5日目 月の騎士と重なる旋律
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「しっかし、いろいろあったなぁ…こんなことになるとは思わなかった」
「私もです。けれど、ディーヴァちゃんとダンテに会えてよかった…そう思います」
「そうだな、俺もそう思うよ」
夜、事務所の屋根でリアラと髭は夜空を見上げながら話をしていた。こうやって間近で話すのは久しぶりで、身近に感じる体温が、お互いに安心感を与える。
…とはいえ、今の二人の距離は、かなり近い。髭が自分の両足の間にリアラを座らせて、後ろから抱きしめているからだ。リアラとしてはとても恥ずかしいのだが、久しぶりに触れる温かさに安心しているのも事実で、たまには甘えてもいいか、と珍しくそんな気持ちになっていた。
夜空を見上げていたリアラが、ふいに何かを口ずさみはじめた。
「…Ave Maria, gratia plena,
Dominus tecum,benedicta tu in mulieribus,et benedictus fructus ventris tui Jesus…」
聴いたことのあるその曲に、髭が尋ねる。
「『アヴェ・マリア』か?」
「ええ。何となく、ですけど」
クラシックやロックなど、ジャンル問わず何でも聴くリアラは、いろんな曲を知っている。歌うのは母親から教わった子守唄が多いが、たまにこうして違う曲も歌っていた。
とはいえ、悪魔の血をひく自分が讃美歌を歌うなんて、天使の血をひくディーヴァにあったからかもしれない。
そう、リアラが思った時だった。
「私もです。けれど、ディーヴァちゃんとダンテに会えてよかった…そう思います」
「そうだな、俺もそう思うよ」
夜、事務所の屋根でリアラと髭は夜空を見上げながら話をしていた。こうやって間近で話すのは久しぶりで、身近に感じる体温が、お互いに安心感を与える。
…とはいえ、今の二人の距離は、かなり近い。髭が自分の両足の間にリアラを座らせて、後ろから抱きしめているからだ。リアラとしてはとても恥ずかしいのだが、久しぶりに触れる温かさに安心しているのも事実で、たまには甘えてもいいか、と珍しくそんな気持ちになっていた。
夜空を見上げていたリアラが、ふいに何かを口ずさみはじめた。
「…Ave Maria, gratia plena,
Dominus tecum,benedicta tu in mulieribus,et benedictus fructus ventris tui Jesus…」
聴いたことのあるその曲に、髭が尋ねる。
「『アヴェ・マリア』か?」
「ええ。何となく、ですけど」
クラシックやロックなど、ジャンル問わず何でも聴くリアラは、いろんな曲を知っている。歌うのは母親から教わった子守唄が多いが、たまにこうして違う曲も歌っていた。
とはいえ、悪魔の血をひく自分が讃美歌を歌うなんて、天使の血をひくディーヴァにあったからかもしれない。
そう、リアラが思った時だった。