魔女と魔獣の日常(小話)
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煙上がるそこは気にせず死神の城へ戻ると、ルティアが昔使っていたという書斎へ足を踏み入れる。
所狭しと天井高く棚に詰め込まれた膨大な本の山に、ディーヴァは感嘆の声をあげる。
「ほわぁ…!すっごい数だね。あたしら長生きだし時間あるとはいえ、全部読むの大変だったでしょ」
「挿絵あるのも多いからそんなでもなかったかな。とはいえ、これまで相当な時間は読書に費やしたかもねー」
指をぱちん、ティーセットを用意したルティアは、本格的に休憩を勧める。
次々に指を鳴らし、ティーカップ、ティーポット、シュガーポットにミルクピッチャー、3段重ねのサンドイッチ、ビクトリアスポンジに、クロテッドクリーム添えのスコーン。英国式のアフタヌーンティーの完成だ。
「ささ、そこ座ってお茶しよ」
「うんー?椅子ないけど」
椅子の代わりに…なんだろうか、やたら大きなクッションの塊がある。
すっぽりと、ルティアやディーヴァの体を包んでしまいそうなくらい巨大なそれ。
「見てわからない?これが椅子よ」
ばふっ。言うが早いか、ルティアがそこに倒れこむ。
「これは中に細かいビーズが入ってて、体が良い感じに沈み込む『人をダメにするビーズソファー』っていう椅子。
すっごいクセになるからほら、座ってみて?」
「う、うん…」
ルティアの体の形に沿ってずずずと沈み込んでいくのをどこか怖く感じつつ、ディーヴァも腕を引かれてそれに倣い、ルティアの隣のもう1つに腰掛けた。
「!?
はわわわ………!なにこれしゅごいっ」
「ね?すごいイイでしょ」
正に『人をダメにするビーズソファー』だ。
自分の形に合わせしっかりフィットし、どこも変な負担がなく、包み込まれる。ただただ心地良い。
離れたくないと言う意味で、起き上がるまでには大変そうだ。
頷き返すこともせず、ディーヴァはその感覚に身を任せ、うっとりと陶酔した。
「これに座って。美味しいお茶飲んで。美味しいおやつ食べて。ゆっくり読書して……最後はうたたねスヤスヤ。最オブ高だよね!
……って、聞いてないか」
「あぁん、だらけてしまう…。
もうあたしこのソファーとけっこんするぅ……」
クッションにうずもれたディーヴァは、てろんてろーんと溶けている。
心ここに在らず。
「おーい、ディーヴァ戻ってきてー。ダメだ、返事がない屍のよう……にはなってないか」
確かこういう時のディーヴァをよびもどすには…。
ダンテに聞いた方法を実行すべく、ルティアはスコーンを手に取った。
「おたべー」
こってりとしたクロテッドクリームだけでなく、瑞々しいラズベリージャムをスコーンにたっぷりと塗りたくった物を薄く開いたディーヴァの唇にぴとりと押し付ける。
唇がほんのり甘く感じたか、突如降って湧いたスイーツを補給しようと、ぱかりと口が開きスコーンを頬張る。
無意識で咀嚼して飲み込んだあたりで、ようやくディーヴァが気がついた。
「んむ。……美味しい。んん?」
至近距離で微笑むルティアと目が合う。
そこで初めて、自分がなにをしていたのか思い出した。
しばし思案したディーヴァが口の端についたクリームをべろべろと舐めとり、新たなスコーンを食べる。おいまずはそっちなのか。
だが、ソファーからは決して離れないディーヴァ。
「ディーヴァ、ソファーと結婚なんてしたらパートナーのダンテが怒るよ?」
「やだやだこのソファーがいいんだもん」
手を引いて立ち上がらせようとしてみれば、てこでも離れようとしないディーヴァに呆れてしまう。
「はあー…。お値段以上を売りにしてる家具屋さんにも売ってるから、あとで買いに行きなさいって」
「…………わかった」
結局立ち上がりこそしなかったが、ディーヴァはようやくきちんと座り直し、そしてさらにおやつを頬張った。また食うんかい。
所狭しと天井高く棚に詰め込まれた膨大な本の山に、ディーヴァは感嘆の声をあげる。
「ほわぁ…!すっごい数だね。あたしら長生きだし時間あるとはいえ、全部読むの大変だったでしょ」
「挿絵あるのも多いからそんなでもなかったかな。とはいえ、これまで相当な時間は読書に費やしたかもねー」
指をぱちん、ティーセットを用意したルティアは、本格的に休憩を勧める。
次々に指を鳴らし、ティーカップ、ティーポット、シュガーポットにミルクピッチャー、3段重ねのサンドイッチ、ビクトリアスポンジに、クロテッドクリーム添えのスコーン。英国式のアフタヌーンティーの完成だ。
「ささ、そこ座ってお茶しよ」
「うんー?椅子ないけど」
椅子の代わりに…なんだろうか、やたら大きなクッションの塊がある。
すっぽりと、ルティアやディーヴァの体を包んでしまいそうなくらい巨大なそれ。
「見てわからない?これが椅子よ」
ばふっ。言うが早いか、ルティアがそこに倒れこむ。
「これは中に細かいビーズが入ってて、体が良い感じに沈み込む『人をダメにするビーズソファー』っていう椅子。
すっごいクセになるからほら、座ってみて?」
「う、うん…」
ルティアの体の形に沿ってずずずと沈み込んでいくのをどこか怖く感じつつ、ディーヴァも腕を引かれてそれに倣い、ルティアの隣のもう1つに腰掛けた。
「!?
はわわわ………!なにこれしゅごいっ」
「ね?すごいイイでしょ」
正に『人をダメにするビーズソファー』だ。
自分の形に合わせしっかりフィットし、どこも変な負担がなく、包み込まれる。ただただ心地良い。
離れたくないと言う意味で、起き上がるまでには大変そうだ。
頷き返すこともせず、ディーヴァはその感覚に身を任せ、うっとりと陶酔した。
「これに座って。美味しいお茶飲んで。美味しいおやつ食べて。ゆっくり読書して……最後はうたたねスヤスヤ。最オブ高だよね!
……って、聞いてないか」
「あぁん、だらけてしまう…。
もうあたしこのソファーとけっこんするぅ……」
クッションにうずもれたディーヴァは、てろんてろーんと溶けている。
心ここに在らず。
「おーい、ディーヴァ戻ってきてー。ダメだ、返事がない屍のよう……にはなってないか」
確かこういう時のディーヴァをよびもどすには…。
ダンテに聞いた方法を実行すべく、ルティアはスコーンを手に取った。
「おたべー」
こってりとしたクロテッドクリームだけでなく、瑞々しいラズベリージャムをスコーンにたっぷりと塗りたくった物を薄く開いたディーヴァの唇にぴとりと押し付ける。
唇がほんのり甘く感じたか、突如降って湧いたスイーツを補給しようと、ぱかりと口が開きスコーンを頬張る。
無意識で咀嚼して飲み込んだあたりで、ようやくディーヴァが気がついた。
「んむ。……美味しい。んん?」
至近距離で微笑むルティアと目が合う。
そこで初めて、自分がなにをしていたのか思い出した。
しばし思案したディーヴァが口の端についたクリームをべろべろと舐めとり、新たなスコーンを食べる。おいまずはそっちなのか。
だが、ソファーからは決して離れないディーヴァ。
「ディーヴァ、ソファーと結婚なんてしたらパートナーのダンテが怒るよ?」
「やだやだこのソファーがいいんだもん」
手を引いて立ち上がらせようとしてみれば、てこでも離れようとしないディーヴァに呆れてしまう。
「はあー…。お値段以上を売りにしてる家具屋さんにも売ってるから、あとで買いに行きなさいって」
「…………わかった」
結局立ち上がりこそしなかったが、ディーヴァはようやくきちんと座り直し、そしてさらにおやつを頬張った。また食うんかい。
