そして、ダンテがディーヴァに飛びかかろうとした時だった。
ダンテにディーヴァをとられまいとリアラも動いた。
ほぼ同時にスタートをきる２人。

ダンテとリアラは肘打ちや、羽交い締めをしあいながら、我先にとディーヴァの前へ出ようと試みる。
喧嘩のような、それでいてじゃれあっているようなそれ。
取り合いされている本人はというと、あわあわオロオロとその様子をどうしていいかわからず見ているのだった。


「ハアッ！」


脚力を活かし、ダンテに足払いをしかけるリアラ。
ダンテは避けきれずにドターンと大きな音とともに倒れ伏した。


「くっ…！！…こんにゃろ！」


ダンテとて半魔。
すぐ復活し立ち上がり、今度はリアラに掴みかかる。

しかし、その手が届く前に一瞬でリアラの体は消える。
素早く逃れたリアラの踵落としがダンテの脳天にクリーンヒットした。

ズバァァァン！
気を失うことこそないが、とても痛そうだ。

本気でやっているようでいて、お互い遊んでいるようにも見える。
まるでビーチフラッグの試合でもみるかのようで、ディーヴァは笑いをこぼしそうになってしまった。
…フラッグ役が自分なのがいただけないが。

それに結果的には、自分に被害が及ぶ可能性が低い気がする。

一歩離れた安全圏から、ディーヴァは苦笑しつつ様子をうかがうのだった。