mission 2:Defend you forever ~オレが守る~
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血を洗い流し綺麗な服に着替えたディーヴァは、天使の血族についての話を始めた。
父方の何代も昔、天使がいたこと。
自分は人間だったのに16歳になった瞬間、翼が生えてきてしまったこと。
悪魔が襲ってきたこと。
「カクセイイデン……とかいうやつだな」
「はい。でもこんなの御伽話だとばかり思ってました。天使だとか、悪魔だとか……自分の祖先にそんなファンタジーでしか聞かない者がいるなんて信じてなかった。実物は見たことがなかったし……。
でも、これは現実……なんだよね……」
ダンテに見せるためにと、うんと力を入れることで今一度具現化させた翼。落ち着いて力を込めると具現化するようだ。
それをふわふわと撫で、そっと目を伏せる。
元は3対6枚あったはずの、今は5枚しかない翼。
失くした1枚があったはずの何もない場所を、傷に触れぬよう確かめるようにさする。
どういう原理か、背中には実際に生えているというに、服には影響がない。
天使も悪魔もいるこの世の中、不思議なことが多い。
「あー……悪魔を見ちまったヤツは大抵殺されてるから。一般には知られてないな」
「でも、ダンテさんが助けてくれた。だからあたしは生き残ることが出来た。だから……」
真っすぐ眼差しをダンテに向ける。
「ありがとう、ダンテさん」
笑顔でディーヴァは感謝を述べた。
その瞳からは透明な雫がキラキラと流れ落ちている。
「もう悪魔がやってくる心配はないんですよね?家族はいなくなってしまったけれど……あたし、一人でもがんばって生きて行こうと思ってます。
ダンテさんが守ってくれたこの命、大切にしなきゃいけないから……」
彼女は泣きながらも、これから先を考え、精一杯生きて行こうと必死だ。
それを後押ししてやりたい。
だが、それは出来ない。
その笑顔を消し、絶望の底に落とすようで申し訳なく思うが、これだけは言っておかねばならない。
悪魔について知っている事を話すのは、デビルハンターとして、そして天使という特殊な存在を助けた者としての責任だ。
「っ…………」
「ダンテ……さん?」
なるべく表情を変えずにダンテは言った。
その拳は固く固く、握り締められている。
「……落ち着いて聞いてくれ。多分、悪魔は一生ディーヴァを追ってくる。今のところは悪魔を狩るオレという存在を恐れて出てこないだけだ。
今だっていつ襲ってくるかわからない」
「……え…………」
「天使の血肉は悪魔にとって力をつけるのに最も適してる。
敵でありながら、極上の血と肉を持つ獲物だ。
天使いるところ悪魔あり。血を見せれば、余計追ってくるほどだ。奴らは鼻が利くからな。
だからこれから先ずっとディーヴァは、望まなくても……その身一つで悪魔を呼び寄せちまうんだ。
……すまない」
「……そんな……じゃあ、これからどうすればいいの?一生悪魔に狙われるの?逃げ続けなくちゃいけないの!?悪魔に……殺されるの!?
そんなの……そんなのって……。
やだ、やだよ……こわいよ……!あんな恐ろしい目にもう遭いたくない!」
ディーヴァは突然半狂乱になって声を荒げた。
ダンテはそんな彼女を抱きしめた。
「落ち着け!」
「毎日恐怖におびえて暮らすなんていや!もう怖い思いはたくさん!
だったら……だったらあの時一思いに悪魔に殺されて、家族と一緒に死んじゃえばよかったんだ!
ママやパパ、お兄ちゃんに会いたい!!死んで会えるっていうなら、あたし……あたし……!!」
抱きしめていた彼女の目線に合わせて顔を覗き込み、目を合わせた。
いやいやと首を振り、目の焦点のおかしなエメラルドからは涙がとめどなくあふれ、重力に従って下にぽたぽたと落ちている。
「ディーヴァ、そんなこと言うな!オレの顔を見ろ。
ほら、ゆっくり呼吸して落ち着け……!」
「ぅう……ひっく」
その背をゆっくり摩られ、深呼吸を促され…何度も落ち着かせようとして言い聞かせてくれるダンテを、少しばかり落ち着いたディーヴァはようやく見上げた。
ダンテのアクアマリンの瞳も涙が出そうに揺れていた。
その顔は悲しみにゆがめられている。
まるで自分のことのようにここまでディーヴァのことを思い、言ってくれているのだ。
「頼む、命を無駄にしないでくれ……死にたいなんて言わないでくれ……。オレはどうしてもお前を助けたかった。
生きててほしくて助けた。なのにそんなこと言われたら、どうするのが一番よかったことなのかわからなくなる……。
あの時、助けたあの行動が間違いだったなんて思いたくない。
もう一度あんな思いしたくない。
死なれたくない、わかってくれ……」
そう言ってもう一度ディーヴァの体を抱きしめる。
「っ……ごめんなさい……」
助けてくれた相手に死にたい、なんて言ってはいけなかった。
口は災いの元。
どうしてこんなこと悲しいことを言ってしまったのだろう。
ディーヴァは目を伏せ、何度も謝罪しながらダンテにしがみついた。
死にたいなんて言葉を使いながらも、助けて、助けてとディーヴァの心が叫んでいる。
心が透けて見える。
そんな心情の中で震えているディーヴァを抱きしめていたい。……ずっと。
ダンテに申し訳ないという思いいっぱいいっぱいで涙を流すディーヴァを見ていたい。
父方の何代も昔、天使がいたこと。
自分は人間だったのに16歳になった瞬間、翼が生えてきてしまったこと。
悪魔が襲ってきたこと。
「カクセイイデン……とかいうやつだな」
「はい。でもこんなの御伽話だとばかり思ってました。天使だとか、悪魔だとか……自分の祖先にそんなファンタジーでしか聞かない者がいるなんて信じてなかった。実物は見たことがなかったし……。
でも、これは現実……なんだよね……」
ダンテに見せるためにと、うんと力を入れることで今一度具現化させた翼。落ち着いて力を込めると具現化するようだ。
それをふわふわと撫で、そっと目を伏せる。
元は3対6枚あったはずの、今は5枚しかない翼。
失くした1枚があったはずの何もない場所を、傷に触れぬよう確かめるようにさする。
どういう原理か、背中には実際に生えているというに、服には影響がない。
天使も悪魔もいるこの世の中、不思議なことが多い。
「あー……悪魔を見ちまったヤツは大抵殺されてるから。一般には知られてないな」
「でも、ダンテさんが助けてくれた。だからあたしは生き残ることが出来た。だから……」
真っすぐ眼差しをダンテに向ける。
「ありがとう、ダンテさん」
笑顔でディーヴァは感謝を述べた。
その瞳からは透明な雫がキラキラと流れ落ちている。
「もう悪魔がやってくる心配はないんですよね?家族はいなくなってしまったけれど……あたし、一人でもがんばって生きて行こうと思ってます。
ダンテさんが守ってくれたこの命、大切にしなきゃいけないから……」
彼女は泣きながらも、これから先を考え、精一杯生きて行こうと必死だ。
それを後押ししてやりたい。
だが、それは出来ない。
その笑顔を消し、絶望の底に落とすようで申し訳なく思うが、これだけは言っておかねばならない。
悪魔について知っている事を話すのは、デビルハンターとして、そして天使という特殊な存在を助けた者としての責任だ。
「っ…………」
「ダンテ……さん?」
なるべく表情を変えずにダンテは言った。
その拳は固く固く、握り締められている。
「……落ち着いて聞いてくれ。多分、悪魔は一生ディーヴァを追ってくる。今のところは悪魔を狩るオレという存在を恐れて出てこないだけだ。
今だっていつ襲ってくるかわからない」
「……え…………」
「天使の血肉は悪魔にとって力をつけるのに最も適してる。
敵でありながら、極上の血と肉を持つ獲物だ。
天使いるところ悪魔あり。血を見せれば、余計追ってくるほどだ。奴らは鼻が利くからな。
だからこれから先ずっとディーヴァは、望まなくても……その身一つで悪魔を呼び寄せちまうんだ。
……すまない」
「……そんな……じゃあ、これからどうすればいいの?一生悪魔に狙われるの?逃げ続けなくちゃいけないの!?悪魔に……殺されるの!?
そんなの……そんなのって……。
やだ、やだよ……こわいよ……!あんな恐ろしい目にもう遭いたくない!」
ディーヴァは突然半狂乱になって声を荒げた。
ダンテはそんな彼女を抱きしめた。
「落ち着け!」
「毎日恐怖におびえて暮らすなんていや!もう怖い思いはたくさん!
だったら……だったらあの時一思いに悪魔に殺されて、家族と一緒に死んじゃえばよかったんだ!
ママやパパ、お兄ちゃんに会いたい!!死んで会えるっていうなら、あたし……あたし……!!」
抱きしめていた彼女の目線に合わせて顔を覗き込み、目を合わせた。
いやいやと首を振り、目の焦点のおかしなエメラルドからは涙がとめどなくあふれ、重力に従って下にぽたぽたと落ちている。
「ディーヴァ、そんなこと言うな!オレの顔を見ろ。
ほら、ゆっくり呼吸して落ち着け……!」
「ぅう……ひっく」
その背をゆっくり摩られ、深呼吸を促され…何度も落ち着かせようとして言い聞かせてくれるダンテを、少しばかり落ち着いたディーヴァはようやく見上げた。
ダンテのアクアマリンの瞳も涙が出そうに揺れていた。
その顔は悲しみにゆがめられている。
まるで自分のことのようにここまでディーヴァのことを思い、言ってくれているのだ。
「頼む、命を無駄にしないでくれ……死にたいなんて言わないでくれ……。オレはどうしてもお前を助けたかった。
生きててほしくて助けた。なのにそんなこと言われたら、どうするのが一番よかったことなのかわからなくなる……。
あの時、助けたあの行動が間違いだったなんて思いたくない。
もう一度あんな思いしたくない。
死なれたくない、わかってくれ……」
そう言ってもう一度ディーヴァの体を抱きしめる。
「っ……ごめんなさい……」
助けてくれた相手に死にたい、なんて言ってはいけなかった。
口は災いの元。
どうしてこんなこと悲しいことを言ってしまったのだろう。
ディーヴァは目を伏せ、何度も謝罪しながらダンテにしがみついた。
死にたいなんて言葉を使いながらも、助けて、助けてとディーヴァの心が叫んでいる。
心が透けて見える。
そんな心情の中で震えているディーヴァを抱きしめていたい。……ずっと。
ダンテに申し訳ないという思いいっぱいいっぱいで涙を流すディーヴァを見ていたい。