二周目 陸
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その後、部屋にいたのはにっこにこ笑顔で至福の顔を晒す炎柱・煉獄杏寿郎と。嬉しいのに顔をげっそりとさせ疲れ切っている私であった。
杏寿郎さんによると、『ちょっとした戯れあい』に入る一連の行動。あれくらいでこんなに疲れていては、この先どうなるのかわからなくてぶっちゃけ怖い。知識だけはあるからね!知識だけは!!
でも、考えないようにしとこう。
結んでいた髪紐を解いて髪をおろしても、前側についたそれは隠れてくれなかったし。
詰襟を全部閉めると首元苦しいから嫌いなのになぁ。
いや、閉めても見える位置にあるキ、キキキ、キスマークぶはぁっその文字思い浮かべるだけでも本当は恥ずかしくてたまらない!こほん、キスマークついてるけどね!
ちなみに、うなじについてるキスマークについてはノータッチでお願いします。
まあこれも杏寿郎さんからの贈り物だと思うと、すごく嬉しいものになるわけで。
そうして朝を迎え、朝食を囲んでいる時のこと。
「杏寿郎様!朝緋!柱ト継子ノ二人ヘ任務!任務!!」
「急ギジャナイヨ〜!」
開け放たれた障子窓から、二匹の鎹烏がスィーっと飛び込んできた。そのうち要の脚にはお館様からの任務の書面がくくりつけられている。
「えっもう次の任務!?昨日の今日ではやっ!」
「おはよう二人とも!!朝緋はちゃんと聞いていたか!急ぎではないそうだぞ!!」
そういえばそうだ。要の任務の言葉で全て吹っ飛んでたわ。
急ぎじゃないとのことで、お茶を飲み飲みゆっくりと脚の書面を取り外す。
そしてまずは烏達に新鮮なお水と食事を用意した。……私の頭の上で食べようとするのはやめなさい。
「あ、そだそだ。昨夜は追い出しちゃってごめんねぇ。……師範が!」
「むむっ!朝緋はあの光景を鎹烏達に見られてもよかったのだろうか!!」
「やー、そういうわけじゃないけど……」
バササ、座布団の上に揃って降り立ち、烏達が胸を張って言う。盛り上がってて鳩胸かな?いいえ鴉の胸です。
「ワタシ達、フダンカラ外デ夜ヲ過ゴシテルモノ!ダイジョーブ!!ソレニイツモ要クンイッショ!!」
「あずまハ僕ガ守ルッ!キリッ!!」
キリッておいおい。誰がそういうの教え……ん?要があずまにぴっとりくっついてる。あずまも要にすりすりしてるじゃあないのさ。
もしや?エンダー?イヤー?
「あらら、そういうこと?…………おめでとう?で合ってる?」
「ウン合ッテル!アリガト朝緋チャン!」
「僕ガあずまヲ愛シテルヨーニ、杏寿郎様ハ朝緋ヲ愛シテル!僕達ト一緒デスネ!!」
「あ、あああ愛ッ!要くぅぅん随分ハイカラな言葉知ってるね!?」
この時代、お慕いしてるはよく聞く言葉。愛してるはまだ聞き慣れぬ言葉だ。使う人も増えたけど。
まさかの言葉に顔からぶぉって火が出そう。顔から出る壱ノ型不知火。あちち。
「なるほどなるほど。要は要であずまとよろしくしていたというわけか。これは俺達も見られようと平気だったかもしれないなぁ?」
「恥ずかしいんでヤです」
「ははは!朝緋は初心でかわいいな!」
ぐりぐり頭を撫でられ、温かい目が三人分見つめてくる。その内二つは烏だけど。
……ここで一番お子ちゃまなのって、もしかして私かな?つらいわー。
「さあさて、そろそろお館様からの任務の書面を読んでみようか!どれどれ?ふむ……」
「あっ、連名で私にも来てるものですよね?私にも読ませてくださいっ」
書面読みたさに、杏寿郎さんの頬を押しのけるようにして手元を覗き込む。その瞬間、体が引き寄せられ彼の胡座の上に座らされた。
子供が膝に乗る感覚だったが、そのまま腕の中に閉じ込められて優しく抱きしめられた。
そしてその体勢のまま、目の前にきた書面を共に読む。
うわーうわー……!なにこれぇ〜めちゃくちゃ安心するぅ〜!
体全体が温かいものに包まれる感覚を味わってしまった!感じるのは絶対的安心感!
書面どころじゃない。杏寿郎さんのかすかな吐息、体温、鼓動の音。そちらにばかり気がいってしまううう……。
気がついたら杏寿郎さんがいつの何時にどこへ行く任務かまで、しっかりとまとめてくれていた。
「要約すれば、鬼と繋がっているかもしれない人間の調査のようだ」
「鬼退治じゃないんだ。地味な任務ですね」
「地味だがこれは後に繋がる大事な任務だな。我々は恋仲として周りからの情報を得るようにとのお達しだ。
まあ、俺と朝緋は晴れて恋仲になったわけだがな!!」
嬉しそうに快活に笑ってから、私の両頬をぎゅうう〜左右に摘んでから潰して揉んできた。痛くないけどさ、花も恥じらう乙女としては変な顔を晒したくないわけですよ。
「やめてくらはい〜」
「なんとも気持ちのいい餅……頬だな!」
餅!?太ってるって言われてる気分。
絶対的安心感はあるけど、ほんとほっぺ揉み揉みはやめてほしい。
「む?……見ろ朝緋。お館様からのありがたい言葉が載っている」
文面の最後には『杏寿郎、朝緋、二人ともおめでとう。祝い事の席には呼んでね。』
と書かれていた。
「ひぇ、お館様ってばどこまで把握してるの……?どっかから見てるのかな。この時代監視カメラないよね?
はっ!まさかの鎹烏カメラ?何それ欲しい!」
そして杏寿郎さんの勇姿を余すところなく激写、いや連写、いやいやいや動画に残したい。
「君はまたわけのわからないことを。だが、さすがはお館様。話がお早い」
鎹烏カメラは冗談だ。お館様には先見の力があるからそれで知った可能性が高い。もしかしたら私がこうして二度目をやり直していることさえ、知っている可能性がある。
たださすがに私と杏寿郎さんの色恋沙汰にまで、その力を発揮しなくても良いと思う。
「祝いの席は気が早過ぎるよ」
「うん?後日きちんと申し込ませてもらうが、俺は初めからそのつもりだぞ」
申し込み?そのつもり??あっ……!
その考えに至って、私の顔は再びみるみる内に赤くなった。
そうだよね、杏寿郎さんは二十。私も適齢期。お付き合いするなら、結婚まで考えるのが普通だよね!
ましてやここは大正の世の中だもの。恋仲=結婚まで繋がってたわ。
「でも、とうさまがなんて言うか……」
「気にするな。何も今すぐ報告しにいく必要あるまい。それに何か言われたら俺が説得する!君はいつもどおり構えていればいい!」
「……ありがとうございます」
釣書来てたしなぁ。いや、釣書のことは下手に言わんとこ。杏寿郎さん、意外と嫉妬深い面があるみたいだからね。
杏寿郎さんによると、『ちょっとした戯れあい』に入る一連の行動。あれくらいでこんなに疲れていては、この先どうなるのかわからなくてぶっちゃけ怖い。知識だけはあるからね!知識だけは!!
でも、考えないようにしとこう。
結んでいた髪紐を解いて髪をおろしても、前側についたそれは隠れてくれなかったし。
詰襟を全部閉めると首元苦しいから嫌いなのになぁ。
いや、閉めても見える位置にあるキ、キキキ、キスマークぶはぁっその文字思い浮かべるだけでも本当は恥ずかしくてたまらない!こほん、キスマークついてるけどね!
ちなみに、うなじについてるキスマークについてはノータッチでお願いします。
まあこれも杏寿郎さんからの贈り物だと思うと、すごく嬉しいものになるわけで。
そうして朝を迎え、朝食を囲んでいる時のこと。
「杏寿郎様!朝緋!柱ト継子ノ二人ヘ任務!任務!!」
「急ギジャナイヨ〜!」
開け放たれた障子窓から、二匹の鎹烏がスィーっと飛び込んできた。そのうち要の脚にはお館様からの任務の書面がくくりつけられている。
「えっもう次の任務!?昨日の今日ではやっ!」
「おはよう二人とも!!朝緋はちゃんと聞いていたか!急ぎではないそうだぞ!!」
そういえばそうだ。要の任務の言葉で全て吹っ飛んでたわ。
急ぎじゃないとのことで、お茶を飲み飲みゆっくりと脚の書面を取り外す。
そしてまずは烏達に新鮮なお水と食事を用意した。……私の頭の上で食べようとするのはやめなさい。
「あ、そだそだ。昨夜は追い出しちゃってごめんねぇ。……師範が!」
「むむっ!朝緋はあの光景を鎹烏達に見られてもよかったのだろうか!!」
「やー、そういうわけじゃないけど……」
バササ、座布団の上に揃って降り立ち、烏達が胸を張って言う。盛り上がってて鳩胸かな?いいえ鴉の胸です。
「ワタシ達、フダンカラ外デ夜ヲ過ゴシテルモノ!ダイジョーブ!!ソレニイツモ要クンイッショ!!」
「あずまハ僕ガ守ルッ!キリッ!!」
キリッておいおい。誰がそういうの教え……ん?要があずまにぴっとりくっついてる。あずまも要にすりすりしてるじゃあないのさ。
もしや?エンダー?イヤー?
「あらら、そういうこと?…………おめでとう?で合ってる?」
「ウン合ッテル!アリガト朝緋チャン!」
「僕ガあずまヲ愛シテルヨーニ、杏寿郎様ハ朝緋ヲ愛シテル!僕達ト一緒デスネ!!」
「あ、あああ愛ッ!要くぅぅん随分ハイカラな言葉知ってるね!?」
この時代、お慕いしてるはよく聞く言葉。愛してるはまだ聞き慣れぬ言葉だ。使う人も増えたけど。
まさかの言葉に顔からぶぉって火が出そう。顔から出る壱ノ型不知火。あちち。
「なるほどなるほど。要は要であずまとよろしくしていたというわけか。これは俺達も見られようと平気だったかもしれないなぁ?」
「恥ずかしいんでヤです」
「ははは!朝緋は初心でかわいいな!」
ぐりぐり頭を撫でられ、温かい目が三人分見つめてくる。その内二つは烏だけど。
……ここで一番お子ちゃまなのって、もしかして私かな?つらいわー。
「さあさて、そろそろお館様からの任務の書面を読んでみようか!どれどれ?ふむ……」
「あっ、連名で私にも来てるものですよね?私にも読ませてくださいっ」
書面読みたさに、杏寿郎さんの頬を押しのけるようにして手元を覗き込む。その瞬間、体が引き寄せられ彼の胡座の上に座らされた。
子供が膝に乗る感覚だったが、そのまま腕の中に閉じ込められて優しく抱きしめられた。
そしてその体勢のまま、目の前にきた書面を共に読む。
うわーうわー……!なにこれぇ〜めちゃくちゃ安心するぅ〜!
体全体が温かいものに包まれる感覚を味わってしまった!感じるのは絶対的安心感!
書面どころじゃない。杏寿郎さんのかすかな吐息、体温、鼓動の音。そちらにばかり気がいってしまううう……。
気がついたら杏寿郎さんがいつの何時にどこへ行く任務かまで、しっかりとまとめてくれていた。
「要約すれば、鬼と繋がっているかもしれない人間の調査のようだ」
「鬼退治じゃないんだ。地味な任務ですね」
「地味だがこれは後に繋がる大事な任務だな。我々は恋仲として周りからの情報を得るようにとのお達しだ。
まあ、俺と朝緋は晴れて恋仲になったわけだがな!!」
嬉しそうに快活に笑ってから、私の両頬をぎゅうう〜左右に摘んでから潰して揉んできた。痛くないけどさ、花も恥じらう乙女としては変な顔を晒したくないわけですよ。
「やめてくらはい〜」
「なんとも気持ちのいい餅……頬だな!」
餅!?太ってるって言われてる気分。
絶対的安心感はあるけど、ほんとほっぺ揉み揉みはやめてほしい。
「む?……見ろ朝緋。お館様からのありがたい言葉が載っている」
文面の最後には『杏寿郎、朝緋、二人ともおめでとう。祝い事の席には呼んでね。』
と書かれていた。
「ひぇ、お館様ってばどこまで把握してるの……?どっかから見てるのかな。この時代監視カメラないよね?
はっ!まさかの鎹烏カメラ?何それ欲しい!」
そして杏寿郎さんの勇姿を余すところなく激写、いや連写、いやいやいや動画に残したい。
「君はまたわけのわからないことを。だが、さすがはお館様。話がお早い」
鎹烏カメラは冗談だ。お館様には先見の力があるからそれで知った可能性が高い。もしかしたら私がこうして二度目をやり直していることさえ、知っている可能性がある。
たださすがに私と杏寿郎さんの色恋沙汰にまで、その力を発揮しなくても良いと思う。
「祝いの席は気が早過ぎるよ」
「うん?後日きちんと申し込ませてもらうが、俺は初めからそのつもりだぞ」
申し込み?そのつもり??あっ……!
その考えに至って、私の顔は再びみるみる内に赤くなった。
そうだよね、杏寿郎さんは二十。私も適齢期。お付き合いするなら、結婚まで考えるのが普通だよね!
ましてやここは大正の世の中だもの。恋仲=結婚まで繋がってたわ。
「でも、とうさまがなんて言うか……」
「気にするな。何も今すぐ報告しにいく必要あるまい。それに何か言われたら俺が説得する!君はいつもどおり構えていればいい!」
「……ありがとうございます」
釣書来てたしなぁ。いや、釣書のことは下手に言わんとこ。杏寿郎さん、意外と嫉妬深い面があるみたいだからね。