mission 4:Trust me, and I'm home~信頼とタダイマ~
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その後からは一緒に過ごす時間がぐんと増えた。
今までは昼夜逆転の生活を送っていたダンテだったが、今はディーヴァの起きる時間に合わせて目覚めるようにもなった。
仕事もその時間はなるべく入れないようにし、食事も出来るかぎり一緒にとるようにと心がけた。
おっとー?あまり仕事してないだろとか言うのはなしだぜ。オレはもともと週休六日制だ。
「手間が省けてよかったぁ!何度も洗い物するのは面倒だもんねー」
ディーヴァは食事を共にしだすと、照れ隠しにそう言った。
その言葉も本当のことかもしれない。
が、一緒に食事する事が嬉しかった、というのが本音だろう、彼女は始終笑顔が絶えなかった。
ダンテ自身一人の食事は味気ないもので、共に食卓を囲むことは嬉しいものに感じ、笑みがこぼれた。
そんな二人はあんな事があったばかりというに、またも一緒のベッドで眠っていた。
もう少し落ち着いてこの環境に慣れて来たら一人で寝よう。
そう考えていたディーヴァは、しばらくの間、ダンテと枕を共にすることにしたのだ。
ダンテが彼女を襲いかけた日の次の夜、就寝時間のこと。
今日からは別々に寝た方がいい、と伝えたダンテに、泣きそうな顔をしてきたディーヴァが記憶に新しい。
「今は無理、だけどもう子どもじゃないもん……一人で眠れるようにするから、だからしばらく我慢してくれる?」
上目使いで見上げたディーヴァは、ダンテの返答も待たずに毛布を被り顔を隠した。
子どもじゃない、と言いながらも子どものような行動をしている自分を恥じているようであった。
「……お願い、一緒に寝て」
毛布の中から懇願するくぐもった声が聞こえ、ダンテはくくく、と笑いを押し殺した。
「我慢も何も一緒に眠れるなんて最高すぎるぜ。
それに無理しなくたっていいんだぜ?もう子守唄なしじゃいられないんだろ」
そう言ってダンテは毛布ごとディーヴァを抱きしめた。
確かにダンテの子守唄を聴いて寝るとよく眠れる。
ため息をつきたくなるくらい音階がずれたダンテの子守唄なのに、とても安心するのだ。
まるで小さい頃に戻ったように。
「眠る時くらいはずっと一緒にいような……」
ダンテは毛布の上からディーヴァの脳天に軽く口付けるとぼそりと囁いた。
こうやって彼女をからかっているが、ダンテ自身もディーヴァが傍らにあるというのは、とても落ち着くことだった。
もちろん、半分は悪魔なのでそれと反対につらい時もあるが、正体を隠していない分その辺はなんとか制御できていた。
ディーヴァの存在はまるで愛用の枕のように、自分の安眠のためなくてはならない……かけがえないものになっていた。
食事……睡眠……年がら年中一緒に過ごすとプライバシーがなくなる感覚がする気がして、嫌なこともある。そう思っていたがディーヴァと一緒にいても、全く気にならなかった。
むしろどんどん知って欲しいくらいだ。
何度も言うが、自分にとっての最大の秘密はすでに知られていることだからだ。
他には秘密なんて皆無と言っていい。
ダンテに休日があるように(とは言ってもダンテの場合、週休六日制だが)ディーヴァにも休日はある。
休日のディーヴァは、ずっとダンテと過ごす。
華の女子高生だ。他にもしたい事やりたい事、趣味もあったろう。そのすべてを蹴り、ディーヴァは今のところダンテと行動を共にしていた。
だからディーヴァの高校が休日の日には、昼間から惰眠をむさぼった。
ダンテが気がつくと、ディーヴァのひざに頭を乗せ、眠っていることも多い。
ディーヴァのことを言えないくらい自分も子どもに見えて、その滑稽さに笑ってしまう。
そうやってしばらくディーヴァのひざの上で微睡んでいると、覚えたての子守唄をなめらかに歌い上げるのが聴こえてくるのだった。
やはり男が歌うよりは女が歌った方がいい。
ディーヴァの声はまさに天使の歌声で、癒されるものだった。もしかしたら本当に癒しの力が働いているのかもしれない。
惚れたよしみで贔屓しているわけじゃなく、ディーヴァは純粋に歌も上手かった。
と……まあ、意識を覚醒してきていても、聴いているうちにダンテはまた眠りこんでしまってばかりだ。
こんな状態でまだ恋人同士じゃないのだから驚きである。
ダンテは早く恋人同士になりたくてたまらないがディーヴァはどうなのだろう。
今日もダンテは夢の中でディーヴァが振り向くその日を、一人待つのだった。
ダンテが目を閉じて子どものように静かに眠っている。
起きている時はうるさかったり、真剣だったり、恐かったり、ちょっと抜けていたり……色々な表情を見せるダンテ。
眠っている時のダンテは、見た目よりもずいぶんと幼く見えた。
「ダンテって意外と寝顔がかわいいよね」
起こさないよう弱い力でダンテの頬をつつく。
こんなにも背が高く、自分よりもたくましく大きな体をしている。
なのに口を半開きにして眠る姿は、ディーヴァの目には大きな子どもにしか映らない。
きちんと大人扱いをすることもある。
だが、ダンテはダンテで、ディーヴァはディーヴァで、お互いがお互いを子どものように思っているのだった。
ふと、背の話で思い出すことがある。
ディーヴァは家族の死後、勧められるまま少し前まで学校のカウンセリングルームに通っていたのだが、その部屋の角に置いてある体重計に乗ってみたのだ。ダンテには必要ないのか、ここにそんなものはなかったため、学校で乗るしかなかったからだ。
実はディーヴァは体重が毎日少しずつ重くなったり軽くなったりと変動が大きかったりする。
それを毎日確認するのが日課だった。
前はそれで一喜一憂していたものだ。やはり女の子である。
量は違えどダンテと同じピザやストロベリーサンデー他、ダンテに合わせた高カロリーメニューを摂取していたため、さぞかし体重が増えたことだろうと気落ちしていた。
ドキドキしながらそっと乗った瞬間を、この足が覚えている。
が、予想に反して体重は増えても減ってもいなかったのだ。
体重だけでなく身長も気になったので測ってみたが、そちらも1㎜たりとも変化がなかった。
以来、毎日通う度に身長と体重を測り続けた。
それでも変わらない身長と体重にディーヴァは首を傾げるばかり。
おかしいのは背だけではない。
今まで何があろうともディーヴァの月経のサイクルは乱れることがなかったのだが、あの時から止まってしまった。
普通の人ならば数日遅れただけ、と鼻で笑うかもしれない。
だが、ディーヴァは風邪をひいても、精神的に不安定であっても一日として遅れたことがなかった。
確かに目の前で家族を失う、などという壮絶な体験をしては精神に異常をきたし、女性ならば月経の一つや二つ止まってしまうだろう。
ディーヴァとて家族の死を乗り越えたわけではないから、そう言った理由で月経不順に陥っているかもしれない。
学校の看護師もそうアドバイスをしてくれた。
しかしディーヴァは、自分が心的外傷後ストレス障害にかかってはいないとわかっていた。
少しその気配はあったのだが、ダンテと過ごすなかで解消されていったのだ。
現に添い寝効果か、不眠はきれいさっぱりなくなっている。
「だけど、さすがに衝撃的過ぎたもの……ちょっとくらい遅れたって仕方ないよね、うん」
ディーヴァはそう思い込むしかなかったのだ。
今までは昼夜逆転の生活を送っていたダンテだったが、今はディーヴァの起きる時間に合わせて目覚めるようにもなった。
仕事もその時間はなるべく入れないようにし、食事も出来るかぎり一緒にとるようにと心がけた。
おっとー?あまり仕事してないだろとか言うのはなしだぜ。オレはもともと週休六日制だ。
「手間が省けてよかったぁ!何度も洗い物するのは面倒だもんねー」
ディーヴァは食事を共にしだすと、照れ隠しにそう言った。
その言葉も本当のことかもしれない。
が、一緒に食事する事が嬉しかった、というのが本音だろう、彼女は始終笑顔が絶えなかった。
ダンテ自身一人の食事は味気ないもので、共に食卓を囲むことは嬉しいものに感じ、笑みがこぼれた。
そんな二人はあんな事があったばかりというに、またも一緒のベッドで眠っていた。
もう少し落ち着いてこの環境に慣れて来たら一人で寝よう。
そう考えていたディーヴァは、しばらくの間、ダンテと枕を共にすることにしたのだ。
ダンテが彼女を襲いかけた日の次の夜、就寝時間のこと。
今日からは別々に寝た方がいい、と伝えたダンテに、泣きそうな顔をしてきたディーヴァが記憶に新しい。
「今は無理、だけどもう子どもじゃないもん……一人で眠れるようにするから、だからしばらく我慢してくれる?」
上目使いで見上げたディーヴァは、ダンテの返答も待たずに毛布を被り顔を隠した。
子どもじゃない、と言いながらも子どものような行動をしている自分を恥じているようであった。
「……お願い、一緒に寝て」
毛布の中から懇願するくぐもった声が聞こえ、ダンテはくくく、と笑いを押し殺した。
「我慢も何も一緒に眠れるなんて最高すぎるぜ。
それに無理しなくたっていいんだぜ?もう子守唄なしじゃいられないんだろ」
そう言ってダンテは毛布ごとディーヴァを抱きしめた。
確かにダンテの子守唄を聴いて寝るとよく眠れる。
ため息をつきたくなるくらい音階がずれたダンテの子守唄なのに、とても安心するのだ。
まるで小さい頃に戻ったように。
「眠る時くらいはずっと一緒にいような……」
ダンテは毛布の上からディーヴァの脳天に軽く口付けるとぼそりと囁いた。
こうやって彼女をからかっているが、ダンテ自身もディーヴァが傍らにあるというのは、とても落ち着くことだった。
もちろん、半分は悪魔なのでそれと反対につらい時もあるが、正体を隠していない分その辺はなんとか制御できていた。
ディーヴァの存在はまるで愛用の枕のように、自分の安眠のためなくてはならない……かけがえないものになっていた。
食事……睡眠……年がら年中一緒に過ごすとプライバシーがなくなる感覚がする気がして、嫌なこともある。そう思っていたがディーヴァと一緒にいても、全く気にならなかった。
むしろどんどん知って欲しいくらいだ。
何度も言うが、自分にとっての最大の秘密はすでに知られていることだからだ。
他には秘密なんて皆無と言っていい。
ダンテに休日があるように(とは言ってもダンテの場合、週休六日制だが)ディーヴァにも休日はある。
休日のディーヴァは、ずっとダンテと過ごす。
華の女子高生だ。他にもしたい事やりたい事、趣味もあったろう。そのすべてを蹴り、ディーヴァは今のところダンテと行動を共にしていた。
だからディーヴァの高校が休日の日には、昼間から惰眠をむさぼった。
ダンテが気がつくと、ディーヴァのひざに頭を乗せ、眠っていることも多い。
ディーヴァのことを言えないくらい自分も子どもに見えて、その滑稽さに笑ってしまう。
そうやってしばらくディーヴァのひざの上で微睡んでいると、覚えたての子守唄をなめらかに歌い上げるのが聴こえてくるのだった。
やはり男が歌うよりは女が歌った方がいい。
ディーヴァの声はまさに天使の歌声で、癒されるものだった。もしかしたら本当に癒しの力が働いているのかもしれない。
惚れたよしみで贔屓しているわけじゃなく、ディーヴァは純粋に歌も上手かった。
と……まあ、意識を覚醒してきていても、聴いているうちにダンテはまた眠りこんでしまってばかりだ。
こんな状態でまだ恋人同士じゃないのだから驚きである。
ダンテは早く恋人同士になりたくてたまらないがディーヴァはどうなのだろう。
今日もダンテは夢の中でディーヴァが振り向くその日を、一人待つのだった。
ダンテが目を閉じて子どものように静かに眠っている。
起きている時はうるさかったり、真剣だったり、恐かったり、ちょっと抜けていたり……色々な表情を見せるダンテ。
眠っている時のダンテは、見た目よりもずいぶんと幼く見えた。
「ダンテって意外と寝顔がかわいいよね」
起こさないよう弱い力でダンテの頬をつつく。
こんなにも背が高く、自分よりもたくましく大きな体をしている。
なのに口を半開きにして眠る姿は、ディーヴァの目には大きな子どもにしか映らない。
きちんと大人扱いをすることもある。
だが、ダンテはダンテで、ディーヴァはディーヴァで、お互いがお互いを子どものように思っているのだった。
ふと、背の話で思い出すことがある。
ディーヴァは家族の死後、勧められるまま少し前まで学校のカウンセリングルームに通っていたのだが、その部屋の角に置いてある体重計に乗ってみたのだ。ダンテには必要ないのか、ここにそんなものはなかったため、学校で乗るしかなかったからだ。
実はディーヴァは体重が毎日少しずつ重くなったり軽くなったりと変動が大きかったりする。
それを毎日確認するのが日課だった。
前はそれで一喜一憂していたものだ。やはり女の子である。
量は違えどダンテと同じピザやストロベリーサンデー他、ダンテに合わせた高カロリーメニューを摂取していたため、さぞかし体重が増えたことだろうと気落ちしていた。
ドキドキしながらそっと乗った瞬間を、この足が覚えている。
が、予想に反して体重は増えても減ってもいなかったのだ。
体重だけでなく身長も気になったので測ってみたが、そちらも1㎜たりとも変化がなかった。
以来、毎日通う度に身長と体重を測り続けた。
それでも変わらない身長と体重にディーヴァは首を傾げるばかり。
おかしいのは背だけではない。
今まで何があろうともディーヴァの月経のサイクルは乱れることがなかったのだが、あの時から止まってしまった。
普通の人ならば数日遅れただけ、と鼻で笑うかもしれない。
だが、ディーヴァは風邪をひいても、精神的に不安定であっても一日として遅れたことがなかった。
確かに目の前で家族を失う、などという壮絶な体験をしては精神に異常をきたし、女性ならば月経の一つや二つ止まってしまうだろう。
ディーヴァとて家族の死を乗り越えたわけではないから、そう言った理由で月経不順に陥っているかもしれない。
学校の看護師もそうアドバイスをしてくれた。
しかしディーヴァは、自分が心的外傷後ストレス障害にかかってはいないとわかっていた。
少しその気配はあったのだが、ダンテと過ごすなかで解消されていったのだ。
現に添い寝効果か、不眠はきれいさっぱりなくなっている。
「だけど、さすがに衝撃的過ぎたもの……ちょっとくらい遅れたって仕方ないよね、うん」
ディーヴァはそう思い込むしかなかったのだ。