mission 5:old name and bills ~射撃練習とマネー~
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ディーヴァが来て約半月になる。
まだ半月、と思うかもしれないがもう半月だ。
ディーヴァとダンテは、この短い期間でなかなか濃い時間を過ごしたためか、かなり打ち解ける事が出来た。
そして今日はお互いの休みの日。
朝食を食べて腹も満たされたところで、二人はこの家で一番広い事務所に向かった。
ダンテは愛用の銃たるエボニー、アイボリーのチューンアップに。ディーヴァは学校の復習に励んだ。
ディーヴァが住み始めてすぐ、彼女に折り畳み式のテーブルと椅子を買った。
普段はディーヴァの部屋に収納出来るようにしてあるため、これでいつでもどこでも勉強や机仕事が出来る。
沈黙の中ではダンテが部品をカチャカチャと鳴らす音と、ディーヴァがノートに文字を書き記す筆音だけが響く。
ディーヴァのノートや教科書を見る機会があったため覗いたこともあるが、それはダンテには暗号が書かれているようにしか見えなかった。すぐに撃沈したのは記憶に新しい。
ちなみにその時に開いていた教科書は数学である。
正解を表すマークが半分以上ある所を見るに、ディーヴァはなかなかに頭のいい部類に入るらしい。が、本人は数学が一番嫌いだと言っていた。
涙ぐましい努力のたまものか。
ファイトだディーヴァ。負けるなディーヴァ。えいえいおー。
低身長なのを含めても、そこそこ頭脳明晰なかなか容姿端麗、温厚篤実、おまけに気立てがいいなんて言う事なしである。
本当に温厚かどうかは、これからにかかっているが……。
とりあえず胸はパーフェクト。だろ?
と、まあ……それはともかく電話が来ない。
広いから。という理由だけではなく、いつ依頼の電話がかかってくるかわからないため、事務所で過ごすことにしたというのに、電話が鳴る気配が全くない。
ディーヴァは、ダンテとの会話のない沈黙はなんだか嵐の前触れのように感じてしまい、落ち付かなかった。
今回はディーヴァから沈黙を破り、椅子をギィと鳴らしダンテに向き直る。
「依頼、こないね」
「んー……いつものことだ」
チューンアップの手を止めずに答えるダンテ。
仕事が来なくて閑古鳥だというに、なんでもないように答えるダンテに疑問が浮かぶ。
「いつものことってどういう意味……?
まさか午後も依頼の電話が来ないなんてことは……ないよね?」
ディーヴァは目を鋭くさせ、ダンテを問いただした。
「来る日もあるし来ない日もある。今いいところだからちょっとだけ待て」
もう少しで終わりのようで、分解していた物をテキパキと元の形に戻していく。
ダンテの手の中で的確に素早く組み上がっていくそれにディーヴァは鋭くしていた目を丸くした。
「魔法みたい……」
筆記用具を置いて歩み寄るディーヴァの意識は、完全にダンテの銃へ向いた。
「お勉強はいいのか」
「もういいの、復習だけだったし。……見てていい?」
「見ても楽しくないだろ、こんなの」
「ううん、とっても楽しいよ。だって詳しいことはテレビでしか見たことないもん」
このアメリカで実物を見る経験が少なかったということは、今までは本当に安全な生活を送っていたのだろう。
じっと自分の手元を見つめるディーヴァの目は好奇心で満ちていた。
「ま、いいか。こんな物でよけりゃいくらでも見てろよ」
ダンテはいつもよりジャキッ!ガシャッ!と音を大きく立て、ディーヴァにそのカッコいい銃のフォルムを見せつけた。
「おお……すごい!」
「ざっとこんなもんよ。ディーヴァ、耳塞いでそっち下がってくれ」
ディーヴァに耳を塞ぎ、後ろに下がるように指示した。
そして組み上げた二丁拳銃を構えてポーズをつけ口角をあげる。
狙うは壁に掲げた的の紙。
間髪を入れずにダンテが連射すると、鼓膜を奮わす音が塞いだ耳ごしに聞こえた。
「ひゃっ」
自分が撃たれたわけでもないのに、思わず目を閉じてしまう。
耳を塞いでいてこれなら、そのまま聞いたら鼓膜を破ってしまうかもしれない。
ああ、だから初めて会ったとき耳を塞げと言ったのか。
ディーヴァが目を開けると、硝煙の向こうで銃痕が全て的の真ん中を撃ち抜いていた。
「わあ!!」
自分のことのように嬉しそうにパチパチと拍手している。
ディーヴァが的の紙に駆け寄って手にとると本当にきれいに真ん中だけを貫通していた。
銃弾がどこに行ったのかは見当もつかないが、紙を下げていた壁も一ヶ所だけが空洞化していた。
穴を埋めるのはまたあとで。
ディーヴァは、ダンテを尊敬の眼差しで見た。
「スゴい!ダンテってプロ!?そういう大会出たら絶対に優勝間違いなしだよ!」
「まーな。狙った獲物は逃がしたことないぜ」
フフン、と鼻高々にダンテは二丁拳銃をくるくると一回転させ、ホルスターへとしまった。
「うん、銃の腕だけは本当に信用してる!銃だけは!」
「はへ?……いてっ!!」
上げてから落とす。
ダンテはディーヴァの言葉にずっこけ、脛を机の角へと強かに打ち付けた。
いくら半魔だとしても脛を打つとかなり痛い。
折角かっこよく決めたと言うのに、最後に醜態をさらしてしまった。
「だけは、とかヒデェな」
涙目で脛をさすり訴える。
「ごめん〜」
ディーヴァはカラカラと笑い、昼食の準備に入るのか、キッチンへと行ってしまった。
まだ半月、と思うかもしれないがもう半月だ。
ディーヴァとダンテは、この短い期間でなかなか濃い時間を過ごしたためか、かなり打ち解ける事が出来た。
そして今日はお互いの休みの日。
朝食を食べて腹も満たされたところで、二人はこの家で一番広い事務所に向かった。
ダンテは愛用の銃たるエボニー、アイボリーのチューンアップに。ディーヴァは学校の復習に励んだ。
ディーヴァが住み始めてすぐ、彼女に折り畳み式のテーブルと椅子を買った。
普段はディーヴァの部屋に収納出来るようにしてあるため、これでいつでもどこでも勉強や机仕事が出来る。
沈黙の中ではダンテが部品をカチャカチャと鳴らす音と、ディーヴァがノートに文字を書き記す筆音だけが響く。
ディーヴァのノートや教科書を見る機会があったため覗いたこともあるが、それはダンテには暗号が書かれているようにしか見えなかった。すぐに撃沈したのは記憶に新しい。
ちなみにその時に開いていた教科書は数学である。
正解を表すマークが半分以上ある所を見るに、ディーヴァはなかなかに頭のいい部類に入るらしい。が、本人は数学が一番嫌いだと言っていた。
涙ぐましい努力のたまものか。
ファイトだディーヴァ。負けるなディーヴァ。えいえいおー。
低身長なのを含めても、そこそこ頭脳明晰なかなか容姿端麗、温厚篤実、おまけに気立てがいいなんて言う事なしである。
本当に温厚かどうかは、これからにかかっているが……。
とりあえず胸はパーフェクト。だろ?
と、まあ……それはともかく電話が来ない。
広いから。という理由だけではなく、いつ依頼の電話がかかってくるかわからないため、事務所で過ごすことにしたというのに、電話が鳴る気配が全くない。
ディーヴァは、ダンテとの会話のない沈黙はなんだか嵐の前触れのように感じてしまい、落ち付かなかった。
今回はディーヴァから沈黙を破り、椅子をギィと鳴らしダンテに向き直る。
「依頼、こないね」
「んー……いつものことだ」
チューンアップの手を止めずに答えるダンテ。
仕事が来なくて閑古鳥だというに、なんでもないように答えるダンテに疑問が浮かぶ。
「いつものことってどういう意味……?
まさか午後も依頼の電話が来ないなんてことは……ないよね?」
ディーヴァは目を鋭くさせ、ダンテを問いただした。
「来る日もあるし来ない日もある。今いいところだからちょっとだけ待て」
もう少しで終わりのようで、分解していた物をテキパキと元の形に戻していく。
ダンテの手の中で的確に素早く組み上がっていくそれにディーヴァは鋭くしていた目を丸くした。
「魔法みたい……」
筆記用具を置いて歩み寄るディーヴァの意識は、完全にダンテの銃へ向いた。
「お勉強はいいのか」
「もういいの、復習だけだったし。……見てていい?」
「見ても楽しくないだろ、こんなの」
「ううん、とっても楽しいよ。だって詳しいことはテレビでしか見たことないもん」
このアメリカで実物を見る経験が少なかったということは、今までは本当に安全な生活を送っていたのだろう。
じっと自分の手元を見つめるディーヴァの目は好奇心で満ちていた。
「ま、いいか。こんな物でよけりゃいくらでも見てろよ」
ダンテはいつもよりジャキッ!ガシャッ!と音を大きく立て、ディーヴァにそのカッコいい銃のフォルムを見せつけた。
「おお……すごい!」
「ざっとこんなもんよ。ディーヴァ、耳塞いでそっち下がってくれ」
ディーヴァに耳を塞ぎ、後ろに下がるように指示した。
そして組み上げた二丁拳銃を構えてポーズをつけ口角をあげる。
狙うは壁に掲げた的の紙。
間髪を入れずにダンテが連射すると、鼓膜を奮わす音が塞いだ耳ごしに聞こえた。
「ひゃっ」
自分が撃たれたわけでもないのに、思わず目を閉じてしまう。
耳を塞いでいてこれなら、そのまま聞いたら鼓膜を破ってしまうかもしれない。
ああ、だから初めて会ったとき耳を塞げと言ったのか。
ディーヴァが目を開けると、硝煙の向こうで銃痕が全て的の真ん中を撃ち抜いていた。
「わあ!!」
自分のことのように嬉しそうにパチパチと拍手している。
ディーヴァが的の紙に駆け寄って手にとると本当にきれいに真ん中だけを貫通していた。
銃弾がどこに行ったのかは見当もつかないが、紙を下げていた壁も一ヶ所だけが空洞化していた。
穴を埋めるのはまたあとで。
ディーヴァは、ダンテを尊敬の眼差しで見た。
「スゴい!ダンテってプロ!?そういう大会出たら絶対に優勝間違いなしだよ!」
「まーな。狙った獲物は逃がしたことないぜ」
フフン、と鼻高々にダンテは二丁拳銃をくるくると一回転させ、ホルスターへとしまった。
「うん、銃の腕だけは本当に信用してる!銃だけは!」
「はへ?……いてっ!!」
上げてから落とす。
ダンテはディーヴァの言葉にずっこけ、脛を机の角へと強かに打ち付けた。
いくら半魔だとしても脛を打つとかなり痛い。
折角かっこよく決めたと言うのに、最後に醜態をさらしてしまった。
「だけは、とかヒデェな」
涙目で脛をさすり訴える。
「ごめん〜」
ディーヴァはカラカラと笑い、昼食の準備に入るのか、キッチンへと行ってしまった。