魔女と魔獣の日常(小話)
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『ハロウィン限定の魔法』
「ディーヴァ!ハッピーハロウィーーーン!!トリックオア、」
「はいダンテお菓子」
本日は晴天。すばらしきハロウィン日和なり。
ダンテはディーヴァの体に後ろから抱きつき、そして尻尾の白蛇までもがディーヴァの体に絡みつくという、体全体を使っただいしゅきホールドした。
そして言い放つ、ハロウィンお決まりのあの言葉!
マジックカード発動かのように言ったダンテであったが、トラップカードオープンもびっくりの速さで、ディーヴァから用意されていたのであろう菓子が手渡された。
この匂い、焼きたてほやほやのアップルパイとパンプキンパイか!
独特の甘い香りとともに食欲を刺激するシナモンの匂いも漂っている。
ご丁寧にも一口サイズに作られているようで、これなら白蛇も食べられるはずだ。ディーヴァナイス!
だがダンテとしては菓子は嬉しいけど、予定としては嬉しくない。
「はやっ!せめて全部言わせろよ…」
「だってこのやりとり前もやったから」
慣れって怖い。どっかずれている上に、年齢だけ見るとおばあちゃんと言ってもおかしくないディーヴァさえ、慣れて覚えてしまっている。
焼きたてアップルパイをもしゃもしゃ、淹れたお茶をズズズと番茶か何かのように食べるディーヴァ(ダンテ「おい、行動までババくさくなってんぞ」)を見つつ、ダンテはションボリと項垂れる。
悪戯したかった、と。
「そもそもダンテ全然仮装してなくない?それでお菓子強請るとか、都合良すぎだよ」
「仮装なら毎日してるだろ、この尻尾と耳を見よ!」
「それ仮装なの?もともとじゃん」
「仮装みたいなもんだろ」
仮装といえば、仮装である。
契約しているというのに、完全なる人の姿を取れない以上、そう本人が思っても仕方がない。
いやなら魔力のパワーアップに精進せいディーヴァ!
「だいたい、よく見てみろ。尻尾の白蛇を!!」
ダンテの指摘のまま、尻尾ははいちゅーもく!
「蛇じゃないっ!?」
蛇だけども、蛇じゃない。
それの意味するところは見れば一目瞭然、蛇の頭部はかわいそうにパンプキンヘッドの被り物をつけられていた。
「な?仮装してるだろ」
「仮装ねぇ…うーん、かわいそうな気がするけど、まあいいか」
いいのかよ。
と蛇は被り物の下でもごもごつぶやいた。
「ダンテがあたしに悪戯したいならすればいいよ。ただしあたしが気に入らない悪戯だったら杖でやり返すからね」
杖で、ということは叩くという手法か。
ここで悪戯を魔法で仕返すなんてこと、とてもじゃないがディーヴァにはできないだろうし。
杖=物理の法則が出来上がりつつある。
「お前ほんとにディーヴァか?魔女じゃない普通のディーヴァは、そこまで手が早くねーぞ」
「よそはよそ!うちはうち!」
武器というシロモノは、時に人を変えてしまうもの。
杖を持ったことで、ディーヴァは猟奇的な彼女へと進化を遂げた!
「そういうダンテこそいったいどんな悪戯しようとしてたのかな、かな??」
折れることはないが、杖をへし折る勢いで握りしめるディーヴァの目は笑っていない。
おっと!よく聞けば口調も某蝉が鳴く頃にのヤンデレ系美少女のそれだ。めっちゃこわい。
「もちろん!パンツ脱がせて、「天誅!」ぶぎゃっ!」
が、ダンテは臆することなく自らの欲望のまま答え、ディーヴァの振りかぶった杖の殴る攻撃によって地に沈められた。
杖、強し!
ダンテが復活した頃、ディーヴァが新たに淹れ直したお茶(さっきは普通の紅茶だったが、今度は魔女特性の虹色の紅茶だ。…高級なやつか)片手にぼそっとつぶやく。
「トリックオアトリートかあ…」
「ん?ハロウィンになんか思い入れがあんのか?」
「まあね」
ダンテの分のお茶を手渡しながら、ディーヴァはふと笑う。
自嘲気味のようでいて、しかし魔女らしく妖艶さも滲む、弧を描いた唇と微笑。
「あたしの秘密の呪文、教えてあげよっか」
「お、ディーヴァの秘密か。そりゃいい、ききてぇな」
ツツツと、ダンテの頬を爪で掻くようになぞり、魔獣たる証ともとれる羽耳に囁くように紡がれた言葉。
至近距離のディーヴァをそっと抱き寄せれば、いつもよりも強く菓子作りの匂いが香ってきた。
今ならディーヴァを食むだけで甘そうだ。
閨での戯れあいにも似たやりとりに、ダンテは気を良くしてそのままディーヴァの首筋に唇を寄せる。
ディーヴァはくすぐったそうに笑ってただ身をよじるだけだった。
「しかしはたして秘密なんか聞いてもいいものか…」
「なんで?」
「女は秘密を着飾って綺麗になるんだろ」
ダンテ、それは体は子供で頭脳は大人の探偵ものに出てくる有名なセリフではないか。
菓子の香りを纏い、仲睦まじくその場でチークダンスを楽しむ2人だったが、ディーヴァの一言でそれは終わりを迎える。
「え、綺麗でしょ?」
「!」
ダンスを終わらせたのはダンテ。
ぴたりと立ち止まるのは、ダンテが先だったのだ。
「自分で綺麗とか言った!」
「うん、言うよ。だっていつも周りとかお外とか掃除して綺麗にしてるでしょ?」
「そっちかよ」
「当たり前でしょ。整理整頓だいじ、こまめな掃除もだいじ。
そういえばダンテ、この前庭掃除してまとめといたやつ運んどいてって言ったのに、あろうことか散らかしてそのままでしょ。片付けはちゃんとしてよね」さ
おっと、余計なこと言ったせいで、墓穴掘った。
お小言は聞きたくない。馬の耳に念仏、豚に真珠だ。
あ、猫に小判も意味が同じだから獅子である自身としてはそちらの方が的を得ているか。
それにしても相変わらずどこかずれているディーヴァ。
いや、そんなおとぼけディーヴァだからこそ、好きになった部分もあるのだからいいのだが…。
コトン、一度置いた杖を手に取り、ダンテの鼻先に突きつけるディーヴァ。
視線には再び色香をたたえており、魔女の妖艶さが垣間見えた。
「とりあえず…その呪文はね、ハロウィンだけの一年に一度しか使えないまぼろしの呪文なんだよ」
「レアガチャで星5つのレア引くくらい希少な、そんな呪文使わないのかよ。もったいねぇな」
レアガチャに例えるなし。
「少しだけ人に迷惑かけちゃうから、使わないの」
「…破壊神でも召喚して辺り一面火の海、とかじゃねぇだろうな」
某巨神兵によりもたらされた火の七日間状態にでもなったらどうするんだ、とダンテにしては珍しくガタプル。
って、もう名前出ちゃってるよ。
「どう思う?」
耳に生えた獣の毛をぶわり、逆立てるダンテを試すかのようにディーヴァが聞くので、ダンテは何も言えずにただただゴクリと喉を鳴らした。
「まぁ、見て判断するのがベストかな。…と!いうわけでお庭へ出て机を用意してくださいなダンテくん」
「なんで机!?」
言われるがままに外へ出ると、学校の体育館にあるような折りたたみ机が。
これを組み立てて設置するようである。
「てかどこにあったんだこんなの!?」
「ふふふ、乙女のひーみーつー」
「乙女?どこに乙女がい「ん゛?」セッテングは任せろー!バリバリー!」
慌てて設置すれば、杖の一振りでその上に真っ白レースのテーブルクロスに、紅茶用ティーセットのカップ&ソーサー、ティーポット、ティーコゼーやミルクとシュガーポットなど、一通り揃った。
わーい魔法ってすげー。
だが、菓子だけがない。菓子だけ。
「ではいきまーす」
キュポッと杖の先にパンプキンヘッド(手作りのようだがなぜかぴかぴか光ってる)を装着し、咳払いひとつ。
ディーヴァは両手でしっかと握った大きな杖を高々と掲げ、そして呪文を唱えた。
「捧げられる供物よ!すべてが我が糧となれ!
トリックオアトリィィィト!!!!」
「ディーヴァ!ハッピーハロウィーーーン!!トリックオア、」
「はいダンテお菓子」
本日は晴天。すばらしきハロウィン日和なり。
ダンテはディーヴァの体に後ろから抱きつき、そして尻尾の白蛇までもがディーヴァの体に絡みつくという、体全体を使っただいしゅきホールドした。
そして言い放つ、ハロウィンお決まりのあの言葉!
マジックカード発動かのように言ったダンテであったが、トラップカードオープンもびっくりの速さで、ディーヴァから用意されていたのであろう菓子が手渡された。
この匂い、焼きたてほやほやのアップルパイとパンプキンパイか!
独特の甘い香りとともに食欲を刺激するシナモンの匂いも漂っている。
ご丁寧にも一口サイズに作られているようで、これなら白蛇も食べられるはずだ。ディーヴァナイス!
だがダンテとしては菓子は嬉しいけど、予定としては嬉しくない。
「はやっ!せめて全部言わせろよ…」
「だってこのやりとり前もやったから」
慣れって怖い。どっかずれている上に、年齢だけ見るとおばあちゃんと言ってもおかしくないディーヴァさえ、慣れて覚えてしまっている。
焼きたてアップルパイをもしゃもしゃ、淹れたお茶をズズズと番茶か何かのように食べるディーヴァ(ダンテ「おい、行動までババくさくなってんぞ」)を見つつ、ダンテはションボリと項垂れる。
悪戯したかった、と。
「そもそもダンテ全然仮装してなくない?それでお菓子強請るとか、都合良すぎだよ」
「仮装なら毎日してるだろ、この尻尾と耳を見よ!」
「それ仮装なの?もともとじゃん」
「仮装みたいなもんだろ」
仮装といえば、仮装である。
契約しているというのに、完全なる人の姿を取れない以上、そう本人が思っても仕方がない。
いやなら魔力のパワーアップに精進せいディーヴァ!
「だいたい、よく見てみろ。尻尾の白蛇を!!」
ダンテの指摘のまま、尻尾ははいちゅーもく!
「蛇じゃないっ!?」
蛇だけども、蛇じゃない。
それの意味するところは見れば一目瞭然、蛇の頭部はかわいそうにパンプキンヘッドの被り物をつけられていた。
「な?仮装してるだろ」
「仮装ねぇ…うーん、かわいそうな気がするけど、まあいいか」
いいのかよ。
と蛇は被り物の下でもごもごつぶやいた。
「ダンテがあたしに悪戯したいならすればいいよ。ただしあたしが気に入らない悪戯だったら杖でやり返すからね」
杖で、ということは叩くという手法か。
ここで悪戯を魔法で仕返すなんてこと、とてもじゃないがディーヴァにはできないだろうし。
杖=物理の法則が出来上がりつつある。
「お前ほんとにディーヴァか?魔女じゃない普通のディーヴァは、そこまで手が早くねーぞ」
「よそはよそ!うちはうち!」
武器というシロモノは、時に人を変えてしまうもの。
杖を持ったことで、ディーヴァは猟奇的な彼女へと進化を遂げた!
「そういうダンテこそいったいどんな悪戯しようとしてたのかな、かな??」
折れることはないが、杖をへし折る勢いで握りしめるディーヴァの目は笑っていない。
おっと!よく聞けば口調も某蝉が鳴く頃にのヤンデレ系美少女のそれだ。めっちゃこわい。
「もちろん!パンツ脱がせて、「天誅!」ぶぎゃっ!」
が、ダンテは臆することなく自らの欲望のまま答え、ディーヴァの振りかぶった杖の殴る攻撃によって地に沈められた。
杖、強し!
ダンテが復活した頃、ディーヴァが新たに淹れ直したお茶(さっきは普通の紅茶だったが、今度は魔女特性の虹色の紅茶だ。…高級なやつか)片手にぼそっとつぶやく。
「トリックオアトリートかあ…」
「ん?ハロウィンになんか思い入れがあんのか?」
「まあね」
ダンテの分のお茶を手渡しながら、ディーヴァはふと笑う。
自嘲気味のようでいて、しかし魔女らしく妖艶さも滲む、弧を描いた唇と微笑。
「あたしの秘密の呪文、教えてあげよっか」
「お、ディーヴァの秘密か。そりゃいい、ききてぇな」
ツツツと、ダンテの頬を爪で掻くようになぞり、魔獣たる証ともとれる羽耳に囁くように紡がれた言葉。
至近距離のディーヴァをそっと抱き寄せれば、いつもよりも強く菓子作りの匂いが香ってきた。
今ならディーヴァを食むだけで甘そうだ。
閨での戯れあいにも似たやりとりに、ダンテは気を良くしてそのままディーヴァの首筋に唇を寄せる。
ディーヴァはくすぐったそうに笑ってただ身をよじるだけだった。
「しかしはたして秘密なんか聞いてもいいものか…」
「なんで?」
「女は秘密を着飾って綺麗になるんだろ」
ダンテ、それは体は子供で頭脳は大人の探偵ものに出てくる有名なセリフではないか。
菓子の香りを纏い、仲睦まじくその場でチークダンスを楽しむ2人だったが、ディーヴァの一言でそれは終わりを迎える。
「え、綺麗でしょ?」
「!」
ダンスを終わらせたのはダンテ。
ぴたりと立ち止まるのは、ダンテが先だったのだ。
「自分で綺麗とか言った!」
「うん、言うよ。だっていつも周りとかお外とか掃除して綺麗にしてるでしょ?」
「そっちかよ」
「当たり前でしょ。整理整頓だいじ、こまめな掃除もだいじ。
そういえばダンテ、この前庭掃除してまとめといたやつ運んどいてって言ったのに、あろうことか散らかしてそのままでしょ。片付けはちゃんとしてよね」さ
おっと、余計なこと言ったせいで、墓穴掘った。
お小言は聞きたくない。馬の耳に念仏、豚に真珠だ。
あ、猫に小判も意味が同じだから獅子である自身としてはそちらの方が的を得ているか。
それにしても相変わらずどこかずれているディーヴァ。
いや、そんなおとぼけディーヴァだからこそ、好きになった部分もあるのだからいいのだが…。
コトン、一度置いた杖を手に取り、ダンテの鼻先に突きつけるディーヴァ。
視線には再び色香をたたえており、魔女の妖艶さが垣間見えた。
「とりあえず…その呪文はね、ハロウィンだけの一年に一度しか使えないまぼろしの呪文なんだよ」
「レアガチャで星5つのレア引くくらい希少な、そんな呪文使わないのかよ。もったいねぇな」
レアガチャに例えるなし。
「少しだけ人に迷惑かけちゃうから、使わないの」
「…破壊神でも召喚して辺り一面火の海、とかじゃねぇだろうな」
某巨神兵によりもたらされた火の七日間状態にでもなったらどうするんだ、とダンテにしては珍しくガタプル。
って、もう名前出ちゃってるよ。
「どう思う?」
耳に生えた獣の毛をぶわり、逆立てるダンテを試すかのようにディーヴァが聞くので、ダンテは何も言えずにただただゴクリと喉を鳴らした。
「まぁ、見て判断するのがベストかな。…と!いうわけでお庭へ出て机を用意してくださいなダンテくん」
「なんで机!?」
言われるがままに外へ出ると、学校の体育館にあるような折りたたみ机が。
これを組み立てて設置するようである。
「てかどこにあったんだこんなの!?」
「ふふふ、乙女のひーみーつー」
「乙女?どこに乙女がい「ん゛?」セッテングは任せろー!バリバリー!」
慌てて設置すれば、杖の一振りでその上に真っ白レースのテーブルクロスに、紅茶用ティーセットのカップ&ソーサー、ティーポット、ティーコゼーやミルクとシュガーポットなど、一通り揃った。
わーい魔法ってすげー。
だが、菓子だけがない。菓子だけ。
「ではいきまーす」
キュポッと杖の先にパンプキンヘッド(手作りのようだがなぜかぴかぴか光ってる)を装着し、咳払いひとつ。
ディーヴァは両手でしっかと握った大きな杖を高々と掲げ、そして呪文を唱えた。
「捧げられる供物よ!すべてが我が糧となれ!
トリックオアトリィィィト!!!!」
