ユウリ、ナックルシティジムトレーナー体験、の巻
「ユウリ、そのジャケットやめてこっち着ろよ。フードもあるからあったかいぞ」
こうそくいどうもびっくりの速さで、ロッカーから持ってきた替えの上着。
黒地にオレンジ、ドラゴンの体や牙を彷彿とさせる特徴的なフード付きの上着。
それこそ。
「えっこれキバナさんのパーカー?」
「そ。オレ様のパーカー。よりドラゴンタイプっぽくなるだろ?」
まあ、元々のうちのジムトレーナーはドラゴンセットのユニフォームだけで、この上着は着てないけど。
「わあぶかぶか。
袖から手が出ないですね!あはは、下も、まるでワンピースですよ〜」
これは想定外の鼻血モノ。
だよな、そうだよな。
オレ様とユウリの体格差、それを考慮していなかったよ。
袖からちまっと出てくる指先。今にもずり落ちてしまいそうな肩口。
そしてユウリが言った通りのまるでワンピースなその丈。おいおい、ドラゴンセットのハーフパンツが隠れちまってスカート状態だぞ??
このユウリの姿は致死量の毒だった。オレ様をジワジワ蝕むどくどく攻撃の極み。だが、幸せな毒である。
「……グッジョブオレ様」
もう思い残すことはないかも、なんて一瞬思った時だった。
「あと、ペアルックみたいでテンション上がりますね」
「ペアルッ……!」
ユウリのハサミギロチン!
キバナのハートに効果は抜群どころか、一撃必殺!キバナは目の前が真っ暗になった。
ふらふらふら〜……ガンッ!
「じゅららぁ!?」
「〜〜〜っ!………すまんジュラルドン」
頭を壁に打ち付けたくなった。
でもそこに壁はなく、代わりに壁のように佇む相棒ジュラルドンがいたもんで、彼に額をぶつけた。痛い。
だがこうしなくては、落ち着くことはできなかっただろう。
ユウリに言われて初めて気がついたけど、確かにペアルックだよな!!!?
やばい。顔が熱い。赤くなったであろう顔を掌で覆う。
「ほんとそういうとこだぞ!やばい、お前やばいぞユウリ……!」
「えっと、ジュラルドンって硬いですよね?
キバナさんの額の方がやばい状態なのでは……?
キバナさん、大丈夫ですか?」
「オレ様まったく問題ない!が!
ユウリ、やっぱり上着脱いでさっきのジャケット着てて!?」
「???……はい、わかりました」
ごめんな、オレ様の精神にクるからさ。
ワンピースに見えるオレ様の上着ってところだけだって、まるで彼シャツだったってのに、ペアルックはだめだ。まだはやい。
ペアルックするほど仲良い恋人同士ってのはアレだよ、確実にAだのBだのなんだのとびはねるで飛び越えたあとのカンケーだろ?それはまずい。
SNSで、オレ様達チャンピオンとジムリーダーじゃなくて、ラブラブカップルのトレーナーです、なぁんて名乗りたくなりそうだ。
ユウリから上着を回収したところで、チャレンジャーだろうトレーナーがやって来た。
チャレンジャーは男か…………チッ。
そうこうしてる間に、軽い口上が終わったようで双方がボールを手にする。
サングラスは結局かけ忘れてしまっているようだが、対戦相手がチャンピオンのユウリである事は今のところバレていないようだ。
他人の空似だとでも思われているのだろうか?よかった。
「がおー!」
ボールを投げる際、ユウリが見覚えのあるポーズを取った。
ついで、フィールドに登場しユウリの真似かがおーポーズするユウリのメスのフライゴン。(オレ様のフライゴンが入ったボールが興奮して揺れた。)
ドラゴンタイプオンリーのユウリのバトルよりも、オレ様は目の前のそのポーズに心奪われてしまっていた。
「ンン゛ッ!ユウリのがおー尊い」
自分がボールを投げる瞬間の吠えるようなポーズ及び、表情がなかなか獰猛なのは理解している。
が!そのポーズを取る事で獰猛どころか、かわいくなる生き物が存在するなんて思わなかった。くっそ、これがフェアリータイプユウリのがおー攻撃なのか。
効果どころか破壊力抜群だ!いやまじで。
なんていうか、さっきのペアルックの話でも効果抜群で一撃必殺だったが、これはおいうちが酷すぎるんではないだろうか。むしろダメおしか。
おかげでつい、スマホロトムで連写してしまった。ロトム自体も撮ってくれるのだが、彼の連写機能が間に合わないほど、オレ様の連写のスピードは速かった。
じたばたしたい。今のオレ様はユウリから攻撃もらいすぎて瀕死寸前だし、じたばたの威力も高いと思う。
「ちょっとキバナさん。写真ばっかり撮らないで、バトルのほう見てくださいよ!」
プンプンしながら、相手のポケモンが出てくるのを待っているユウリ。
そして、オレ様の声が聞こえてしまったらしいチャレンジャーはというと。
「ユウリの、がおー??………っ!!
あの、もしかして、チャンピオンのユウリさん……です?」
あっバレた。
「ほらーーー!
キバナさんが変な声出すからバレちゃったじゃないですか!!
すみません、そのユウリです………。
本日はジムトレーナーさんがお休みなので、代わりに出させてもらってます。
ナイショ、ですよ?」
「は、はい!」
ナイショの言葉とともに口元に指を当てる仕草!かわいすぎる……。ユウリ、オレ様にもファンサしてー!!
あと目の前のお前、何赤くなってんだコノヤロウ。
「さあ、全力でぶつかってきてくださいね!」
言い終わると同時に、とりあえずすなあらし、とフライゴンに指示したユウリは相手にあとは何も言わせない気だったらしい。
言いたい事聞きたい事あっただろうに、チャレンジャーが少しかわいそうな気もする。
そもそも、ポケモンを出した時からバトルは始まっているからな。ユウリの行動は悪くない。
バトルの結果?
ユウリはジムリーダーに繋ぐためのジムトレーナーとしては、落第だった。
気がつけば倒れていたのは、チャレンジャーのポケモン。フライゴン1匹で完膚なきまでに叩きのめしてしまった。
なんていう女傑フライゴンだ。え?あのフライゴンのこと好きなのうちのフライゴン。尻に敷かれてもしらないぞ。
しかし、オレ様が再起不能になるまで敗北させてやりたかったのに残念だ。
バトルの後に、ユウリの手を何度も握るような図々しいチャレンジャーは、オレ様の手でフルボッコにしたかったというに。
暇を持て余したオレ様はふと、SNSをチェックする。
最近の人気投稿は、と。
『チャンピオンのがおーポーズかわいかった!』
チャレンジャー……!
お前もそう思ってたんか!
って、この構図のユウリ、かわいいな。
オレ様からのアングルじゃ真正面は無理だったからな。そこだけは褒めてやる。
しかし、オレ様がせっかくSNSに投稿もせず、隠していたのに。ジムトレーナーをやらせていた事も、内緒にしていたというに。
チャレンジャーがSNSに投稿したおかげで、ジムトレーナーの代わりにユウリを使ったのが一番バレたくなかった相手にバレたじゃねぇか。
ダンデから受けたフライングプレス……一瞬で瀕死になったぜ。
だが言い出しっぺのユウリにはお咎めなし。そうだよな、ダンデはユウリに甘いもんな。知ってた。
どんどん拡散され、いいねマークの数も増えていくユウリのレアカード以上に貴重な画像。
ユウリはSNSは登録しただけでほとんど投稿していない。だからこの状態は知らないだろう。
知ったら恥ずかしさのあまり、またワイルドエリアにこもってしまいそうだ。
オレ様だけでなく、他のやつの物になっていくその画像を妬ましく思いながら、それでもいいねマークにはチェックをつけてやった。
あとは、今回のチャレンジャーが今キャンプしてるテントに、カゲボウズを無数に吊り下げてやりたい、切にそう思う。
ジムトレーナー体験?
SNS拡散の様子見ればわかるだろ?すぐに辞めさせたよ。
あんなかわいいユウリの姿、オレ様だけのものだっての!!
こうそくいどうもびっくりの速さで、ロッカーから持ってきた替えの上着。
黒地にオレンジ、ドラゴンの体や牙を彷彿とさせる特徴的なフード付きの上着。
それこそ。
「えっこれキバナさんのパーカー?」
「そ。オレ様のパーカー。よりドラゴンタイプっぽくなるだろ?」
まあ、元々のうちのジムトレーナーはドラゴンセットのユニフォームだけで、この上着は着てないけど。
「わあぶかぶか。
袖から手が出ないですね!あはは、下も、まるでワンピースですよ〜」
これは想定外の鼻血モノ。
だよな、そうだよな。
オレ様とユウリの体格差、それを考慮していなかったよ。
袖からちまっと出てくる指先。今にもずり落ちてしまいそうな肩口。
そしてユウリが言った通りのまるでワンピースなその丈。おいおい、ドラゴンセットのハーフパンツが隠れちまってスカート状態だぞ??
このユウリの姿は致死量の毒だった。オレ様をジワジワ蝕むどくどく攻撃の極み。だが、幸せな毒である。
「……グッジョブオレ様」
もう思い残すことはないかも、なんて一瞬思った時だった。
「あと、ペアルックみたいでテンション上がりますね」
「ペアルッ……!」
ユウリのハサミギロチン!
キバナのハートに効果は抜群どころか、一撃必殺!キバナは目の前が真っ暗になった。
ふらふらふら〜……ガンッ!
「じゅららぁ!?」
「〜〜〜っ!………すまんジュラルドン」
頭を壁に打ち付けたくなった。
でもそこに壁はなく、代わりに壁のように佇む相棒ジュラルドンがいたもんで、彼に額をぶつけた。痛い。
だがこうしなくては、落ち着くことはできなかっただろう。
ユウリに言われて初めて気がついたけど、確かにペアルックだよな!!!?
やばい。顔が熱い。赤くなったであろう顔を掌で覆う。
「ほんとそういうとこだぞ!やばい、お前やばいぞユウリ……!」
「えっと、ジュラルドンって硬いですよね?
キバナさんの額の方がやばい状態なのでは……?
キバナさん、大丈夫ですか?」
「オレ様まったく問題ない!が!
ユウリ、やっぱり上着脱いでさっきのジャケット着てて!?」
「???……はい、わかりました」
ごめんな、オレ様の精神にクるからさ。
ワンピースに見えるオレ様の上着ってところだけだって、まるで彼シャツだったってのに、ペアルックはだめだ。まだはやい。
ペアルックするほど仲良い恋人同士ってのはアレだよ、確実にAだのBだのなんだのとびはねるで飛び越えたあとのカンケーだろ?それはまずい。
SNSで、オレ様達チャンピオンとジムリーダーじゃなくて、ラブラブカップルのトレーナーです、なぁんて名乗りたくなりそうだ。
ユウリから上着を回収したところで、チャレンジャーだろうトレーナーがやって来た。
チャレンジャーは男か…………チッ。
そうこうしてる間に、軽い口上が終わったようで双方がボールを手にする。
サングラスは結局かけ忘れてしまっているようだが、対戦相手がチャンピオンのユウリである事は今のところバレていないようだ。
他人の空似だとでも思われているのだろうか?よかった。
「がおー!」
ボールを投げる際、ユウリが見覚えのあるポーズを取った。
ついで、フィールドに登場しユウリの真似かがおーポーズするユウリのメスのフライゴン。(オレ様のフライゴンが入ったボールが興奮して揺れた。)
ドラゴンタイプオンリーのユウリのバトルよりも、オレ様は目の前のそのポーズに心奪われてしまっていた。
「ンン゛ッ!ユウリのがおー尊い」
自分がボールを投げる瞬間の吠えるようなポーズ及び、表情がなかなか獰猛なのは理解している。
が!そのポーズを取る事で獰猛どころか、かわいくなる生き物が存在するなんて思わなかった。くっそ、これがフェアリータイプユウリのがおー攻撃なのか。
効果どころか破壊力抜群だ!いやまじで。
なんていうか、さっきのペアルックの話でも効果抜群で一撃必殺だったが、これはおいうちが酷すぎるんではないだろうか。むしろダメおしか。
おかげでつい、スマホロトムで連写してしまった。ロトム自体も撮ってくれるのだが、彼の連写機能が間に合わないほど、オレ様の連写のスピードは速かった。
じたばたしたい。今のオレ様はユウリから攻撃もらいすぎて瀕死寸前だし、じたばたの威力も高いと思う。
「ちょっとキバナさん。写真ばっかり撮らないで、バトルのほう見てくださいよ!」
プンプンしながら、相手のポケモンが出てくるのを待っているユウリ。
そして、オレ様の声が聞こえてしまったらしいチャレンジャーはというと。
「ユウリの、がおー??………っ!!
あの、もしかして、チャンピオンのユウリさん……です?」
あっバレた。
「ほらーーー!
キバナさんが変な声出すからバレちゃったじゃないですか!!
すみません、そのユウリです………。
本日はジムトレーナーさんがお休みなので、代わりに出させてもらってます。
ナイショ、ですよ?」
「は、はい!」
ナイショの言葉とともに口元に指を当てる仕草!かわいすぎる……。ユウリ、オレ様にもファンサしてー!!
あと目の前のお前、何赤くなってんだコノヤロウ。
「さあ、全力でぶつかってきてくださいね!」
言い終わると同時に、とりあえずすなあらし、とフライゴンに指示したユウリは相手にあとは何も言わせない気だったらしい。
言いたい事聞きたい事あっただろうに、チャレンジャーが少しかわいそうな気もする。
そもそも、ポケモンを出した時からバトルは始まっているからな。ユウリの行動は悪くない。
バトルの結果?
ユウリはジムリーダーに繋ぐためのジムトレーナーとしては、落第だった。
気がつけば倒れていたのは、チャレンジャーのポケモン。フライゴン1匹で完膚なきまでに叩きのめしてしまった。
なんていう女傑フライゴンだ。え?あのフライゴンのこと好きなのうちのフライゴン。尻に敷かれてもしらないぞ。
しかし、オレ様が再起不能になるまで敗北させてやりたかったのに残念だ。
バトルの後に、ユウリの手を何度も握るような図々しいチャレンジャーは、オレ様の手でフルボッコにしたかったというに。
暇を持て余したオレ様はふと、SNSをチェックする。
最近の人気投稿は、と。
『チャンピオンのがおーポーズかわいかった!』
チャレンジャー……!
お前もそう思ってたんか!
って、この構図のユウリ、かわいいな。
オレ様からのアングルじゃ真正面は無理だったからな。そこだけは褒めてやる。
しかし、オレ様がせっかくSNSに投稿もせず、隠していたのに。ジムトレーナーをやらせていた事も、内緒にしていたというに。
チャレンジャーがSNSに投稿したおかげで、ジムトレーナーの代わりにユウリを使ったのが一番バレたくなかった相手にバレたじゃねぇか。
ダンデから受けたフライングプレス……一瞬で瀕死になったぜ。
だが言い出しっぺのユウリにはお咎めなし。そうだよな、ダンデはユウリに甘いもんな。知ってた。
どんどん拡散され、いいねマークの数も増えていくユウリのレアカード以上に貴重な画像。
ユウリはSNSは登録しただけでほとんど投稿していない。だからこの状態は知らないだろう。
知ったら恥ずかしさのあまり、またワイルドエリアにこもってしまいそうだ。
オレ様だけでなく、他のやつの物になっていくその画像を妬ましく思いながら、それでもいいねマークにはチェックをつけてやった。
あとは、今回のチャレンジャーが今キャンプしてるテントに、カゲボウズを無数に吊り下げてやりたい、切にそう思う。
ジムトレーナー体験?
SNS拡散の様子見ればわかるだろ?すぐに辞めさせたよ。
あんなかわいいユウリの姿、オレ様だけのものだっての!!