魔女と魔獣の日常(小話)
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『エクスカリステッキ☆』
はてさて、ルティア達に教わり魔法の基礎を叩き込んだディーヴァはというと。
「浄化せよ!光の聖槍!シャイニングジャベリンビューティーセレインアローマジカルボッシューーートォウ!!」
ディーヴァの杖から光が上空に放たれ、宙に浮かぶ広大で巨大な白く輝くまぁるい板っぱち。
半透明なアクリルボードのようなそれから、真下に向かって光の光線が雨のように降り注いだ。
とどまるところを知らない光の矢の雨は、地面にあたり多量の砂埃を巻き起こす。
埃混じりの風から身を守るよう、ディーヴァはフードをかぶってその光景をそばに控えるダンテとともに見ていた。
「なんか違うけど、いい感じ」
そう。お察しの良い皆様ならおわかりだろう。
ディーヴァは応用編と称して、ダンテとともに修行(笑)に明け暮れていたのだ。
(笑)なのは、いつにも増して呪文がブッとんでいるからである。
フードをはためかせる風が止み、魔法の痕跡が空気中をゆっくりと霧散するだけとなったさなか、伸びをしてくつろぐディーヴァへダンテが感想を漏らす。
「色々混ざってんぞオイ。しかも呪文長ェわ短くしろよ」
「別にいいじゃん。ちゃんと使えてるんだし」
「まあ、そうかもしれないけどな」
基礎はきちんと出来ていた。それは確実だ。うん。
しかし気を抜けばいつその基礎が崩れるやら…。長年の癖は抜けなさそうだ。
「それより、どーお?」
「ああ、えっとな…」
ダンテがディーヴァの魔法現場へと向かう。
そして、キョロキョロと周りを見回し、腕で大きく丸を作ってみせた。
「駆逐完遂出来てるぜ!」
「野菜は?」
「無事だ、無事。野菜にはほとんど攻撃の被害が及んでない」
「やった!」
ディーヴァ達がいたのは生業である野菜づくりの要。広大な畑である。
今は最盛期を迎えたえんどう豆に大豆、絹さやとそら豆……ひたすら豆ばかりが緑鮮やかに畑を彩っていた。
そしてディーヴァが駆逐していたのは、ディーヴァの敵である野菜につく害虫。アブラムシにカメムシ、そして毛虫に青虫。
魔獣じゃないところはディーヴァらしいといえばらしい。
虫に触りたくないディーヴァにとって、理にかなった魔法の使い方である。
害虫だけをターゲットに野菜を背景として認識し、そしてターゲット以外には被害を出さない…というのを条件にピンポイント狙撃した結果が、これだった。
応用すれば魔獣退治すら夢ではないかもしれない。
魔獣を退治する魔女は仲間にいるし、そうでなくてもダンテもディーヴァもその予定は今のところ皆無だが。
「この魔法の問題点および改善点は?」
「そうだな……しいて言えば攻撃力の低さと、範囲についてか」
「範囲、あれでも狭い?」
「いいや。範囲は広いけどお前ならもっと広くできんじゃねぇかと思ってな」
言われて悪い気はしないが、些か買いかぶりすぎだ。
とはいえ、ディーヴァは褒められて伸びる子!だからもっといっぱい頑張れそう。
目指すは半径1km!えいえいおー!
「でも、攻撃力についてはそんなに必要性は感じないぜ。基本的にディーヴァは敵に襲われる機会少ないだろ?」
「ダンテには襲われる」
「オレは敵じゃないだろうが」
空いている方の指に、優しくダンテの指が絡められ、ぐいと引き寄せられる。
抱きしめられた、と思った時にはその端正な顔が近づき、唇に熱を感じた。
熱い体温の甘く熱い唇に、溶かされそうだ。
ダンテのキスは上手い。上手くて、美味い。
こんなところでなんだがダンテに少し欲情してしまう。
自分が雌の顔をしているのが嫌でもわかった。
漏れそうになる息を悟られぬよう我慢して、ダンテを見つめること数秒。
名残惜しくもダンテは唇を離し、一度ディーヴァの口角に数回口づけを落としていった。
「……確かにこんな優しいキス敵にはしないね」
「そもそもオレはお前の大事なパートナー。おわかり?」
「大事でだいすきなパートナーだもんね」
「おっ、ディーヴァが素直になった。珍獣確定だな」
「もう言わなーい」
珍獣扱いされて腹立ったのか、ディーヴァは口を尖らせ、ダンテから離れた。
畑の中心に歩み寄り、自分の目でもその野菜の様子を確かめてみる。葉を裏返して虫が本当にいないか確かめ、ついでにうどんこ病などの病気になっていないかも見た。
大丈夫なのを認め、ディーヴァは服についた埃をぱんぱんはたいて立ち上がり、ダンテに向き直る。
「さてさて。
そんなパートナーさんと大喧嘩したとします。
真っ向勝負で勝てるくらいの魔法は今後あたしに使えるとパートナーさんは思いますか?」
なんで敬語調?
そう思ったが先に進まなくなるためそこは突っ込まないでおくダンテ。
「ディーヴァは酷いこと聞くのな。そんな喧嘩しないだろうに。
…そうだなぁ、使えるけど使わないに一票」
「使えるけど使わない?」
「使えるようになっても、愛するオレに向かってそんなつええ魔法使わないだろってコト」
「ほーーーー。ずいぶんと自信過剰な事で」
今使ってみようか?と、杖先をぴとりダンテに向ける。
ダンテはその杖先を指でピンと弾いて、自分という標的から外させた。
「でも、相当の努力と根性は必要だと思うぜ」
「ふーん。友情努力勝利?」
「それジャンプのやつだろ。今の話のどこに友情と勝利あった?」
「ないね」
そこただの管理人の趣味である。
とりあえず周りの魔女さん達に魔法を教わりながら、これまでどおり、いやこれまで以上に努力する次第であります。
「えーとあともうひとつ聞くことは、」
「まだあんのかよ」
「魔法のチカラ向上のためのアンケートなんだから、ちゃんと答えてよ」
「はいはい」
よっこいしょ、と畑手前の芝生に腰を下ろして言うディーヴァ。魔法使用後いっときの休憩タイムである。
促されるままディーヴァの隣に座り、ディーヴァの言葉に肩をすくめるダンテ。
「さっきの魔法、応用として使うならどうすればいい?」
「基礎を終えて応用編に入ろうってわけね。
ふむ…オレのベオウルフのヴォルケイノみてぇに使うのもありなんじゃないかと思ったくらいか…」
基礎を終えるのはお前にはまだ早い!と白い犬が声を荒げるのが聞こえるが、先ほどの魔法を応用して先に進みたいとのこと。
ならば自分は思い浮かんだ案を差し出してやるのみ。
「地面にデュクシするってことかぁ」
「おいおいデュクシて。デュクシて」
「……よし、休憩終わり。あともうちょいがんばりますかっと!」
もう休憩は終わりのようだ。スクッと立ち上がったディーヴァの足元には、菓子のカスが落ちている。
…おいおいいつのまに菓子まで食べてたのやら、とギョッとしてダンテはディーヴァを見つめた。
はてさて、ルティア達に教わり魔法の基礎を叩き込んだディーヴァはというと。
「浄化せよ!光の聖槍!シャイニングジャベリンビューティーセレインアローマジカルボッシューーートォウ!!」
ディーヴァの杖から光が上空に放たれ、宙に浮かぶ広大で巨大な白く輝くまぁるい板っぱち。
半透明なアクリルボードのようなそれから、真下に向かって光の光線が雨のように降り注いだ。
とどまるところを知らない光の矢の雨は、地面にあたり多量の砂埃を巻き起こす。
埃混じりの風から身を守るよう、ディーヴァはフードをかぶってその光景をそばに控えるダンテとともに見ていた。
「なんか違うけど、いい感じ」
そう。お察しの良い皆様ならおわかりだろう。
ディーヴァは応用編と称して、ダンテとともに修行(笑)に明け暮れていたのだ。
(笑)なのは、いつにも増して呪文がブッとんでいるからである。
フードをはためかせる風が止み、魔法の痕跡が空気中をゆっくりと霧散するだけとなったさなか、伸びをしてくつろぐディーヴァへダンテが感想を漏らす。
「色々混ざってんぞオイ。しかも呪文長ェわ短くしろよ」
「別にいいじゃん。ちゃんと使えてるんだし」
「まあ、そうかもしれないけどな」
基礎はきちんと出来ていた。それは確実だ。うん。
しかし気を抜けばいつその基礎が崩れるやら…。長年の癖は抜けなさそうだ。
「それより、どーお?」
「ああ、えっとな…」
ダンテがディーヴァの魔法現場へと向かう。
そして、キョロキョロと周りを見回し、腕で大きく丸を作ってみせた。
「駆逐完遂出来てるぜ!」
「野菜は?」
「無事だ、無事。野菜にはほとんど攻撃の被害が及んでない」
「やった!」
ディーヴァ達がいたのは生業である野菜づくりの要。広大な畑である。
今は最盛期を迎えたえんどう豆に大豆、絹さやとそら豆……ひたすら豆ばかりが緑鮮やかに畑を彩っていた。
そしてディーヴァが駆逐していたのは、ディーヴァの敵である野菜につく害虫。アブラムシにカメムシ、そして毛虫に青虫。
魔獣じゃないところはディーヴァらしいといえばらしい。
虫に触りたくないディーヴァにとって、理にかなった魔法の使い方である。
害虫だけをターゲットに野菜を背景として認識し、そしてターゲット以外には被害を出さない…というのを条件にピンポイント狙撃した結果が、これだった。
応用すれば魔獣退治すら夢ではないかもしれない。
魔獣を退治する魔女は仲間にいるし、そうでなくてもダンテもディーヴァもその予定は今のところ皆無だが。
「この魔法の問題点および改善点は?」
「そうだな……しいて言えば攻撃力の低さと、範囲についてか」
「範囲、あれでも狭い?」
「いいや。範囲は広いけどお前ならもっと広くできんじゃねぇかと思ってな」
言われて悪い気はしないが、些か買いかぶりすぎだ。
とはいえ、ディーヴァは褒められて伸びる子!だからもっといっぱい頑張れそう。
目指すは半径1km!えいえいおー!
「でも、攻撃力についてはそんなに必要性は感じないぜ。基本的にディーヴァは敵に襲われる機会少ないだろ?」
「ダンテには襲われる」
「オレは敵じゃないだろうが」
空いている方の指に、優しくダンテの指が絡められ、ぐいと引き寄せられる。
抱きしめられた、と思った時にはその端正な顔が近づき、唇に熱を感じた。
熱い体温の甘く熱い唇に、溶かされそうだ。
ダンテのキスは上手い。上手くて、美味い。
こんなところでなんだがダンテに少し欲情してしまう。
自分が雌の顔をしているのが嫌でもわかった。
漏れそうになる息を悟られぬよう我慢して、ダンテを見つめること数秒。
名残惜しくもダンテは唇を離し、一度ディーヴァの口角に数回口づけを落としていった。
「……確かにこんな優しいキス敵にはしないね」
「そもそもオレはお前の大事なパートナー。おわかり?」
「大事でだいすきなパートナーだもんね」
「おっ、ディーヴァが素直になった。珍獣確定だな」
「もう言わなーい」
珍獣扱いされて腹立ったのか、ディーヴァは口を尖らせ、ダンテから離れた。
畑の中心に歩み寄り、自分の目でもその野菜の様子を確かめてみる。葉を裏返して虫が本当にいないか確かめ、ついでにうどんこ病などの病気になっていないかも見た。
大丈夫なのを認め、ディーヴァは服についた埃をぱんぱんはたいて立ち上がり、ダンテに向き直る。
「さてさて。
そんなパートナーさんと大喧嘩したとします。
真っ向勝負で勝てるくらいの魔法は今後あたしに使えるとパートナーさんは思いますか?」
なんで敬語調?
そう思ったが先に進まなくなるためそこは突っ込まないでおくダンテ。
「ディーヴァは酷いこと聞くのな。そんな喧嘩しないだろうに。
…そうだなぁ、使えるけど使わないに一票」
「使えるけど使わない?」
「使えるようになっても、愛するオレに向かってそんなつええ魔法使わないだろってコト」
「ほーーーー。ずいぶんと自信過剰な事で」
今使ってみようか?と、杖先をぴとりダンテに向ける。
ダンテはその杖先を指でピンと弾いて、自分という標的から外させた。
「でも、相当の努力と根性は必要だと思うぜ」
「ふーん。友情努力勝利?」
「それジャンプのやつだろ。今の話のどこに友情と勝利あった?」
「ないね」
そこただの管理人の趣味である。
とりあえず周りの魔女さん達に魔法を教わりながら、これまでどおり、いやこれまで以上に努力する次第であります。
「えーとあともうひとつ聞くことは、」
「まだあんのかよ」
「魔法のチカラ向上のためのアンケートなんだから、ちゃんと答えてよ」
「はいはい」
よっこいしょ、と畑手前の芝生に腰を下ろして言うディーヴァ。魔法使用後いっときの休憩タイムである。
促されるままディーヴァの隣に座り、ディーヴァの言葉に肩をすくめるダンテ。
「さっきの魔法、応用として使うならどうすればいい?」
「基礎を終えて応用編に入ろうってわけね。
ふむ…オレのベオウルフのヴォルケイノみてぇに使うのもありなんじゃないかと思ったくらいか…」
基礎を終えるのはお前にはまだ早い!と白い犬が声を荒げるのが聞こえるが、先ほどの魔法を応用して先に進みたいとのこと。
ならば自分は思い浮かんだ案を差し出してやるのみ。
「地面にデュクシするってことかぁ」
「おいおいデュクシて。デュクシて」
「……よし、休憩終わり。あともうちょいがんばりますかっと!」
もう休憩は終わりのようだ。スクッと立ち上がったディーヴァの足元には、菓子のカスが落ちている。
…おいおいいつのまに菓子まで食べてたのやら、とギョッとしてダンテはディーヴァを見つめた。
