魔女と魔獣の日常(小話)
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「午後のご予定は?」
赤ずきんとその祖母を腹に収めたあとの狼の気分で横になり腹を撫でつつ、ダンテは隣に座るディーヴァに聞いた。
できれば食休みしたら腹ごなしの運動がしたい。
もちろん、2人でする大人の遊びだ。
「何もないのでお掃除しまっす」
「うげ。掃除かよ」
目に見えて嫌そうな顔をするダンテは、慌てて自分の案を出す。
「何もないんだったらベッドで運動でも良くないか?」
「や。洗ったばかりのシーツ汚したくない」
「替えのシーツあるくせに何言ってんだ、また洗えって。
………なあ、イイだろ?」
「ひゃ」
ごろん、体勢を変えディーヴァの腰に抱きつき、そのままディーヴァも巻き込んでソファーの上に寝転がる。
押し倒されたようなものなので、ダンテの瞳に色香が纏われているのが、ディーヴァからしっかりと見てとれた。
ディーヴァに完全に跨ったダンテの顔が近づいてくる。
唇にその目が狙い定めた、と思ったらその口はディーヴァの首筋へ。
鎖骨に温かい呼気が薄くかかり、ちゅっと小さく口づけが降ってきた。
やわい唇の感触にぞくりと肌が粟立つのを感じていると、熱い舌先で首筋を鎖骨から顎までジワジワ責めるようにゆっくりと舐めあげられた。
「ん、あ……っ」
「…………する気になったか?」
ちょっと肌にキスされただけなのに、舐められただけなのにもどかしい快感に身がよじれる想い。
いや…だからこそ、狂おしいほどにダンテが欲しくなる。
ダンテの思惑に流されそうになるのを、ディーヴァは理性で必死に押し込めた。
「……終わったあとにダンテがシーツ洗ってくれるなら、どうしてくれてもいいよ。
ちゃーんと『すぐに』真っ白に洗ってくれるなら、ね」
すぐに。というのは文字通りすぐにである。
終わったあとのピロートークはおろか、行為後に気持ちや体の疲労を落ち着かせる時間すら与えられず、労働しろ…そういう意味だ。
「今襲うのはやめとく」
「ん、賢明な判断ね!」
「で。掃除ったって、どこやんだよ。
毎日埃とったりしてキタネー場所なんてほとんどないだろ」
やっとどいたダンテと隣り合わせに座り、掃除したい場所にチラッと目をやる。
パッと見は綺麗なところだらけ。
普段から野菜や果物作り以外に突飛つしてすることの無いディーヴァ達は、長い長い年月の中、掃除する時間は多かった。
だが、それはパッと見だけ。目に見えない場所には汚れが付いている。
ちなみに換気扇はこの間やった。
いやはや、今年作ったオレンジオイルの効能はすごかった。これは売れるとみた。うん。
「今日は滅多なことじゃ掃除できないところをやろうと思います」
「どこ?」
「あそこ」
ディーヴァが指をさしたるは暖炉。そしてそこから伸びる筒状の場所。
「煙突か」
「うん。最近、暖炉に煙が漏れてるんだよね。排煙障害。
煙突上部にバードプロテクターあるでしょ?
多分あれが目詰まり起こしてると思うんだ」
「なるほどな」
煙突の上部に設置されている排煙場所には、鳥が入り込まないように細かい網目の防鳥網が張られている。
そこがススなどで詰まってしまうと煙が逆流したり、煙道火災を起こすところだったろう。
火災ならまだ目に見えるからいいが、知らず知らずのうちに一酸化炭素中毒で死んでいる…なんて事も…。
「はい、じゃあ汚れてもいい格好に着替えて!ちちんぷいぷい~」
「お、おお?」
あっという間に魔法でダンテの服が変わる。
動きやすい長袖長ズボンに、分厚い防塵マスク、防塵ゴーグル、手袋に頭にはミニライト。
装備品には、煙突掃除用ワイヤーブラシに、箒、ちりとり、ウエス…。
暑苦しいが、掃除するには適しているスタイルだ。
「って、…オレがやんの?」
「力仕事だよ?ダンテ以外誰がやるっていうのさ。
あたしは、ダンテが落っことしたススをお掃除するお仕事あるんだからね!」
「お前やるの簡単な方ばっか。
まあ、力仕事を女にやらせて男が楽な仕事するわけにいかねぇけどよ…」
「ありがとっ。
木タールやスス、たっくさんこびりついてるだろうから、がんばってね!」
「ちなみに掃除するの何年ぶりになる」
「えーと、10年くらいしてなかった、かも?」
通常は2、3年でかなりの量のススがたまる。
それを10年近く放置とは…。よく火事にならなかったものだ。
だが、これは骨が折れそうである。
そして掃除する事2時間うんたら~。
「うん、結構取れてる取れてる。
ありがとうダンテー!」
掃き出したススの塊を捨て終え、ディーヴァは未だ煙突内部にいるダンテに声をかけた。
煙突内で反響するディーヴァの声を聞きながら、ダンテは額を伝い落ちる汗を腕で拭った。
腕も真っ黒く、そして汗でべっとりしていたが。
「おー。…あちぃあちぃ、汗とススまみれだぜ」
「よっ、汗も滴るいい男!その名はダンテ!」
「冗談言ってねぇでこれで終わりなら、オレは上からあがるからな」
不快感マックスだ、早くシャワーが浴びたい。
「おっけー。そろそろ火を入れるよ。ここに準備万端なんだ。おやつに焼きマシュマロ食べたくなっちゃったし!」
「え」
「チャッカマン!ファイヤーーー!!」
ゴウッ!!
言った瞬間、ダンテの足元から炎が昇ってきた。
「嘘だろディーヴァ!まだ!オレがここにいるっちゅーにィ!!」
「え、だってダンテは炎タイプでしょー!炎の中でも生きてるんじゃないのー?」
炎のメラメラ音に紛れて、ディーヴァの間延びした声が聞こえる。
パートナーだけど、殺意が湧いた。
「あほか!生きていられても熱いし暑いし何より煙いだろが!
しかもその着火マン、オレが作ったやつ!火力すげぇのやつ!!」
今回ご紹介する商品はこちらです!
ダンテの使う爆発的な炎を閉じ込めた着火マン!
カチッとスイッチ1つで、燃え盛る炎を可燃物に移せます!しかも補充用を併せて御購入いただければ、繰り返し何度でも使うことができる優れもの!今なら併せてこのお値段……などという通信販売風のセリフが聞こえてくる。
違う汗が吹き出た。
ダンテは煙突という狭い空間の中、ジャンプをブチかまし、その頂点で魔法陣を展開し、更に高く飛び上がって煙突から脱出した。
庭に倒れこんでぜえはあ、と激しく呼吸するダンテに、ディーヴァが近寄る。
お疲れ様、なんて言われたがダンテはおこ。
がるるるる、と唸り声を口から出し、珍しくもヒトガタ状態で火を吐き出すダンテ。
ダンテの口から漏れるその炎を見て、ディーヴァはピーン!と思いついた。
「あ、ちょうどいいからその炎で野焼きしといて。終わったらシャワー浴びておやつにしていいよ」
「はぁ?
…………解せぬ」
それまでこの汗だくまっくろくろすけ状態を我慢しろと。
更にわく殺意だが。
「おやつには焼きマシュマロじゃなくて、もっと美味しいものア・ゲ・ル」
「!!」
多分真っ黒だろう、ダンテの鼻。
そこをディーヴァが指でチョン、とつついた。
……こういうところがディーヴァがやはり魔女なんだなぁって思う瞬間です。まる。
赤ずきんとその祖母を腹に収めたあとの狼の気分で横になり腹を撫でつつ、ダンテは隣に座るディーヴァに聞いた。
できれば食休みしたら腹ごなしの運動がしたい。
もちろん、2人でする大人の遊びだ。
「何もないのでお掃除しまっす」
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ディーヴァに完全に跨ったダンテの顔が近づいてくる。
唇にその目が狙い定めた、と思ったらその口はディーヴァの首筋へ。
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やわい唇の感触にぞくりと肌が粟立つのを感じていると、熱い舌先で首筋を鎖骨から顎までジワジワ責めるようにゆっくりと舐めあげられた。
「ん、あ……っ」
「…………する気になったか?」
ちょっと肌にキスされただけなのに、舐められただけなのにもどかしい快感に身がよじれる想い。
いや…だからこそ、狂おしいほどにダンテが欲しくなる。
ダンテの思惑に流されそうになるのを、ディーヴァは理性で必死に押し込めた。
「……終わったあとにダンテがシーツ洗ってくれるなら、どうしてくれてもいいよ。
ちゃーんと『すぐに』真っ白に洗ってくれるなら、ね」
すぐに。というのは文字通りすぐにである。
終わったあとのピロートークはおろか、行為後に気持ちや体の疲労を落ち着かせる時間すら与えられず、労働しろ…そういう意味だ。
「今襲うのはやめとく」
「ん、賢明な判断ね!」
「で。掃除ったって、どこやんだよ。
毎日埃とったりしてキタネー場所なんてほとんどないだろ」
やっとどいたダンテと隣り合わせに座り、掃除したい場所にチラッと目をやる。
パッと見は綺麗なところだらけ。
普段から野菜や果物作り以外に突飛つしてすることの無いディーヴァ達は、長い長い年月の中、掃除する時間は多かった。
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「どこ?」
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「煙突か」
「うん。最近、暖炉に煙が漏れてるんだよね。排煙障害。
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まあ、力仕事を女にやらせて男が楽な仕事するわけにいかねぇけどよ…」
「ありがとっ。
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通常は2、3年でかなりの量のススがたまる。
それを10年近く放置とは…。よく火事にならなかったものだ。
だが、これは骨が折れそうである。
そして掃除する事2時間うんたら~。
「うん、結構取れてる取れてる。
ありがとうダンテー!」
掃き出したススの塊を捨て終え、ディーヴァは未だ煙突内部にいるダンテに声をかけた。
煙突内で反響するディーヴァの声を聞きながら、ダンテは額を伝い落ちる汗を腕で拭った。
腕も真っ黒く、そして汗でべっとりしていたが。
「おー。…あちぃあちぃ、汗とススまみれだぜ」
「よっ、汗も滴るいい男!その名はダンテ!」
「冗談言ってねぇでこれで終わりなら、オレは上からあがるからな」
不快感マックスだ、早くシャワーが浴びたい。
「おっけー。そろそろ火を入れるよ。ここに準備万端なんだ。おやつに焼きマシュマロ食べたくなっちゃったし!」
「え」
「チャッカマン!ファイヤーーー!!」
ゴウッ!!
言った瞬間、ダンテの足元から炎が昇ってきた。
「嘘だろディーヴァ!まだ!オレがここにいるっちゅーにィ!!」
「え、だってダンテは炎タイプでしょー!炎の中でも生きてるんじゃないのー?」
炎のメラメラ音に紛れて、ディーヴァの間延びした声が聞こえる。
パートナーだけど、殺意が湧いた。
「あほか!生きていられても熱いし暑いし何より煙いだろが!
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今回ご紹介する商品はこちらです!
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お疲れ様、なんて言われたがダンテはおこ。
がるるるる、と唸り声を口から出し、珍しくもヒトガタ状態で火を吐き出すダンテ。
ダンテの口から漏れるその炎を見て、ディーヴァはピーン!と思いついた。
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更にわく殺意だが。
「おやつには焼きマシュマロじゃなくて、もっと美味しいものア・ゲ・ル」
「!!」
多分真っ黒だろう、ダンテの鼻。
そこをディーヴァが指でチョン、とつついた。
……こういうところがディーヴァがやはり魔女なんだなぁって思う瞬間です。まる。