mission 6:Let's go shopping! ~手を繋いで~
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次の休みに入った。
初冬だから少し肌寒いが、上着を着ればポカポカ、いいお天気である。
ニュースキャスターのお天気お姉さんも今日一日は晴れると言っていた。
「ほら、ダンテ起きて!」
勢いよくカーテンを開けるとダンテの部屋に光が差し込んだ。
寝ているダンテの顔にも朝の日差しが当たる。
ダンテはその眩しさに顔をしかめ、ゆっくり目を開けた。
頭上の目覚まし時計をちらりと確認する。
時計の針は午前8時を回ったばかり。
この時間はいつもならまだ夢の中である。
「ん……いつもは起こさないのに、どうしたよ……」
「おはよう。いい天気だからシーツ洗うの!それと買い物に行くって先週約束したでしょ?」
先週のことを寝惚け頭で思い出す。
そういえばそうだった気がする。
「ああ……」
返事はするが、再びベッドに潜り込む。
「何で寝るのよ!」
シーツをはぎ取ろうと引っ張るが、ダンテは強い力で固定しているのか、一ミリたりとも動かなかった。
「おはようのちゅー」
「は?」
「ディーヴァがおはようのちゅーしてくれたら起きる……」
顔だけ掛け布団の中から出してダンテはねだった。
むぎゅ。
ディーヴァは自分の枕をダンテの顔に押し付けた。
「ぶ」
「馬鹿なこと言ってないで早く起きてよ!」
顔は見えないがわかる、ディーヴァは今頬を染めているだろう。
ダンテは押し付けられた枕を脇にやると、にやけながら起き上がった。
「朝ごはんは用意してあるから」
起き上がったダンテを追いやりシーツを取りながらディーヴァが言う。
ダンテの思った通り、ディーヴァの頬はほんのり色づいていた。
「ディーヴァは?」
「ダンテが遅いから先に食べちゃったよ。洗濯終わったら出掛けるよ〜」
見れば、ディーヴァはお出かけ用の服なのか、いつもよりめかしこんでいて、レースがふんだんに使われた白いワンピースとモカブラウンのボレロを着ていた。
頭部には左右にダンテのパーソナルカラー、赤のリボンが結んである。
そして唇には薄く色付くリップも塗ってあるようだ。
いつもかわいいが、今日のディーヴァはもっとかわいい。
それが全て自分と出掛けるためだと思うと、嬉しさに転げ回ってしまいそうだった。
ディーヴァがシーツを洗濯して干している間に、ダンテはシャワーと朝食を終えた。
今日の朝食はメイプルシロップのたっぷりかかったパンケーキ、スクランブルエッグに、昨夜登場したボストン風の白いクラムチャウダーの残りである。
カレーとは違うが、一晩置いたクラムチャウダーはなかなかコクが出ていて美味しかった。
「さて出掛けるか」
腹が満たされれば元気が出てきて、体にもエンジンがかかるというもの。
ダンテはバイクのキーを指で回しながら、風にはためくシーツを見ているディーヴァに声をかけた。
「うん!」
ディーヴァが傍らのポシェットタイブのバッグを引っかけて振り向いたダンテは、いつもと同じ半裸にコートという格好をしていた。
「え、ダンテその格好……TシャツとかYシャツとかそういうのないの?」
「これしかねーよ」
「ズボンも?」
「ない」
言われてみれば他の服を洗濯したことはないかもしれない。
「じゃあ、今日買おう。
仕方ないからその格好で行っていいけど、その代わり買い物先ではコートの前は閉めてよ?」
「アイアイサー」
釘を刺すことも忘れない。
恥ずかしい思いをするのはダンテだけじゃなく、一緒にいる自分もとばっちりを受けるのだ。
ダンテもその理由がわかるのか素直に返事した。
公共の場では、そんな格好しているのはおかしいと思われるわけで……。この素晴らしさをわからぬ一般人に、ダンテは少なからずショックを覚える。
とはいえ、実のところ恥ずかしさなど、ダンテにはない。ないったらない。
惜しげも無くこの肉体美をさらけ出したいくらいだ。
みよ!この彫刻のような肉体を!筋肉を!そしてシックスパックを!!
惚れるだろう?ディーヴァ頼むから惚れてくれ。
「あと武器は置いていって」
ディーヴァはダンテのホルスターから二丁拳銃を重そうに抜き取った。
ダンテはそれを受けとると机の上に大事そうに置く……が、反論するのも忘れない。
「悪魔が出たらどうする?素手で戦えと?」
「うーん……やっぱ無理だよねー、半分悪魔なダンテなら素手でも強いと思ったんだけどねー、そうかー、無理かー」
無理と言われてムッとする。
そもそも虚勢ではなく、実際に武器なしで悪魔と戦った経験だって星の数ほど。
いや、星の数ほどはないな。
「いいや、無理なんかじゃないね。身一つだってディーヴァを守れるね」
「わあ、なんて頼もしい騎士様でしょう!」
「騎士様、ね」
ディーヴァをバイクの後部座席へ座らせると、ダンテは自分もバイクに跨がる。
そうして、腰をしっかり掴むよう言い、戯けて尋ねた。
「赤毛の駿馬にお乗りのお姫様、どちらへ向かわれますか?」
「んー……ベッド買いたいし、服も買いたいし、他にも買いたいもの多いし……先週の予定通り、大通りに出来た新しいショッピングモールに行くのがいいかな。あと帰りにスラム街の案内をして欲しいです!」
「了解。けどちょっと待て、なんでベッド?」
不思議そうにダンテがディーヴァを見る。
「もうそろそろ一人で眠ろうかなって思って」
「はあ?ディーヴァの部屋に簡易ベッドついてるじゃねーか、買う必要はねぇよ」
そうなのだ。
ディーヴァの部屋には備え付けの簡易ベッドがそのまま残っている、買う必要はないのだ。
ただし、寝心地は最悪である。
一度眠れば起きる頃には体が悲鳴をあげるという最悪な代物なのだ。
ダンテの部屋で寝起きを共にしている理由の一つでもある。
このままでは余計にダンテのベッドから離れられなくなると思ったのだ。
「それに今のままオレと寝てればいいじゃねーか」
ディーヴァの巣立ちとは裏腹にダンテは不服そうだ。
ダンテにとっての安眠の要、それは傍で眠るディーヴァの存在。幸せな安眠が奪われるのを阻止したいのである。
「でも、ベッド欲しい……何かあった時に必要だもん。ほら、出発して」
バシバシと叩いて発進を促す。
ダンテは渋々バイクを走らせた。
「何かってなんだよ!」
初冬だから少し肌寒いが、上着を着ればポカポカ、いいお天気である。
ニュースキャスターのお天気お姉さんも今日一日は晴れると言っていた。
「ほら、ダンテ起きて!」
勢いよくカーテンを開けるとダンテの部屋に光が差し込んだ。
寝ているダンテの顔にも朝の日差しが当たる。
ダンテはその眩しさに顔をしかめ、ゆっくり目を開けた。
頭上の目覚まし時計をちらりと確認する。
時計の針は午前8時を回ったばかり。
この時間はいつもならまだ夢の中である。
「ん……いつもは起こさないのに、どうしたよ……」
「おはよう。いい天気だからシーツ洗うの!それと買い物に行くって先週約束したでしょ?」
先週のことを寝惚け頭で思い出す。
そういえばそうだった気がする。
「ああ……」
返事はするが、再びベッドに潜り込む。
「何で寝るのよ!」
シーツをはぎ取ろうと引っ張るが、ダンテは強い力で固定しているのか、一ミリたりとも動かなかった。
「おはようのちゅー」
「は?」
「ディーヴァがおはようのちゅーしてくれたら起きる……」
顔だけ掛け布団の中から出してダンテはねだった。
むぎゅ。
ディーヴァは自分の枕をダンテの顔に押し付けた。
「ぶ」
「馬鹿なこと言ってないで早く起きてよ!」
顔は見えないがわかる、ディーヴァは今頬を染めているだろう。
ダンテは押し付けられた枕を脇にやると、にやけながら起き上がった。
「朝ごはんは用意してあるから」
起き上がったダンテを追いやりシーツを取りながらディーヴァが言う。
ダンテの思った通り、ディーヴァの頬はほんのり色づいていた。
「ディーヴァは?」
「ダンテが遅いから先に食べちゃったよ。洗濯終わったら出掛けるよ〜」
見れば、ディーヴァはお出かけ用の服なのか、いつもよりめかしこんでいて、レースがふんだんに使われた白いワンピースとモカブラウンのボレロを着ていた。
頭部には左右にダンテのパーソナルカラー、赤のリボンが結んである。
そして唇には薄く色付くリップも塗ってあるようだ。
いつもかわいいが、今日のディーヴァはもっとかわいい。
それが全て自分と出掛けるためだと思うと、嬉しさに転げ回ってしまいそうだった。
ディーヴァがシーツを洗濯して干している間に、ダンテはシャワーと朝食を終えた。
今日の朝食はメイプルシロップのたっぷりかかったパンケーキ、スクランブルエッグに、昨夜登場したボストン風の白いクラムチャウダーの残りである。
カレーとは違うが、一晩置いたクラムチャウダーはなかなかコクが出ていて美味しかった。
「さて出掛けるか」
腹が満たされれば元気が出てきて、体にもエンジンがかかるというもの。
ダンテはバイクのキーを指で回しながら、風にはためくシーツを見ているディーヴァに声をかけた。
「うん!」
ディーヴァが傍らのポシェットタイブのバッグを引っかけて振り向いたダンテは、いつもと同じ半裸にコートという格好をしていた。
「え、ダンテその格好……TシャツとかYシャツとかそういうのないの?」
「これしかねーよ」
「ズボンも?」
「ない」
言われてみれば他の服を洗濯したことはないかもしれない。
「じゃあ、今日買おう。
仕方ないからその格好で行っていいけど、その代わり買い物先ではコートの前は閉めてよ?」
「アイアイサー」
釘を刺すことも忘れない。
恥ずかしい思いをするのはダンテだけじゃなく、一緒にいる自分もとばっちりを受けるのだ。
ダンテもその理由がわかるのか素直に返事した。
公共の場では、そんな格好しているのはおかしいと思われるわけで……。この素晴らしさをわからぬ一般人に、ダンテは少なからずショックを覚える。
とはいえ、実のところ恥ずかしさなど、ダンテにはない。ないったらない。
惜しげも無くこの肉体美をさらけ出したいくらいだ。
みよ!この彫刻のような肉体を!筋肉を!そしてシックスパックを!!
惚れるだろう?ディーヴァ頼むから惚れてくれ。
「あと武器は置いていって」
ディーヴァはダンテのホルスターから二丁拳銃を重そうに抜き取った。
ダンテはそれを受けとると机の上に大事そうに置く……が、反論するのも忘れない。
「悪魔が出たらどうする?素手で戦えと?」
「うーん……やっぱ無理だよねー、半分悪魔なダンテなら素手でも強いと思ったんだけどねー、そうかー、無理かー」
無理と言われてムッとする。
そもそも虚勢ではなく、実際に武器なしで悪魔と戦った経験だって星の数ほど。
いや、星の数ほどはないな。
「いいや、無理なんかじゃないね。身一つだってディーヴァを守れるね」
「わあ、なんて頼もしい騎士様でしょう!」
「騎士様、ね」
ディーヴァをバイクの後部座席へ座らせると、ダンテは自分もバイクに跨がる。
そうして、腰をしっかり掴むよう言い、戯けて尋ねた。
「赤毛の駿馬にお乗りのお姫様、どちらへ向かわれますか?」
「んー……ベッド買いたいし、服も買いたいし、他にも買いたいもの多いし……先週の予定通り、大通りに出来た新しいショッピングモールに行くのがいいかな。あと帰りにスラム街の案内をして欲しいです!」
「了解。けどちょっと待て、なんでベッド?」
不思議そうにダンテがディーヴァを見る。
「もうそろそろ一人で眠ろうかなって思って」
「はあ?ディーヴァの部屋に簡易ベッドついてるじゃねーか、買う必要はねぇよ」
そうなのだ。
ディーヴァの部屋には備え付けの簡易ベッドがそのまま残っている、買う必要はないのだ。
ただし、寝心地は最悪である。
一度眠れば起きる頃には体が悲鳴をあげるという最悪な代物なのだ。
ダンテの部屋で寝起きを共にしている理由の一つでもある。
このままでは余計にダンテのベッドから離れられなくなると思ったのだ。
「それに今のままオレと寝てればいいじゃねーか」
ディーヴァの巣立ちとは裏腹にダンテは不服そうだ。
ダンテにとっての安眠の要、それは傍で眠るディーヴァの存在。幸せな安眠が奪われるのを阻止したいのである。
「でも、ベッド欲しい……何かあった時に必要だもん。ほら、出発して」
バシバシと叩いて発進を促す。
ダンテは渋々バイクを走らせた。
「何かってなんだよ!」