魔女と魔獣の日常(小話)
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「あー、大声出したら頭ガンガンする。脳漿染み出しそうだ」
「●ールデンカムイの鶴見中尉か!
ダンテはちょっと落ち着くべき。ほら深呼吸、ひっひっふーひっひっふー」
実際脳漿なんて染み出してたら痛いじゃすまないだろう。
え?ダンテなら大丈夫って?それもそうか。
だが普通は前後不覚やら思考停止くらいには陥るだろう。それがないということは脳はかろうじて無事なはず。
そしてディーヴァ、その呼吸法は妊婦専用だ。態とらしく間違えてはダンテがさらに怒ること間違いなし。
「ったく、誰のせいだと……。
おーいてて。こりゃしばらく治んねーぞ。一応ディーヴァの魔法効果きいてっし」
殴られたその瞬間、魔法にもかかったのか、ダンテの体の中を攻撃用の魔力が駆け回った。
それはもう、雷のように。
いくらパートナーの魔力といえど、それは『攻撃用』。ダンテの回復力を阻害する程には強かった。
「ま、しょうがない、今治すね?脳漿垂れてなくても血でべっとりってのは嫌でしょ。
あたしの治癒能力とお薬どっちがいい?」
「ディーヴァの治癒っていうあっついベーゼが欲しい」
「はい昨日作った美味しくないお薬ですねお口開けてください」
問答無用。
いつも持って歩いている救急箱から、昨日作ったばかりのにっっっがい新作の回復薬を取り出してダンテの目の前でちゃぷんと揺らす。
ただし新作なので効力はまだ未知数だ。
たぶん、きっと、おそらく、めいびー、ぱーはっぷす大丈夫。
「聞く意味なくね。
てか待て待て!それほんとに飲んで大丈夫なんだろうな!?魔獣には毒な例のアレじゃないだろうな」
「……………たぶん?」
「おい待て今の間はなんだ」
ディーヴァの作る薬は、極たまに魔獣にとって毒になってしまうことがある。
間は空いたが、その分効能について自分でもよくわからなかったディーヴァは、にっこりと笑って薬をダンテに手渡したのだった。
おっかなびっくり、でも意を決して薬を喉へと傾けるダンテ。
ごきゅっごきゅっごきゅっ、味はやはり苦くて不味い。不味いからもう一杯!とは絶対ならない感じか。
だが、ごきゅ、から続く効果音は、キュピーン!!
そうである、ひと狩り行こうぜ!でおなじみのあの効果音だ。
「治ったじゃん」
「治ったじゃん、じゃねーわ!
お前の失敗作何度も飲まされてるオレの身にもなってみろ!治らなかったらどうなってたことか、考えるのすら恐ろしいだろが」
「えー。だいたい隣にいたダンテも悪いんじゃん。責任転嫁イクナイ」
と、まあブーブーと文句垂れ流しながらも、中腰になるダンテの、その患部を診察してやるディーヴァ。
さっすが成功した薬は違う。
飲んだ瞬間から傷口が修復され、綺麗さっぱり元どおりとなったダンテの皮膚が、そこに存在していた。
よかった、とホッと一息いれながらディーヴァは柔らかくそこを撫でる。
ダンテも悪いが、ディーヴァも悪かった。いや、悪いのはディーヴァじゃない。その杖だ!……と、使い手は持ち物に責任転嫁した。
「ごめんね?あたしのエクスカリステッキが」
「杖のせいにすんな……て、エクスカリ、なんだって? 」
ディーヴァの杖の名は薔薇と兎から名付けられたものだという『ロサレプス』だ。
別名があったというのか?なんなんだそのエクスカリなんちゃらは。
「あー。ついダンテにバラしちゃった。心のなかではたまにエクスカリステッキって呼んでるの。
『ロサレプス』なんていう仰々しい名前はあるけど、おかげでエクスカリステッキの方が頭に浮かんで来ちゃって」
エクスカリステッキと化すのは、主にダンテ相手だけどね。
そう続いた言葉にギョッとしてディーヴァを見る。
エクスカリ、とつくものにロクなものはない。エクスカリバールのようなもの然り、エクスカリモップ然り、最強かつ最恐の武器だ。
「いやいやいや、オレ相手の時だけそんな危険臭プンプンだぜ!な名前に変わるとかどう考えても狙って殴る凶器にしか思えねーんだけど」
「えへ?」
「というか、今更なんだがな。お前さっきから何描いてんの?人がおそろしい思いしてんのに落書きかよ」
実はディーヴァ、先程から杖の下の部分でゴリゴリと地面を抉っていたのだ。
人の話もあまり聞かず、落書きだろう動きでくるくる動いている。
「魔法に使った魔法陣だよ。踊りながら描くの。さっきからBGM流れてるでしょ」
「魔法陣●ルグルかよ……って、え。マジだ」
どこからか聞こえてくるポップな音楽。
これはクソという言葉が褒め言葉となる噂の…!
「エイサーイハラマスコーイ!エイサーイハラマスコォォォイ!!」
「しかも踊りってよく見たらそれかい!」
めっちゃ作画してぬるぬる動くバージョンの、あれである。よくぞ杖を持ったまま踊ったな!
「というか魔法に使う、じゃねぇの?魔法に使ったって…過去形かよ。それに魔法使ってしばらく経つのに今更魔法陣ってお前…意味ねーのな」
「魔法をここで使いましたっていう、ミステリーサークル的な痕跡残し!
それに落書きするの楽しいからいいでしょ!ほっといて」
なるほどただの落書きのようだ。
そしてその絵は…。
覗いてみて、ダンテはすごく、すごーく後悔した。
「……この絵こえー」
まるでS子が出てくるという、呪いの動画のよう。
見てしまったダンテの顔が青くなる。
それほどのおそろしさを孕んだ、地面に大きく描かれしディーヴァの落書き。
「えー、失礼だね。どう見ても美術的価値の高い崇高なる幾何学文様式絵画でしょこの魔法陣」
「魔法陣なのかよそれ。ならどっからどう見ても魔獣の召喚陣だろ…」
これが魔法陣だとすると、かの有名なピカソもムンクもびっくりな悪いものを喚び出しそうな魔法陣である。
どんなのかって?そこはご想像にお任せするとしよう。
「とりあえず当面の間ディーヴァが杖を振り回すのは禁止な」
「なんでよ」
「なんでもだ。
期間はそうだな……エクスカリステッキという言葉が浮かばなくなるくらいまで、な」
ダンテは杖をそっと回収すると、至極疲れ切った表情でディーヴァに言い放った。
「●ールデンカムイの鶴見中尉か!
ダンテはちょっと落ち着くべき。ほら深呼吸、ひっひっふーひっひっふー」
実際脳漿なんて染み出してたら痛いじゃすまないだろう。
え?ダンテなら大丈夫って?それもそうか。
だが普通は前後不覚やら思考停止くらいには陥るだろう。それがないということは脳はかろうじて無事なはず。
そしてディーヴァ、その呼吸法は妊婦専用だ。態とらしく間違えてはダンテがさらに怒ること間違いなし。
「ったく、誰のせいだと……。
おーいてて。こりゃしばらく治んねーぞ。一応ディーヴァの魔法効果きいてっし」
殴られたその瞬間、魔法にもかかったのか、ダンテの体の中を攻撃用の魔力が駆け回った。
それはもう、雷のように。
いくらパートナーの魔力といえど、それは『攻撃用』。ダンテの回復力を阻害する程には強かった。
「ま、しょうがない、今治すね?脳漿垂れてなくても血でべっとりってのは嫌でしょ。
あたしの治癒能力とお薬どっちがいい?」
「ディーヴァの治癒っていうあっついベーゼが欲しい」
「はい昨日作った美味しくないお薬ですねお口開けてください」
問答無用。
いつも持って歩いている救急箱から、昨日作ったばかりのにっっっがい新作の回復薬を取り出してダンテの目の前でちゃぷんと揺らす。
ただし新作なので効力はまだ未知数だ。
たぶん、きっと、おそらく、めいびー、ぱーはっぷす大丈夫。
「聞く意味なくね。
てか待て待て!それほんとに飲んで大丈夫なんだろうな!?魔獣には毒な例のアレじゃないだろうな」
「……………たぶん?」
「おい待て今の間はなんだ」
ディーヴァの作る薬は、極たまに魔獣にとって毒になってしまうことがある。
間は空いたが、その分効能について自分でもよくわからなかったディーヴァは、にっこりと笑って薬をダンテに手渡したのだった。
おっかなびっくり、でも意を決して薬を喉へと傾けるダンテ。
ごきゅっごきゅっごきゅっ、味はやはり苦くて不味い。不味いからもう一杯!とは絶対ならない感じか。
だが、ごきゅ、から続く効果音は、キュピーン!!
そうである、ひと狩り行こうぜ!でおなじみのあの効果音だ。
「治ったじゃん」
「治ったじゃん、じゃねーわ!
お前の失敗作何度も飲まされてるオレの身にもなってみろ!治らなかったらどうなってたことか、考えるのすら恐ろしいだろが」
「えー。だいたい隣にいたダンテも悪いんじゃん。責任転嫁イクナイ」
と、まあブーブーと文句垂れ流しながらも、中腰になるダンテの、その患部を診察してやるディーヴァ。
さっすが成功した薬は違う。
飲んだ瞬間から傷口が修復され、綺麗さっぱり元どおりとなったダンテの皮膚が、そこに存在していた。
よかった、とホッと一息いれながらディーヴァは柔らかくそこを撫でる。
ダンテも悪いが、ディーヴァも悪かった。いや、悪いのはディーヴァじゃない。その杖だ!……と、使い手は持ち物に責任転嫁した。
「ごめんね?あたしのエクスカリステッキが」
「杖のせいにすんな……て、エクスカリ、なんだって? 」
ディーヴァの杖の名は薔薇と兎から名付けられたものだという『ロサレプス』だ。
別名があったというのか?なんなんだそのエクスカリなんちゃらは。
「あー。ついダンテにバラしちゃった。心のなかではたまにエクスカリステッキって呼んでるの。
『ロサレプス』なんていう仰々しい名前はあるけど、おかげでエクスカリステッキの方が頭に浮かんで来ちゃって」
エクスカリステッキと化すのは、主にダンテ相手だけどね。
そう続いた言葉にギョッとしてディーヴァを見る。
エクスカリ、とつくものにロクなものはない。エクスカリバールのようなもの然り、エクスカリモップ然り、最強かつ最恐の武器だ。
「いやいやいや、オレ相手の時だけそんな危険臭プンプンだぜ!な名前に変わるとかどう考えても狙って殴る凶器にしか思えねーんだけど」
「えへ?」
「というか、今更なんだがな。お前さっきから何描いてんの?人がおそろしい思いしてんのに落書きかよ」
実はディーヴァ、先程から杖の下の部分でゴリゴリと地面を抉っていたのだ。
人の話もあまり聞かず、落書きだろう動きでくるくる動いている。
「魔法に使った魔法陣だよ。踊りながら描くの。さっきからBGM流れてるでしょ」
「魔法陣●ルグルかよ……って、え。マジだ」
どこからか聞こえてくるポップな音楽。
これはクソという言葉が褒め言葉となる噂の…!
「エイサーイハラマスコーイ!エイサーイハラマスコォォォイ!!」
「しかも踊りってよく見たらそれかい!」
めっちゃ作画してぬるぬる動くバージョンの、あれである。よくぞ杖を持ったまま踊ったな!
「というか魔法に使う、じゃねぇの?魔法に使ったって…過去形かよ。それに魔法使ってしばらく経つのに今更魔法陣ってお前…意味ねーのな」
「魔法をここで使いましたっていう、ミステリーサークル的な痕跡残し!
それに落書きするの楽しいからいいでしょ!ほっといて」
なるほどただの落書きのようだ。
そしてその絵は…。
覗いてみて、ダンテはすごく、すごーく後悔した。
「……この絵こえー」
まるでS子が出てくるという、呪いの動画のよう。
見てしまったダンテの顔が青くなる。
それほどのおそろしさを孕んだ、地面に大きく描かれしディーヴァの落書き。
「えー、失礼だね。どう見ても美術的価値の高い崇高なる幾何学文様式絵画でしょこの魔法陣」
「魔法陣なのかよそれ。ならどっからどう見ても魔獣の召喚陣だろ…」
これが魔法陣だとすると、かの有名なピカソもムンクもびっくりな悪いものを喚び出しそうな魔法陣である。
どんなのかって?そこはご想像にお任せするとしよう。
「とりあえず当面の間ディーヴァが杖を振り回すのは禁止な」
「なんでよ」
「なんでもだ。
期間はそうだな……エクスカリステッキという言葉が浮かばなくなるくらいまで、な」
ダンテは杖をそっと回収すると、至極疲れ切った表情でディーヴァに言い放った。
