そのあと真面目な顔になった髭は、調べてきた結果を３人に報告した。


「俺自身は調べてもわからなかったが、灯台もと暗し…軽い気持ちで尋ねたらゼクスが知っててな」

「父様が！？」

「と、父様ぁ？」

「リアラお姉ちゃんのお父さんはゼクスさんって言うの？」

「あ、うん。あとで説明するね。それよりダンテさん…父様はなんて？」


ちょうど用があったため会ったゼクスに聞いてみたところ、リアラがこの世界に来てしまった原因の悪魔…。
鏡の悪魔についてはすぐに判明した。

なんでも昔からいる悪魔らしいが、魔界の鏡職人を殺害、造った鏡を奪ってそこに住み着いた悪魔とのこと。

相手が人間でも悪魔でも、気に入ったり力の強い者、美しい者の魂を宝石に変えるとそれを、時にアクセサリーのように身に付け、時に協力者に与える報酬として使う。
そして最終的には、まるでキャンディーかチョコレートのように噛み砕いて自身の力とする…そんな悪魔とのことだ。


初めはリアラを狙っていた悪魔だが、こちらに来て狙う獲物は増えた。
髭とは違い、まだ少しだけ未熟な若と、悪魔にとってはものすごいごちそうであるディーヴァだ。

今や全員狙われる対象となった。
抵抗するすべも持たぬディーヴァが一番、危険かもしれない。