ディーヴァがダンテとリアラの顔を見てから、至極真面目な顔で言った。


「人が得意じゃないなら少しずつ慣らすのが一番。昨日は買い物に行けた。なら、今日はもうちょっと先へ進んで、食事に行って人に慣れてみようよ！」

「まあ、一理あるわな。でもそれって結構な荒療治じゃね？」

「確かにリアラお姉ちゃんが一番心強く思う『ダンテ』はいないから不安だと思う。でも、大丈夫…あたしとダンテがついてる。人は怖くない。悪い人ばかりじゃないことをリアラお姉ちゃんは知っているのだから…」


ディーヴァはやわらかな笑みを浮かべると、きゅっとリアラの手を握る。
その手からは心が安らぐ暖かさが感じ取れた。


「だから頑張ろう、ね？」

「ディーヴァちゃん…」


じーん…。
リアラは手から伝わる温もりで胸の内を暖かくし、涙を流しそうになった。


「うん、そうだね！えへへ…私、ディーヴァちゃん達と美味しいもの食べに行きたいな」


涙の代わりにディーヴァと同じような笑みを浮かべ、リアラはディーヴァの手をかたく握り直した。


「じゃあ、決まりだね！」

「うん。着替えよっか」

「あ。ダンテもお出掛け用のお洋服に着替えてきてね！」

「はいはい」


こうして、今夜の夕飯は外食に決定！
足取り軽く、ルンルン気分で二階の部屋へと向かうリアラとディーヴァだった。