mission 3: Confession of love ~愛の告白~
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そうこうしてるうちに。二人はダンテの事務所兼自宅へと到着した。
「うわぁ……ほんとにスラム街の中にあるんだ。スラムとか初めて見た。
それにここがダンテのおうち……なんて言うか……うん、すごく……」
「キタネーって言いたいんだろ」
とりあえず入れ、とダンテに促されてディーヴァは観音開きの扉をくぐる。
埃っぽいなぁと思いながら室内に入ると、まず目に飛び込んできたのは隅に沢山おいてある楽器類と年代物のジュークBOX、それにビリヤード台だった。
ダンテの趣味なのだろうか?
しかしそのどれもが埃を被っていて使っているとは言えないありさま。
奥に鎮座している事務机と椅子がここで比較的埃を被っていない唯一の物といえよう。
まずは掃除しないといけないなぁとディーヴァは短く嘆息した。
家政婦としての最初の仕事はこれで決まった。
「座るとこねーな……オレの椅子貸すから座れよ」
事務机の椅子をこちらに寄越して当人は机の上に腰掛ける。
気が引けたが他に座りようもないし、ここの埃まみれの地べたに座りたくない。
立っているのも失礼にあたろう。
ディーヴァはありがたく椅子に座らせてもらうことにした。
「ごめんな、実はここ、まだ知り合いに借りたばっかなんだ。もとは葬儀屋かも知れねェ、よく間違い電話がかかってくるんだぜ」
借りたばっかりとはいえこれはさすがに汚すぎじゃないのか、と言いたかったがぐっと押し黙る。
そして葬儀屋……少し不吉だが、デビルハンター稼業としては合っているのだろうとも。
そしてこれからどう暮らしていくかを二人で事細かに決めはじめる。
まずはディーヴァの学校の件に関してだった。
ダンテは、どうしても学校に通い続けたいという、ディーヴァの意見を尊重することにした。
とりあえず、恐ろしいのは何も悪魔だけではない。
スラムでは犯罪が当たり前のように起き、それか黙認されている。
スラムという環境に慣れてくれば対処の仕方もわかるかもしれないが、今のままのディーヴァをスラム街に放り出すと言う事は、狼の群れに手足を縛った羊を投げ入れるのと変わらない。
そういうわけで、出来る限りバス停までは送り迎えすること、それを約束した。
……実際は約束するほどのことでもないし、喜んで引き受けるのだが。
欲を言えば朝は寝ていたいくらいか。
「今まで通り学校に通えるならそれで十分。ダンテ、ありがとう」
本当に嬉しそうに言う彼女に、自分は心底魅入られてるらしい。
その時間帯は仕事を入れることはしばらくなさそうだし、朝寝をむさぼるのも無理そうだ、と思い悩みながら自分もつられて笑顔になった。
次はダンテの仕事についてだ。
悪魔は大抵夜に跳梁跋扈する。だからか、ダンテは夜の依頼が多い。
基本的に夜の方がいないことが多く、夜遅くまで待っていないで先に寝ていてほしい、とのことだった。
「オレのいない時に電話が鳴ったら取ってもいいが、悪魔が関係しそうなのだけ聞いてメモに残しておいてくれ。
表向きは便利屋だからさ、いろんな依頼が来て参っちまうんだ」
受けなくていい依頼まで受けてもしょうがないよなァ、などと宣うダンテ。
依頼だったらより好みしないで受けた方がいい、と少し非難がましい視線を送るが自分はここで居候の身。
主人の仕事にまで口を出さないでおくことにした。
あとはここでのディーヴァの役割分担だった。
ダンテのご希望は掃除洗濯料理が出来る家政婦。なので、ディーヴァはここの家事全般を担う事になった。
「家事はどの程度出来るんだ?事務所を破壊しなけりゃなんでもいいぜ」
ディーヴァにとって家事は母と共に日常的にやっていたことだ。
ダンテは別にそこまで期待はしてなかったようだが、舐めてもらっては困る。
というか破壊するレベルの家事とは一体どんなだ。
「あ、そうだった。
ピザとストロベリーサンデーが作れりゃ他がどんなに殺人的な料理でもOKだぜ」
ダンテはピザとストロベリーサンデーが好物なようだ。ピザはともかく、ストロベリーサンデーとは、顔に似合わずかわいらしい好みである。
「家事は得意な方だよ。もともと好きでよくやってたし。
ピザもストロベリーサンデーも作れると思う。お料理は作るのも食べるのもどっちも好きなんだ」
特に休日なんかは、ママとお菓子作ってお庭のテーブルを皆で囲んでたんだ。
そこまで言ったところでポロポロと涙がこぼれた。
「あ……ごめっ、また泣いちゃっ、…………あはは、こう何度も泣かれても困るよね」
涙声になりながら乱暴に袖でぬぐう。
「こするな。赤くなっちまうだろ」
ダンテはディーヴァの手首を掴み、擦るのを止めさせた。
「ごめ……」
謝ろうとダンテの顔を見たディーヴァは、その距離があまりにも近いことに言葉を失った。
エメラルドとアクアマリンの双眸が交錯し、静かな時を刻む。
出会ってから何度かこうやって近い距離は体験しているが、お互い見つめ合ったままで全く動かないというのは、今回が初めてのことではないだろうか……?
「うわぁ……ほんとにスラム街の中にあるんだ。スラムとか初めて見た。
それにここがダンテのおうち……なんて言うか……うん、すごく……」
「キタネーって言いたいんだろ」
とりあえず入れ、とダンテに促されてディーヴァは観音開きの扉をくぐる。
埃っぽいなぁと思いながら室内に入ると、まず目に飛び込んできたのは隅に沢山おいてある楽器類と年代物のジュークBOX、それにビリヤード台だった。
ダンテの趣味なのだろうか?
しかしそのどれもが埃を被っていて使っているとは言えないありさま。
奥に鎮座している事務机と椅子がここで比較的埃を被っていない唯一の物といえよう。
まずは掃除しないといけないなぁとディーヴァは短く嘆息した。
家政婦としての最初の仕事はこれで決まった。
「座るとこねーな……オレの椅子貸すから座れよ」
事務机の椅子をこちらに寄越して当人は机の上に腰掛ける。
気が引けたが他に座りようもないし、ここの埃まみれの地べたに座りたくない。
立っているのも失礼にあたろう。
ディーヴァはありがたく椅子に座らせてもらうことにした。
「ごめんな、実はここ、まだ知り合いに借りたばっかなんだ。もとは葬儀屋かも知れねェ、よく間違い電話がかかってくるんだぜ」
借りたばっかりとはいえこれはさすがに汚すぎじゃないのか、と言いたかったがぐっと押し黙る。
そして葬儀屋……少し不吉だが、デビルハンター稼業としては合っているのだろうとも。
そしてこれからどう暮らしていくかを二人で事細かに決めはじめる。
まずはディーヴァの学校の件に関してだった。
ダンテは、どうしても学校に通い続けたいという、ディーヴァの意見を尊重することにした。
とりあえず、恐ろしいのは何も悪魔だけではない。
スラムでは犯罪が当たり前のように起き、それか黙認されている。
スラムという環境に慣れてくれば対処の仕方もわかるかもしれないが、今のままのディーヴァをスラム街に放り出すと言う事は、狼の群れに手足を縛った羊を投げ入れるのと変わらない。
そういうわけで、出来る限りバス停までは送り迎えすること、それを約束した。
……実際は約束するほどのことでもないし、喜んで引き受けるのだが。
欲を言えば朝は寝ていたいくらいか。
「今まで通り学校に通えるならそれで十分。ダンテ、ありがとう」
本当に嬉しそうに言う彼女に、自分は心底魅入られてるらしい。
その時間帯は仕事を入れることはしばらくなさそうだし、朝寝をむさぼるのも無理そうだ、と思い悩みながら自分もつられて笑顔になった。
次はダンテの仕事についてだ。
悪魔は大抵夜に跳梁跋扈する。だからか、ダンテは夜の依頼が多い。
基本的に夜の方がいないことが多く、夜遅くまで待っていないで先に寝ていてほしい、とのことだった。
「オレのいない時に電話が鳴ったら取ってもいいが、悪魔が関係しそうなのだけ聞いてメモに残しておいてくれ。
表向きは便利屋だからさ、いろんな依頼が来て参っちまうんだ」
受けなくていい依頼まで受けてもしょうがないよなァ、などと宣うダンテ。
依頼だったらより好みしないで受けた方がいい、と少し非難がましい視線を送るが自分はここで居候の身。
主人の仕事にまで口を出さないでおくことにした。
あとはここでのディーヴァの役割分担だった。
ダンテのご希望は掃除洗濯料理が出来る家政婦。なので、ディーヴァはここの家事全般を担う事になった。
「家事はどの程度出来るんだ?事務所を破壊しなけりゃなんでもいいぜ」
ディーヴァにとって家事は母と共に日常的にやっていたことだ。
ダンテは別にそこまで期待はしてなかったようだが、舐めてもらっては困る。
というか破壊するレベルの家事とは一体どんなだ。
「あ、そうだった。
ピザとストロベリーサンデーが作れりゃ他がどんなに殺人的な料理でもOKだぜ」
ダンテはピザとストロベリーサンデーが好物なようだ。ピザはともかく、ストロベリーサンデーとは、顔に似合わずかわいらしい好みである。
「家事は得意な方だよ。もともと好きでよくやってたし。
ピザもストロベリーサンデーも作れると思う。お料理は作るのも食べるのもどっちも好きなんだ」
特に休日なんかは、ママとお菓子作ってお庭のテーブルを皆で囲んでたんだ。
そこまで言ったところでポロポロと涙がこぼれた。
「あ……ごめっ、また泣いちゃっ、…………あはは、こう何度も泣かれても困るよね」
涙声になりながら乱暴に袖でぬぐう。
「こするな。赤くなっちまうだろ」
ダンテはディーヴァの手首を掴み、擦るのを止めさせた。
「ごめ……」
謝ろうとダンテの顔を見たディーヴァは、その距離があまりにも近いことに言葉を失った。
エメラルドとアクアマリンの双眸が交錯し、静かな時を刻む。
出会ってから何度かこうやって近い距離は体験しているが、お互い見つめ合ったままで全く動かないというのは、今回が初めてのことではないだろうか……?