仮契約前に肉体契約しました
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昼間だった刻はいつのまにか夕暮れへ。
夕暮れは夜の帳をおろし、青から赤、赤から濃紺へと変わった。
今はすでに星々が瞬いている。
そんな美しい星空を臨む窓の下、ディーヴァの恨みがましそうな声が聞こえた。
「うー…腰が痛い。女性はみんなこんななの…?」
「使い慣れない筋肉使うからなあ。そういうもんなんじゃないか?」
「むうう、他人事みたいに……!」
頬を膨らませ、ゴロンと再び横になる。
行為の名残で湿り気を帯び、その激しさを物語る皺の寄ったシーツ。すごく…気持ち悪いです…。
「あ゛ーーー。魔獣とヘンナコトしちゃったよぉぉ…!」
最悪気分で枕を叩く。ついでに足もバタバタと動かしベッドの上で暴れまわるディーヴァ。
そんなディーヴァを見て、隣ではダンテがケラケラと笑っていた。
「ヘンナコトじゃなくて、イイコトだろ」
「うううう~!ヘンナコトだよ…!」
叩いてへこんだ枕に顔を押し付け、さめざめと泣く。嘘泣きだけれども。
多分嘘泣きだとわかっているだろう、ダンテは突如思いついたとばかりに変な冗談を織り交ぜてきた。
「んなに泣くほどの事じゃねぇと思うぜ。
あ、啼くほどのことではあるけどな!」
「上手いこと言ったと思ってるでしょ。全然上手くないし面白くもなんともない」
「冗談は上手くなかったかもしれないけど、床上手だったろ?」
湿ったシーツも隠れるくらいには使える。
どうせこのあと洗うのだからと、ディーヴァは手繰り寄せたシーツをばふっと被った。
「黙秘権を行使します」
シーツの中に隠れたディーヴァの多分頭があるだろう場所を、上から撫でるダンテ。
その手つきには欲のかけらもなく、ただただ愛しさだけが感じとれる。
「まあ…ンなにショック?なら、責任取るよ。
責任取って契約しよう」
シーツからひょっこりディーヴァの顔が覗いた。顔には胡散臭い、と書いてある。
「……魔女と魔獣のけいやくぅ~?
『僕と契約して魔法少女になってよ』って?」
「オレの一人称僕じゃねぇしお前既に魔女だろ。契約っつっても、最初は仮契約からになるけどな」
「ぬぅ……そりゃそうだろうけど……」
しばし考え込んだディーヴァ。ダンテの表情を伺ってからおずおずと発言する。
「こんなあたしと?」
「うん。むしろお前としたい。…お前を守りたい。ダメか?」
「……ダメじゃない…けど、あたしと契約しても得になる事あんまりないんじゃないかな。
悪いことしちゃったな、っていう罪悪感からなら契約しない方がいいと思うの」
自分に自信がない。
一応魔女として生を受けて、魔女として生きてきた。魔女としての生業もこなしている。
それでも自分は他の魔女と違う。他の魔女と比べると、どうしても実力も経験も劣る。…劣等感の塊。
「罪悪感?それは違う。
さっき体に散々教えたはずなんだがな?」
「え?」
ディーヴァをシーツの塊から取り出し、両頬を手で挟んで額をくっつける。
唇ごと食べられるような口づけを送られ、ダンテの想いが伝わってくる。
好きだからこういう事をした、という熱烈な愛。
「んんっ」
「…はぁっ…」
一生懸命キスを受け入れていると、指を絡められ、ぐいと手を引かれる。
そのままベッドの上にまたも二人で倒れこみ、ダンテの胸板の上に乗る形になった。
「この体勢もイイなー…。ま、それはまた今度。
お前も、そういう気持ちがあったから最終的にオレを受け入れたんじゃないのか?」
小さく頷いたディーヴァは、ダンテに誘われるままゆっくりと起き上がってベッドの縁に二人で座る。
「だろうな。そうでなかったなら、あの魔法にすら拒否反応が出るもんなァ…」
「魔法?」
「おっとなんでもないこっちの話」
「ふーん。まぁいっか…。
魔女たる者何事も経験だもんねー。契約して魔法少女になるよ」
「だから魔法少女違うっつの…じゃあ、仮契約する約束、な」
小指と小指を絡め、「pinky swear」と誓い合う。これで心中立てなぞしなくても約束は取り付けられた。
「それにしても、まさかこんなに時間かけてたっぷりと愛されるとは思わなかったよ…。まだ腰痛い。
こういう行為って、そんなに時間かかるものなの?」
腰の裏にクッションを敷いてディーヴァが不服を口にする。
それほど長い時間ベッドの上で過ごした。
「それについてなんだが、オレもびっくりするほど時間かかった気がするぜ。
お前が相手だから、ってわけじゃなさそうだ。
マジで持続したし、回数も多かった。何度もイキすぎて死ぬかと思った…。もう色々とすっからかんだよ。
ディーヴァは喉大丈夫か?」
今更な気もするが、行為の最中はやたら声を上げてしまった。たしかに直後は喉がかすれるほどだったのは記憶に新しい。
「だいじょぶ。すぐに喉用のお薬『魔女のトロトロトローチ液体タイプ』飲んだから。
て、ええ?そういうのって回数とかあるの?」
普段のダンテのソレがどんななのかは、これが初めてだったし知らない。
けれど、今回は回数とやらもすごかったらしい。どうすごいのかもわからないが。
「お前オレ以上に何度もイッてたもんな。女はイッても回復すればまたイける。出すモンもそう無いし、羨ましいぜ」
「羨ましい、かなぁ…。つらかったけど」
「初めてであれだけ回数こなせばそりゃつらいわ」
「誰がこんな風にしたと…?」
愛ある行為だとしても、文句の1つも言いたくなる。
ケラケラ笑い転げるダンテの腹筋に、小さくパンチした。
「はぁ…喉乾いちゃった。とーーーっくに冷めちゃってるだろうけどお茶飲んでくるよ…」
お茶。
この家に招かれ、そしてディーヴァが淹れた変わったお茶。
その単語がダンテの頭に引っかかった。
「まさか…」
「どうしたの?」
「もしかしてなんだが、ディーヴァが淹れてくれた茶、アレって魔獣にとって遅効性の媚薬になるヤツ入ってたんじゃないかな、と」
「そんなのあるの!?」
「魔獣ってのは、魔女とは体の作りが少し違うからな…。
ブレンドって言ってたが具体的に何入ってる?」
次々に告げられた茶葉の種類。
やはりというか何というか、その中のひとつに、ダンテが思い描いていたものが存在していたという…。
夕暮れは夜の帳をおろし、青から赤、赤から濃紺へと変わった。
今はすでに星々が瞬いている。
そんな美しい星空を臨む窓の下、ディーヴァの恨みがましそうな声が聞こえた。
「うー…腰が痛い。女性はみんなこんななの…?」
「使い慣れない筋肉使うからなあ。そういうもんなんじゃないか?」
「むうう、他人事みたいに……!」
頬を膨らませ、ゴロンと再び横になる。
行為の名残で湿り気を帯び、その激しさを物語る皺の寄ったシーツ。すごく…気持ち悪いです…。
「あ゛ーーー。魔獣とヘンナコトしちゃったよぉぉ…!」
最悪気分で枕を叩く。ついでに足もバタバタと動かしベッドの上で暴れまわるディーヴァ。
そんなディーヴァを見て、隣ではダンテがケラケラと笑っていた。
「ヘンナコトじゃなくて、イイコトだろ」
「うううう~!ヘンナコトだよ…!」
叩いてへこんだ枕に顔を押し付け、さめざめと泣く。嘘泣きだけれども。
多分嘘泣きだとわかっているだろう、ダンテは突如思いついたとばかりに変な冗談を織り交ぜてきた。
「んなに泣くほどの事じゃねぇと思うぜ。
あ、啼くほどのことではあるけどな!」
「上手いこと言ったと思ってるでしょ。全然上手くないし面白くもなんともない」
「冗談は上手くなかったかもしれないけど、床上手だったろ?」
湿ったシーツも隠れるくらいには使える。
どうせこのあと洗うのだからと、ディーヴァは手繰り寄せたシーツをばふっと被った。
「黙秘権を行使します」
シーツの中に隠れたディーヴァの多分頭があるだろう場所を、上から撫でるダンテ。
その手つきには欲のかけらもなく、ただただ愛しさだけが感じとれる。
「まあ…ンなにショック?なら、責任取るよ。
責任取って契約しよう」
シーツからひょっこりディーヴァの顔が覗いた。顔には胡散臭い、と書いてある。
「……魔女と魔獣のけいやくぅ~?
『僕と契約して魔法少女になってよ』って?」
「オレの一人称僕じゃねぇしお前既に魔女だろ。契約っつっても、最初は仮契約からになるけどな」
「ぬぅ……そりゃそうだろうけど……」
しばし考え込んだディーヴァ。ダンテの表情を伺ってからおずおずと発言する。
「こんなあたしと?」
「うん。むしろお前としたい。…お前を守りたい。ダメか?」
「……ダメじゃない…けど、あたしと契約しても得になる事あんまりないんじゃないかな。
悪いことしちゃったな、っていう罪悪感からなら契約しない方がいいと思うの」
自分に自信がない。
一応魔女として生を受けて、魔女として生きてきた。魔女としての生業もこなしている。
それでも自分は他の魔女と違う。他の魔女と比べると、どうしても実力も経験も劣る。…劣等感の塊。
「罪悪感?それは違う。
さっき体に散々教えたはずなんだがな?」
「え?」
ディーヴァをシーツの塊から取り出し、両頬を手で挟んで額をくっつける。
唇ごと食べられるような口づけを送られ、ダンテの想いが伝わってくる。
好きだからこういう事をした、という熱烈な愛。
「んんっ」
「…はぁっ…」
一生懸命キスを受け入れていると、指を絡められ、ぐいと手を引かれる。
そのままベッドの上にまたも二人で倒れこみ、ダンテの胸板の上に乗る形になった。
「この体勢もイイなー…。ま、それはまた今度。
お前も、そういう気持ちがあったから最終的にオレを受け入れたんじゃないのか?」
小さく頷いたディーヴァは、ダンテに誘われるままゆっくりと起き上がってベッドの縁に二人で座る。
「だろうな。そうでなかったなら、あの魔法にすら拒否反応が出るもんなァ…」
「魔法?」
「おっとなんでもないこっちの話」
「ふーん。まぁいっか…。
魔女たる者何事も経験だもんねー。契約して魔法少女になるよ」
「だから魔法少女違うっつの…じゃあ、仮契約する約束、な」
小指と小指を絡め、「pinky swear」と誓い合う。これで心中立てなぞしなくても約束は取り付けられた。
「それにしても、まさかこんなに時間かけてたっぷりと愛されるとは思わなかったよ…。まだ腰痛い。
こういう行為って、そんなに時間かかるものなの?」
腰の裏にクッションを敷いてディーヴァが不服を口にする。
それほど長い時間ベッドの上で過ごした。
「それについてなんだが、オレもびっくりするほど時間かかった気がするぜ。
お前が相手だから、ってわけじゃなさそうだ。
マジで持続したし、回数も多かった。何度もイキすぎて死ぬかと思った…。もう色々とすっからかんだよ。
ディーヴァは喉大丈夫か?」
今更な気もするが、行為の最中はやたら声を上げてしまった。たしかに直後は喉がかすれるほどだったのは記憶に新しい。
「だいじょぶ。すぐに喉用のお薬『魔女のトロトロトローチ液体タイプ』飲んだから。
て、ええ?そういうのって回数とかあるの?」
普段のダンテのソレがどんななのかは、これが初めてだったし知らない。
けれど、今回は回数とやらもすごかったらしい。どうすごいのかもわからないが。
「お前オレ以上に何度もイッてたもんな。女はイッても回復すればまたイける。出すモンもそう無いし、羨ましいぜ」
「羨ましい、かなぁ…。つらかったけど」
「初めてであれだけ回数こなせばそりゃつらいわ」
「誰がこんな風にしたと…?」
愛ある行為だとしても、文句の1つも言いたくなる。
ケラケラ笑い転げるダンテの腹筋に、小さくパンチした。
「はぁ…喉乾いちゃった。とーーーっくに冷めちゃってるだろうけどお茶飲んでくるよ…」
お茶。
この家に招かれ、そしてディーヴァが淹れた変わったお茶。
その単語がダンテの頭に引っかかった。
「まさか…」
「どうしたの?」
「もしかしてなんだが、ディーヴァが淹れてくれた茶、アレって魔獣にとって遅効性の媚薬になるヤツ入ってたんじゃないかな、と」
「そんなのあるの!?」
「魔獣ってのは、魔女とは体の作りが少し違うからな…。
ブレンドって言ってたが具体的に何入ってる?」
次々に告げられた茶葉の種類。
やはりというか何というか、その中のひとつに、ダンテが思い描いていたものが存在していたという…。
