mission 5:old name and bills ~射撃練習とマネー~
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「ダンテの仕事に口は出したくなかったんだけどさ、ちょっと我慢できない。
しばらく一緒にいなかった間だって本当に仕事だったの?」
「え……あー……」
その受けごたえでなんとなくわかった。
「……やっぱり仕事じゃなかったんだ」
負けじとダンテも言い返す。
「半分は仕事だよ。仕事、仕事ってうるせーな。第一オレはデビルハンターなの!フツーの依頼なんか受けたってつまんねーじゃん」
「それじゃお金貯まんないでしょ!さっき見つけたけどこの請求書の束は一体何なの!?」
突きつけられた見覚えのある紙の束に、一瞬うっと言葉に詰まる。
ディーヴァはそれを見逃さなかった。
にっこり笑顔で言う。
「さっきかかってきた電話の依頼、受けておくから仕事行ってきて」
「え、今作ってるピザは?キッチンに生地が用意してあったぞ」
「終わってから!ダンテが帰ってきたら焼きます」
言いながらメモを片手に電話をかけようとしている。先ほどの依頼主の番号を控えてあるようで、ちゃっかりしている。
「食べるの今がいいんだけど」
「却下」
「じゃあ朝メシなしで行けって言うのか、ヒデェな。お前食うぞ……?」
「だめ」
ダンテはがっくりと眉尻を下げ、嘆いた。
「朝はシリアルだよ」
「げ」
シリアルは牛乳をかけてからすぐに食べればまだマシだが、少しでも時間が経つとふやけてまずい。
そうでなくても味があまりなく食べた気がしないので、ダンテはあまり好きではなかった。
「じゃあいいよ、外で食べてくるから」
「ちょっと待った、お金ほとんど入ってないお財布でどこで食べてくるの?
悪いけどツケは効かないからね。あなたがツケにしてそうな場所は今から電話します」
ディーヴァはツケあり、と赤字で書かれたカードをひらひら振ってみせた。
「ツケが払い終わるまで出禁にしてねって」
「なんの権限があってそんなことすんだよ、ここはオレの家だぜ」
腹立たしげにそのカードをもぎ取ろうと腕を伸ばすが後ろに隠されてしまった。
無理やり取ろうと思えば出来るが、ディーヴァにそんな乱暴な真似は出来ない。
「家事を無償でしてるのはあたしです。しかも今はあたしの家のお金を切り崩して食材とか買ってる状態なの。……知ってた?」
そう言えば、ディーヴァが着てからほとんど金出してねぇや。
思いっきり的を射ているのでダンテは冷や汗をかいた。
「……あのねダンテ、借金まみれってのはよくないことよ?ツケもやめたほうがいい。
借りたお金はちゃんと返さなくちゃ。いくらダンテが半分悪魔でも、半分は人間なんだもの。それくらいはわかってくれるよね?」
優しく諭されると頭ごなしに叱られるより効くものである。ダンテも例にもれず、しゅんとうなだれた。
「お金が惜しいわけじゃないの。住ませてもらってる身だし、家賃がわりだと言われればそうなるけど、それでもダンテが働かないのはいただけない。今のダンテってさ……」
続く言葉を聞いたダンテの体のあちこちに言葉の矢が刺さる。
「まるでヒモメン」
「うぐ……」
「それに、お金にだらしない人、嫌いだなあ。ダンテにはちゃんとした一人の人間になってほしいだけなの」
「そ、そうか……」
なんとしても嫌われたくないダンテは、お金に対する考え方を少し改めようと思った。
「ごめん、わかった。オレ、働いて真っ当な人間になるようがんばってみるよ」
「わかってくれたならいいよ。でも……そうね。決めた、あたし家計簿つけるよ……お金は大事だもの。
さて、シリアルの準備するね」
ディーヴァはにっこり明るくいつもの笑顔を浮かべた。それを見たダンテもつられて笑顔になる。
ルンルン気分で思い立ったようにキッチンへ向かおうとするディーヴァの耳に、『ぐうー』盛大な音が聞こえた。
「ディーヴァ、シリアルじゃやっぱ腹減るんだけど……」
大きなため息を吐いてダンテに向き直る。
「じゃあ今からピザ作るからそれ食べたら依頼にいってくれる?外で食べようとしたら最終的にまたお金が減るはめになるし」
ピザを焼いてる間にディーヴァはツケの溜まった店に電話を入れたが、ダンテはそれを阻止しようともしなかった。
自分が悪いのがやっとわかったのだろうか。
成長したのか、こりたのか……いい兆候と受け取っておこう。
ピザという中々に重い朝食を食べ終え、ディーヴァはダンテの見送りに出た。
「いってらっしゃいのキスはなしか?」
「もう、ふざけないの」
ダンテが唇を近づけるが、ディーヴァは苦笑してダンテの体を押しやった。
「いってらっしゃい」
「ふざけてないんだけどな……あ、依頼の金が入ったらなんか美味いもん食いにいこうぜ!」
笑顔で振り向くダンテのその言葉にディーヴァの目が据わる。この男、やっぱりまだあんまりわかっていなかったのか。
「ダンテ、こりてないの?手始めにツケの支払いが先。えっとまずは……じゃぁ桃屋とラブプラネットってとこね。ラブプラネットって確かすぐそこの飲み屋さんかな?」
ディーヴァの盛大な勘違いに即座に否定する。
「違う。危ないから絶対行くなよ?」
「危ないって?」
「あー……ストリップバーっぽいところだ」
ぽい、じゃなくてそのまんまストリップバーである。
ディーヴァには絶対行かせたくない場所ベスト10の中に入る、ある意味、悪魔の中に投げ込むよりも危ない場所であろう。
「ストッ……!?女の人が脱いでく場所じゃない……絶対近づかないようにしよっと」
そんないかがわしい店が身近にあるとはさすがスラム街である。
ディーヴァもどういう場所であるかだけは知っているようで、警戒し始めた。
でもきっと脱ぐだけでなく、金さえ払えば『本番』もあることは知らないであろう。いらん知識だ。
「ダンテもそーいう場所いくんだね」
「ちが、それが目的じゃなくてだな、人と仕事の話をする場所はあーいう騒がしいとこのが都合がいいんだ。誰も人のことを気にしねーからな!」
確かに女共が裸体をくねらせながら服を脱いだりしているのを見るのは目を奪われ興奮することも多々あった。
けれど、金を払ってまで『本番』をする気にはならない。ましてや、今ダンテが夢中なのは目の前のディーヴァである。
それでも焦って語尾を強くするダンテに、ディーヴァは疑わしげな視線を送る。
「ふーん……」
「信用してねーな」
「男の人だし、しょうがないよ。ダンテってえっちな本いっぱい持ってるもんね」
「あれはッ……悪い」
言い逃れはできない。
ダンテはおとなしく認めた。
「別にいいよ、行くのにあたしの許可はいらないでしょ。とにかくどんどん働いてどんどん支払いは済ましちゃおう!請求書はまだまだい~っぱいあるのよ?」
変なところでサッパリしているディーヴァは、やる気満々に握りこぶしを作った。
でも働くのはダンテである。ダンテはいやそうに顔をしかめた。
やばい、こいつ馬車馬のようにオレを働かせる気じゃねえか。
騎乗位でヤルという意味ならダンテはいくらでも馬役をかってでる。でも馬車馬はご遠慮したいものだ。
「あ、どうしても悪魔狩りたいっていうなら無償になるけどあたしが喚びます。その辺でほんのすこ~し血をひとたらし……って」
「それはやめろ、オレも自制が利かなくなったらどうする。別にそこまでして悪魔を狩りたいわけじゃないし……」
また悪魔の自分を呼び覚ますのはごめんである。
アレは案外落ち着かせるのが大変なのだ。
「知ってる。あたしも自分に傷つけたくない悪魔しこわいもん。
じゃ、早く逝ってらっしゃい」
ディーヴァが手をグッバイの形にして振っている。
行くの字がちがくね?
そう思ったがダンテは何も言わずにしぶしぶ出かけて行った。
●あとがき
小説版のネタを使用。時期としては、3の一年くらい前&夢主と出会う半年くらい前として考えています。
銃は重いです。ダンテのエボアボはハンドガンタイプなのにあれだけ大型ですし、かなり重いはず。
あと、借金やツケはよくないと思います。最終的に自分が損するだけですから。
しばらく一緒にいなかった間だって本当に仕事だったの?」
「え……あー……」
その受けごたえでなんとなくわかった。
「……やっぱり仕事じゃなかったんだ」
負けじとダンテも言い返す。
「半分は仕事だよ。仕事、仕事ってうるせーな。第一オレはデビルハンターなの!フツーの依頼なんか受けたってつまんねーじゃん」
「それじゃお金貯まんないでしょ!さっき見つけたけどこの請求書の束は一体何なの!?」
突きつけられた見覚えのある紙の束に、一瞬うっと言葉に詰まる。
ディーヴァはそれを見逃さなかった。
にっこり笑顔で言う。
「さっきかかってきた電話の依頼、受けておくから仕事行ってきて」
「え、今作ってるピザは?キッチンに生地が用意してあったぞ」
「終わってから!ダンテが帰ってきたら焼きます」
言いながらメモを片手に電話をかけようとしている。先ほどの依頼主の番号を控えてあるようで、ちゃっかりしている。
「食べるの今がいいんだけど」
「却下」
「じゃあ朝メシなしで行けって言うのか、ヒデェな。お前食うぞ……?」
「だめ」
ダンテはがっくりと眉尻を下げ、嘆いた。
「朝はシリアルだよ」
「げ」
シリアルは牛乳をかけてからすぐに食べればまだマシだが、少しでも時間が経つとふやけてまずい。
そうでなくても味があまりなく食べた気がしないので、ダンテはあまり好きではなかった。
「じゃあいいよ、外で食べてくるから」
「ちょっと待った、お金ほとんど入ってないお財布でどこで食べてくるの?
悪いけどツケは効かないからね。あなたがツケにしてそうな場所は今から電話します」
ディーヴァはツケあり、と赤字で書かれたカードをひらひら振ってみせた。
「ツケが払い終わるまで出禁にしてねって」
「なんの権限があってそんなことすんだよ、ここはオレの家だぜ」
腹立たしげにそのカードをもぎ取ろうと腕を伸ばすが後ろに隠されてしまった。
無理やり取ろうと思えば出来るが、ディーヴァにそんな乱暴な真似は出来ない。
「家事を無償でしてるのはあたしです。しかも今はあたしの家のお金を切り崩して食材とか買ってる状態なの。……知ってた?」
そう言えば、ディーヴァが着てからほとんど金出してねぇや。
思いっきり的を射ているのでダンテは冷や汗をかいた。
「……あのねダンテ、借金まみれってのはよくないことよ?ツケもやめたほうがいい。
借りたお金はちゃんと返さなくちゃ。いくらダンテが半分悪魔でも、半分は人間なんだもの。それくらいはわかってくれるよね?」
優しく諭されると頭ごなしに叱られるより効くものである。ダンテも例にもれず、しゅんとうなだれた。
「お金が惜しいわけじゃないの。住ませてもらってる身だし、家賃がわりだと言われればそうなるけど、それでもダンテが働かないのはいただけない。今のダンテってさ……」
続く言葉を聞いたダンテの体のあちこちに言葉の矢が刺さる。
「まるでヒモメン」
「うぐ……」
「それに、お金にだらしない人、嫌いだなあ。ダンテにはちゃんとした一人の人間になってほしいだけなの」
「そ、そうか……」
なんとしても嫌われたくないダンテは、お金に対する考え方を少し改めようと思った。
「ごめん、わかった。オレ、働いて真っ当な人間になるようがんばってみるよ」
「わかってくれたならいいよ。でも……そうね。決めた、あたし家計簿つけるよ……お金は大事だもの。
さて、シリアルの準備するね」
ディーヴァはにっこり明るくいつもの笑顔を浮かべた。それを見たダンテもつられて笑顔になる。
ルンルン気分で思い立ったようにキッチンへ向かおうとするディーヴァの耳に、『ぐうー』盛大な音が聞こえた。
「ディーヴァ、シリアルじゃやっぱ腹減るんだけど……」
大きなため息を吐いてダンテに向き直る。
「じゃあ今からピザ作るからそれ食べたら依頼にいってくれる?外で食べようとしたら最終的にまたお金が減るはめになるし」
ピザを焼いてる間にディーヴァはツケの溜まった店に電話を入れたが、ダンテはそれを阻止しようともしなかった。
自分が悪いのがやっとわかったのだろうか。
成長したのか、こりたのか……いい兆候と受け取っておこう。
ピザという中々に重い朝食を食べ終え、ディーヴァはダンテの見送りに出た。
「いってらっしゃいのキスはなしか?」
「もう、ふざけないの」
ダンテが唇を近づけるが、ディーヴァは苦笑してダンテの体を押しやった。
「いってらっしゃい」
「ふざけてないんだけどな……あ、依頼の金が入ったらなんか美味いもん食いにいこうぜ!」
笑顔で振り向くダンテのその言葉にディーヴァの目が据わる。この男、やっぱりまだあんまりわかっていなかったのか。
「ダンテ、こりてないの?手始めにツケの支払いが先。えっとまずは……じゃぁ桃屋とラブプラネットってとこね。ラブプラネットって確かすぐそこの飲み屋さんかな?」
ディーヴァの盛大な勘違いに即座に否定する。
「違う。危ないから絶対行くなよ?」
「危ないって?」
「あー……ストリップバーっぽいところだ」
ぽい、じゃなくてそのまんまストリップバーである。
ディーヴァには絶対行かせたくない場所ベスト10の中に入る、ある意味、悪魔の中に投げ込むよりも危ない場所であろう。
「ストッ……!?女の人が脱いでく場所じゃない……絶対近づかないようにしよっと」
そんないかがわしい店が身近にあるとはさすがスラム街である。
ディーヴァもどういう場所であるかだけは知っているようで、警戒し始めた。
でもきっと脱ぐだけでなく、金さえ払えば『本番』もあることは知らないであろう。いらん知識だ。
「ダンテもそーいう場所いくんだね」
「ちが、それが目的じゃなくてだな、人と仕事の話をする場所はあーいう騒がしいとこのが都合がいいんだ。誰も人のことを気にしねーからな!」
確かに女共が裸体をくねらせながら服を脱いだりしているのを見るのは目を奪われ興奮することも多々あった。
けれど、金を払ってまで『本番』をする気にはならない。ましてや、今ダンテが夢中なのは目の前のディーヴァである。
それでも焦って語尾を強くするダンテに、ディーヴァは疑わしげな視線を送る。
「ふーん……」
「信用してねーな」
「男の人だし、しょうがないよ。ダンテってえっちな本いっぱい持ってるもんね」
「あれはッ……悪い」
言い逃れはできない。
ダンテはおとなしく認めた。
「別にいいよ、行くのにあたしの許可はいらないでしょ。とにかくどんどん働いてどんどん支払いは済ましちゃおう!請求書はまだまだい~っぱいあるのよ?」
変なところでサッパリしているディーヴァは、やる気満々に握りこぶしを作った。
でも働くのはダンテである。ダンテはいやそうに顔をしかめた。
やばい、こいつ馬車馬のようにオレを働かせる気じゃねえか。
騎乗位でヤルという意味ならダンテはいくらでも馬役をかってでる。でも馬車馬はご遠慮したいものだ。
「あ、どうしても悪魔狩りたいっていうなら無償になるけどあたしが喚びます。その辺でほんのすこ~し血をひとたらし……って」
「それはやめろ、オレも自制が利かなくなったらどうする。別にそこまでして悪魔を狩りたいわけじゃないし……」
また悪魔の自分を呼び覚ますのはごめんである。
アレは案外落ち着かせるのが大変なのだ。
「知ってる。あたしも自分に傷つけたくない悪魔しこわいもん。
じゃ、早く逝ってらっしゃい」
ディーヴァが手をグッバイの形にして振っている。
行くの字がちがくね?
そう思ったがダンテは何も言わずにしぶしぶ出かけて行った。
●あとがき
小説版のネタを使用。時期としては、3の一年くらい前&夢主と出会う半年くらい前として考えています。
銃は重いです。ダンテのエボアボはハンドガンタイプなのにあれだけ大型ですし、かなり重いはず。
あと、借金やツケはよくないと思います。最終的に自分が損するだけですから。