mission 9:love, after the envy ~クリスマス・キス~
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「外は寒いからな。ちゃんと防寒をしてくれよ?」
ダンテはディーヴァがゆるく巻いているマフラーをしっかりと巻き直し、もふもふで純白の耳当てを渡した。
「ダンテこそマフラーくらいしてね」
バイクのキーをくるくると回しているところを見ると、すぐそこというわけではないようだ。
冬場はバイクを走らせると直接風が体に当たって凍えてしまう。
ディーヴァはお返しにとダンテの首にもマフラーを巻いた。
「ふふ、マフラー巻くのおそろい」
「はは、さんきゅ」
それから十数分後、バイクを飛ばした二人は、街が見渡せる丘の上に辿りついた。
来る途中はバイクに跨っていたとはいえ、コートを着込んでいる上にマフラーや耳当てをしているため、そこまで寒くはなかった。
と言うよりダンテがその体で風が当たらないように注意して運転してくれていたからである。
そんなダンテのちょっとした優しさに、ディーヴァの心はきゅっとなった。
それでも鼻の頭は冷たい風に晒されていたのでお互い赤くなってしまっていた。
まるで赤鼻のトナカイだ。
「ぷっ、お鼻赤くなってるよ」
「ははは!ディーヴァもな。さて、着いたぞ……。落ちないように気をつけて下を見てみ?」
白い息を吐き出しながら、ディーヴァは恐る恐ると言った風に見下ろした。
「……!」
丘の上から見た街はクリスマスのイルミネーションで、七色に光る海のようだった。
それはまるで月明かりにキラキラと輝いた水面。
言葉が出なかった。
「偶然見つけた特等席だ」
「綺麗……」
やっと出てきた言葉はそれだけだった。
飽きずに眺めていると、夜空も歓迎しているのか雪がチラチラと降ってきた。
「わっ!ホワイトクリスマス!」
「ああ、綺麗だな……」
ふんわり舞い落ちる雪の結晶に合わせるかのように、ディーヴァは嬉しそうにその場でクルクルと回った。
真っ白いコートの裾がふわりと広がり、まるで雪の妖精が踊っているかのようだ。
「こんな素敵な場所に連れて来てくれてありがとう、ダンテ……!すっごく嬉しい!!」
「そりゃよかった。連れてきた甲斐があるってもんだぜ」
ダンテはディーヴァの笑顔につられて柔らかく笑うと、ディーヴァの正面に移動した。
顔に疑問符を浮かべてダンテの顔を見上げるディーヴァの、か細い首の後ろへゆっくりと手を回す。
ダンテの手が離れると、ディーヴァの首元で何かがシャランと揺れた。
「これが本命のクリスマスプレゼントな。……よく似合ってる」
ディーヴァが首元を覗き確認すると、真珠とガーネットが隣り合わせの、小ぶりの宝石が光るネックレスが存在を主張していた。
「ネックレス……」
「ああ」
所有者の証みたいでいい。
ダンテは満足そうににっこりと笑った。
「ガーネットは赤いから、ダンテとお揃いだね……。これ、どうしたの?」
「あー、請求書の束を考えると悪いとも思ったんだが、最近の依頼料をちょっとずつ貯めて買ったんだ」
「じゃあ、これがアルバイトの女の子に相談してたってやつなのね……」
「ブレスレットや指輪でもよかったんだが、オレの残金やディーヴァのことを教えたら、絶対ネックレスだ!って言われてな」
「ふふ、確かにね」
恐らく指輪は高価だからやめて、ブレスレットは学校生活や家事で邪魔になるかもしれないと、そう判断したのだろう。
ありがたいアドバイスだ。
「まだ借金全部返してねぇのにごめんな」
「だから最近依頼受けてばっかりだったんだね……お疲れさま」
ありがとう、すごく嬉しい。
そう言いながら、ディーヴァはダンテにとびきりの笑顔を向けた。
「お礼だったら、言葉よりも欲しいもんがあるんだけど、わかるか?」
「……うん、わかるよ」
今度はディーヴァからダンテに抱きついた。
そしてダンテをじっと見つめると静かに目を閉じた。
「お♪
今度は目、閉じてくれるんだな」
「茶化さないでよ……やめちゃうよ?」
クスクスと目を閉じたまま笑いながらダンテを待つ。
ちゅ……。
しんしんと降り積もる雪と静寂の中、小さくリップノイズが響き、二人は唇をしっかりと合わせた。
幸せを感じる。
その瞬間、本当の意味でダンテとディーヴァは心が結ばれた。
一瞬だったかもしれない。
でもダンテとディーヴァには何時間にも感じられた幸せな時間だった。
二人はしばらくお互いの唇の感触を味わったあと、ゆっくりと放した。
「これ以上したら止まんなくなりそうだ。
ただでさえ世の中じゃえっちなことしてるやつが一番多い日だしな!」
「まったくもう……生々しいこと言うのやめてよ」
見つめあったまま、抱き締めあったまま二人は冗談を言った。
動かないことで冷えてきたディーヴァに熱を移してやりながら、ダンテは突然真面目な顔をして呟いた。
「この先のことならオレはまだ待てるから。
今はディーヴァとこんなにも幸せな気分でキス出来た。それだけで十分だ」
「……ありがとうダンテ。でもいつかは、ね?」
「ゆっくりでいいよ。
それよりもこれからはどんどん新しい思い出を一緒に重ねてこうぜ。……家族の分もな」
雪が降り積もる中、ダンテとディーヴァは寄り添いあって美しい景色を眺めていた。
「悪魔と天使が結ばれるなんてさ、まるでオレ達、ロミオとジュリエットだよなー」
「うん。
でもダンテがロミオだとしても、悲劇にはならなさそうだね」
「まぁな。もし同じ状況になったとしても天国からでも地獄からでもオレはお前を連れ戻すさ」
「わあ、悪魔の執念は恐ろしいね!」
お前はオレにとってなくてはならない太陽だからな。
じゃあその反対の種族のダンテは月ってこと?
そうかもな、太陽の光(ディーヴァ)を受けて月(オレ)は激しく熱く輝きを増すってこと。
●あとがき
嫉妬とクリスマスと気持ちが結ばれる回でした。
いつもの捏造すみません。DMC3での革グローブ、夢主からのプレゼント設定に。そこ!そのグローブすぐに切られてログアウトとか言わない!
これで『序章』編は完結です。
ダンテはディーヴァがゆるく巻いているマフラーをしっかりと巻き直し、もふもふで純白の耳当てを渡した。
「ダンテこそマフラーくらいしてね」
バイクのキーをくるくると回しているところを見ると、すぐそこというわけではないようだ。
冬場はバイクを走らせると直接風が体に当たって凍えてしまう。
ディーヴァはお返しにとダンテの首にもマフラーを巻いた。
「ふふ、マフラー巻くのおそろい」
「はは、さんきゅ」
それから十数分後、バイクを飛ばした二人は、街が見渡せる丘の上に辿りついた。
来る途中はバイクに跨っていたとはいえ、コートを着込んでいる上にマフラーや耳当てをしているため、そこまで寒くはなかった。
と言うよりダンテがその体で風が当たらないように注意して運転してくれていたからである。
そんなダンテのちょっとした優しさに、ディーヴァの心はきゅっとなった。
それでも鼻の頭は冷たい風に晒されていたのでお互い赤くなってしまっていた。
まるで赤鼻のトナカイだ。
「ぷっ、お鼻赤くなってるよ」
「ははは!ディーヴァもな。さて、着いたぞ……。落ちないように気をつけて下を見てみ?」
白い息を吐き出しながら、ディーヴァは恐る恐ると言った風に見下ろした。
「……!」
丘の上から見た街はクリスマスのイルミネーションで、七色に光る海のようだった。
それはまるで月明かりにキラキラと輝いた水面。
言葉が出なかった。
「偶然見つけた特等席だ」
「綺麗……」
やっと出てきた言葉はそれだけだった。
飽きずに眺めていると、夜空も歓迎しているのか雪がチラチラと降ってきた。
「わっ!ホワイトクリスマス!」
「ああ、綺麗だな……」
ふんわり舞い落ちる雪の結晶に合わせるかのように、ディーヴァは嬉しそうにその場でクルクルと回った。
真っ白いコートの裾がふわりと広がり、まるで雪の妖精が踊っているかのようだ。
「こんな素敵な場所に連れて来てくれてありがとう、ダンテ……!すっごく嬉しい!!」
「そりゃよかった。連れてきた甲斐があるってもんだぜ」
ダンテはディーヴァの笑顔につられて柔らかく笑うと、ディーヴァの正面に移動した。
顔に疑問符を浮かべてダンテの顔を見上げるディーヴァの、か細い首の後ろへゆっくりと手を回す。
ダンテの手が離れると、ディーヴァの首元で何かがシャランと揺れた。
「これが本命のクリスマスプレゼントな。……よく似合ってる」
ディーヴァが首元を覗き確認すると、真珠とガーネットが隣り合わせの、小ぶりの宝石が光るネックレスが存在を主張していた。
「ネックレス……」
「ああ」
所有者の証みたいでいい。
ダンテは満足そうににっこりと笑った。
「ガーネットは赤いから、ダンテとお揃いだね……。これ、どうしたの?」
「あー、請求書の束を考えると悪いとも思ったんだが、最近の依頼料をちょっとずつ貯めて買ったんだ」
「じゃあ、これがアルバイトの女の子に相談してたってやつなのね……」
「ブレスレットや指輪でもよかったんだが、オレの残金やディーヴァのことを教えたら、絶対ネックレスだ!って言われてな」
「ふふ、確かにね」
恐らく指輪は高価だからやめて、ブレスレットは学校生活や家事で邪魔になるかもしれないと、そう判断したのだろう。
ありがたいアドバイスだ。
「まだ借金全部返してねぇのにごめんな」
「だから最近依頼受けてばっかりだったんだね……お疲れさま」
ありがとう、すごく嬉しい。
そう言いながら、ディーヴァはダンテにとびきりの笑顔を向けた。
「お礼だったら、言葉よりも欲しいもんがあるんだけど、わかるか?」
「……うん、わかるよ」
今度はディーヴァからダンテに抱きついた。
そしてダンテをじっと見つめると静かに目を閉じた。
「お♪
今度は目、閉じてくれるんだな」
「茶化さないでよ……やめちゃうよ?」
クスクスと目を閉じたまま笑いながらダンテを待つ。
ちゅ……。
しんしんと降り積もる雪と静寂の中、小さくリップノイズが響き、二人は唇をしっかりと合わせた。
幸せを感じる。
その瞬間、本当の意味でダンテとディーヴァは心が結ばれた。
一瞬だったかもしれない。
でもダンテとディーヴァには何時間にも感じられた幸せな時間だった。
二人はしばらくお互いの唇の感触を味わったあと、ゆっくりと放した。
「これ以上したら止まんなくなりそうだ。
ただでさえ世の中じゃえっちなことしてるやつが一番多い日だしな!」
「まったくもう……生々しいこと言うのやめてよ」
見つめあったまま、抱き締めあったまま二人は冗談を言った。
動かないことで冷えてきたディーヴァに熱を移してやりながら、ダンテは突然真面目な顔をして呟いた。
「この先のことならオレはまだ待てるから。
今はディーヴァとこんなにも幸せな気分でキス出来た。それだけで十分だ」
「……ありがとうダンテ。でもいつかは、ね?」
「ゆっくりでいいよ。
それよりもこれからはどんどん新しい思い出を一緒に重ねてこうぜ。……家族の分もな」
雪が降り積もる中、ダンテとディーヴァは寄り添いあって美しい景色を眺めていた。
「悪魔と天使が結ばれるなんてさ、まるでオレ達、ロミオとジュリエットだよなー」
「うん。
でもダンテがロミオだとしても、悲劇にはならなさそうだね」
「まぁな。もし同じ状況になったとしても天国からでも地獄からでもオレはお前を連れ戻すさ」
「わあ、悪魔の執念は恐ろしいね!」
お前はオレにとってなくてはならない太陽だからな。
じゃあその反対の種族のダンテは月ってこと?
そうかもな、太陽の光(ディーヴァ)を受けて月(オレ)は激しく熱く輝きを増すってこと。
●あとがき
嫉妬とクリスマスと気持ちが結ばれる回でした。
いつもの捏造すみません。DMC3での革グローブ、夢主からのプレゼント設定に。そこ!そのグローブすぐに切られてログアウトとか言わない!
これで『序章』編は完結です。