mission 8:drinking blood down ~月下の悪魔~
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ディーヴァの血を飲み込んだ瞬間、ダンテはそれがなぜ悪魔にとって極上の食事なのかを理解した。
とても甘美な花の蜜と、それに群がる虫にでもなったような気分だ。
それくらい甘く濃厚で、また、力が無尽蔵に湧いてくるのを感じた。
力がすぐさま魔力へ変換され、呪いをも打ち破ろうとしている。
さすがに一瞬でとはいかないが、怪我も急速に治ってきているようだ。
これじゃあ、飲み干してしまいたい思いにかられてもしかたないだろう。
現にダンテは他の誰にも渡したくないという思いから、一滴残らず奪い去ってしまおうか……という考えを一瞬よぎらせた。
麻薬のような中毒性を孕んだそれは、一度ハマったら抜け出せぬ魅力に溢れていた。
「ふぅ……っん、」
ディーヴァが痛みを耐えている声を漏らす。
その甘美なる味わいと、あえぎにも似た愛しい女の声に、ダンテの肌がぞくりと粟立った。
「ッ!」
力がざわつく。
もっともっと欲しい……。
理性がぶっ飛びそうだ。
ギリギリラインの崖っぷちでとどまっている状態である。
むくむくと悪魔の自分だけの物ではない、人間としての基本的欲求が鎌首を上げる。
今は絶対にディーヴァの顔は見れないだろう。
味覚、聴覚、彼女を感じとる触覚、そして柔らかく香る彼女を認識する嗅覚……これだけでもやっかいだというのに、視覚でもディーヴァを認識してしまったらあとには引けない。
ディーヴァの顔まで見てしまえば張りつめた糸が切れるだろう。
その糸が切れれば元には戻らない。
結び直して無理矢理繋げたとしても、そこには固い結び目が生まれ、前と同じようなまっすぐな糸には戻れないのだ。
ダンテは目を固く閉じ冷や汗を垂らし、呪いが消え去るまでは、と耐えようとした。
まだか。
早くしろよ、オレの体。
「ダ、ンテ……も、ぅ……」
ドクン。
無意識にだろう、吐息混じりに自分の名前を吐き出すディーヴァに、耐えきれない。
目を見開き、ダンテはディーヴァを凝視した。してしまった。
涙を溜め苦悶の表情の顔を浮かべるディーヴァに、様々な思いが溢れる。
ああ、愛しいディーヴァ。
愛しい、オレだけのために血を、体を、心を差し出すオレだけの……。
ダンテは下半身に急速に熱が集まるのを感じた。
その身にまとう布切れをビリビリと破り捨て、組み敷き、薄く白い柔肌にさらに深く牙を突き立て、血肉を貪り、身体中に紅い華を咲かせ、猛る熱をその中心に何度も何度も穿ち、放つ……それから……。
わゎっやべえ!もういいだろ、オレの体!
そこまで考えたが突然中断した。
ここから先は未成年者にはちょっと早い話になるのだ。
我慢だ我慢。我慢。
ディーヴァはまだ未成年だし、彼女の準備ができるまで待ちたい。
そりゃあ、繋がりたくないかと言われたら繋がりたいに決まっているが、それ以上にディーヴァが大切なのだ。
傷つけたくない。
それに、当初の目的である呪いは、いつの間にか綺麗さっぱり消えてなくなっている。
もうおわり!はいおわり!!
変な考え強制終了!はいオッケー!!
悪魔のオレもそうだが、人のオレも理性を保て!!
ダンテは勢いよくディーヴァの首筋から顔を離した。
「ひゃっ!もう、いいの?」
「うぉ~あっぶねー!」
「えっと……何があぶないの?」
「あ、いや……なんでもない。
それより助かったぜ!この通り呪いも傷も無くなってすっかり元通りだ!さっすがディーヴァだぜ!」
ハハハ、と冷や汗をかいて笑う。
そんなダンテに不審そうな一瞥をくれてから聞いた。
「どう、だったの?」
「美味いし、力がみなぎった」
「……よかった、不味かったり力にならなかったらどうしようかと思った」
「それはないだろ、オレの愛するお前の血だからな。
そういった効力がなくとも愛の特効薬になるさ」
「愛の特効薬とか言わないでよ……恥ずかしい」
「照れるなって。
でも正直、なるべくなら口にしたくないなァ」
「え?なんで?」
「お前を傷つけちまうだろ。ディーヴァはその度に肌に穴を開けたいか?」
いかに小さな穴と言えど痛いものは痛い。
ディーヴァはダンテによって開けられた首の小さな穴を指でなぞった。
まだ乾き切っていないのか、指に付着するその血。
こんなものが美味しいなんて、とは思うが。
そして、傷つけたくないというのもダンテの理由の内だが、実際は違う。
色々とギリギリの状態で、理性が持たないのだ。
死ぬほどつらい、アレを長時間耐えるハメになるのなら、いっそ一思いに死んだ方がまだマシだ……と後にダンテは語った。
「そうだね、あんまり穴は開けたくないかな。
そこまで考えてくれてありがと。
……あ、そうそう」
「?」
「あたしダンテの中でダンテを助けてたよ」
「はぁ?」
意味がわからない。
オレの中でオレを助けるとはどんなことなんだろうか。
なんでも、血を飲まれてすぐにダンテの体内に巣食う病巣たる呪いが具現化したらしい敵と、ダンテの体内で戦ったらしい。
ディーヴァがダンテの白血球になったとか……これまたファンタジックな話である。
敵とはいっても相対しても安全だったとのことで、危険がないのならいいのだが。
「いったいその映像や行動にはどんな意味が隠されてるんだ?
血をもらって治って……フツーそれでおわりだろ」
「うーん、また同じようなことがあったらわかるかもよ」
「オイオイ、こんなこと何回もあるのはごめんだぞ?
確かに、次もあったら頼むかもしれない。でもこんなことはないように努力するよ」
「そうしてくれるとこっちも嬉しいな。心臓に悪いもん……」
「ああ。でも助かった、サンキューな」
ダンテはディーヴァを抱き締めた。
ダンテの体が元に戻ったのを知り、ディーヴァも応えるべくして、かたくかたく抱き締め返した。
「ダンテ、お帰りなさい、それとお疲れ様!」
●あとがき
ぎゃあスプラッタ。バイオよりも、昔のゾンビ映画あたりを観るとこういう臓器出る出るシーンなどは描写しやすいです。
以上プチグロと微エロ?注意でした。
とても甘美な花の蜜と、それに群がる虫にでもなったような気分だ。
それくらい甘く濃厚で、また、力が無尽蔵に湧いてくるのを感じた。
力がすぐさま魔力へ変換され、呪いをも打ち破ろうとしている。
さすがに一瞬でとはいかないが、怪我も急速に治ってきているようだ。
これじゃあ、飲み干してしまいたい思いにかられてもしかたないだろう。
現にダンテは他の誰にも渡したくないという思いから、一滴残らず奪い去ってしまおうか……という考えを一瞬よぎらせた。
麻薬のような中毒性を孕んだそれは、一度ハマったら抜け出せぬ魅力に溢れていた。
「ふぅ……っん、」
ディーヴァが痛みを耐えている声を漏らす。
その甘美なる味わいと、あえぎにも似た愛しい女の声に、ダンテの肌がぞくりと粟立った。
「ッ!」
力がざわつく。
もっともっと欲しい……。
理性がぶっ飛びそうだ。
ギリギリラインの崖っぷちでとどまっている状態である。
むくむくと悪魔の自分だけの物ではない、人間としての基本的欲求が鎌首を上げる。
今は絶対にディーヴァの顔は見れないだろう。
味覚、聴覚、彼女を感じとる触覚、そして柔らかく香る彼女を認識する嗅覚……これだけでもやっかいだというのに、視覚でもディーヴァを認識してしまったらあとには引けない。
ディーヴァの顔まで見てしまえば張りつめた糸が切れるだろう。
その糸が切れれば元には戻らない。
結び直して無理矢理繋げたとしても、そこには固い結び目が生まれ、前と同じようなまっすぐな糸には戻れないのだ。
ダンテは目を固く閉じ冷や汗を垂らし、呪いが消え去るまでは、と耐えようとした。
まだか。
早くしろよ、オレの体。
「ダ、ンテ……も、ぅ……」
ドクン。
無意識にだろう、吐息混じりに自分の名前を吐き出すディーヴァに、耐えきれない。
目を見開き、ダンテはディーヴァを凝視した。してしまった。
涙を溜め苦悶の表情の顔を浮かべるディーヴァに、様々な思いが溢れる。
ああ、愛しいディーヴァ。
愛しい、オレだけのために血を、体を、心を差し出すオレだけの……。
ダンテは下半身に急速に熱が集まるのを感じた。
その身にまとう布切れをビリビリと破り捨て、組み敷き、薄く白い柔肌にさらに深く牙を突き立て、血肉を貪り、身体中に紅い華を咲かせ、猛る熱をその中心に何度も何度も穿ち、放つ……それから……。
わゎっやべえ!もういいだろ、オレの体!
そこまで考えたが突然中断した。
ここから先は未成年者にはちょっと早い話になるのだ。
我慢だ我慢。我慢。
ディーヴァはまだ未成年だし、彼女の準備ができるまで待ちたい。
そりゃあ、繋がりたくないかと言われたら繋がりたいに決まっているが、それ以上にディーヴァが大切なのだ。
傷つけたくない。
それに、当初の目的である呪いは、いつの間にか綺麗さっぱり消えてなくなっている。
もうおわり!はいおわり!!
変な考え強制終了!はいオッケー!!
悪魔のオレもそうだが、人のオレも理性を保て!!
ダンテは勢いよくディーヴァの首筋から顔を離した。
「ひゃっ!もう、いいの?」
「うぉ~あっぶねー!」
「えっと……何があぶないの?」
「あ、いや……なんでもない。
それより助かったぜ!この通り呪いも傷も無くなってすっかり元通りだ!さっすがディーヴァだぜ!」
ハハハ、と冷や汗をかいて笑う。
そんなダンテに不審そうな一瞥をくれてから聞いた。
「どう、だったの?」
「美味いし、力がみなぎった」
「……よかった、不味かったり力にならなかったらどうしようかと思った」
「それはないだろ、オレの愛するお前の血だからな。
そういった効力がなくとも愛の特効薬になるさ」
「愛の特効薬とか言わないでよ……恥ずかしい」
「照れるなって。
でも正直、なるべくなら口にしたくないなァ」
「え?なんで?」
「お前を傷つけちまうだろ。ディーヴァはその度に肌に穴を開けたいか?」
いかに小さな穴と言えど痛いものは痛い。
ディーヴァはダンテによって開けられた首の小さな穴を指でなぞった。
まだ乾き切っていないのか、指に付着するその血。
こんなものが美味しいなんて、とは思うが。
そして、傷つけたくないというのもダンテの理由の内だが、実際は違う。
色々とギリギリの状態で、理性が持たないのだ。
死ぬほどつらい、アレを長時間耐えるハメになるのなら、いっそ一思いに死んだ方がまだマシだ……と後にダンテは語った。
「そうだね、あんまり穴は開けたくないかな。
そこまで考えてくれてありがと。
……あ、そうそう」
「?」
「あたしダンテの中でダンテを助けてたよ」
「はぁ?」
意味がわからない。
オレの中でオレを助けるとはどんなことなんだろうか。
なんでも、血を飲まれてすぐにダンテの体内に巣食う病巣たる呪いが具現化したらしい敵と、ダンテの体内で戦ったらしい。
ディーヴァがダンテの白血球になったとか……これまたファンタジックな話である。
敵とはいっても相対しても安全だったとのことで、危険がないのならいいのだが。
「いったいその映像や行動にはどんな意味が隠されてるんだ?
血をもらって治って……フツーそれでおわりだろ」
「うーん、また同じようなことがあったらわかるかもよ」
「オイオイ、こんなこと何回もあるのはごめんだぞ?
確かに、次もあったら頼むかもしれない。でもこんなことはないように努力するよ」
「そうしてくれるとこっちも嬉しいな。心臓に悪いもん……」
「ああ。でも助かった、サンキューな」
ダンテはディーヴァを抱き締めた。
ダンテの体が元に戻ったのを知り、ディーヴァも応えるべくして、かたくかたく抱き締め返した。
「ダンテ、お帰りなさい、それとお疲れ様!」
●あとがき
ぎゃあスプラッタ。バイオよりも、昔のゾンビ映画あたりを観るとこういう臓器出る出るシーンなどは描写しやすいです。
以上プチグロと微エロ?注意でした。