mission 7:overcome a sad memory ~記憶に打ち勝て~
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思い出したことでカッと頭に血が上がり、ダンテは激しく激昂した。
あろうことか、恐ろしい目に合わせ、そしてそれから食うだと?許さん。
セーフティを外すダンテ。
「テンメェ……!」
「おっと、それ以上近寄るな。この女が大事なのだろう?スパーダの息子よ」
悪魔はディーヴァの首筋へ、一瞬にして尖らせた爪を当てた。
これでは迂闊に手を出せない。
「俺は弱い悪魔だ。だが、こいつを人質にしたおかげでお前に殺されずにすみそうだ。お礼にゆっくりと可愛がってから喰らうとしよう……」
「くっ……」
ギリ、ダンテは歯を噛みしめる。
そのダンテの表情を、悪魔がキラリと光る瞳で見据えた。
「ほぅ?よほどこの女が大切だと見える。
お前も半分は悪魔だろう?だのに、これまで天使を喰らわず生かしておいたとは愚の骨頂だな!笑わせる!」
ダンテの記憶を読み取ったようだ。
見るだけで相手の記憶を読む、それは嘘ではなかった。
「愛していると?悪魔が天使を?馬鹿馬鹿しい。
愛しているなら尚更自分の血と肉にしてやるべきだと思わないか?自分の中に混じり力として溶け込む……悪魔として最高の愛し方ではないか!
我ら悪魔は好きに犯し、喰らうことこそが常!お前のしたいように犯せばいい、喰らえばいい。そういう愛し方もある!
天使を喰らいたい。お前が一度はそう望んだのを俺は知っているぞ」
頼んでもいないのに、ダンテの気持ちを読み取りばら撒く悪魔。
プライバシーの侵害だ。心の奥へ土足で踏み込まれているようで、非常に気分が悪かった。
「黙れ……」
「どうせ天使は我々の糧になってこその存在。それ以外役になど立たんだろう?」
「オレはオレよりペラペラしゃべるうるさいヤツは大嫌いなんだ!黙れよ!!」
一瞬、ダンテの姿が変わった。
人間の姿から、爬虫類を彷彿とさせる赤い悪魔の姿へと。
ダンテを中心に、恐ろしいまでに怒気をはらんだ魔力が溢れだした。
「ヒッ」
ダンテは自分の姿が変わったことに気がつかなかったが、悪魔の目はそれをしっかりと捉えたようだ。
悪魔は短く悲鳴をあげた。
その魔力にあてられたのか、ディーヴァの体がピクリと動く。
悪魔は慌てたようにその表情を、優しいディーヴァの兄へ一変させた。
ディーヴァのまぶたが震え、ゆっくりと目が開かれる。
エメラルド色の瞳が、ダンテと、兄の姿を映した。
にこやかに笑って自分を担ぐ兄の姿、側で緊迫した状態のダンテを認識したディーヴァ。
自分が何をしていたか、自分の今の状況を瞬時に理解した。
そして気絶する前の出来事も思い出す。
「大丈夫かいディーヴァ」
「……お兄ちゃん……」
その声、そして心配そうな顔。
それは兄と同じもの。でも、兄に似ているが、兄ではない。
本物の兄だったら、あんな下卑た顔はしないし、妹であるディーヴァに手を上げたりはしない。
その中身は忌むべき悪魔だ。悪魔に騙されたのだ。
伸ばされたその手をパシッと振り払い、そしてディーヴァは睨みつけた。
その表情、行動で悪魔も悟ったのか、優しい兄の顔を捨て、ダンテへと向き直る。
「おいおい。ディーヴァが起きてしまったではないか。スパーダの息子、お前のせいだぞ。
まったく……この娘もずっと夢の中にいればいいものを」
「貴方……お兄ちゃんじゃなくて悪魔だったのね。離してよ!」
じたばたもがくディーヴァを、赤子の手を捻るように押さえつけると、今度こそ本当の意味で自身の皮膚をびりびりと破り捨てた。
文字通り、化けの皮を剥がし真の悪魔の姿へ変わったのだ。
悪魔は人間の皮膚を顔へ張り付けていた。
血と肉と脂の混ざり合う、死を連想させる匂いがディーヴァの鼻へ届く。
腐臭ではないところを見るに、それは生きている人間のものだ、とそういう事に詳しくないディーヴァでも悟ってしまった。
ボタボタと血の滴る顔は、やはり悪魔のもので。
流れ落ちる血、手に付着した血をベロベロと舐めとるその姿を至近距離で見せつけられ、ディーヴァは激しく吐き気を覚えた。
「俺は記憶を読み取ることで、貼り付けた人間の皮膚ごと親しい者に化ける事の出来る悪魔なのさ。
俺は力がない代わり、頭がいいんだ。お前の家族についてなら事細かに調べつくしたぞディーヴァ……。
お前の心の中にはまだ家族への想いが溢れてるであろうこともわかっている!
兄の姿でいたぶり、絶望の中でお前を喰らってやろうなァ……」
スカートを捲り露になった左足を悪魔の手がするするとなでていく。
手の感触だけは未だ兄のものと同じで、ディーヴァは困惑と絶望を覚えた。
「ひぃっ!……やだぁ!」
ディーヴァの悲鳴に焦りながらも、ダンテは悪魔を挑発した。
「本当に頭のイイ奴なら、べらべらしゃべってないでとっとと獲物を持ち去るぜ」
ダンテはどうしようか考えあぐねていた。
下手に手を出せば、悪魔にディーヴァを傷つけられる。
かと言って弾丸を放てばディーヴァに当たる可能性が出てくる。悪魔がディーヴァを抱えていて、幾ら何でも至近距離すぎるのだ。
冷や汗をたらしながらたたらを踏んだ。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ!そうかもなァ!だが、どうせ貴様は手も足も出まい!」
悪魔の気持ちの悪い笑い声が響いた。
力を入れてもびくともしない中、ディーヴァは必死にもがいた。
その時、冷たく硬質の何かがカツンと左足に当たる。
……この感触は。
あろうことか、恐ろしい目に合わせ、そしてそれから食うだと?許さん。
セーフティを外すダンテ。
「テンメェ……!」
「おっと、それ以上近寄るな。この女が大事なのだろう?スパーダの息子よ」
悪魔はディーヴァの首筋へ、一瞬にして尖らせた爪を当てた。
これでは迂闊に手を出せない。
「俺は弱い悪魔だ。だが、こいつを人質にしたおかげでお前に殺されずにすみそうだ。お礼にゆっくりと可愛がってから喰らうとしよう……」
「くっ……」
ギリ、ダンテは歯を噛みしめる。
そのダンテの表情を、悪魔がキラリと光る瞳で見据えた。
「ほぅ?よほどこの女が大切だと見える。
お前も半分は悪魔だろう?だのに、これまで天使を喰らわず生かしておいたとは愚の骨頂だな!笑わせる!」
ダンテの記憶を読み取ったようだ。
見るだけで相手の記憶を読む、それは嘘ではなかった。
「愛していると?悪魔が天使を?馬鹿馬鹿しい。
愛しているなら尚更自分の血と肉にしてやるべきだと思わないか?自分の中に混じり力として溶け込む……悪魔として最高の愛し方ではないか!
我ら悪魔は好きに犯し、喰らうことこそが常!お前のしたいように犯せばいい、喰らえばいい。そういう愛し方もある!
天使を喰らいたい。お前が一度はそう望んだのを俺は知っているぞ」
頼んでもいないのに、ダンテの気持ちを読み取りばら撒く悪魔。
プライバシーの侵害だ。心の奥へ土足で踏み込まれているようで、非常に気分が悪かった。
「黙れ……」
「どうせ天使は我々の糧になってこその存在。それ以外役になど立たんだろう?」
「オレはオレよりペラペラしゃべるうるさいヤツは大嫌いなんだ!黙れよ!!」
一瞬、ダンテの姿が変わった。
人間の姿から、爬虫類を彷彿とさせる赤い悪魔の姿へと。
ダンテを中心に、恐ろしいまでに怒気をはらんだ魔力が溢れだした。
「ヒッ」
ダンテは自分の姿が変わったことに気がつかなかったが、悪魔の目はそれをしっかりと捉えたようだ。
悪魔は短く悲鳴をあげた。
その魔力にあてられたのか、ディーヴァの体がピクリと動く。
悪魔は慌てたようにその表情を、優しいディーヴァの兄へ一変させた。
ディーヴァのまぶたが震え、ゆっくりと目が開かれる。
エメラルド色の瞳が、ダンテと、兄の姿を映した。
にこやかに笑って自分を担ぐ兄の姿、側で緊迫した状態のダンテを認識したディーヴァ。
自分が何をしていたか、自分の今の状況を瞬時に理解した。
そして気絶する前の出来事も思い出す。
「大丈夫かいディーヴァ」
「……お兄ちゃん……」
その声、そして心配そうな顔。
それは兄と同じもの。でも、兄に似ているが、兄ではない。
本物の兄だったら、あんな下卑た顔はしないし、妹であるディーヴァに手を上げたりはしない。
その中身は忌むべき悪魔だ。悪魔に騙されたのだ。
伸ばされたその手をパシッと振り払い、そしてディーヴァは睨みつけた。
その表情、行動で悪魔も悟ったのか、優しい兄の顔を捨て、ダンテへと向き直る。
「おいおい。ディーヴァが起きてしまったではないか。スパーダの息子、お前のせいだぞ。
まったく……この娘もずっと夢の中にいればいいものを」
「貴方……お兄ちゃんじゃなくて悪魔だったのね。離してよ!」
じたばたもがくディーヴァを、赤子の手を捻るように押さえつけると、今度こそ本当の意味で自身の皮膚をびりびりと破り捨てた。
文字通り、化けの皮を剥がし真の悪魔の姿へ変わったのだ。
悪魔は人間の皮膚を顔へ張り付けていた。
血と肉と脂の混ざり合う、死を連想させる匂いがディーヴァの鼻へ届く。
腐臭ではないところを見るに、それは生きている人間のものだ、とそういう事に詳しくないディーヴァでも悟ってしまった。
ボタボタと血の滴る顔は、やはり悪魔のもので。
流れ落ちる血、手に付着した血をベロベロと舐めとるその姿を至近距離で見せつけられ、ディーヴァは激しく吐き気を覚えた。
「俺は記憶を読み取ることで、貼り付けた人間の皮膚ごと親しい者に化ける事の出来る悪魔なのさ。
俺は力がない代わり、頭がいいんだ。お前の家族についてなら事細かに調べつくしたぞディーヴァ……。
お前の心の中にはまだ家族への想いが溢れてるであろうこともわかっている!
兄の姿でいたぶり、絶望の中でお前を喰らってやろうなァ……」
スカートを捲り露になった左足を悪魔の手がするするとなでていく。
手の感触だけは未だ兄のものと同じで、ディーヴァは困惑と絶望を覚えた。
「ひぃっ!……やだぁ!」
ディーヴァの悲鳴に焦りながらも、ダンテは悪魔を挑発した。
「本当に頭のイイ奴なら、べらべらしゃべってないでとっとと獲物を持ち去るぜ」
ダンテはどうしようか考えあぐねていた。
下手に手を出せば、悪魔にディーヴァを傷つけられる。
かと言って弾丸を放てばディーヴァに当たる可能性が出てくる。悪魔がディーヴァを抱えていて、幾ら何でも至近距離すぎるのだ。
冷や汗をたらしながらたたらを踏んだ。
「あひゃひゃひゃひゃひゃ!そうかもなァ!だが、どうせ貴様は手も足も出まい!」
悪魔の気持ちの悪い笑い声が響いた。
力を入れてもびくともしない中、ディーヴァは必死にもがいた。
その時、冷たく硬質の何かがカツンと左足に当たる。
……この感触は。