スイーツまでの道のりは長い
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森向こうの街に行くには森を避け迂回して行くのが一般人にとって一番安心・安全・安穏だ。
だが、リアラやディーヴァは魔女だし、パートナー付き。いくらでも対処法がある。
ディーヴァによると森の中はわ、かなりの近道だということで、森を突っ切って行くことにした。
もう直ぐ街に出るよ、というディーヴァに従い、幾多にも渡って乱立する木のトンネルをくぐり抜けると。
「えっ。まだ森!?」
トンネルを抜けるとそこは不思議の街でした…や、トンネルを抜けるとそこは雪国であった、
にもならない。
先ほどと同じ視界いっぱいの緑、いや、それよりも激しく生い茂る緑の森が広がっていた。
「うそぉ…。いつもと違う場所に出ちゃったよ……なんで~??」
森というよりジャングルの密林。
生い茂る背の高い草をかき分け、キョロキョロと辺りを見渡すディーヴァ。
「つまり今のは●トロの元へ行けるトンネルだってことか」
「いやいやいや兄貴、そんなほのぼのしてねぇよ。どっちかっていうとどこぞのジャングルの王者とか、ハレでグウな話に出てきそうな感じだろ」
ダブルダンテが密林を見回して感想を漏らす。
たしかにそんな感じだが、年齢バレるのでそこまでにして置いてもらおうか。
え?ディーヴァが魔女で年齢上な分、筆者も年齢はそうとうなもんだって?はは、違いねぇや。
「そうね…とりあえずどう見ても街じゃないことは確か。ディーヴァ、ここはどこなの?」
連れてきた本人であるディーヴァを問いただしつつ、空気が少し濁っている気がしたため、あたりの様子を警戒しておくリアラ。
が、ディーヴァの答えは警戒心もクソもない、軽~いものだった。
「わからない。ただひとつ言えるのは………、迷っちゃった☆」
てへっ!と、ウインクひとつに舌ぺろり。
咆えるように怒ったのは、若だった。
「迷っちゃった☆じゃ、あるかボケェ!
どう見ても魔界の入り口ですねありがとうございましたァ!!」
「ぴぃ!ごめんん~!」
口から煙を燻らせるのを見るに、炎を噴き出す寸前か。
ディーヴァはリアラの後ろに隠れ、赤ずきんよろしく赤いフードを被り震えた。
魔獣怖い病は、未だ健在のようだ。
「若、自分のパートナーでしょ。あまり責めないの」
「そうだぜ。人間も魔女も、魔獣も、間違えることはあるだろ」
「言い方はともかくディーヴァはどう見てもわざとじゃなさそうよ」
「おお、すまんすまん。食いに行くこと考えて腹空かしてるもんで」
そう言いながら獲物を見つめる目でディーヴァに視線を送る若に、ディーヴァは余計震え上がった。
2人の間でため息つくリアラははた、と若の発言に気づいた。
「んん?魔界の入り口ってどういうこと?」
「魔界の入り口に見えるからだよ」
「あー、魔界に見えるっちゃ見えるな。ジャングルに近い景色ってことは、まだ魔界の表層か?」
魔界にも表層、中層、深層や、環境毎に異なるエリアがたくさんある。
その中でもジャングルに似ているが、あまり魔界らしくない景観に、疑問を感じるリアラだが。
「ま、ままま魔界…っ!?」
この人は違った。
ビビり、今にも杖から光弾発射しそうにキョドッているディーヴァに、やれやれと若は肩をすくめて杖を持つディーヴァの腕を押さえた。
「落ち着けって。オレはともかく、リアラ達までお前の暴走に巻き込まれたらどうする」
「あぅう、そでした」
「魔界かどうかはともかく、戻りましょう?
一般の人が通る正規ルートから行けばいいんだし」
どこか不安に揺れるディーヴァの瞳に、リアラがディーヴァの手をとる。
ひんやりとした手のひらが、ディーヴァの頭を少し冷静にさせた。
やはり、ディーヴァよりも知識も経験もある魔女な分、この状況下でも落ち着いていた。
「そうした方が良さそうだな……ん?」
リアラの考えに賛同し、髭が後ろに踵を返す。
が、その歩みはたった一歩で止まった。
「………残念ながら前に進むしかなさそうだ」
「うおお、さっきのトンネル、物の見事に消え去ってんなー」
「あらまあ」
みなで振り返れば、通ってきた木のトンネルはどこにもなかった。
ただ、ただジャングル特有のヤシ、シダ植物、ツル植物の生い茂る場所が続くのみ。
ディーヴァ1人が、絶句したまま絶望を噛み締め、そして繋がれたリアラの腕にしがみついていた。
髭が先導する中、リアラと手を繋ぎ歩くディーヴァの、空いた反対の手を若が繋ぎ歩く。
気分は捕獲された宇宙人だ。
なんとも言えない妙な思いを抱きながら、ズルズルと引っ張られるままのディーヴァ。
そんな時、何かを見つけたリアラが、先導する髭を追い抜いてしゃがみ込んだ。
見れば花びら一枚一枚の色が違う変わった花が根を生やしていた。
実物は見たことがないが、たしかリアラがまとめている植物図鑑に載っていた気がする。
「これは魔界にしか群生しない植物…!ってことはやっぱりここは魔界なのね」
「ああ、魔界確定だ。
ジャングルエリアはその熱帯気候な見た目に反して、そこまで強い魔獣はいない。比較的おとなしいぞ」
髭の言葉を聞きつつ、七色の花をそっと摘むリアラ。
この花には毒性も危険性もなく、むしろ魔女のお茶の材料の1つであるため、髭はそれに言及することなく静かに見守るのみだ。
「…よし。これであとでお茶を作れるわ。ディーヴァ、あとでルティアも誘って飲みましょうか」
「その時はぜひ、スイーツたっぷり用意するね」
お茶の話でディーヴァは少し元気が出たようだ。
若とリアラと繋がれた手に力が入る。
「もう元どおりになったのかよディーヴァ。現金なやつ」
「えへへー。お茶のこともあるけど、弱い魔獣しかいないなら安心だなって」
「それは確かに安心よね。むしろ常界のジャングルのがこわいもの。アナコンダとかカンディルとか」
「リアラさん、シッ!超怖いからカンディルの話はしちゃらめ!」
ディーヴァがリアラの口をふさぎ、かと思えば正面…ん?正面?に、向き直った。
「画面の前の皆さんもカンディルはこわいので動画検索はやめましょうね!ディーヴァとのお約束だぞっ」
「ねえ画面の前の皆さんって誰なの?」
「ナイショ」
だが、リアラやディーヴァは魔女だし、パートナー付き。いくらでも対処法がある。
ディーヴァによると森の中はわ、かなりの近道だということで、森を突っ切って行くことにした。
もう直ぐ街に出るよ、というディーヴァに従い、幾多にも渡って乱立する木のトンネルをくぐり抜けると。
「えっ。まだ森!?」
トンネルを抜けるとそこは不思議の街でした…や、トンネルを抜けるとそこは雪国であった、
にもならない。
先ほどと同じ視界いっぱいの緑、いや、それよりも激しく生い茂る緑の森が広がっていた。
「うそぉ…。いつもと違う場所に出ちゃったよ……なんで~??」
森というよりジャングルの密林。
生い茂る背の高い草をかき分け、キョロキョロと辺りを見渡すディーヴァ。
「つまり今のは●トロの元へ行けるトンネルだってことか」
「いやいやいや兄貴、そんなほのぼのしてねぇよ。どっちかっていうとどこぞのジャングルの王者とか、ハレでグウな話に出てきそうな感じだろ」
ダブルダンテが密林を見回して感想を漏らす。
たしかにそんな感じだが、年齢バレるのでそこまでにして置いてもらおうか。
え?ディーヴァが魔女で年齢上な分、筆者も年齢はそうとうなもんだって?はは、違いねぇや。
「そうね…とりあえずどう見ても街じゃないことは確か。ディーヴァ、ここはどこなの?」
連れてきた本人であるディーヴァを問いただしつつ、空気が少し濁っている気がしたため、あたりの様子を警戒しておくリアラ。
が、ディーヴァの答えは警戒心もクソもない、軽~いものだった。
「わからない。ただひとつ言えるのは………、迷っちゃった☆」
てへっ!と、ウインクひとつに舌ぺろり。
咆えるように怒ったのは、若だった。
「迷っちゃった☆じゃ、あるかボケェ!
どう見ても魔界の入り口ですねありがとうございましたァ!!」
「ぴぃ!ごめんん~!」
口から煙を燻らせるのを見るに、炎を噴き出す寸前か。
ディーヴァはリアラの後ろに隠れ、赤ずきんよろしく赤いフードを被り震えた。
魔獣怖い病は、未だ健在のようだ。
「若、自分のパートナーでしょ。あまり責めないの」
「そうだぜ。人間も魔女も、魔獣も、間違えることはあるだろ」
「言い方はともかくディーヴァはどう見てもわざとじゃなさそうよ」
「おお、すまんすまん。食いに行くこと考えて腹空かしてるもんで」
そう言いながら獲物を見つめる目でディーヴァに視線を送る若に、ディーヴァは余計震え上がった。
2人の間でため息つくリアラははた、と若の発言に気づいた。
「んん?魔界の入り口ってどういうこと?」
「魔界の入り口に見えるからだよ」
「あー、魔界に見えるっちゃ見えるな。ジャングルに近い景色ってことは、まだ魔界の表層か?」
魔界にも表層、中層、深層や、環境毎に異なるエリアがたくさんある。
その中でもジャングルに似ているが、あまり魔界らしくない景観に、疑問を感じるリアラだが。
「ま、ままま魔界…っ!?」
この人は違った。
ビビり、今にも杖から光弾発射しそうにキョドッているディーヴァに、やれやれと若は肩をすくめて杖を持つディーヴァの腕を押さえた。
「落ち着けって。オレはともかく、リアラ達までお前の暴走に巻き込まれたらどうする」
「あぅう、そでした」
「魔界かどうかはともかく、戻りましょう?
一般の人が通る正規ルートから行けばいいんだし」
どこか不安に揺れるディーヴァの瞳に、リアラがディーヴァの手をとる。
ひんやりとした手のひらが、ディーヴァの頭を少し冷静にさせた。
やはり、ディーヴァよりも知識も経験もある魔女な分、この状況下でも落ち着いていた。
「そうした方が良さそうだな……ん?」
リアラの考えに賛同し、髭が後ろに踵を返す。
が、その歩みはたった一歩で止まった。
「………残念ながら前に進むしかなさそうだ」
「うおお、さっきのトンネル、物の見事に消え去ってんなー」
「あらまあ」
みなで振り返れば、通ってきた木のトンネルはどこにもなかった。
ただ、ただジャングル特有のヤシ、シダ植物、ツル植物の生い茂る場所が続くのみ。
ディーヴァ1人が、絶句したまま絶望を噛み締め、そして繋がれたリアラの腕にしがみついていた。
髭が先導する中、リアラと手を繋ぎ歩くディーヴァの、空いた反対の手を若が繋ぎ歩く。
気分は捕獲された宇宙人だ。
なんとも言えない妙な思いを抱きながら、ズルズルと引っ張られるままのディーヴァ。
そんな時、何かを見つけたリアラが、先導する髭を追い抜いてしゃがみ込んだ。
見れば花びら一枚一枚の色が違う変わった花が根を生やしていた。
実物は見たことがないが、たしかリアラがまとめている植物図鑑に載っていた気がする。
「これは魔界にしか群生しない植物…!ってことはやっぱりここは魔界なのね」
「ああ、魔界確定だ。
ジャングルエリアはその熱帯気候な見た目に反して、そこまで強い魔獣はいない。比較的おとなしいぞ」
髭の言葉を聞きつつ、七色の花をそっと摘むリアラ。
この花には毒性も危険性もなく、むしろ魔女のお茶の材料の1つであるため、髭はそれに言及することなく静かに見守るのみだ。
「…よし。これであとでお茶を作れるわ。ディーヴァ、あとでルティアも誘って飲みましょうか」
「その時はぜひ、スイーツたっぷり用意するね」
お茶の話でディーヴァは少し元気が出たようだ。
若とリアラと繋がれた手に力が入る。
「もう元どおりになったのかよディーヴァ。現金なやつ」
「えへへー。お茶のこともあるけど、弱い魔獣しかいないなら安心だなって」
「それは確かに安心よね。むしろ常界のジャングルのがこわいもの。アナコンダとかカンディルとか」
「リアラさん、シッ!超怖いからカンディルの話はしちゃらめ!」
ディーヴァがリアラの口をふさぎ、かと思えば正面…ん?正面?に、向き直った。
「画面の前の皆さんもカンディルはこわいので動画検索はやめましょうね!ディーヴァとのお約束だぞっ」
「ねえ画面の前の皆さんって誰なの?」
「ナイショ」