ユウリ、キバナさんと鎧島行く、の巻
「あの……すぐそこに道場ありますし、氷か何かで頭冷やしていきます?」
「必要ねーよ。
ウルガモスだっけか?早く捕まえに行こうぜ」
「あ……はい」
オレ様の形のいーい頭に立派なコブができているのを見てユウリが気を使ってくれたが、オレ様は打倒ダクマに燃えている。
奴は瓦割りをしてきた。ということは、格闘タイプか見た目からノーマルか……そんなところだろう。
ならオレ様のたまごさえ孵ればダクマは怖くない!……はず。
だってこのたまごの中身は……フッフッフッ。
砂浜やマスター道場のそびえる一礼野原を越え、巨大な湿地帯が広がる清涼湿原に入ってもなお、ダクマはユウリの隣を陣取っていた。
たまごが孵るまでオレ様我慢できなさそ……。ダクマ、そこはオレ様の場所だ今すぐかわれ。
くっそ。ユウリを抱きしめたい。手を繋ぎたい。
そう思い始めたら止まらない。こんなに近いのになんと遠い!
オレ様ユウリ欠乏症なんですけどー?
だいたいセコムもいない今、ユウリを堪能できるチャンスで絶好のデート日和だってのに、なんでポケモンに邪魔されなくちゃならねーんだ?
あの瓦割りだってめちゃくちゃ痛かったぞ。
下手すりゃ頭蓋骨陥没。打ち所悪ければ死んでたかもしれん。
あの痛み、オレ様ぜってぇ忘れない。
ユウリにキスされたら治るかもしれないけど、ふつう人間様はポケモンと違って簡単には治んねーんだぞ。
キバナの睨み付ける。ダクマはそっぽを向いた!効果はないようだ……。
「なあユウリ、こいつ何レベルなんだ?」
「ダクマ?確か60くらいです」
このナリで60!そら痛いはずだわ。
「実はダクマと一緒に塔を登るっていう修行があるんですけど、70レベルくらい必要ってことなんで育成途中なんですよ。
塔に登ると、ダクマはウーラオスってポケモンに進化するとか……」
「へー。かわった進化方法だな」
遠く見えている悪の塔なら一撃の型。これから目の前を通る水の塔なら連撃の型。
その画像をユウリに見せられた。
うわ強そう。
なんだろうこのセコム感。セコムはダンデだけで十分なんだが。
ウーラオスに進化したらユウリのセコムになるの、はい確定。
オレ様近付かせてもらえない未来しか見えない。
未来を予知するなら、オレ様に有利な結果にしてくれよ?ユウリの今の手持ちにいらっしゃるであろうサーナイトさん。
「にしても、ニョロモやカムカメ……湿地帯だから当たり前だけど水ポケモン多いな!」
水と戯れるように水タイプのポケモン達があたりを転げ回り、全身で喜びを表現している。
ユウリもダクマも同じように湿地帯を駆け回り、なんと野生のウパーを撫でくりまわして笑っていた。
え?ここお前の庭か何かなの?なんで野生のポケモンと仲良いの?
ウパーって体の表面に毒の粘液ついてるんだよな?それ大丈夫か??
と思ったら、撫でて別れた後勝手に出てきたミロカロスに水で手を洗い流されていた。オカンか。
にしても連れ歩き、か。
「なあユウリ、オレ様もポケモン出していい……?んだよな」
「?逆になんで出さないのか疑問なんですが」
野生のカジリガメに駆けていったダクマを遠目に眺めていたユウリが、オレ様にずずいと近づいてくる。
その手が腰に触れた。
「出すなら水を喜ぶヌメルゴンちゃん!」
ツン、とヌメルゴンが入ったモンスターボールをつつくユウリの指先。
「お、おお、そうだな」
びっくりした。
触れたかったのはボールベルトか。小さな白い手が近いところに触れたからなんだと思ったぜ。
何に近いところかって?言わせんな馬鹿。
ヌメルゴンも相当出たかったようだ。
湿地帯という喜ばしい環境を前に目を輝かせたかと思うと、提案してくれたユウリに向き直り彼女の体をぎゅーっと抱きしめた。
「あはは、ヌメルゴンの身体ぬるぬる〜!」
人懐っこいヌメルゴンが気に入ったトレーナーに抱きつくのはよくあることで、それがユウリならなおさらだ。
でも……ユウリの体がぬるぬるの粘液まみれ……。ウッ……目に毒だ!
「ユウリ、ミロカロスにはやく落としてもらえよ」
「ヌメルゴンの皮膚には毒ありませんし、どうせもうちょっとで着替えますから大丈夫です!」
いやそういう問題じゃない。
ユウリはオレ様に、妄想と我慢をどれだけ鍛えさせれば気が済むんだ。
ムンナとムシャーナに頼んでオレ様が普段見てる夢共有させるぞ。
「ん?ちょっと待てよ。
もうちょっとで着替えるっていったいどういうことだ……??」
小さな川を渡った先はユウリが言っていたみずの塔を臨む、チャレンジビーチ。
すぐそこに海岸が見えている。
こっちはヤドンの代わりに、やたらヒトデマンが多いようだ。
ユウリによると、この海岸線にもたまにウルガモスがいるようだが……残念かな、今日はいないようだ。
それにしても暑い。
ウルガモスがいてもおかしくないこの晴天と、湿地帯の湿気。
Tシャツの端をパタパタして空気を送りながら、バッグからおいしい水を取り出し飲んだ。
「ユウリ、お前も水分補給してお、
ブーーーーッ!!」
ユウリの分も、と思いおいしい水を渡そうとしたのだが、その姿を見てオレ様は水を噴き出した。
服の端に手をかけたユウリが、Tシャツを脱ぎ始めていた。
チラリと見えた細い腰!白い背中!フラッシュのようにまぶしい!
ユウリ、お前ってやつは〜〜!たしかに暑いけどさぁ〜〜〜?いきなり脱ぐとか〜〜〜!
「オレ様違うとこ熱くなるからそういう刺激与えてくるのやめようか?」
目の端がぴくぴくと震える。我慢のしすぎで怒り狂いそうな気持ちを抑えるのはこれで何度目だ?
そんなこと言ってる間にユウリはショートパンツまでストーンと脱ぎ落とした。
粘液まみれもグッとクるものがあったが、これは目に毒だ。
「…………。
なあユウリ、まさかこんなところでおっ始めようってのか?」
自分でも驚くほど低い声が出た。
「何言ってるんですか。水着に着替えないとこのあと全身濡れちゃいますよ?」
水着?……そういえば、水着も持って来るよう言われてた。ユウリはすでに服の下に着てたってこと?
そこで初めて、ユウリの水着姿をしっかりと目に入れる。
かわいらしい薄ピンクのビキニはニンフィアイメージなのか、リボンがたっぷりあしらわれそこかしこがレースでフリフリしている。
発展途上の優しい曲線が描く体つき。フリルが覆い隠している未開の地が、気になって仕方がない。
下着じゃなくても十分えっちだと思う。
「いつも海に入る時は水セットコスチュームなんですけど、今日はキバナさんと来る予定だったので……。
ちょっと冒険しちゃいました」
動くたびに揺れるこぶりなリボンをぴら、と見せつけ笑いかけてくる。
「どう、ですか?」
ユウリは見たことがないくらい照れていた。
沸騰しそうだった。
どれだけオレ様を試してんの?大試練なの?
ぴら、じゃないよこの子はもう〜〜!
オレ様のために新しい水着選んでくれたって事だよな?
「かわいい、似合ってるぜ」
「よかったぁ……!」
ンンンッ!その笑顔、オレ様飢えたルガルガン発情期の姿になっちまいそうだ。
あーーー。抱きたい抱きたい抱きたい抱きたい抱きたい。
ユウリの肌に触れたくて手がプルプルする。
が、後ろから応援してくれてるヌメルゴンのあたたかい視線と共に、ものすごい殺気も感じた。
ダクマが今すぐ進化してしまいそうな、殺気むんむんの目でこっちを見ている。こわっ。
でもその目で我に返った。
そうだ、まだ我慢だ我慢。抱くのだけは我慢。
「あと数年あと数年あと数年」
「?」
この我慢、いつまで持つだろう……。
「必要ねーよ。
ウルガモスだっけか?早く捕まえに行こうぜ」
「あ……はい」
オレ様の形のいーい頭に立派なコブができているのを見てユウリが気を使ってくれたが、オレ様は打倒ダクマに燃えている。
奴は瓦割りをしてきた。ということは、格闘タイプか見た目からノーマルか……そんなところだろう。
ならオレ様のたまごさえ孵ればダクマは怖くない!……はず。
だってこのたまごの中身は……フッフッフッ。
砂浜やマスター道場のそびえる一礼野原を越え、巨大な湿地帯が広がる清涼湿原に入ってもなお、ダクマはユウリの隣を陣取っていた。
たまごが孵るまでオレ様我慢できなさそ……。ダクマ、そこはオレ様の場所だ今すぐかわれ。
くっそ。ユウリを抱きしめたい。手を繋ぎたい。
そう思い始めたら止まらない。こんなに近いのになんと遠い!
オレ様ユウリ欠乏症なんですけどー?
だいたいセコムもいない今、ユウリを堪能できるチャンスで絶好のデート日和だってのに、なんでポケモンに邪魔されなくちゃならねーんだ?
あの瓦割りだってめちゃくちゃ痛かったぞ。
下手すりゃ頭蓋骨陥没。打ち所悪ければ死んでたかもしれん。
あの痛み、オレ様ぜってぇ忘れない。
ユウリにキスされたら治るかもしれないけど、ふつう人間様はポケモンと違って簡単には治んねーんだぞ。
キバナの睨み付ける。ダクマはそっぽを向いた!効果はないようだ……。
「なあユウリ、こいつ何レベルなんだ?」
「ダクマ?確か60くらいです」
このナリで60!そら痛いはずだわ。
「実はダクマと一緒に塔を登るっていう修行があるんですけど、70レベルくらい必要ってことなんで育成途中なんですよ。
塔に登ると、ダクマはウーラオスってポケモンに進化するとか……」
「へー。かわった進化方法だな」
遠く見えている悪の塔なら一撃の型。これから目の前を通る水の塔なら連撃の型。
その画像をユウリに見せられた。
うわ強そう。
なんだろうこのセコム感。セコムはダンデだけで十分なんだが。
ウーラオスに進化したらユウリのセコムになるの、はい確定。
オレ様近付かせてもらえない未来しか見えない。
未来を予知するなら、オレ様に有利な結果にしてくれよ?ユウリの今の手持ちにいらっしゃるであろうサーナイトさん。
「にしても、ニョロモやカムカメ……湿地帯だから当たり前だけど水ポケモン多いな!」
水と戯れるように水タイプのポケモン達があたりを転げ回り、全身で喜びを表現している。
ユウリもダクマも同じように湿地帯を駆け回り、なんと野生のウパーを撫でくりまわして笑っていた。
え?ここお前の庭か何かなの?なんで野生のポケモンと仲良いの?
ウパーって体の表面に毒の粘液ついてるんだよな?それ大丈夫か??
と思ったら、撫でて別れた後勝手に出てきたミロカロスに水で手を洗い流されていた。オカンか。
にしても連れ歩き、か。
「なあユウリ、オレ様もポケモン出していい……?んだよな」
「?逆になんで出さないのか疑問なんですが」
野生のカジリガメに駆けていったダクマを遠目に眺めていたユウリが、オレ様にずずいと近づいてくる。
その手が腰に触れた。
「出すなら水を喜ぶヌメルゴンちゃん!」
ツン、とヌメルゴンが入ったモンスターボールをつつくユウリの指先。
「お、おお、そうだな」
びっくりした。
触れたかったのはボールベルトか。小さな白い手が近いところに触れたからなんだと思ったぜ。
何に近いところかって?言わせんな馬鹿。
ヌメルゴンも相当出たかったようだ。
湿地帯という喜ばしい環境を前に目を輝かせたかと思うと、提案してくれたユウリに向き直り彼女の体をぎゅーっと抱きしめた。
「あはは、ヌメルゴンの身体ぬるぬる〜!」
人懐っこいヌメルゴンが気に入ったトレーナーに抱きつくのはよくあることで、それがユウリならなおさらだ。
でも……ユウリの体がぬるぬるの粘液まみれ……。ウッ……目に毒だ!
「ユウリ、ミロカロスにはやく落としてもらえよ」
「ヌメルゴンの皮膚には毒ありませんし、どうせもうちょっとで着替えますから大丈夫です!」
いやそういう問題じゃない。
ユウリはオレ様に、妄想と我慢をどれだけ鍛えさせれば気が済むんだ。
ムンナとムシャーナに頼んでオレ様が普段見てる夢共有させるぞ。
「ん?ちょっと待てよ。
もうちょっとで着替えるっていったいどういうことだ……??」
小さな川を渡った先はユウリが言っていたみずの塔を臨む、チャレンジビーチ。
すぐそこに海岸が見えている。
こっちはヤドンの代わりに、やたらヒトデマンが多いようだ。
ユウリによると、この海岸線にもたまにウルガモスがいるようだが……残念かな、今日はいないようだ。
それにしても暑い。
ウルガモスがいてもおかしくないこの晴天と、湿地帯の湿気。
Tシャツの端をパタパタして空気を送りながら、バッグからおいしい水を取り出し飲んだ。
「ユウリ、お前も水分補給してお、
ブーーーーッ!!」
ユウリの分も、と思いおいしい水を渡そうとしたのだが、その姿を見てオレ様は水を噴き出した。
服の端に手をかけたユウリが、Tシャツを脱ぎ始めていた。
チラリと見えた細い腰!白い背中!フラッシュのようにまぶしい!
ユウリ、お前ってやつは〜〜!たしかに暑いけどさぁ〜〜〜?いきなり脱ぐとか〜〜〜!
「オレ様違うとこ熱くなるからそういう刺激与えてくるのやめようか?」
目の端がぴくぴくと震える。我慢のしすぎで怒り狂いそうな気持ちを抑えるのはこれで何度目だ?
そんなこと言ってる間にユウリはショートパンツまでストーンと脱ぎ落とした。
粘液まみれもグッとクるものがあったが、これは目に毒だ。
「…………。
なあユウリ、まさかこんなところでおっ始めようってのか?」
自分でも驚くほど低い声が出た。
「何言ってるんですか。水着に着替えないとこのあと全身濡れちゃいますよ?」
水着?……そういえば、水着も持って来るよう言われてた。ユウリはすでに服の下に着てたってこと?
そこで初めて、ユウリの水着姿をしっかりと目に入れる。
かわいらしい薄ピンクのビキニはニンフィアイメージなのか、リボンがたっぷりあしらわれそこかしこがレースでフリフリしている。
発展途上の優しい曲線が描く体つき。フリルが覆い隠している未開の地が、気になって仕方がない。
下着じゃなくても十分えっちだと思う。
「いつも海に入る時は水セットコスチュームなんですけど、今日はキバナさんと来る予定だったので……。
ちょっと冒険しちゃいました」
動くたびに揺れるこぶりなリボンをぴら、と見せつけ笑いかけてくる。
「どう、ですか?」
ユウリは見たことがないくらい照れていた。
沸騰しそうだった。
どれだけオレ様を試してんの?大試練なの?
ぴら、じゃないよこの子はもう〜〜!
オレ様のために新しい水着選んでくれたって事だよな?
「かわいい、似合ってるぜ」
「よかったぁ……!」
ンンンッ!その笑顔、オレ様飢えたルガルガン発情期の姿になっちまいそうだ。
あーーー。抱きたい抱きたい抱きたい抱きたい抱きたい。
ユウリの肌に触れたくて手がプルプルする。
が、後ろから応援してくれてるヌメルゴンのあたたかい視線と共に、ものすごい殺気も感じた。
ダクマが今すぐ進化してしまいそうな、殺気むんむんの目でこっちを見ている。こわっ。
でもその目で我に返った。
そうだ、まだ我慢だ我慢。抱くのだけは我慢。
「あと数年あと数年あと数年」
「?」
この我慢、いつまで持つだろう……。