…と、息を切らせたディーヴァがようやく降りてきた。


「はぁはぁ、リアラお姉ちゃん、速い…」

「あ、ごめんねディーヴァちゃん。ダンテさんと聞いたらいてもたってもいられなくって…」

「そのくらい大事な奴なんだ、しかたないさ。ディーヴァも同じ状況ならオレの元に急いで駆けつけるだろ？」

「そんなわけないじゃん」

「…えﾞっ！」


駆けつけるに決まっているが、少し若をからかったディーヴァ。
リアラは若をからかうのはほどほどにするようディーヴァに注意しながら、こちらへと手招きした。

そしてディーヴァはリアラの隣に立ち、鏡に映りこんだ。
髭とディーヴァの視線がかち合う。


「お、その嬢ちゃんが例の…」

「わあ、ダンテ、お髭生えてる…」


そこには無精髭をわずかに生やした、自分の世界のダンテよりも筋肉質でたくましいダンテが立っていた。
比べると、若が貧相にすら見えてしまうからビックリだ。

そして髭から見たディーヴァは、なんにもできなさそうな、か弱い女の子にしか見えなかった。
これでは天使や悪魔関係なく、おとなしく守られるほかないだろう。