ユウリ、ナックルシティジムトレーナー体験、の巻
「えへへ、真似みたいでアレですけど、私キバナさんのフライゴンちゃん好きなんです。
だからフライゴンと、あとドリュウズとジャラランガでって思います」
スマホロトムからポケモンボックスを開き、スタメンを預け、かわりにその3匹を手持ちに加えるユウリ。
エースバーンだけはそのまま手持ちなあたり、いないと落ち着かないのだろう。
ま、最初の相棒だしな。
それにしたって、自分のフライゴンが好きと言われているのに、自分のことを好きと言われている気分で、なんだかこそばゆいようなそれでいてなつき度MAXのポケモンみたいな不思議な気持ちだ。
ユウリのたった一言で、体からハート出ちゃうんだけど。
なあユウリ抱き締めていい?匂い嗅いでいい?ポケモン達もなついてると、トレーナーの匂い嗅いでくらくらするだろ?オレ様もくらくらしたい。
……そう思ったが、頭の中のダンデが通報というレッドカードを切ってきたので今はやめておく。
抱き締めるくらいは許されるだろうが、そのまま変なことしてしまいそうだしな。
そう思っている間に、ユウリがボールから3匹を出した。
レベルが高いが、そこはチャレンジャーに合わせてこちらが低くなるように操作して挑めば問題なさそうだが、でもなぁ……。
というか、このパーティー構成、ジャラランガがすなあらしでダメージ受けるのでは?
そう思ったが、よ〜く見れば心配することはなさそうだった。
「なるほど、なんでジャラランガと思ったけど、隠れ特性の、ぼうじんか。
けどドリュウズは、ドラゴンじゃないぞ」
「キバナさんもドラゴン以外連れてますよねー?」
「あー…………」
コータスやサダイジャ達のことだな。揚げ足取られたが、本当のことだから言い返せない。
「ポケモン構成も申し分ないしなぁ、悩むなあ……」
「早くしないと、チャレンジャーさん来ちゃいますよ〜?」
スパイクタウンからナックルシティの間には、長い橋がかかっているだけであり、ほぼ一本道。
そう遠くないのでチャレンジャーが途中の草むらでポケモンを鍛えるとかでなければ、すぐに到着してしまうだろう。
答えを出さずにいると、ユウリがこちらをじっと見つめながら気持ちを表した。
「キバナさんと一緒にいられて、そのバトルも見られるジムトレーナー……憧れの職業だから、私一度やってみたかったんです。
ね?キバナさん、お願い?」
オレ様と一緒にいられて。なんて破壊力抜群の言葉だ。本当に勘違いしそうになる。
ユウリのことだから、多分もっと単純な意味だろう。
元チャンピオンのダンデのようにどこかに行ってしまうのと違い、チャレンジャーのために動くことなく定位置にいつもいてくれて、ジムチャレンジにおいて最後の砦を守る強いトレーナーのバトルがいつでも見られる。そこに憧れたのだと思う。
わかってはいるが、心が勝手に期待してしまう。
そして、オレ様はユウリの言葉に陥落した。
おもに最後の、お願いという言葉に添えられた上目遣いに。
「あー、わかったわかった。
そこまでいうなら、ジムトレーナーの代わりはユウリに頼むわ。
くれぐれもバレないようにな」
「バレるならキバナさんがやってるSNSからバレる気がしますけどね?」
「ははっ!写真をアップしなければ大丈夫だろ」
スマホロトムにも写真を撮っても勝手にSNSにあげないようきちんと言っておけば、オレ様の元からバレることは絶対にない。
は?勝手に写真を撮るところまではいいんだよ。オレ様が楽しむためのものなんだから。
「それじゃあ着替えてきますね!」
「おー、わかった」
バッグを手に、ユウリが移動する。
着替えか……さてオレ様もいくかな。
「って、なんでついてきてるんですか?」
「オレ様も一度着替えようかと思って。汗かいたからな」
「それでもキバナさんが行くのは男性用更衣室でしょ。私の行くのは女性用更衣室です。
キバナさんのえっち!」
目の前で無情にも閉められた扉。
ちぇ、バレちまった。でもユウリ、男はみんなえっちなもんだぞ。オレ様もお前という好きな子に対してはえっちだ。隠すことじゃない。
おっとー?サダイジャ、そのジト目はなんだ。なにが言いたい。
え?元から?そうだった。
仕方なしにさっさと着替え、先にスタジアムでユウリを待つ。
「お待たせしました」
「おう、お疲れ……ってわーお……」
「わーお?どこか変ですか?」
現れたユウリは、ドラゴンスタジアム制覇記念で手に入れたドラゴンセットのユニフォームに身を包み。
それだけではすまさずに、ドラゴンのキャップ、ドラゴンのトラックジャケット、更にはサングラスにバッグまでがドラゴンにしていた。
ドラゴンタイプはオレ様の象徴。よってドラゴンタイプを愛し、自らもそれを身に包むということはイコールオレ様を愛するという事。
異論は認めない。世の中には怪獣マニアというトレーナーがいる?知らないな。
ユウリを見ているだけで、オレ様ったらユウリに愛されちゃってる〜、などと勘違いしそうである。
ただ単に、トータルコーディネートしてるだけなのはわかってるんだが、それでも自分の専門タイプの格好をここまで完璧に着られると……グッとくるものがある。
ユニフォームというコスチュームに色気は感じないけども、中身がユウリならいつでも準備できてるぜ。
「チャレンジャーさんとバトルするの楽しみだなぁ。
ね、フライゴン!ドリュウズ!ジャラランガ!」
本当に楽しみなのだろう。ユウリはポケモン達と声を弾ませていた。
けれどな、そこまでこだわることはないと思う。サングラスは今のところ外しているようだがオプションのリュックとキャップだって必要ないだろう。色気がさらに遠のいた。
なんなのユウリこだわりアイテム装備してんのか?オレ様にとくしゅこうげきという精神こうげきしたいの?つまりこだわりメガネかな??
ってくらい、やりすぎ感マックスな気がした。
「なあユウリ。
リュックとキャップ……要る?」
「何言ってるんですか!要りますって!
私だとバレないようにしつつ、ドラゴンタイプを専門に扱っている雰囲気を前面に押し出していく作戦ですよ!」
「お、おう……そうか。ジャケットまで羽織っちまって、やる気満々だな……」
「はいっ!」
そこまで言われちゃ、ただ苦笑するしかない。
「それにスタジアムってバトルして熱狂すると暑く感じるからか、温度設定が肌寒いじゃないですか。体調管理しなさいっていうのはキバナさんが言ったんですよ?
だからバトルする前までは羽織っておこうかなって思いまして」
「まあ、それは大切な事だな、うん」
女の子は子供を産むためにも、体を冷やしてはいけない。
ユウリが体を冷やしてオレ様との(何度もいうがオレ様とので合ってるんだからな?)子供を産めなくでもなってみろ、悲しむのはオレ様だけじゃない、ユウリ自身だ。
でもそのドラゴンのジャケットもいいけど、ユウリがせっかくドラゴンタイプのジムトレーナーになるってんなら、もう一声欲しいよな。
たとえばーー。
だからフライゴンと、あとドリュウズとジャラランガでって思います」
スマホロトムからポケモンボックスを開き、スタメンを預け、かわりにその3匹を手持ちに加えるユウリ。
エースバーンだけはそのまま手持ちなあたり、いないと落ち着かないのだろう。
ま、最初の相棒だしな。
それにしたって、自分のフライゴンが好きと言われているのに、自分のことを好きと言われている気分で、なんだかこそばゆいようなそれでいてなつき度MAXのポケモンみたいな不思議な気持ちだ。
ユウリのたった一言で、体からハート出ちゃうんだけど。
なあユウリ抱き締めていい?匂い嗅いでいい?ポケモン達もなついてると、トレーナーの匂い嗅いでくらくらするだろ?オレ様もくらくらしたい。
……そう思ったが、頭の中のダンデが通報というレッドカードを切ってきたので今はやめておく。
抱き締めるくらいは許されるだろうが、そのまま変なことしてしまいそうだしな。
そう思っている間に、ユウリがボールから3匹を出した。
レベルが高いが、そこはチャレンジャーに合わせてこちらが低くなるように操作して挑めば問題なさそうだが、でもなぁ……。
というか、このパーティー構成、ジャラランガがすなあらしでダメージ受けるのでは?
そう思ったが、よ〜く見れば心配することはなさそうだった。
「なるほど、なんでジャラランガと思ったけど、隠れ特性の、ぼうじんか。
けどドリュウズは、ドラゴンじゃないぞ」
「キバナさんもドラゴン以外連れてますよねー?」
「あー…………」
コータスやサダイジャ達のことだな。揚げ足取られたが、本当のことだから言い返せない。
「ポケモン構成も申し分ないしなぁ、悩むなあ……」
「早くしないと、チャレンジャーさん来ちゃいますよ〜?」
スパイクタウンからナックルシティの間には、長い橋がかかっているだけであり、ほぼ一本道。
そう遠くないのでチャレンジャーが途中の草むらでポケモンを鍛えるとかでなければ、すぐに到着してしまうだろう。
答えを出さずにいると、ユウリがこちらをじっと見つめながら気持ちを表した。
「キバナさんと一緒にいられて、そのバトルも見られるジムトレーナー……憧れの職業だから、私一度やってみたかったんです。
ね?キバナさん、お願い?」
オレ様と一緒にいられて。なんて破壊力抜群の言葉だ。本当に勘違いしそうになる。
ユウリのことだから、多分もっと単純な意味だろう。
元チャンピオンのダンデのようにどこかに行ってしまうのと違い、チャレンジャーのために動くことなく定位置にいつもいてくれて、ジムチャレンジにおいて最後の砦を守る強いトレーナーのバトルがいつでも見られる。そこに憧れたのだと思う。
わかってはいるが、心が勝手に期待してしまう。
そして、オレ様はユウリの言葉に陥落した。
おもに最後の、お願いという言葉に添えられた上目遣いに。
「あー、わかったわかった。
そこまでいうなら、ジムトレーナーの代わりはユウリに頼むわ。
くれぐれもバレないようにな」
「バレるならキバナさんがやってるSNSからバレる気がしますけどね?」
「ははっ!写真をアップしなければ大丈夫だろ」
スマホロトムにも写真を撮っても勝手にSNSにあげないようきちんと言っておけば、オレ様の元からバレることは絶対にない。
は?勝手に写真を撮るところまではいいんだよ。オレ様が楽しむためのものなんだから。
「それじゃあ着替えてきますね!」
「おー、わかった」
バッグを手に、ユウリが移動する。
着替えか……さてオレ様もいくかな。
「って、なんでついてきてるんですか?」
「オレ様も一度着替えようかと思って。汗かいたからな」
「それでもキバナさんが行くのは男性用更衣室でしょ。私の行くのは女性用更衣室です。
キバナさんのえっち!」
目の前で無情にも閉められた扉。
ちぇ、バレちまった。でもユウリ、男はみんなえっちなもんだぞ。オレ様もお前という好きな子に対してはえっちだ。隠すことじゃない。
おっとー?サダイジャ、そのジト目はなんだ。なにが言いたい。
え?元から?そうだった。
仕方なしにさっさと着替え、先にスタジアムでユウリを待つ。
「お待たせしました」
「おう、お疲れ……ってわーお……」
「わーお?どこか変ですか?」
現れたユウリは、ドラゴンスタジアム制覇記念で手に入れたドラゴンセットのユニフォームに身を包み。
それだけではすまさずに、ドラゴンのキャップ、ドラゴンのトラックジャケット、更にはサングラスにバッグまでがドラゴンにしていた。
ドラゴンタイプはオレ様の象徴。よってドラゴンタイプを愛し、自らもそれを身に包むということはイコールオレ様を愛するという事。
異論は認めない。世の中には怪獣マニアというトレーナーがいる?知らないな。
ユウリを見ているだけで、オレ様ったらユウリに愛されちゃってる〜、などと勘違いしそうである。
ただ単に、トータルコーディネートしてるだけなのはわかってるんだが、それでも自分の専門タイプの格好をここまで完璧に着られると……グッとくるものがある。
ユニフォームというコスチュームに色気は感じないけども、中身がユウリならいつでも準備できてるぜ。
「チャレンジャーさんとバトルするの楽しみだなぁ。
ね、フライゴン!ドリュウズ!ジャラランガ!」
本当に楽しみなのだろう。ユウリはポケモン達と声を弾ませていた。
けれどな、そこまでこだわることはないと思う。サングラスは今のところ外しているようだがオプションのリュックとキャップだって必要ないだろう。色気がさらに遠のいた。
なんなのユウリこだわりアイテム装備してんのか?オレ様にとくしゅこうげきという精神こうげきしたいの?つまりこだわりメガネかな??
ってくらい、やりすぎ感マックスな気がした。
「なあユウリ。
リュックとキャップ……要る?」
「何言ってるんですか!要りますって!
私だとバレないようにしつつ、ドラゴンタイプを専門に扱っている雰囲気を前面に押し出していく作戦ですよ!」
「お、おう……そうか。ジャケットまで羽織っちまって、やる気満々だな……」
「はいっ!」
そこまで言われちゃ、ただ苦笑するしかない。
「それにスタジアムってバトルして熱狂すると暑く感じるからか、温度設定が肌寒いじゃないですか。体調管理しなさいっていうのはキバナさんが言ったんですよ?
だからバトルする前までは羽織っておこうかなって思いまして」
「まあ、それは大切な事だな、うん」
女の子は子供を産むためにも、体を冷やしてはいけない。
ユウリが体を冷やしてオレ様との(何度もいうがオレ様とので合ってるんだからな?)子供を産めなくでもなってみろ、悲しむのはオレ様だけじゃない、ユウリ自身だ。
でもそのドラゴンのジャケットもいいけど、ユウリがせっかくドラゴンタイプのジムトレーナーになるってんなら、もう一声欲しいよな。
たとえばーー。