mission 2:Defend you forever ~オレが守る~
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暗い…………真っ暗だ……。
最後の記憶は悪魔に翼を引き裂かれ、激痛が押し寄せ、視界も何もかもが絶望に染まって……そこで終わりだった。
今感じている痛みは、痛いはずなのに現実には思えない。
何故だか不思議と、夢の中のように、膜を通して見ているように感じない。
ただ、ただ暗く、そして痛い。
生きながら骨も何もかもを砕かれ、折られ、破壊されている。
悪魔に与えられた絶望のそれよりも、今の状態が絶望で、地獄の中だ。
息も出来ない。
苦しい。
海で溺れた時のそれとは違う、どちらかというと酸素のない場所に放り出されたような息苦しさ。
喉が詰まり、肺が動かない。
徐々に生命活動が止まってゆく。
だが、同時に熱い。
煮え滾る熱湯の中に全身が落とされたかのよう。
いや、違う。
この熱さは、外側から来ているわけじゃない。
内側の、胸の中心が火傷してしまいそうに熱かった。
何かが鬩ぎ合い、戦い、そして熱を発している……そんな感じだ。
あまりの灼熱に鼓動が加速する。
血管全てが熱を伝える導線になったみたいだ。
熱く煮えた血が、中心から血管をめぐり、体内に火傷を負わせる。
嗚呼、熱い。
熱い。溶けてしまう。熱くてたまらない。
灼熱の太陽と化した自分の心臓を、抉り出してしまいたい。
爆弾か何かのように、どこか遠くへと放り投げてしまいたい。
だが、確かめることはできない。
自分を感じることができない。
自分が今何をしているのか、どこにいるのか、認識しようとした指先から闇に溶ける感覚。
動かしたくても指一本動かせない。
痛みに、熱さに、苦しみに……身を悶えさせ少しでも霧散させることもできない。
杭に縛り付けられ火あぶりにされた魔女でもここまでの苦しみではないだろう。
なんという拷問。
それからどれくらいたったろう。
長かった。
長い時間、そうしていた気がする。
永遠にも感じる苦痛の時間は、心臓の内側の戦いが落ち着いていくごとに、ゆるやかな苦痛になっていった。
時間が進むごとに、全身に広かった激痛と灼熱が、徐々に和らいでいく。
反対に心臓は未だ燃えている。
痛みと熱さが、心臓に今一度集束し、収束を迎えようとしているようだ。
ゆっくりと少しずつ戻っていくその苦痛は、心臓の中で溶け合い、交じわり、そして温かな血潮として全身を優しく巡っていく。
新しく作られた血液が全身を満たすよう。
それでも、動けはしなかった。
棺の中にでも入れられているように、暗く、そして体が縄か何かが絡み、雁字搦めにされているように動かせない。
ううん、どちらかというと気だるいような感覚に近い。
多少無理すれば動ける……かもしれない。
……ん?棺??
もしかして、本当に棺の中なのだろうか。
ああ、そうか。
きっと自分は死んでるんだ…意外とあっけなかったな。
血液が巡っていく感覚も、気だるくも少しは動けるかもしれない感じも、本当はただの心臓の死に際の鼓動。
死にたくないと言ったディーヴァの、心臓が起こした悪あがきでしかない。
しかし、今新たに感じ始めたこの感覚は、死のイメージを抱かせるものではなかった。
ディーヴァを包んでいるのは、温かくて優しいもの。
今なら腕が動かせそうだ。
ゆっくりゆっくりと、指先に神経を集中し、動かせるのを確かめる。
手を伸ばせばその温かいものに触れることができた。
まぶたにも神経を集中させ、ゆるゆると持ち上げる。
ぼやける視界に映るのは肌色、白、水色、の三色。
なんだろうとじっと見つめていると、それは銀糸と青く澄んだ二つの宝石となってディーヴァを包んだ。
「あ、れ?」
「ようやく御目覚めか?Baby」
目の前に知らない男の顔がある。
ドアップだ。
……どうゆうこと。
ドアップどころか、がっちりと抱きかかえられている。
その事実にディーヴァの表情が困惑から熟れたトマトの様に赤く変わっていく。
こんな至近距離に見知らぬ、それも男性。
耐性の無いディーヴァには耐えられなかった。
「き……」
「き?」
「きゃぁぁぁぁぁ!!!」
バッチィィィン!!
ディーヴァの平手打ちが見事に男の顔にクリーンヒットした。
あ、ちゃんと動けるし声も出る。
最後の記憶は悪魔に翼を引き裂かれ、激痛が押し寄せ、視界も何もかもが絶望に染まって……そこで終わりだった。
今感じている痛みは、痛いはずなのに現実には思えない。
何故だか不思議と、夢の中のように、膜を通して見ているように感じない。
ただ、ただ暗く、そして痛い。
生きながら骨も何もかもを砕かれ、折られ、破壊されている。
悪魔に与えられた絶望のそれよりも、今の状態が絶望で、地獄の中だ。
息も出来ない。
苦しい。
海で溺れた時のそれとは違う、どちらかというと酸素のない場所に放り出されたような息苦しさ。
喉が詰まり、肺が動かない。
徐々に生命活動が止まってゆく。
だが、同時に熱い。
煮え滾る熱湯の中に全身が落とされたかのよう。
いや、違う。
この熱さは、外側から来ているわけじゃない。
内側の、胸の中心が火傷してしまいそうに熱かった。
何かが鬩ぎ合い、戦い、そして熱を発している……そんな感じだ。
あまりの灼熱に鼓動が加速する。
血管全てが熱を伝える導線になったみたいだ。
熱く煮えた血が、中心から血管をめぐり、体内に火傷を負わせる。
嗚呼、熱い。
熱い。溶けてしまう。熱くてたまらない。
灼熱の太陽と化した自分の心臓を、抉り出してしまいたい。
爆弾か何かのように、どこか遠くへと放り投げてしまいたい。
だが、確かめることはできない。
自分を感じることができない。
自分が今何をしているのか、どこにいるのか、認識しようとした指先から闇に溶ける感覚。
動かしたくても指一本動かせない。
痛みに、熱さに、苦しみに……身を悶えさせ少しでも霧散させることもできない。
杭に縛り付けられ火あぶりにされた魔女でもここまでの苦しみではないだろう。
なんという拷問。
それからどれくらいたったろう。
長かった。
長い時間、そうしていた気がする。
永遠にも感じる苦痛の時間は、心臓の内側の戦いが落ち着いていくごとに、ゆるやかな苦痛になっていった。
時間が進むごとに、全身に広かった激痛と灼熱が、徐々に和らいでいく。
反対に心臓は未だ燃えている。
痛みと熱さが、心臓に今一度集束し、収束を迎えようとしているようだ。
ゆっくりと少しずつ戻っていくその苦痛は、心臓の中で溶け合い、交じわり、そして温かな血潮として全身を優しく巡っていく。
新しく作られた血液が全身を満たすよう。
それでも、動けはしなかった。
棺の中にでも入れられているように、暗く、そして体が縄か何かが絡み、雁字搦めにされているように動かせない。
ううん、どちらかというと気だるいような感覚に近い。
多少無理すれば動ける……かもしれない。
……ん?棺??
もしかして、本当に棺の中なのだろうか。
ああ、そうか。
きっと自分は死んでるんだ…意外とあっけなかったな。
血液が巡っていく感覚も、気だるくも少しは動けるかもしれない感じも、本当はただの心臓の死に際の鼓動。
死にたくないと言ったディーヴァの、心臓が起こした悪あがきでしかない。
しかし、今新たに感じ始めたこの感覚は、死のイメージを抱かせるものではなかった。
ディーヴァを包んでいるのは、温かくて優しいもの。
今なら腕が動かせそうだ。
ゆっくりゆっくりと、指先に神経を集中し、動かせるのを確かめる。
手を伸ばせばその温かいものに触れることができた。
まぶたにも神経を集中させ、ゆるゆると持ち上げる。
ぼやける視界に映るのは肌色、白、水色、の三色。
なんだろうとじっと見つめていると、それは銀糸と青く澄んだ二つの宝石となってディーヴァを包んだ。
「あ、れ?」
「ようやく御目覚めか?Baby」
目の前に知らない男の顔がある。
ドアップだ。
……どうゆうこと。
ドアップどころか、がっちりと抱きかかえられている。
その事実にディーヴァの表情が困惑から熟れたトマトの様に赤く変わっていく。
こんな至近距離に見知らぬ、それも男性。
耐性の無いディーヴァには耐えられなかった。
「き……」
「き?」
「きゃぁぁぁぁぁ!!!」
バッチィィィン!!
ディーヴァの平手打ちが見事に男の顔にクリーンヒットした。
あ、ちゃんと動けるし声も出る。