仮契約前に肉体契約しました
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「で、……アレはなんだ」
ダンテの視線が部屋の中央に置いてある物に止まった。
この家のヌシだと主張せんばかりに、デンと鎮座した古ぼけた馬鹿でかい臼。どのくらい大きいかというと、その臼が家を支える大黒柱なのではないかと錯覚するほど。
「でかい石臼…いや、木でできてる臼か。蕎麦でも挽くのかよ」
蕎麦屋始めました、と言い始めても納得できるだろう。
ディーヴァならば挽きたて打ちたて茹でたて…『三たて』の蕎麦も期待できそうである。
「あれはサムポっていうフィンランドの魔臼」
「ここはいつからフィンランドになったんだ」
「元は金と塩を主に食料までも挽き出す物で取り合いで戦争になるほど価値ある品。あたしのは金は生み出さない物に改造したけど」
「アッ無視ですかそうですか。
じゃあ何を出すんだよ」
「塩はそのままに、植物の成長を助ける肥料とかそんな感じのものを出してくれるよ」
「もったいねぇ使い方…宝の持ち腐れだな」
ダンテならば金を生み出しそれを売ってがっぽり稼ぐだろう。
ディーヴァこの時まだ知らないが、ダンテには決して少なくない借金がある。
「金を生み出すような臼だと、どうやったってま~た人と人との間で戦争になっちゃうでしょ?
あたし争いの発端になんてなりたくないし、人間を追い返したり攻撃したり…そういうことしたくない」
「お前どうみても人間にすら負けそうだし、強盗に入られたらそれで終わりだろ」
負けるとは失礼な。
争い事は嫌いだがこれでも魔女の端くれなので、襲ってきた人間くらい簡単に魔法でチチンプイプイと撃退できる。…人間に襲われた事はないが。
「盗れると思ってる?」
「なんならオレが盗ってみるぞ。
魔獣だからな、オレはそうとう怪力だぜ」
テーブルに肘をついて含みを持たせた笑みでダンテを見る。
ダンテはその挑発に乗り、カップを置いて立ち上がると腕まくりして臼前に構えた。
「ふんぬっ!!
だが、いくら待ってもなんの進展もなかった。
そのまま1分が経ち、飽きたディーヴァがあくびを漏らす。
「ねぇまだ~?怪力じゃなかったの~?」
「うるせぃっ!
カーー……ッ!なんて重さだ!ビクともしねぇぞ!
いくら巨大ったって、普通1ミリくらいは動くだろ…!」
「だから言ったじゃない。
これねー、すごく重くってそんでもって大地にずっしり根を張ってるの。だからそのままそれを中心としておうち建てたんだー」
力みすぎでダンテの顔が少し膨張し、赤くなっている。
まるで度数高い酒でもかっ喰らったかのよう。
「うおお、頭に血がのぼった……」
「みたいだね。顔赤いよ、大丈夫?」
席に戻ったダンテは、暑くなったのか、汗で張り付きそうになるTシャツをパタパタと引っ張り、中に風を送る。火属性でもこういう暑さには弱い。
ちなみにダンテ、いつもの真っ赤な革のコートこそ着てきていたが、その中に白いTシャツを着ていた。
ディーヴァの家に入る時にそのコートを脱いだため、好青年映えする白Tシャツという出で立ちだったのである。
傍に控えさせていた魔女の杖を一振り。冷凍庫から半分凍ったおしぼりを呼びだし、ダンテに手渡す。
痒いところに手の届くこういった魔法は便利だ。
そういえばダンテにはあまり属性関係の魔法を見せていないが、彼はディーヴァの属性を知っていただろうか。
その疑問は杖を、そして魔法を見ていたダンテも抱いていたようだ。
「ディーヴァ、お前は何の属性持ってんだっけか」
「『聖』だよ」
「『聖』?『光』の派生か。オレの『闇』とは相性悪そうだな」
「ダンテの一族って属性2つ持ちで、みんな共通して『闇』持ってるんだっけ?」
ダンテは『闇』と『火』。ダンテの双子の兄は『闇」』と『氷』。すぐ上の兄は『闇』と『雷』など、驚く事に全員が違う属性を持つ。
みんなちがってみんないい。
「ああ。しかし『聖』か…。
争いを好まないお前に似合った属性だ」
「ありがとう、そう言ってもらえるとちょっと嬉しいな。
ママは『雷』属性で過去に『光』属性の魔女がいてー…ついでにご先祖様に伝説の『雷』属性のお魔女様が居たんだってさ」
「ほうほう、それでカーチャンでもなく伝説の魔女でもなく、過去の魔女って奴から隔世遺伝した、と?」
ディーヴァの属性遺伝は、レア中のレアなパターンだ。魔法力を磨けば、さぞや強い魔法が使えるようになることだろう。
本人にその気があれば、だ。
「うん。長編の設定とちょっぴりリンクさせてるんだってさー」
…メタいなあ。
キンキンに冷えたおしぼりで体が少し冷めたダンテは、茶のお代わりを貰いディーヴァの茶菓子に舌鼓をうつ。
「話変わるけどダンテいつも何して生きてるの?
あたしは作物育ててるからいつも仕事でいつも休みみたいなものだからいいけど、気がつくといつも近くにいるよね。仕事は??」
見合いの席かのような質問に、ダンテが言葉に詰まっているように見えた。
しばし逡巡してから、ダンテは小さく答えた。
「オレは週休7日制だ」
「ニートじゃん。そんなんで生活費どうしてるのさ…」
一週間は7日ある。
そして休みが7日ということは、全部休み。つまり仕事をしていない。
お金は出て行く一方だろう。
「今までは仮契約たくさんしてたからいわゆるヒモ生活してた」
「わあ最低。けど今は?」
『今まで』や『してた』という過去形を使うと言うことは今は違うというのと同意。
それについてもダンテは迷ってから答える。それも、苦虫噛み潰したような顔をして。
「一人だけ仮契約してる魔女がいるのみだ。
最近会いに行ってないが、現在進行形でそいつからもらった小遣いで生きてる」
「ちょ、言い方言い方!そいつって!」
「仕方ない。あの魔女はソクバッキーで恐ろしいやつなんだ。行ったが最後、自由を愛するオレの自由はこの世界のどこにもなくなる。
だから!オレはあいつとの仮契約を破棄したいんだよ……ッ!」
それはそれは切実な願いのようで、カップをソーサーに半ば叩きつけるようにしてガチャンと置く。
物に当たるなダンテ。それにそのカップは気に入ってるので割ったら許さぬゎい。
「…にしても暑いな。
いや…熱い、といったほうが正しいか…」
そう言って熱を孕んだ呼気を吐き出すダンテ。
おかしいな、部屋の温度は快適に保たれているはずなのに。
現に、ディーヴァは全然暑くない。
だのにダンテときたら、頬も上気しているしよく見たら青い瞳もどこか潤んでいるように見受けられた。肌すらしっとりしている。
「まださっきの力み過ぎ事件(笑)解決してないってこと?それか今のヒートアップしてた心の雄叫び(仮)のせい?
またおしぼり欲しい?」
「そうだな、貰うとするか」
わざと(笑)だの(仮)だの織り交ぜたというに、ダンテは突っ込む気力もないのか、テーブルで茹で蛸化している。
またもおしぼりを呼び出すべく、くるぅり杖の方を向いたことでディーヴァの白いうなじがダンテから見える。
いつもの魔女服では長い髪に邪魔されて見えぬソコは、今、髪をひとまとめに括ってあることであらわ。
そこからはどこか乳臭くて甘いいつもの香りとは別の、雌の色香を感じた。
これぞ雌の放つフェロモン、というやつか。
蝶が花の蜜に誘われるかのような気分に陥る。
そのふわふわした気分のまま、ダンテはディーヴァのうなじに触れた。
ダンテの視線が部屋の中央に置いてある物に止まった。
この家のヌシだと主張せんばかりに、デンと鎮座した古ぼけた馬鹿でかい臼。どのくらい大きいかというと、その臼が家を支える大黒柱なのではないかと錯覚するほど。
「でかい石臼…いや、木でできてる臼か。蕎麦でも挽くのかよ」
蕎麦屋始めました、と言い始めても納得できるだろう。
ディーヴァならば挽きたて打ちたて茹でたて…『三たて』の蕎麦も期待できそうである。
「あれはサムポっていうフィンランドの魔臼」
「ここはいつからフィンランドになったんだ」
「元は金と塩を主に食料までも挽き出す物で取り合いで戦争になるほど価値ある品。あたしのは金は生み出さない物に改造したけど」
「アッ無視ですかそうですか。
じゃあ何を出すんだよ」
「塩はそのままに、植物の成長を助ける肥料とかそんな感じのものを出してくれるよ」
「もったいねぇ使い方…宝の持ち腐れだな」
ダンテならば金を生み出しそれを売ってがっぽり稼ぐだろう。
ディーヴァこの時まだ知らないが、ダンテには決して少なくない借金がある。
「金を生み出すような臼だと、どうやったってま~た人と人との間で戦争になっちゃうでしょ?
あたし争いの発端になんてなりたくないし、人間を追い返したり攻撃したり…そういうことしたくない」
「お前どうみても人間にすら負けそうだし、強盗に入られたらそれで終わりだろ」
負けるとは失礼な。
争い事は嫌いだがこれでも魔女の端くれなので、襲ってきた人間くらい簡単に魔法でチチンプイプイと撃退できる。…人間に襲われた事はないが。
「盗れると思ってる?」
「なんならオレが盗ってみるぞ。
魔獣だからな、オレはそうとう怪力だぜ」
テーブルに肘をついて含みを持たせた笑みでダンテを見る。
ダンテはその挑発に乗り、カップを置いて立ち上がると腕まくりして臼前に構えた。
「ふんぬっ!!
だが、いくら待ってもなんの進展もなかった。
そのまま1分が経ち、飽きたディーヴァがあくびを漏らす。
「ねぇまだ~?怪力じゃなかったの~?」
「うるせぃっ!
カーー……ッ!なんて重さだ!ビクともしねぇぞ!
いくら巨大ったって、普通1ミリくらいは動くだろ…!」
「だから言ったじゃない。
これねー、すごく重くってそんでもって大地にずっしり根を張ってるの。だからそのままそれを中心としておうち建てたんだー」
力みすぎでダンテの顔が少し膨張し、赤くなっている。
まるで度数高い酒でもかっ喰らったかのよう。
「うおお、頭に血がのぼった……」
「みたいだね。顔赤いよ、大丈夫?」
席に戻ったダンテは、暑くなったのか、汗で張り付きそうになるTシャツをパタパタと引っ張り、中に風を送る。火属性でもこういう暑さには弱い。
ちなみにダンテ、いつもの真っ赤な革のコートこそ着てきていたが、その中に白いTシャツを着ていた。
ディーヴァの家に入る時にそのコートを脱いだため、好青年映えする白Tシャツという出で立ちだったのである。
傍に控えさせていた魔女の杖を一振り。冷凍庫から半分凍ったおしぼりを呼びだし、ダンテに手渡す。
痒いところに手の届くこういった魔法は便利だ。
そういえばダンテにはあまり属性関係の魔法を見せていないが、彼はディーヴァの属性を知っていただろうか。
その疑問は杖を、そして魔法を見ていたダンテも抱いていたようだ。
「ディーヴァ、お前は何の属性持ってんだっけか」
「『聖』だよ」
「『聖』?『光』の派生か。オレの『闇』とは相性悪そうだな」
「ダンテの一族って属性2つ持ちで、みんな共通して『闇』持ってるんだっけ?」
ダンテは『闇』と『火』。ダンテの双子の兄は『闇」』と『氷』。すぐ上の兄は『闇』と『雷』など、驚く事に全員が違う属性を持つ。
みんなちがってみんないい。
「ああ。しかし『聖』か…。
争いを好まないお前に似合った属性だ」
「ありがとう、そう言ってもらえるとちょっと嬉しいな。
ママは『雷』属性で過去に『光』属性の魔女がいてー…ついでにご先祖様に伝説の『雷』属性のお魔女様が居たんだってさ」
「ほうほう、それでカーチャンでもなく伝説の魔女でもなく、過去の魔女って奴から隔世遺伝した、と?」
ディーヴァの属性遺伝は、レア中のレアなパターンだ。魔法力を磨けば、さぞや強い魔法が使えるようになることだろう。
本人にその気があれば、だ。
「うん。長編の設定とちょっぴりリンクさせてるんだってさー」
…メタいなあ。
キンキンに冷えたおしぼりで体が少し冷めたダンテは、茶のお代わりを貰いディーヴァの茶菓子に舌鼓をうつ。
「話変わるけどダンテいつも何して生きてるの?
あたしは作物育ててるからいつも仕事でいつも休みみたいなものだからいいけど、気がつくといつも近くにいるよね。仕事は??」
見合いの席かのような質問に、ダンテが言葉に詰まっているように見えた。
しばし逡巡してから、ダンテは小さく答えた。
「オレは週休7日制だ」
「ニートじゃん。そんなんで生活費どうしてるのさ…」
一週間は7日ある。
そして休みが7日ということは、全部休み。つまり仕事をしていない。
お金は出て行く一方だろう。
「今までは仮契約たくさんしてたからいわゆるヒモ生活してた」
「わあ最低。けど今は?」
『今まで』や『してた』という過去形を使うと言うことは今は違うというのと同意。
それについてもダンテは迷ってから答える。それも、苦虫噛み潰したような顔をして。
「一人だけ仮契約してる魔女がいるのみだ。
最近会いに行ってないが、現在進行形でそいつからもらった小遣いで生きてる」
「ちょ、言い方言い方!そいつって!」
「仕方ない。あの魔女はソクバッキーで恐ろしいやつなんだ。行ったが最後、自由を愛するオレの自由はこの世界のどこにもなくなる。
だから!オレはあいつとの仮契約を破棄したいんだよ……ッ!」
それはそれは切実な願いのようで、カップをソーサーに半ば叩きつけるようにしてガチャンと置く。
物に当たるなダンテ。それにそのカップは気に入ってるので割ったら許さぬゎい。
「…にしても暑いな。
いや…熱い、といったほうが正しいか…」
そう言って熱を孕んだ呼気を吐き出すダンテ。
おかしいな、部屋の温度は快適に保たれているはずなのに。
現に、ディーヴァは全然暑くない。
だのにダンテときたら、頬も上気しているしよく見たら青い瞳もどこか潤んでいるように見受けられた。肌すらしっとりしている。
「まださっきの力み過ぎ事件(笑)解決してないってこと?それか今のヒートアップしてた心の雄叫び(仮)のせい?
またおしぼり欲しい?」
「そうだな、貰うとするか」
わざと(笑)だの(仮)だの織り交ぜたというに、ダンテは突っ込む気力もないのか、テーブルで茹で蛸化している。
またもおしぼりを呼び出すべく、くるぅり杖の方を向いたことでディーヴァの白いうなじがダンテから見える。
いつもの魔女服では長い髪に邪魔されて見えぬソコは、今、髪をひとまとめに括ってあることであらわ。
そこからはどこか乳臭くて甘いいつもの香りとは別の、雌の色香を感じた。
これぞ雌の放つフェロモン、というやつか。
蝶が花の蜜に誘われるかのような気分に陥る。
そのふわふわした気分のまま、ダンテはディーヴァのうなじに触れた。
