mission 2:Defend you forever ~オレが守る~
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そう思い、更に優しく抱きしめ、その時を堪能していたダンテの前、空気がぴりりと張り詰める。
「悪いディーヴァ、ちょっと離すぞ」
「え……?」
忘れていたが抱きつく行為なんて恥ずかしい真似をしていた身だ。
ディーヴァは照れながらダンテにしがみつく腕を離す。
ダンテはディーヴァを壁際に隠すように手でその小さな体を遮り、開け放たれた扉、その奥の廊下を睨んだ。
「あの……??」
「オレのそばから離れるなよ。
あと、耳をしっかり塞いでおいてくれ」
真剣な声音でそう言われ、慌てたようにして両手で耳を塞ぐ。
ダンテが睨んだ先を、その視線の通りたどると。
「やっ、何……あれ……」
「残党ーー、いや、新しくおいでなすったか」
廊下の先、床に血のように赤い魔法陣が浮かび上がる。
光るそこから漏れ出す禍々しい気配。
ズルズルと闇から這い出てきたのは、ヤギの頭蓋骨を頭にかぶった、絵画などでよく見る恐ろしき悪魔だった。
その手には、大ぶりの鎌……ではなく、巨大な斧。
あれを叩きつけられたら真っ二つは免れないだろう。
初めて見た悪魔とは桁違いの強い魔力を感じ、ディーヴァの目はあまりの恐怖に涙もひっこんだ。
その全身がすべてこちらの世界に降り立ったところで、悪魔が咆哮をあげる。
不協和音にも似た、この世にこんな音が存在するとは思えないような声が屋敷内を満たす。
そしてそれは高速で向かってきた。
落ち窪み、禍々しい赤をはめ込んだ目は、ダンテでなくディーヴァを一直線に見ているーーそんな気がした。
ダンテが構えた銃を撃つ暇などない。
それほどの速さで向かい、斧を振りかぶってくる悪魔に、ダンテは抜き放った剣でそのまま迎えうつ。
響く金属音と、飛び散る火花。
「おいおい、ディーヴァの前にオレがいるって忘れんなよ」
強い力で薙ぎ払ったダンテに、押し負けた悪魔が怯み、後退する。
ダンテが一閃交えた悪魔、腐れた肉のこびりついた骨の顔を間近で見てしまったディーヴァは、耳を塞いだまま腰を抜かしへたり込んだ。
ただの骨頭ならよかったのに、肉、そしてその腐臭が鼻に届いてしまった。
生き物の死を感じさせるその匂いに、気をやりそうになる。
怖い。
「ディーヴァには指一本触れさせやしねぇぜ」
恐怖に震えていれば、耳を塞ぐその上からも届く発砲音。
剣を肩に担ぎ、銀の銃を悪魔に放つダンテ。
言葉の内容こそ聞こえなかったが、その表情でただひたすらにディーヴァを迫る悪魔、ディーヴァが恐ろしいと感じる物から守ってくれようとしているというのが伝わってくる。
銃は二丁ある、なのに空いた手でディーヴァの体を覆い、自分の体でディーヴァが怖い物を見ないよう……感じないよう、視界をさえぎろうとしているのが何よりの証。
とはいえ、悪魔の姿はバッチリ見えてしまっているのだが。
ダンテの度重なる連射で宙に浮き上がった悪魔は、彼がトドメに横薙ぎにした剣の一振りで、赤いカケラを降らせて他には何も残さず消えた。
あの恐ろしい骨も、匂いも、音もない。
「もういいぜ。
っと、……大丈夫か?」
「は、はい……なんとか、大丈夫、です……」
腰を抜かしたまま立てなくなったディーヴァの手を、ダンテは取って立ち上がらせた。
……かと思うと、グッと腰を引き寄せその体を抱く。
「ひゃ、」
硝煙の香りがふわりと香る。
ダンテ自身が身に纏うオトコのヒトの匂いと、硝煙独特の燃えた火薬の香りに、ドギマギする。
おろおろしていれば、ダンテがディーヴァの髪を撫でながら、耳元で声を絞り出すようにして呟いた。
「まだ……まだ死にたいって思うか?」
「え……」
「おっかないよな。ディーヴァみたいな女の子が、あんな怖え悪魔にこの先も襲われ続けることになるかもしれない……そんなこと、考えたくないよな。
それならいっそ、なんて思う時がこれからあるかもしれない」
確かにそれは思ったことだ。
この先、あんな恐怖を味わい続けなければいけないのなら、いっそのこと自ら死を選んだ方が……なんて再びその考えが浮かんでしまった。
助かりたい気持ちと、死にたい気持ち。どちらの気持ちも自分の中には存在していて、もやもやとした葛藤が続く。
もちろん助かりたい気持ちが大きいが、ふとした瞬間に襲ってくる悪魔への恐怖。こればかりは簡単に払拭されてくれない。
ダンテに抱き寄せられ、親が子供にするように髪を撫でられる中、ディーヴァは拳をきゅっと握りしめた。
「死ぬな」
ダンテが耳元でそう呟く。
「死なんて選ぶな。オレがお前を守るから……この先ずっと…………」
「まも、る……?」
「なぁディーヴァ、オレと一緒に来ないか。
近くにいなきゃ守りたくたって守れないだろ?」
涙で濡れたままだったディーヴァの頬を、優しく指先で拭ってやりながらもう一度顔をゆっくりと覗きこむダンテ。
「え……、えっと……」
戸惑いながらもダンテの行為を甘んじて受け入れていたディーヴァは、その言葉の前にさすがに戸惑いを隠せなかった。
ダンテのその言葉は、すっと体に入ってくる魔法の言葉だ。
「悪いディーヴァ、ちょっと離すぞ」
「え……?」
忘れていたが抱きつく行為なんて恥ずかしい真似をしていた身だ。
ディーヴァは照れながらダンテにしがみつく腕を離す。
ダンテはディーヴァを壁際に隠すように手でその小さな体を遮り、開け放たれた扉、その奥の廊下を睨んだ。
「あの……??」
「オレのそばから離れるなよ。
あと、耳をしっかり塞いでおいてくれ」
真剣な声音でそう言われ、慌てたようにして両手で耳を塞ぐ。
ダンテが睨んだ先を、その視線の通りたどると。
「やっ、何……あれ……」
「残党ーー、いや、新しくおいでなすったか」
廊下の先、床に血のように赤い魔法陣が浮かび上がる。
光るそこから漏れ出す禍々しい気配。
ズルズルと闇から這い出てきたのは、ヤギの頭蓋骨を頭にかぶった、絵画などでよく見る恐ろしき悪魔だった。
その手には、大ぶりの鎌……ではなく、巨大な斧。
あれを叩きつけられたら真っ二つは免れないだろう。
初めて見た悪魔とは桁違いの強い魔力を感じ、ディーヴァの目はあまりの恐怖に涙もひっこんだ。
その全身がすべてこちらの世界に降り立ったところで、悪魔が咆哮をあげる。
不協和音にも似た、この世にこんな音が存在するとは思えないような声が屋敷内を満たす。
そしてそれは高速で向かってきた。
落ち窪み、禍々しい赤をはめ込んだ目は、ダンテでなくディーヴァを一直線に見ているーーそんな気がした。
ダンテが構えた銃を撃つ暇などない。
それほどの速さで向かい、斧を振りかぶってくる悪魔に、ダンテは抜き放った剣でそのまま迎えうつ。
響く金属音と、飛び散る火花。
「おいおい、ディーヴァの前にオレがいるって忘れんなよ」
強い力で薙ぎ払ったダンテに、押し負けた悪魔が怯み、後退する。
ダンテが一閃交えた悪魔、腐れた肉のこびりついた骨の顔を間近で見てしまったディーヴァは、耳を塞いだまま腰を抜かしへたり込んだ。
ただの骨頭ならよかったのに、肉、そしてその腐臭が鼻に届いてしまった。
生き物の死を感じさせるその匂いに、気をやりそうになる。
怖い。
「ディーヴァには指一本触れさせやしねぇぜ」
恐怖に震えていれば、耳を塞ぐその上からも届く発砲音。
剣を肩に担ぎ、銀の銃を悪魔に放つダンテ。
言葉の内容こそ聞こえなかったが、その表情でただひたすらにディーヴァを迫る悪魔、ディーヴァが恐ろしいと感じる物から守ってくれようとしているというのが伝わってくる。
銃は二丁ある、なのに空いた手でディーヴァの体を覆い、自分の体でディーヴァが怖い物を見ないよう……感じないよう、視界をさえぎろうとしているのが何よりの証。
とはいえ、悪魔の姿はバッチリ見えてしまっているのだが。
ダンテの度重なる連射で宙に浮き上がった悪魔は、彼がトドメに横薙ぎにした剣の一振りで、赤いカケラを降らせて他には何も残さず消えた。
あの恐ろしい骨も、匂いも、音もない。
「もういいぜ。
っと、……大丈夫か?」
「は、はい……なんとか、大丈夫、です……」
腰を抜かしたまま立てなくなったディーヴァの手を、ダンテは取って立ち上がらせた。
……かと思うと、グッと腰を引き寄せその体を抱く。
「ひゃ、」
硝煙の香りがふわりと香る。
ダンテ自身が身に纏うオトコのヒトの匂いと、硝煙独特の燃えた火薬の香りに、ドギマギする。
おろおろしていれば、ダンテがディーヴァの髪を撫でながら、耳元で声を絞り出すようにして呟いた。
「まだ……まだ死にたいって思うか?」
「え……」
「おっかないよな。ディーヴァみたいな女の子が、あんな怖え悪魔にこの先も襲われ続けることになるかもしれない……そんなこと、考えたくないよな。
それならいっそ、なんて思う時がこれからあるかもしれない」
確かにそれは思ったことだ。
この先、あんな恐怖を味わい続けなければいけないのなら、いっそのこと自ら死を選んだ方が……なんて再びその考えが浮かんでしまった。
助かりたい気持ちと、死にたい気持ち。どちらの気持ちも自分の中には存在していて、もやもやとした葛藤が続く。
もちろん助かりたい気持ちが大きいが、ふとした瞬間に襲ってくる悪魔への恐怖。こればかりは簡単に払拭されてくれない。
ダンテに抱き寄せられ、親が子供にするように髪を撫でられる中、ディーヴァは拳をきゅっと握りしめた。
「死ぬな」
ダンテが耳元でそう呟く。
「死なんて選ぶな。オレがお前を守るから……この先ずっと…………」
「まも、る……?」
「なぁディーヴァ、オレと一緒に来ないか。
近くにいなきゃ守りたくたって守れないだろ?」
涙で濡れたままだったディーヴァの頬を、優しく指先で拭ってやりながらもう一度顔をゆっくりと覗きこむダンテ。
「え……、えっと……」
戸惑いながらもダンテの行為を甘んじて受け入れていたディーヴァは、その言葉の前にさすがに戸惑いを隠せなかった。
ダンテのその言葉は、すっと体に入ってくる魔法の言葉だ。