Prologue
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こんな力、いらない……欲しくなんてなかった。
天使の力。
こんな力を得てしまった。そのせいで……パパもママも……お兄ちゃんも……みんな殺された。
……天使の血肉を求める悪魔からあたしを守って。
みんなが死んでしまったのに、何であたしは生き残ってしまったの?
一緒に死んでしまいたかった。
一人ぼっちはいや……。
でも、いまさら死ぬなんて事は怖くてできやしないし、悪魔に殺されて死ぬなんて恐ろしい真似は真っ平御免だ。
それだけは絶対にしたくない。
……結局、どちらにしても自分が可愛いんだ。
生にしがみ付いて生きようともがいている自分がいる。
生に固執している自分がいる。
そんなの、天使だなんて思えない。卑しく、醜い感情……。
なんてあさましいんだろうか。
こんなあたしを……守る価値なんて、なかったのに……。
「ギィィ……!」
このドア一枚隔てた向こう側は悪魔達が目をぎらつかせて徘徊している。
以前はこんなんじゃなかった。
部屋や廊下を彩る素敵な家具達。
楽しい家族団欒の会話。
幸せな想い出が溢れていた。
16歳の誕生日にあたしの、この力が目覚めるまでは。
それがどうだろう、今や悪魔の巣窟だ。
何とかなけなしの力で今は結界をはっているから、この部屋だけは守られているけれど、それもいつまで持つやら……。
もうかれこれ三日だ……。
限界が近いと感じる……。
いつ結界が崩壊してしまうかわからない状況。
悪魔達は人間の血肉よりも天使の血肉の方が好みらしい。
あたしが力尽き、結界を解くのを今か今かと扉の前で待っているのだ。
あたしもいいかげんにここから出たい。
あれからなにも口にしていないし、それに家族の亡骸も悪魔達の中に放置しておきたくない。
でも、ここから出て待っているのは恐怖と死。
どうしよう、どうしたらいいの?
誰でもいいから……お願い、助けて……。
腰までの長いエメラルドティント色の髪をゆらし、エメラルドをはめ込んだような瞳を潤ませた少女…ディーヴァは悲しみと恐怖、そして絶望が交錯する中、身を守るかのように自分の体を抱きしめた。
今は悪魔の住みかと化した屋敷の奥で。ひっそりと、一人ぼっちで。
●あとがき
エメラルドティントは極々うすーい銀緑です。
この連載は太陽と月、とでも略してよんでください。
天使の力。
こんな力を得てしまった。そのせいで……パパもママも……お兄ちゃんも……みんな殺された。
……天使の血肉を求める悪魔からあたしを守って。
みんなが死んでしまったのに、何であたしは生き残ってしまったの?
一緒に死んでしまいたかった。
一人ぼっちはいや……。
でも、いまさら死ぬなんて事は怖くてできやしないし、悪魔に殺されて死ぬなんて恐ろしい真似は真っ平御免だ。
それだけは絶対にしたくない。
……結局、どちらにしても自分が可愛いんだ。
生にしがみ付いて生きようともがいている自分がいる。
生に固執している自分がいる。
そんなの、天使だなんて思えない。卑しく、醜い感情……。
なんてあさましいんだろうか。
こんなあたしを……守る価値なんて、なかったのに……。
「ギィィ……!」
このドア一枚隔てた向こう側は悪魔達が目をぎらつかせて徘徊している。
以前はこんなんじゃなかった。
部屋や廊下を彩る素敵な家具達。
楽しい家族団欒の会話。
幸せな想い出が溢れていた。
16歳の誕生日にあたしの、この力が目覚めるまでは。
それがどうだろう、今や悪魔の巣窟だ。
何とかなけなしの力で今は結界をはっているから、この部屋だけは守られているけれど、それもいつまで持つやら……。
もうかれこれ三日だ……。
限界が近いと感じる……。
いつ結界が崩壊してしまうかわからない状況。
悪魔達は人間の血肉よりも天使の血肉の方が好みらしい。
あたしが力尽き、結界を解くのを今か今かと扉の前で待っているのだ。
あたしもいいかげんにここから出たい。
あれからなにも口にしていないし、それに家族の亡骸も悪魔達の中に放置しておきたくない。
でも、ここから出て待っているのは恐怖と死。
どうしよう、どうしたらいいの?
誰でもいいから……お願い、助けて……。
腰までの長いエメラルドティント色の髪をゆらし、エメラルドをはめ込んだような瞳を潤ませた少女…ディーヴァは悲しみと恐怖、そして絶望が交錯する中、身を守るかのように自分の体を抱きしめた。
今は悪魔の住みかと化した屋敷の奥で。ひっそりと、一人ぼっちで。
●あとがき
エメラルドティントは極々うすーい銀緑です。
この連載は太陽と月、とでも略してよんでください。