mission 7:overcome a sad memory ~記憶に打ち勝て~
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「でも本格的にくるとは思わなかったよ、すごいね……悪魔かあ、よくできてるねぇ」
ダンテの羽や尾を見ながら感嘆の声を挙げる。
これがダンテの本性が表れた姿なのかと、ディーヴァは期待半分恐怖半分だった。
ドキドキしながら聞く。
「本物?」
「ニセモノに決まってるだろ」
「なーんだ」
ダンテはディーヴァの期待や恐怖を裏切り、パーティーショップで買ったと答えた。
どんな顔をして買ったのだろう、イタズラ成功を目論みにやけ顔で買うダンテが想像できた。
するとダンテが腰を捻り、羽と尾を取ろうとしているのが目に入った。
「ちょっと待って」
「?」
「よく似合ってるんだから取っちゃうの勿体ない」
やんわりとダンテの行動を遮る。
「座るのに羽も尾も邪魔なんだ」
「別にいいじゃない。ちょっとだけ!」
ダンテはため息まじりに口を大きく開け、牙と自歯との繋ぎ目を見せつけた。
「とりあえず牙は食事するのに邪魔くさい」
確かに食べづらそうではある。
「牙は取っていいけど他は取らないで!カメラで撮りたいーっ」
「おいおい、写真は勘弁してくれよ」
冗談じゃない。写真なんかに撮って後生に残ったら黒歴史になるではないか。
十分黒歴史になりそうなことをしてきたし、これからもすることになるというのによく言う。
「あたしね、毎年家族や友達と仮装して、それで……写真撮ってアルバムに残してきたんだ。それが大事な思い出に変わる。
アルバムを見るたびに、その時の事を思い出して、とても暖かい気分に、幸せで楽しい気分になれるの。
あたしも一緒に写るからダメ?ダンテとの思い出を残したいの……お願い」
上目遣いに心が揺らぐ。ダンテはこうやってディーヴァにお願いされると弱いのだ。
そもそも、二人で撮ってたらただ痛い人だが、ディーヴァと写るなら悪くない。
遊びの一枚として飾っておくことすら可能だろう。
「ディーヴァも翼を出して、天使の姿で撮るならな」
ディーヴァには自分の意思で翼を具現化する事がまだ難しかった。
特に怒ったりして感情が高ぶった時に、気が付くと出ているためである。
「うー……がんばる」
ダンテの交換条件を不安に思いながらディーヴァは承諾した。
「とりあえず今は腹が減った」
「ごめん、今朝はお菓子が朝食なの。嫌だったら今から何か作るけど」
「え、いいのか?」
朝食代わりにお菓子を食べるなんてバランス悪い!とか言われるかと思っていたので拍子抜けしてしまう。
「今日は特別」
ディーヴァはイタズラっぽくウインクした。
食後のお茶をゆっくりと飲み終えると、ディーヴァは急ぎ足でインスタントカメラを手にして来た。
「さ、撮ろ撮ろ!」
「ちょっと待て。翼出す約束だろ?」
ダンテのストップがかかり、ディーヴァは斜め下にうつむき軽く舌打ちした。
「……そうだったね」
「おい今小さく舌打ちしただろ」
「気のせいだよ。……どうやって出すんだろう?」
あたし全然わからないよ、とディーヴァはお手上げだ。
ダンテの場合、怪我の治癒力にしろ悪魔的パワーにしろ、そういうものは本能的に覚えているため、無意識に力を使うものだった。天使の翼もそういうものだと思う。
「とりあえずイメージしてみ」
翼が出ている状態を思い浮かべれば出やすいだろうと踏んでの助言である。
「うーん、翼、翼、翼……」
「声に出てるぞ」
声に出るばかりであまり上手くいかない。
ディーヴァは頭に描く翼がなかなか定まらずにいた。
「ふんむー」
意外に難しい。
ディーヴァは眉間に深いシワを寄らせて力んだ。
「ディーヴァ、すごい顔になってる」
力み過ぎてか、ゆでダコのように赤くなっている。
百年の恋もいっぺんで覚めるような顔を見ても、ダンテはそれすら愛しく感じた。
「茶化さないでよ、今がんばってるところなん……ひゃ!!」
振り向いた瞬間、首をかぷっとダンテが甘噛みしてきた。痛くはないが、ぬめる唾液と生暖かな舌の感触に鳥肌がたつ。
危険信号!!!!
「な……何するの!!」
ディーヴァは慌ててダンテから離れた。
叫び声と共に輝かしくはためく翼が出現し、ダンテが軽く吹き飛ぶ。
「ハハ、ほら出たァ」
背中を確認すればなるほど、五枚の羽がぱたぱたと揺れている。自分では重さは感じないのでわからなかった。
「あ、ホントだ……ありがと」
思わず、感謝の言葉が出てしまったが、訂正を入れ直した。
「って!その方法はないでしょ」
「結果オーライだろ」
腑に落ちない。
ディーヴァはどういう原理で出たのか考えたが答えは見つからなかった。
ディーヴァの準備が出来たところで、ダンテも一度外した牙を装着した。
「さてと、撮りますか、my sweet angel」
「そうだね、my mischief devil?」
ダンテが右手でカメラを構え、傍に寄るよう指示するとディーヴァは予想以上に近寄ってきた。
「もっと寄らないと写らないよね」
ギュッとディーヴァがダンテの左腕を抱き込み、距離を詰める。
「っ!?」
むにゅ、とダンテに胸があたるのを感じた。
う、わ……これは……。
「どうしたのダンテ、早く撮って?」
ディーヴァはそれに気づいていないらしく、早く早くとせがんでいる。
「あ……ああ」
何枚か撮り終えるとディーヴァはすぐに離れていった。
ダンテはあの柔らかさが離れ、ほっとしたような、名残惜しいような思いにかられた。
ディーヴァは撮れた写真をしばらく眺めたあと、ダンテにも見せて嬉しそうにしている。
写真の中の自分達は幸せそうに笑っていた。
「アルバムに入れてもいい?」
「好きにしろよ」
子どものようにはしゃぐ彼女にダンテも微笑んだ。
ダンテの羽や尾を見ながら感嘆の声を挙げる。
これがダンテの本性が表れた姿なのかと、ディーヴァは期待半分恐怖半分だった。
ドキドキしながら聞く。
「本物?」
「ニセモノに決まってるだろ」
「なーんだ」
ダンテはディーヴァの期待や恐怖を裏切り、パーティーショップで買ったと答えた。
どんな顔をして買ったのだろう、イタズラ成功を目論みにやけ顔で買うダンテが想像できた。
するとダンテが腰を捻り、羽と尾を取ろうとしているのが目に入った。
「ちょっと待って」
「?」
「よく似合ってるんだから取っちゃうの勿体ない」
やんわりとダンテの行動を遮る。
「座るのに羽も尾も邪魔なんだ」
「別にいいじゃない。ちょっとだけ!」
ダンテはため息まじりに口を大きく開け、牙と自歯との繋ぎ目を見せつけた。
「とりあえず牙は食事するのに邪魔くさい」
確かに食べづらそうではある。
「牙は取っていいけど他は取らないで!カメラで撮りたいーっ」
「おいおい、写真は勘弁してくれよ」
冗談じゃない。写真なんかに撮って後生に残ったら黒歴史になるではないか。
十分黒歴史になりそうなことをしてきたし、これからもすることになるというのによく言う。
「あたしね、毎年家族や友達と仮装して、それで……写真撮ってアルバムに残してきたんだ。それが大事な思い出に変わる。
アルバムを見るたびに、その時の事を思い出して、とても暖かい気分に、幸せで楽しい気分になれるの。
あたしも一緒に写るからダメ?ダンテとの思い出を残したいの……お願い」
上目遣いに心が揺らぐ。ダンテはこうやってディーヴァにお願いされると弱いのだ。
そもそも、二人で撮ってたらただ痛い人だが、ディーヴァと写るなら悪くない。
遊びの一枚として飾っておくことすら可能だろう。
「ディーヴァも翼を出して、天使の姿で撮るならな」
ディーヴァには自分の意思で翼を具現化する事がまだ難しかった。
特に怒ったりして感情が高ぶった時に、気が付くと出ているためである。
「うー……がんばる」
ダンテの交換条件を不安に思いながらディーヴァは承諾した。
「とりあえず今は腹が減った」
「ごめん、今朝はお菓子が朝食なの。嫌だったら今から何か作るけど」
「え、いいのか?」
朝食代わりにお菓子を食べるなんてバランス悪い!とか言われるかと思っていたので拍子抜けしてしまう。
「今日は特別」
ディーヴァはイタズラっぽくウインクした。
食後のお茶をゆっくりと飲み終えると、ディーヴァは急ぎ足でインスタントカメラを手にして来た。
「さ、撮ろ撮ろ!」
「ちょっと待て。翼出す約束だろ?」
ダンテのストップがかかり、ディーヴァは斜め下にうつむき軽く舌打ちした。
「……そうだったね」
「おい今小さく舌打ちしただろ」
「気のせいだよ。……どうやって出すんだろう?」
あたし全然わからないよ、とディーヴァはお手上げだ。
ダンテの場合、怪我の治癒力にしろ悪魔的パワーにしろ、そういうものは本能的に覚えているため、無意識に力を使うものだった。天使の翼もそういうものだと思う。
「とりあえずイメージしてみ」
翼が出ている状態を思い浮かべれば出やすいだろうと踏んでの助言である。
「うーん、翼、翼、翼……」
「声に出てるぞ」
声に出るばかりであまり上手くいかない。
ディーヴァは頭に描く翼がなかなか定まらずにいた。
「ふんむー」
意外に難しい。
ディーヴァは眉間に深いシワを寄らせて力んだ。
「ディーヴァ、すごい顔になってる」
力み過ぎてか、ゆでダコのように赤くなっている。
百年の恋もいっぺんで覚めるような顔を見ても、ダンテはそれすら愛しく感じた。
「茶化さないでよ、今がんばってるところなん……ひゃ!!」
振り向いた瞬間、首をかぷっとダンテが甘噛みしてきた。痛くはないが、ぬめる唾液と生暖かな舌の感触に鳥肌がたつ。
危険信号!!!!
「な……何するの!!」
ディーヴァは慌ててダンテから離れた。
叫び声と共に輝かしくはためく翼が出現し、ダンテが軽く吹き飛ぶ。
「ハハ、ほら出たァ」
背中を確認すればなるほど、五枚の羽がぱたぱたと揺れている。自分では重さは感じないのでわからなかった。
「あ、ホントだ……ありがと」
思わず、感謝の言葉が出てしまったが、訂正を入れ直した。
「って!その方法はないでしょ」
「結果オーライだろ」
腑に落ちない。
ディーヴァはどういう原理で出たのか考えたが答えは見つからなかった。
ディーヴァの準備が出来たところで、ダンテも一度外した牙を装着した。
「さてと、撮りますか、my sweet angel」
「そうだね、my mischief devil?」
ダンテが右手でカメラを構え、傍に寄るよう指示するとディーヴァは予想以上に近寄ってきた。
「もっと寄らないと写らないよね」
ギュッとディーヴァがダンテの左腕を抱き込み、距離を詰める。
「っ!?」
むにゅ、とダンテに胸があたるのを感じた。
う、わ……これは……。
「どうしたのダンテ、早く撮って?」
ディーヴァはそれに気づいていないらしく、早く早くとせがんでいる。
「あ……ああ」
何枚か撮り終えるとディーヴァはすぐに離れていった。
ダンテはあの柔らかさが離れ、ほっとしたような、名残惜しいような思いにかられた。
ディーヴァは撮れた写真をしばらく眺めたあと、ダンテにも見せて嬉しそうにしている。
写真の中の自分達は幸せそうに笑っていた。
「アルバムに入れてもいい?」
「好きにしろよ」
子どものようにはしゃぐ彼女にダンテも微笑んだ。