mission 5:old name and bills ~射撃練習とマネー~
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昼食を終えたところで、ダンテは自室を漁り、極々小さなオートマチック銃を持ってきた。
「オレが以前ちょっとばかし使ってたやつだ。アキュライズも定期的な分解掃除も定期的にしてあるから使えるぜ」
「アキュ……?
整理整頓お掃除ってことかな?普段のお掃除もそれくらいしてくれればいいのに」
「ディーヴァの仕事を取っちゃ悪いだろ?」
おどけるダンテを軽く睨みながらそれを見る。その銃身はダンテの手の中でキラキラと光輝いていた。
「ダンテのとはかなり大きさ違うよね。小さ〜い」
「一番小さいやつだからな。なんでこんなの選んだのかは忘れた。でもアンティークっぽくて可愛いだろ?」
「おもちゃみたいで可愛い。けどダンテのくらい大きくないとちょっぴり不安だね」
「試しにオレの持ってみ?」
そうこぼすディーヴァにダンテは笑いながら自分の愛銃を一つ預けた。
ずっしり。赤ん坊でも抱いているかのような結構な重みが腕に伝わり、腕から手先までがじんじんと痺れる。
「!?おっも!!こんな重いのにあの連射……あの片手撃ち……!うそぉ」
「オレだからできるんだ」
両手でも持つの大変だぁ、とすぐさまダンテに返す。
ダンテは自分の体の一部のように、軽々と振り回してホルスターに入れた。
半分悪魔とはいえ、この人……どれだけの腕力があるんだろうか。握力いくつ?
ディーヴァは恐ろしく思った。
「うー。大人しくこっちにする……あれ?こっちも意外に重い」
ディーヴァはその小さな銃をダンテから受けとったが、こちらも見かけより重かった。
始終ケラケラ笑いながらダンテが銃についてをクチャーする。
「ほら、これが弾倉。
まるで男が女とひとつになるみたいに、しっかりとココに差し込んで、」
「変な言い方しないでよぅ……」
「はは、すまんすまん。
あと、必要ならこれもだな」
「何この筒」
黒いラップの芯のような、筒状の物を手渡された。空いた穴から向こうを見る。
ダンテが覗いてきたのを見て、恥ずかしくなり慌てて視線を外す。
「サプレッサーってヤツだ。もっとポピュラーな名前でいうと、サイレンサーな」
「ごめんちょっと何言ってるかわからない」
銃と無縁すぎたディーヴァには理解できなかった。ダンテは初心者であるディーヴァにも理解できるよう、言葉を選ぶ。
「減音出来る素敵アイテムだよ。装着すると、銃口からの音が静かになるんだ。完全には消えないがな。
これは簡単に着脱可能なタイプだ。ほらここ、この溝に筒をはめ込む。簡単だろ?
銃と一緒に持ってろ」
耳をつんざくあの発砲音が少しでも静かになる。それは便利だ。
だが、本体とセットだと。
「はぁ……さらに重くなった……。まるで筋トレ。ダンテはあたしにマッチョになって欲しいのかな?」
「ははっ!マッチョになるほどじゃないだろ。ダンベルじゃあるまいし」
笑い飛ばしたダンテが、サプレッサーを試しにと、ディーヴァ自身に装着させる。
簡単だというそれだが、ディーヴァは上手くいかなかった。
「せっかくだけど、あんまり要らないんじゃないかなぁ?装着するのめんどくさい」
「たくさんの悪魔に襲われたとする。他の悪魔にバレずに目の前の悪魔を撃たなければならない。そんな時どうする?
これで相手から少しでも居場所を悟られずに済むかもしれないんだぜ。ひとつくらい余分な物が増えても問題ないだろ」
そういう風に言われてしまうと、他にいいようがない。ダンテは、ディーヴァの安全を考慮して言ってくれているのだ。
本当は銃なんて使わないで済めば一番なのだが、他でもない、ディーヴァが撃ちたいと言った事。発言には最後まで責任を持とう。
「よしじゃあ立ち方。右利きだよな?右足を手前に引いて立つ。右手の肘を伸ばし、まっすぐ構える。左手は右手のサポートに回す。
これが初心者向けの基本構えだ」
基本の構えができても、実際に撃つ時はたして同じ姿勢が咄嗟に出来るだろうか。
ディーヴァが銃を使うのは突然の事。普段から練習あるのみだ。
「肩が外れるからほんとしっかり持って撃てよ?」
「こんな小さいのに肩が外れるの?」
照準の先でダンテが撃ち抜いた的の穴を覗きつつ聞く。
「衝撃による反動を馬鹿にするなよ?甘く見てると吹っ飛ぶ」
次にディーヴァの後ろから抱き込むかのようにして構えを正すダンテ。その熱を間近に感じてドキドキする。
「その構えだとジャムるぜ」
「ジャム?」
「装弾不良のこと。
オレの弾は魔力製だったり普通のだったりするから、気にしなくてもいいけど、ディーヴァの銃は必ず一発ごとに空薬莢がぽーんと飛び出す。火薬が入ってた空っぽの金属カプセルみたいなヤツな。それが上手く外に投げ出されないことを言う。
ブローバック式……まぁ銃の構造の名前な。そういう名前のヤツはまっすぐに固定しないと、薬莢が上手く出なくて便秘になるんだ」
わかりやすい例えではあるが、言うに事欠いて便秘とは。
「美味しいジャムかと思った。あたしりんごジャムがいい」
「オレはイチゴジャムな。ほら、ちゃんと構えてろよ」
いったんディーヴァから離れ、その構えの全体像をじっくり顎に手をやりながら観察される。
試験の採点を受けているようで居心地が悪い。
「グリップ握りづらそうだな。俺が出来る範囲で削っておく。あとはジャム対策にリコイルを柔いのに変えとくぜ。
それと、普段のメンテはオレに任せとけ。オレの得意分野だからな!」
「ん?んー、よくわかんないからダンテに任せるね」
「よし、じゃあ試しに撃ってみよう」
ダンテは監督よろしく椅子に鎮座する。
初めての体験に心臓をドキドキさせ、ディーヴァは改めて身構えた。
ゆっくりトリガーに指をかける。
「おい打つ前はセーフティ外せ」
「そ……それくらいはドラマで見て知ってるよ!」
顔を赤くして言いながらも、ディーヴァはセーフティとやらを確認し、こうやるのかな、とゆっくりと外した。
そして構え直すが、またもやダンテからの指摘が入る。
「……ハンマーも起こせ」
「う……」
ダンテがため息交じりに言い、ディーヴァにハンマーの起こし方、その役割を説明するのでディーヴァは軽く落ち込んだ。
気を取り直して構え、的に照準を合わせて一発、ズドン!
ようやく撃ったその一発は大きく腕を弾いた。
「いたた……」
「お、ビギナーズラックってやつだな」
痛みに顔をしかめるディーヴァとは裏腹にダンテはひどく喜んでいた。見れば的の中心からそう遠くない位置を貫いている。
「やったあ!」
同じく喜ぶディーヴァに、でも……と続ける。
「撃った瞬間、目を閉じてただろ」
「あは、バレた?」
「怖いかもしれないがなるべく目を開けて撃て。危ないだろ。
それと腕は絶っっ対固定な。これも目を閉じたからズレたんだろうけどさ」
「わかりました、ダンテ教官」
ディーヴァはビシッと手を頭に当てて返事した。
そんなディーヴァの両肩に手を置いてダンテが子供にするように言い聞かせる。
「ディーヴァが銃を使うとしたら、相手は悪魔だろう。でも当てなくていい。そもそも倒そうなんてするなよ?
銃声が聞こえればオレが駆けつける」
ディーヴァは一瞬だけ不服そうな表情を見せたが、悪魔には自分の銃は届かないだろう、と素直に頷いた。
「オレが以前ちょっとばかし使ってたやつだ。アキュライズも定期的な分解掃除も定期的にしてあるから使えるぜ」
「アキュ……?
整理整頓お掃除ってことかな?普段のお掃除もそれくらいしてくれればいいのに」
「ディーヴァの仕事を取っちゃ悪いだろ?」
おどけるダンテを軽く睨みながらそれを見る。その銃身はダンテの手の中でキラキラと光輝いていた。
「ダンテのとはかなり大きさ違うよね。小さ〜い」
「一番小さいやつだからな。なんでこんなの選んだのかは忘れた。でもアンティークっぽくて可愛いだろ?」
「おもちゃみたいで可愛い。けどダンテのくらい大きくないとちょっぴり不安だね」
「試しにオレの持ってみ?」
そうこぼすディーヴァにダンテは笑いながら自分の愛銃を一つ預けた。
ずっしり。赤ん坊でも抱いているかのような結構な重みが腕に伝わり、腕から手先までがじんじんと痺れる。
「!?おっも!!こんな重いのにあの連射……あの片手撃ち……!うそぉ」
「オレだからできるんだ」
両手でも持つの大変だぁ、とすぐさまダンテに返す。
ダンテは自分の体の一部のように、軽々と振り回してホルスターに入れた。
半分悪魔とはいえ、この人……どれだけの腕力があるんだろうか。握力いくつ?
ディーヴァは恐ろしく思った。
「うー。大人しくこっちにする……あれ?こっちも意外に重い」
ディーヴァはその小さな銃をダンテから受けとったが、こちらも見かけより重かった。
始終ケラケラ笑いながらダンテが銃についてをクチャーする。
「ほら、これが弾倉。
まるで男が女とひとつになるみたいに、しっかりとココに差し込んで、」
「変な言い方しないでよぅ……」
「はは、すまんすまん。
あと、必要ならこれもだな」
「何この筒」
黒いラップの芯のような、筒状の物を手渡された。空いた穴から向こうを見る。
ダンテが覗いてきたのを見て、恥ずかしくなり慌てて視線を外す。
「サプレッサーってヤツだ。もっとポピュラーな名前でいうと、サイレンサーな」
「ごめんちょっと何言ってるかわからない」
銃と無縁すぎたディーヴァには理解できなかった。ダンテは初心者であるディーヴァにも理解できるよう、言葉を選ぶ。
「減音出来る素敵アイテムだよ。装着すると、銃口からの音が静かになるんだ。完全には消えないがな。
これは簡単に着脱可能なタイプだ。ほらここ、この溝に筒をはめ込む。簡単だろ?
銃と一緒に持ってろ」
耳をつんざくあの発砲音が少しでも静かになる。それは便利だ。
だが、本体とセットだと。
「はぁ……さらに重くなった……。まるで筋トレ。ダンテはあたしにマッチョになって欲しいのかな?」
「ははっ!マッチョになるほどじゃないだろ。ダンベルじゃあるまいし」
笑い飛ばしたダンテが、サプレッサーを試しにと、ディーヴァ自身に装着させる。
簡単だというそれだが、ディーヴァは上手くいかなかった。
「せっかくだけど、あんまり要らないんじゃないかなぁ?装着するのめんどくさい」
「たくさんの悪魔に襲われたとする。他の悪魔にバレずに目の前の悪魔を撃たなければならない。そんな時どうする?
これで相手から少しでも居場所を悟られずに済むかもしれないんだぜ。ひとつくらい余分な物が増えても問題ないだろ」
そういう風に言われてしまうと、他にいいようがない。ダンテは、ディーヴァの安全を考慮して言ってくれているのだ。
本当は銃なんて使わないで済めば一番なのだが、他でもない、ディーヴァが撃ちたいと言った事。発言には最後まで責任を持とう。
「よしじゃあ立ち方。右利きだよな?右足を手前に引いて立つ。右手の肘を伸ばし、まっすぐ構える。左手は右手のサポートに回す。
これが初心者向けの基本構えだ」
基本の構えができても、実際に撃つ時はたして同じ姿勢が咄嗟に出来るだろうか。
ディーヴァが銃を使うのは突然の事。普段から練習あるのみだ。
「肩が外れるからほんとしっかり持って撃てよ?」
「こんな小さいのに肩が外れるの?」
照準の先でダンテが撃ち抜いた的の穴を覗きつつ聞く。
「衝撃による反動を馬鹿にするなよ?甘く見てると吹っ飛ぶ」
次にディーヴァの後ろから抱き込むかのようにして構えを正すダンテ。その熱を間近に感じてドキドキする。
「その構えだとジャムるぜ」
「ジャム?」
「装弾不良のこと。
オレの弾は魔力製だったり普通のだったりするから、気にしなくてもいいけど、ディーヴァの銃は必ず一発ごとに空薬莢がぽーんと飛び出す。火薬が入ってた空っぽの金属カプセルみたいなヤツな。それが上手く外に投げ出されないことを言う。
ブローバック式……まぁ銃の構造の名前な。そういう名前のヤツはまっすぐに固定しないと、薬莢が上手く出なくて便秘になるんだ」
わかりやすい例えではあるが、言うに事欠いて便秘とは。
「美味しいジャムかと思った。あたしりんごジャムがいい」
「オレはイチゴジャムな。ほら、ちゃんと構えてろよ」
いったんディーヴァから離れ、その構えの全体像をじっくり顎に手をやりながら観察される。
試験の採点を受けているようで居心地が悪い。
「グリップ握りづらそうだな。俺が出来る範囲で削っておく。あとはジャム対策にリコイルを柔いのに変えとくぜ。
それと、普段のメンテはオレに任せとけ。オレの得意分野だからな!」
「ん?んー、よくわかんないからダンテに任せるね」
「よし、じゃあ試しに撃ってみよう」
ダンテは監督よろしく椅子に鎮座する。
初めての体験に心臓をドキドキさせ、ディーヴァは改めて身構えた。
ゆっくりトリガーに指をかける。
「おい打つ前はセーフティ外せ」
「そ……それくらいはドラマで見て知ってるよ!」
顔を赤くして言いながらも、ディーヴァはセーフティとやらを確認し、こうやるのかな、とゆっくりと外した。
そして構え直すが、またもやダンテからの指摘が入る。
「……ハンマーも起こせ」
「う……」
ダンテがため息交じりに言い、ディーヴァにハンマーの起こし方、その役割を説明するのでディーヴァは軽く落ち込んだ。
気を取り直して構え、的に照準を合わせて一発、ズドン!
ようやく撃ったその一発は大きく腕を弾いた。
「いたた……」
「お、ビギナーズラックってやつだな」
痛みに顔をしかめるディーヴァとは裏腹にダンテはひどく喜んでいた。見れば的の中心からそう遠くない位置を貫いている。
「やったあ!」
同じく喜ぶディーヴァに、でも……と続ける。
「撃った瞬間、目を閉じてただろ」
「あは、バレた?」
「怖いかもしれないがなるべく目を開けて撃て。危ないだろ。
それと腕は絶っっ対固定な。これも目を閉じたからズレたんだろうけどさ」
「わかりました、ダンテ教官」
ディーヴァはビシッと手を頭に当てて返事した。
そんなディーヴァの両肩に手を置いてダンテが子供にするように言い聞かせる。
「ディーヴァが銃を使うとしたら、相手は悪魔だろう。でも当てなくていい。そもそも倒そうなんてするなよ?
銃声が聞こえればオレが駆けつける」
ディーヴァは一瞬だけ不服そうな表情を見せたが、悪魔には自分の銃は届かないだろう、と素直に頷いた。