぞ!愛い!!
そう!私は少し前から予備の髪紐持つようにしたのだ。えっへん。
杏寿郎さんがやたら不満げだったけどね。
ひとしきり禰󠄀豆子ちゃんの髪で遊んでまたほどく。なんだかんだ髪を下ろしている時が一番可愛い。
んで。この人達……起きなさすぎるよ。何か他に起きる要因ないかな。
「炭治郎は縄を燃やしてもらうだけで起きたの?」
「いえ。
首を切って死んで、そうしたら戻りました」
「オゥ……首切り……自害かあ」
あでも私も今回、同じ方法で自分を殺したわ。
私は偶然のなせる技と、私自身というか鏡の中の私のおかげとも言えるけれど、炭治郎はちょっと違うんだろうな。
その覚悟や恐怖は計り知れないものがあったろう。ま、知っててもかなり覚悟は必要だったけどね。
エールを讃え、君を撫でてしんぜよう。そう思ってまた撫でたくなって手を伸ばす。
「……なんですか?」
「ナンデモアリマセン」
目だけが笑っていない笑顔が飛んできたので、慌てて手を引っ込めた。
あーそれにしても鏡の中の私もかわいかったなー。かっこ棒読み。
違うところに思考を逃がして、自刃した感触を忘れる作戦だ。まだ首に違和感あるよ……。
はー、怖かった!!
もう一度杏寿郎さんを起こそうと、炭治郎とともに振り向いた時だ。
にしても。
「死んだかと思った」
いや実際死んだけど。ん?目の前に焚き火だ焚き火だ落ち葉焚き〜って火が見える。
「って燃えてるの自分なんですけど!?火、火!熱ッ……あれ?熱くない」
「朝緋さんッ!!よかった、起きた!!」
火を気にせず隣から私の肩を揺さぶり、声をかける者が。……炭治郎だった。
ひとしきり燃えたあと勝手に消えた、赤というよりピンクの炎。吸っても触っても特になんということもなく害はなかった。
禰󠄀豆子ちゃんの炎なのはわかるし、縄を燃やしたんだな〜ってのはわかるけど、目の前で見ると驚くね。火葬場の中という気分だったわ……。
「今の火は禰󠄀豆子の血鬼術です!手首にあった鬼の縄を燃やしただけですすみませんっ!体はなんともないでしょうか!?」
「あ、うん」
禰󠄀豆子ちゃんを庇いつつ、炭治郎がぺこぺこと謝罪を繰り返している。
もしかして、血鬼術だから攻撃だと私が勘違いして、禰󠄀豆子ちゃんにメッ!すると思ってるのだろうか。
「ふふふっ。なんともないし血鬼術使ったって禰󠄀豆子ちゃんを斬ったりしないよ。そう身構えないでよ」
「そ、そうですよね」
ちょいちょい、と禰󠄀豆子ちゃんに来るよう呼びかけると、私が撫でやすい位置に頭を差し出してくれた。
「むーぅ!」
自己紹介しながら撫でさせてもらうと、うりうりと頭を押し付けてくる。
はわ……かわいい……。妹が欲しい。
癒しを補給し終え、杏寿郎さん達に起きろ起きろと呼びかけ、時につねり、時にくすぐり攻撃を仕掛ける。
あ、つねるのとくすぐるのは私がやりました。階級甲の全力つねりは相当痛いはずなのに、全く起きないってやっぱり問題あるよ。
他にも試そうとしてたのに私ったらまた筆も忘れてる。これじゃ額に落書き……いや、額はやめよう。煉獄家の額は日本の宝だった。
「朝緋さんは、俺の事や禰󠄀豆子の事を前々から知っていたんですか?
そうじゃなかったら、そんな友好的な匂いをしているわけがないですよね」
善逸と伊之助を起こすべく小さくポカポカ殴りながら、炭治郎が聞いてくる。
ずっと気になっていたのか……。出たな、炭治郎の超嗅覚。さて、今はどこまで嗅ぎ取れるか。お手並み拝見。
「ふふふ。ほら、私炎柱の継子じゃない?師範から先に聞いていたの」
「朝緋さん、それは嘘ですよね?
嘘をついている匂いがします!」
え、まじで?こんなちょっとの誤魔化しも効かないの?
本当に稀血だけじゃないんだ……ちっちゃーい感情の変化とかもわかるってすごいなぁ。
「って!嗅がないでくれる?私一応女性なので恥ずかしい」
炭治郎が鼻を近づけてくんくん嗅いできた!犬じゃないんだからやめようよそういうの。まるでかつての杏寿郎さんだ。
それに、『前』と同じで体臭は臭くないはずだけど、万が一もあるし。あ、杏寿郎さんと恋仲になったから匂い変わってたりして?
ソウイウコトもしてるし私からは杏寿郎さんからの愛の匂いが……。
って何変なこと考えてるんだろ恥ずかしすぎる!
顔から火が出そうになった私は、思考をも隠すように禰󠄀豆子ちゃんの後ろに隠れた。禰󠄀豆子ちゃんも私を隠してくれた。
でも体が小さいから何にも隠れないし、ただの隠れん坊の真似事だ。
「禰󠄀豆子ちゃん助けて〜」
「むー!!」
「す、すみません!!禰󠄀豆子の言う通りだよな、ごめんなさい!」
もしかして禰󠄀豆子ちゃんは「失礼だよお兄ちゃん」とか言っていたりするのかな?
だとしたらほっこりしちゃうし、ありがたいし頼りになるぅ〜。
炭治郎ってば、なーんか杏寿郎さんとちょっぴり似てるところある気がするからね。上手く言えないけど、性質というかなんというか。
「すみません……煉獄さんの話ぶりだとそうは見えませんでしたので……。それに最初から朝緋さんは、敬称をつけて禰󠄀豆子の名を呼んでいましたし」
「そういえばそうだね?しくじったなぁ……」
「悪いことじゃないからいいです。
俺達を信じてくれて。危険じゃないって言ってくれて嬉しかった!ありがとうございます!!」
いい子だし眩しい〜〜!撫で回したい〜〜!!
「炭治郎撫でていい?」
「もう撫でてます!禰󠄀豆子はいいけど俺を撫でるのはやめてください!怒りますよ!」
「ケチぃ……」
炭治郎を撫でると怒られるので私は代わりに禰󠄀豆子ちゃんを愛でながら、予備に持ってきていた髪紐で禰󠄀豆子ちゃんの髪を私と同じ髪型に結んだ。
『前』の時に同じ髪型にするって約束したもんねー。
まあ、この禰󠄀豆子ちゃんはしらないだろうけどさ。
それはそうと、鴇色の女の子らしい髪紐で括られたポニーテール禰󠄀豆子ちゃんはめちゃかわいいぞ!愛い!!
そう!私は少し前から予備の髪紐持つようにしたのだ。えっへん。
杏寿郎さんがやたら不満げだったけどね。
ひとしきり禰󠄀豆子ちゃんの髪で遊んでまたほどく。なんだかんだ髪を下ろしている時が一番可愛い。
んで。この人達……起きなさすぎるよ。何か他に起きる要因ないかな。
「炭治郎は縄を燃やしてもらうだけで起きたの?」
「いえ。
首を切って死んで、そうしたら戻りました」
「オゥ……首切り……自害かあ」
あでも私も今回、同じ方法で自分を殺したわ。
私は偶然のなせる技と、私自身というか鏡の中の私のおかげとも言えるけれど、炭治郎はちょっと違うんだろうな。
その覚悟や恐怖は計り知れないものがあったろう。ま、知っててもかなり覚悟は必要だったけどね。
エールを讃え、君を撫でてしんぜよう。そう思ってまた撫でたくなって手を伸ばす。
「……なんですか?」
「ナンデモアリマセン」
目だけが笑っていない笑顔が飛んできたので、慌てて手を引っ込めた。
あーそれにしても鏡の中の私もかわいかったなー。かっこ棒読み。
違うところに思考を逃がして、自刃した感触を忘れる作戦だ。まだ首に違和感あるよ……。
はー、怖かった!!
もう一度杏寿郎さんを起こそうと、炭治郎とともに振り向いた時だ。