お前ら何Takeすんだよ
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ディーヴァの部屋で寝る直前のナイトティーを楽しみながら、本日を振り返る。
思うのは儀式の事。
「でもさあ…」
「ん?」
「いついかなる時もって、まるで結婚式の誓いの言葉みたいだよねぇ」
「全体的にそれ感あるよな」
「ねー」
「でも結婚と変わらなかろうと、なーんも問題ないだろ」
最初はそんなつもりなかった。
けれど、何度も仮契約の儀をやり直した際のあのやりとり…。これまでの女と過ごして来た年月ではついぞ体験する事のなかった些細なやりとりが、新鮮で楽しかった。
今までの魔女とは、夜の営みや単なる魔力のやりとり、そんな事ばかりしてきたからだが。
何のことない言い争いが、まるで痴話喧嘩のようで幸せを感じた。
ディーヴァとは、こうしてずっと共にいたい。
これからを一緒に歩んで行きたい。
それは結婚と何も変わらない。
だがディーヴァの答えは、ダンテにとって望む物ではなかった。
「あはは!結婚なんてしないよー!
だって結婚ってさ、生涯ずーーーっと一緒にいる人とすることでしょ?ダンテは結婚相手じゃなくてパートナーだもの」
「は?」
「なぁに?『は?』って」
体の交わりだって済ませた。それも、ディーヴァはハジメテをダンテに許すほどの好い仲。
愛し愛されの仲だと思っていたのは、ダンテだけだったか。
いや、まだこの魔女は、男女間での愛というものをそこまで理解していない、ただそれだけに違いないッ!
「よろしい、そのあたりは今度ベッドの上でじっくりねっとり体同士で話し合おう。考え方に相違が生じてるみたいだしな」
じっくりねっとり体同士で、その意味がわからない魔女・ディーヴァではない。
今度、というからには、今夜ではないのが救いだ。
「そうだね。逃げるけど」
「逃がさん」
「わっ」
そう言ってダンテはディーヴァを腕に閉じ込めた。
キツく抱きしめて、そしてその体をこちょこちょとくすぐり、ケラケラと笑い合う。
ディーヴァは浮いた涙をぬぐいながら、拘束してくるダンテの腕を軽く叩いた。
「とにかく……」
「とにかく?」
「契約中、熱っ~~~苦しかった!」
ためてためて、そして言う。
「あー…契約の言葉言ってる時は、意図して温度調節できないもんなぁ。
でも今はもう、前よりも熱く感じないだろ。もとより、火浣布もあっただろうけどよ」
「うん」
「仮とはいえ契約したから、意図しない限り火傷もしないぜ。
意図しない限り、な」
火浣布の力もあれど、その効力以上に普段のダンテは自分の体温で他の者が火傷しないよう、温度を調整している。
が、契約の儀式中はそれが出来ない。
だからディーヴァは、熱さを我慢せざるを得なかった。
「そうだねぇ。フツーに触れるようになって余計ベーコンみが増したよね!」
「うっせ」
ダンテが首に巻いている、マフラーのような暑苦しい襟巻。
これは魔獣時の燃える鬣の象徴のような物らしいが、その見た目はどこかベーコンに似ている。
そのベーコン…前は少し熱く感じていたため焼いたベーコン状態だったが、今は温度を感じない。
まさにベーコンである。
そのベーコン(笑)を外し、ベッドサイドへ置くと、ダンテはディーヴァの手を握る。
握った手を自然に指を絡ませていき、ディーヴァの顔に近づく。
ディーヴァの顔、そのすぐ下に輝くチョーカーについた純白の羽。飾られた赤い石のチョーカーに自分の瞳が映り込む。
それを見ていたら、ものすごく大事なことを思い出した。
「おっとそうだった。仮契約のシルシもつくらねぇとな」
「何それ」
「まあ、仮契約しましたーって証拠みたいなモン。
作らない場合もあるけど、基本的に信頼するパートナー同士は作るらしいぞ」
ダンテは今までの魔女との間に、『シルシ』を作る事はなかった。
ディーヴァとなら、作ってもいい。いや、作りたいのだ。
「お前は仮契約自体初めてで教えてくれる奴もいなかったんだろ?知らなくて当然かもな。
…ぬっふっふっふ!お前のハジメテ、結構オレがいただいてるなァ。
オレは今!征服感をヒシヒシと感じている!」
「気持ち悪い笑い方しないでよ」
「気持ち悪くなんかねぇだろ。
今作っちまうから、おら…手ェ出せ」
渋い顔で返事するディーヴァに、宙に手を出させると、ダンテ自身も宙に手をかざす。
魔力を放出するように指示すると、互いの間に炎と光が混じり合ったような発光する鎖が伸びていった。
それと同時、少量とはいえ力が抜ける感覚。
「わー。ただでさえ不足してるのに魔力がまた減少するぅ…」
「オレもなんだから我慢しろ。明日ゆっくり休んでりゃいいだろ」
「ダンテはあたしと違っていっぱい魔力あるんでしょ?比べないで欲しいなぁ」
2人のちょうど中間地点でガチャリと繋がった鎖が、大きく膨れ上がり、何かを形成していく。
そのサマはまるで。
「なーんかこの感じ、ポケモンがメガ進化する時と似てるよね」
「いうな、オレもそう思ったんだから。つか、メガ進化知らねーやついたらどうすんだよ」
「アニポケの方なのでググるといい」
そうしてキラキラと発光しながらゆっくり落ちてきたのは、羽毛と兎の模様が刻まれた2つの赤い宝石だった。
「これを契約のシルシに持ち歩くんだが…でっか!」
「持ち歩くのとか無理ぽ」
ただ、それは小さくもなく身につけるのも無理そうな、大粒のものだった。
すでにアミュレットを身につけているダンテとしては、これ以上重そうなものを持っていたくはない。
「ディーヴァのチョーカーにつけるのに良さげなのを錬成したつもりが…まさかこんなでかくなるとは。
とりあえずブローチにでも加工するか?」
「ブローチにしたって大きすぎてつけらんないよ」
「腰のリボンにでもつけりゃいい」
「やだーそれでも重くなるぅ」
「じゅうぶん重いから大丈「ん゛!?」ナンデモアリマセン。あとでカメオにでも加工するから、そっから考えておくな」
「あいさー」
契約のシルシが出来上がったところで、ダンテはディーヴァを呼ぶ。
おずおずとだがダンテの腕の中にすっぽりと収まったディーヴァは、2人でディーヴァのふかふかのベッドに横になった。
いつもはベッドサイドランプをつけるが、満月の月明かりだけで事足りるほの明るい室内。
月明かりに照らされる互いの顔を眺め、額をくっつけて就寝の会話。
「なあ、次の満月でいいからそのまま本契約もしちまおうぜ?」
「や」
「や、かぁ。…恋人としてもう少し関係が深くなったら、本契約してくれるのか?」
「…どうだろうね」
ディーヴァの柔らかな髪を撫でながら想いを吐露する。
「オレな、最初はめんどくなったら、仮契約解除して逃げちまおうと考えてたんだ。そんな軽い気持ちでディーヴァと仮契約しようって、出会った頃考えてた」
「うん、それで?」
「でも本気になったんだ」
「それ他の魔女にも言ってたりしない?」
そう心配する気持ちはわかる。
愛しげに撫で、そして髪を梳くこの動きで、想いがディーヴァに伝わればいいのに。
「するもんか。シルシ作ったのだって初めてなんだぜ。いつかはディーヴァと結婚だってしたいんだ」
切ないまでの目を向けられ、ディーヴァはしばしダンテを見つめた。
しかし、答えはうまくまとめられなかったようだ。
「……今日は疲れちゃった。だから、夢の中でゆっくり考えさせて。
今はこうして、一緒に眠るだけで勘弁して?」
「わかってるよ。ディーヴァは魔獣が苦手、だもんな」
しばらくは仮契約者兼恋人以上、本契約者兼夫婦未満、という長ったらしい名前の状態が続きそうだ。
時間はたっぷりある。長い長い刻の中で、変わっていけばいい。
…半獣化ははやくどうにかしたいけれども。
思うのは儀式の事。
「でもさあ…」
「ん?」
「いついかなる時もって、まるで結婚式の誓いの言葉みたいだよねぇ」
「全体的にそれ感あるよな」
「ねー」
「でも結婚と変わらなかろうと、なーんも問題ないだろ」
最初はそんなつもりなかった。
けれど、何度も仮契約の儀をやり直した際のあのやりとり…。これまでの女と過ごして来た年月ではついぞ体験する事のなかった些細なやりとりが、新鮮で楽しかった。
今までの魔女とは、夜の営みや単なる魔力のやりとり、そんな事ばかりしてきたからだが。
何のことない言い争いが、まるで痴話喧嘩のようで幸せを感じた。
ディーヴァとは、こうしてずっと共にいたい。
これからを一緒に歩んで行きたい。
それは結婚と何も変わらない。
だがディーヴァの答えは、ダンテにとって望む物ではなかった。
「あはは!結婚なんてしないよー!
だって結婚ってさ、生涯ずーーーっと一緒にいる人とすることでしょ?ダンテは結婚相手じゃなくてパートナーだもの」
「は?」
「なぁに?『は?』って」
体の交わりだって済ませた。それも、ディーヴァはハジメテをダンテに許すほどの好い仲。
愛し愛されの仲だと思っていたのは、ダンテだけだったか。
いや、まだこの魔女は、男女間での愛というものをそこまで理解していない、ただそれだけに違いないッ!
「よろしい、そのあたりは今度ベッドの上でじっくりねっとり体同士で話し合おう。考え方に相違が生じてるみたいだしな」
じっくりねっとり体同士で、その意味がわからない魔女・ディーヴァではない。
今度、というからには、今夜ではないのが救いだ。
「そうだね。逃げるけど」
「逃がさん」
「わっ」
そう言ってダンテはディーヴァを腕に閉じ込めた。
キツく抱きしめて、そしてその体をこちょこちょとくすぐり、ケラケラと笑い合う。
ディーヴァは浮いた涙をぬぐいながら、拘束してくるダンテの腕を軽く叩いた。
「とにかく……」
「とにかく?」
「契約中、熱っ~~~苦しかった!」
ためてためて、そして言う。
「あー…契約の言葉言ってる時は、意図して温度調節できないもんなぁ。
でも今はもう、前よりも熱く感じないだろ。もとより、火浣布もあっただろうけどよ」
「うん」
「仮とはいえ契約したから、意図しない限り火傷もしないぜ。
意図しない限り、な」
火浣布の力もあれど、その効力以上に普段のダンテは自分の体温で他の者が火傷しないよう、温度を調整している。
が、契約の儀式中はそれが出来ない。
だからディーヴァは、熱さを我慢せざるを得なかった。
「そうだねぇ。フツーに触れるようになって余計ベーコンみが増したよね!」
「うっせ」
ダンテが首に巻いている、マフラーのような暑苦しい襟巻。
これは魔獣時の燃える鬣の象徴のような物らしいが、その見た目はどこかベーコンに似ている。
そのベーコン…前は少し熱く感じていたため焼いたベーコン状態だったが、今は温度を感じない。
まさにベーコンである。
そのベーコン(笑)を外し、ベッドサイドへ置くと、ダンテはディーヴァの手を握る。
握った手を自然に指を絡ませていき、ディーヴァの顔に近づく。
ディーヴァの顔、そのすぐ下に輝くチョーカーについた純白の羽。飾られた赤い石のチョーカーに自分の瞳が映り込む。
それを見ていたら、ものすごく大事なことを思い出した。
「おっとそうだった。仮契約のシルシもつくらねぇとな」
「何それ」
「まあ、仮契約しましたーって証拠みたいなモン。
作らない場合もあるけど、基本的に信頼するパートナー同士は作るらしいぞ」
ダンテは今までの魔女との間に、『シルシ』を作る事はなかった。
ディーヴァとなら、作ってもいい。いや、作りたいのだ。
「お前は仮契約自体初めてで教えてくれる奴もいなかったんだろ?知らなくて当然かもな。
…ぬっふっふっふ!お前のハジメテ、結構オレがいただいてるなァ。
オレは今!征服感をヒシヒシと感じている!」
「気持ち悪い笑い方しないでよ」
「気持ち悪くなんかねぇだろ。
今作っちまうから、おら…手ェ出せ」
渋い顔で返事するディーヴァに、宙に手を出させると、ダンテ自身も宙に手をかざす。
魔力を放出するように指示すると、互いの間に炎と光が混じり合ったような発光する鎖が伸びていった。
それと同時、少量とはいえ力が抜ける感覚。
「わー。ただでさえ不足してるのに魔力がまた減少するぅ…」
「オレもなんだから我慢しろ。明日ゆっくり休んでりゃいいだろ」
「ダンテはあたしと違っていっぱい魔力あるんでしょ?比べないで欲しいなぁ」
2人のちょうど中間地点でガチャリと繋がった鎖が、大きく膨れ上がり、何かを形成していく。
そのサマはまるで。
「なーんかこの感じ、ポケモンがメガ進化する時と似てるよね」
「いうな、オレもそう思ったんだから。つか、メガ進化知らねーやついたらどうすんだよ」
「アニポケの方なのでググるといい」
そうしてキラキラと発光しながらゆっくり落ちてきたのは、羽毛と兎の模様が刻まれた2つの赤い宝石だった。
「これを契約のシルシに持ち歩くんだが…でっか!」
「持ち歩くのとか無理ぽ」
ただ、それは小さくもなく身につけるのも無理そうな、大粒のものだった。
すでにアミュレットを身につけているダンテとしては、これ以上重そうなものを持っていたくはない。
「ディーヴァのチョーカーにつけるのに良さげなのを錬成したつもりが…まさかこんなでかくなるとは。
とりあえずブローチにでも加工するか?」
「ブローチにしたって大きすぎてつけらんないよ」
「腰のリボンにでもつけりゃいい」
「やだーそれでも重くなるぅ」
「じゅうぶん重いから大丈「ん゛!?」ナンデモアリマセン。あとでカメオにでも加工するから、そっから考えておくな」
「あいさー」
契約のシルシが出来上がったところで、ダンテはディーヴァを呼ぶ。
おずおずとだがダンテの腕の中にすっぽりと収まったディーヴァは、2人でディーヴァのふかふかのベッドに横になった。
いつもはベッドサイドランプをつけるが、満月の月明かりだけで事足りるほの明るい室内。
月明かりに照らされる互いの顔を眺め、額をくっつけて就寝の会話。
「なあ、次の満月でいいからそのまま本契約もしちまおうぜ?」
「や」
「や、かぁ。…恋人としてもう少し関係が深くなったら、本契約してくれるのか?」
「…どうだろうね」
ディーヴァの柔らかな髪を撫でながら想いを吐露する。
「オレな、最初はめんどくなったら、仮契約解除して逃げちまおうと考えてたんだ。そんな軽い気持ちでディーヴァと仮契約しようって、出会った頃考えてた」
「うん、それで?」
「でも本気になったんだ」
「それ他の魔女にも言ってたりしない?」
そう心配する気持ちはわかる。
愛しげに撫で、そして髪を梳くこの動きで、想いがディーヴァに伝わればいいのに。
「するもんか。シルシ作ったのだって初めてなんだぜ。いつかはディーヴァと結婚だってしたいんだ」
切ないまでの目を向けられ、ディーヴァはしばしダンテを見つめた。
しかし、答えはうまくまとめられなかったようだ。
「……今日は疲れちゃった。だから、夢の中でゆっくり考えさせて。
今はこうして、一緒に眠るだけで勘弁して?」
「わかってるよ。ディーヴァは魔獣が苦手、だもんな」
しばらくは仮契約者兼恋人以上、本契約者兼夫婦未満、という長ったらしい名前の状態が続きそうだ。
時間はたっぷりある。長い長い刻の中で、変わっていけばいい。
…半獣化ははやくどうにかしたいけれども。
