魔女と魔獣の日常(小話)
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おじいさんは山へ芝刈りにおばあさんは川へ洗濯にとは違うが、ダンテは服たたみにディーヴァは服をダンテに押し付け昼食作りへとキッチンへ。
ぐうう。
「腹減った……お前をたーべちゃうぞー…って言ってみてもディーヴァはいないという、な」
鳴きはじめた腹の虫をなだめつつ、ふと顔を上げる。
キッチンへと続く扉にある暖簾…その傍にかけてあるブラックボードにうっすらと文字が浮かび上がってくるのが見えた。
「本日のランチはハンバーグを乗せたミートソースパスタ、か」
食べ盛りの男なら誰でも喜ぶようなガッツリ系。最高だ。
デカいハンバーグとパスタにこれでもかとミートソースを絡めて食べるアレは美味い。
ディーヴァは量を少なくする代わりにチーズを乗せるだろう。とろ~りチーズを絡めても美味い。
余計腹の虫が鳴るのが止められない。
そのダンテの腹の音をかき消すように、ディーヴァの声が響いた。
「玉ねぎクラーーーッシュ!!」
「ファッ!?」
一体何事だ。
ちょうどたたみ終わったダンテは、暖簾を捲り上げてキッチンを覗いた。
……ら、玉ねぎを前にディーヴァが杖を構え魔法を使っていた。
「なんだよその魔法」
「玉ねぎをみじん切りにする魔法だよ」
「はー…玉ねぎくらい自分で切れよ……」
心配して損した気分。
え?そんなに心配してる感じしない?
これでも少しは心配した。ディーヴァの頭を。
いやしかし、面倒がって自分で切らないなんて、料理人の風上にもおけぬやつ!
「はぁ?
玉ねぎ自分で切ると目から涙出るのよつらいのよっ!」
「目からビームじゃなくて目から涙かよ」
髪色似てるからといっていくら魔女でもさすがに目からビームは出ない。で●こは●・ジ・キャラット星にお帰り…。
「はーーー。
これだから玉ねぎのみじん切りのつらさを知らないオトコって生き物は……!」
「言い方酷いなオイ。
だいたいそんなん知らなくても生きていけるし?料理するのはディーヴァの仕事でオレがやることじゃねぇし?」
ゲージが青から黄色へ、黄色から真っ赤に変わる。そして限界突破、大爆発!
「ぬああーおこです!もう怒ったっっ!!」
スパーン!
つけていたエプロンをディーヴァが床に叩きつけた。
かと思えば、D●O様ばりの空気を背中にゴゴゴゴゴと背負ってダンテにに゛っごり゛と笑いかける。
「ダンテ今すぐ魔獣になって?」
「え」
「ダンテ今すぐ魔獣になって?」
「どういうことだよ」
「ダンテ今すぐ魔獣になって?」
「ちょ、ま」
「今すぐ!魔獣NOWWWW!」
杖を光らせて何をする気だァーーッ!
その怖さで尻尾のへびお君が股の間で縮こまる。
ディーヴァの命令どおり、ダンテはおとなしく魔獣の姿になった。
「なった、けど」
キッチンの中という落ち着かない場所で魔獣化したダンテ。
居心地の悪さを感じ得ながら、ディーヴァの動向を目で追う。
ディーヴァは杖を手でぺちぺちしていたかと思うと、宙にかざし呪文を唱えた。
「ーー@#&$%€*ーー」
途端、真っ白な霧に包まれる。
ディーヴァのしたり顔だけが最後に目に焼き付き、あとは何も見えない。自分の毛並み1つ見えていない。
その霧が晴れた時、いたのは草も空も何もかもが真っ白の、どこまでも広がる草原。驚きの白さ!
「な、なんだここは!」
「ぬっふっふっふ…ここはあたしの魔法で作り上げた光の園!キッチンと違ってここならダンテをコテンパンにやっつけられる!!」
若干薄気味悪い笑い声を上げたディーヴァ。
その不穏なセリフに、ダンテがパートナーである相手を鋭く睨む。
纏う空気に少し殺気を交えれば、空気がピリリと震えた。
「ほーー?ディーヴァが魔獣のオレに勝とうってか。相手がオレとはいえ魔獣まだ怖いんだろ、膝が笑ってるぜ」
「気のせいでしょ。ダンテなんて怖くないもんねー!
これから喧嘩する相手に、そんな情けをかけてる場合かな?かな??」
夫婦喧嘩ここに勃発か。
ディーヴァが杖を片手にファイティングポーズをとる。
「……それと、1つ聞いていいか。なんでキッチンの作業台までまるっと移動してるんだ」
ディーヴァの背後にでん!と構えるレンジフードに流し台、そして食材を切ったりする作業台。
みじん切りにされた玉ねぎから、時折涙出る成分が飛んできて、ダンテは少し尻込みする。
ちょっとそれどけてくれ。
「それはねー…、こうするためよ!
玉ねぎくらえ!」
ブォン!!!!
ディーヴァがまな板ごと玉ねぎをダンテに投げつけてきた。
ご丁寧に直後振った杖で、玉ねぎを燃やされないための簡易コーティング結界をはって。
「うぇっ!?ちょっ……!まじかよぉ!!
やめろよ魔獣化したオレは玉ねぎだめなんだって」
苦手な食べ物はオリーブだが、ネコ科イヌ科…ヒト以外の動物は玉ねぎのアリルプロピルジスルフィドで玉ねぎ中毒を起こすため、食べられないのだ!
中には玉ねぎの花の匂いを嗅いだだけで中毒死した例もある。
燃やせないとわかっていても、ダンテは炎を放った。
そんなことしているものだから、避けるのも遅すぎた。ダンテに玉ねぎのみじん切りが直撃する。
「むぎょえ!!!?」
玉ねぎがわずかにダンテの口に入る。
口に広がる生玉ねぎの味に、ダンテは白目をむき泡を吹いて倒れた。
多分ショックでそうなったんだと思うが…敏感すぎか!
確実に玉ねぎでダンテをコロコロするため、場所を移動という徹底ぶり。
玉ねぎまみれのダンテはさめざめと泣いた。
「……うう、ディーヴァのオニ…」
「当たる瞬間にヒトガタに変わればよかったでしょ」
「考えてる暇なかった」
満足げにダンテを見下ろすディーヴァがもう一振り杖をぶんと回すと、そこは元いたキッチン。
ダンテについた玉ねぎも綺麗さっぱり消え、まな板に戻っている。
体にも匂いが付いていない。
「げ、幻覚……?」
「みたいなもの。ダンテは狐に惑わされていたのです!」
「狐じゃなくて兎だろ」
そのあと?
ダンテが土下座して機嫌を直したディーヴァが、それはもう美味しいビッグハンバーグ五枚重ねのソース増し増し大盛りミートソースパスタをご馳走してくれた。
今度は腹がはち切れて死にそうだとはここだけの話。
ぐうう。
「腹減った……お前をたーべちゃうぞー…って言ってみてもディーヴァはいないという、な」
鳴きはじめた腹の虫をなだめつつ、ふと顔を上げる。
キッチンへと続く扉にある暖簾…その傍にかけてあるブラックボードにうっすらと文字が浮かび上がってくるのが見えた。
「本日のランチはハンバーグを乗せたミートソースパスタ、か」
食べ盛りの男なら誰でも喜ぶようなガッツリ系。最高だ。
デカいハンバーグとパスタにこれでもかとミートソースを絡めて食べるアレは美味い。
ディーヴァは量を少なくする代わりにチーズを乗せるだろう。とろ~りチーズを絡めても美味い。
余計腹の虫が鳴るのが止められない。
そのダンテの腹の音をかき消すように、ディーヴァの声が響いた。
「玉ねぎクラーーーッシュ!!」
「ファッ!?」
一体何事だ。
ちょうどたたみ終わったダンテは、暖簾を捲り上げてキッチンを覗いた。
……ら、玉ねぎを前にディーヴァが杖を構え魔法を使っていた。
「なんだよその魔法」
「玉ねぎをみじん切りにする魔法だよ」
「はー…玉ねぎくらい自分で切れよ……」
心配して損した気分。
え?そんなに心配してる感じしない?
これでも少しは心配した。ディーヴァの頭を。
いやしかし、面倒がって自分で切らないなんて、料理人の風上にもおけぬやつ!
「はぁ?
玉ねぎ自分で切ると目から涙出るのよつらいのよっ!」
「目からビームじゃなくて目から涙かよ」
髪色似てるからといっていくら魔女でもさすがに目からビームは出ない。で●こは●・ジ・キャラット星にお帰り…。
「はーーー。
これだから玉ねぎのみじん切りのつらさを知らないオトコって生き物は……!」
「言い方酷いなオイ。
だいたいそんなん知らなくても生きていけるし?料理するのはディーヴァの仕事でオレがやることじゃねぇし?」
ゲージが青から黄色へ、黄色から真っ赤に変わる。そして限界突破、大爆発!
「ぬああーおこです!もう怒ったっっ!!」
スパーン!
つけていたエプロンをディーヴァが床に叩きつけた。
かと思えば、D●O様ばりの空気を背中にゴゴゴゴゴと背負ってダンテにに゛っごり゛と笑いかける。
「ダンテ今すぐ魔獣になって?」
「え」
「ダンテ今すぐ魔獣になって?」
「どういうことだよ」
「ダンテ今すぐ魔獣になって?」
「ちょ、ま」
「今すぐ!魔獣NOWWWW!」
杖を光らせて何をする気だァーーッ!
その怖さで尻尾のへびお君が股の間で縮こまる。
ディーヴァの命令どおり、ダンテはおとなしく魔獣の姿になった。
「なった、けど」
キッチンの中という落ち着かない場所で魔獣化したダンテ。
居心地の悪さを感じ得ながら、ディーヴァの動向を目で追う。
ディーヴァは杖を手でぺちぺちしていたかと思うと、宙にかざし呪文を唱えた。
「ーー@#&$%€*ーー」
途端、真っ白な霧に包まれる。
ディーヴァのしたり顔だけが最後に目に焼き付き、あとは何も見えない。自分の毛並み1つ見えていない。
その霧が晴れた時、いたのは草も空も何もかもが真っ白の、どこまでも広がる草原。驚きの白さ!
「な、なんだここは!」
「ぬっふっふっふ…ここはあたしの魔法で作り上げた光の園!キッチンと違ってここならダンテをコテンパンにやっつけられる!!」
若干薄気味悪い笑い声を上げたディーヴァ。
その不穏なセリフに、ダンテがパートナーである相手を鋭く睨む。
纏う空気に少し殺気を交えれば、空気がピリリと震えた。
「ほーー?ディーヴァが魔獣のオレに勝とうってか。相手がオレとはいえ魔獣まだ怖いんだろ、膝が笑ってるぜ」
「気のせいでしょ。ダンテなんて怖くないもんねー!
これから喧嘩する相手に、そんな情けをかけてる場合かな?かな??」
夫婦喧嘩ここに勃発か。
ディーヴァが杖を片手にファイティングポーズをとる。
「……それと、1つ聞いていいか。なんでキッチンの作業台までまるっと移動してるんだ」
ディーヴァの背後にでん!と構えるレンジフードに流し台、そして食材を切ったりする作業台。
みじん切りにされた玉ねぎから、時折涙出る成分が飛んできて、ダンテは少し尻込みする。
ちょっとそれどけてくれ。
「それはねー…、こうするためよ!
玉ねぎくらえ!」
ブォン!!!!
ディーヴァがまな板ごと玉ねぎをダンテに投げつけてきた。
ご丁寧に直後振った杖で、玉ねぎを燃やされないための簡易コーティング結界をはって。
「うぇっ!?ちょっ……!まじかよぉ!!
やめろよ魔獣化したオレは玉ねぎだめなんだって」
苦手な食べ物はオリーブだが、ネコ科イヌ科…ヒト以外の動物は玉ねぎのアリルプロピルジスルフィドで玉ねぎ中毒を起こすため、食べられないのだ!
中には玉ねぎの花の匂いを嗅いだだけで中毒死した例もある。
燃やせないとわかっていても、ダンテは炎を放った。
そんなことしているものだから、避けるのも遅すぎた。ダンテに玉ねぎのみじん切りが直撃する。
「むぎょえ!!!?」
玉ねぎがわずかにダンテの口に入る。
口に広がる生玉ねぎの味に、ダンテは白目をむき泡を吹いて倒れた。
多分ショックでそうなったんだと思うが…敏感すぎか!
確実に玉ねぎでダンテをコロコロするため、場所を移動という徹底ぶり。
玉ねぎまみれのダンテはさめざめと泣いた。
「……うう、ディーヴァのオニ…」
「当たる瞬間にヒトガタに変わればよかったでしょ」
「考えてる暇なかった」
満足げにダンテを見下ろすディーヴァがもう一振り杖をぶんと回すと、そこは元いたキッチン。
ダンテについた玉ねぎも綺麗さっぱり消え、まな板に戻っている。
体にも匂いが付いていない。
「げ、幻覚……?」
「みたいなもの。ダンテは狐に惑わされていたのです!」
「狐じゃなくて兎だろ」
そのあと?
ダンテが土下座して機嫌を直したディーヴァが、それはもう美味しいビッグハンバーグ五枚重ねのソース増し増し大盛りミートソースパスタをご馳走してくれた。
今度は腹がはち切れて死にそうだとはここだけの話。
