邂逅
名前変換
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ぐううううずんどこずんどこどっすんばったん。
後半が凄くおかしいことになっているが、これが本日のダンテの腹の虫が鳴く声だった。
「腹減った…」
食料探してウン千里!…というわけではないが、ダンテは食料を探していた。
食料難というわけでもないこのご時世だが、仮の契約をその辺の魔女と結びまくって遊び歩いたその結果、ダンテはことごとく昼も夜も仲良くしていた魔女諸君に捨てられた。よって食事もパー!資金もパー!
二股三股した当然の報いである。
まだ1人だけ仮契約を結んでくれている魔女がいるにはいるのだが、そちらは束縛が激しく、逆にダンテが仮契約を解除したいと思っているくらい。
お陰で寄り付くわけもなし、食事も期待はできない。
空腹を紛らわせようと水を飲んでみるも、やはり水では限界がある。
そろそろ腹を空かせ過ぎた尾のヘビとも喧嘩別れしそうな勢い。
そんな感じでフラフラしながら腹を抑えて歩いていると、草木の香りに混じりふんわり甘くて美味しい匂い。それもダンテの好物のひとつ、苺の匂いが漂ってきた。
「あー…これは苺のかほり…。
ストサンくいてー、ストサン…。でっかいアイス乗っかってるやつ……」
今ならダイイングメッセージで『ストサン』って書けそうなくらいには、ストサンに欲求が向いている。
ほんと!誰か!食料プリィィィィズッ!ストサン付きで!!
「ずぇぇったぁい~きみ~ぃはぁ、わかぁってぬわぃ、わかぁってぬわぁい~い、わぁ~」
そしてまたも聞こえてくる、あの声。
随分とまた、熱唱しているようで、腹減りモードでなければ、楽しく聞けたろう。
…って、いやいやいや、ここはあの少女と出会った森とは違う森だ。なのにあの少女の声が聞こえるなんて、まさかそんな事が。
そう思いながらも、もう一度鼻を、そして耳を研ぎ澄ます。
苺の匂いではある。が、よくよく嗅いでみると、それは苺の乗ったショートケーキの香りだとわかる。
付随するは、ここ最近の出会いで覚えたあの少女の香り。…若い雌のいい匂いだ。
そして、研ぎ澄ました耳に聞こえるのが先ほどの続きだろう、歌声。
ダンテは相手が誰だかわかったところで、改めて声をかけることにした。
「い~ちごの乗ったぁ、しょぉぉぉおとけぇぇぇ、」
「よっ!また会ったな!
オレみたいなのが来て驚いたか!そのケーキ少しオレに分け、」
「イ゛ァァァァ!!貴方この間の火の魔獣さんんん!!」
ヒロインにあるまじき雄叫び。
剣を振り下ろす時のダンテの声ではないのだから、ヒロインがそんな声出すのはやめよう。
叫んだ後、少女はダンテの見ている前で、慌ててケーキをむっしゃぁぁぁ!したかと思うと、あっという間に木の陰へと隠れた。
酷い。こちらはまだ何もしてない。
少しケーキを分けてもらおうと、そう思っていただけだというになんというスピードで逃げる奴だ。
「おーぅ…食うのも早けりゃ逃げるのもはえぇな…。カエル野郎並みだぜ」
悲しいような呆れるような気分でそう漏らすダンテに、少女が木の陰から顔だけ出した。
「魔獣同士の戦いに巻き込まれるのはごめんですしお寿司の手巻き寿司!」
「いや、カエル野郎どころか他の魔獣いねぇし。なんだよお寿司の手巻き寿司って…」
「他の魔獣いるいない関係なーし!貴方魔獣!だからあたし逃げる!おけ!?」
少女が話す度、顔だけでなくヘッドドレスのさくらんぼに似た装飾がぴょんぴょん揺れる。
ネコ科だからか、揺れ動く物を見ていると襲いかかりたくてウズウズするので、そこから出るよう促す。
「はあ~…。いいからそこから出てこいよ」
「や」
「出ないと…」
「目玉をほじくるぞって?」
「ススワタリ相手でもなしオレはそんな事しません。
こないだ助けたのだーれだ?」
「……助けてとは頼んでない。けど、貴方です………」
足を一歩踏み出し、気を掴む指を緩め、少女が最大限に警戒心をあらわにしてそこから出てきた。
そして、ダンテの顔をそっと見上げて前回の感謝を述べる。
「その節はどうもありがとうございました…。はいこれでちゃんとお礼言いましたしそれじゃ…さよな、」
言い終えるとそのままさよならコース。
言葉を受ける側からすれば、礼を言われている気分には全くならない物。
目だけが笑っていない恐ろしい笑みを浮かべたダンテは、一瞬にして距離を詰め、少女の肩を掴んだ。
「まあまあ逃げるなって、な?」
「ッ!!
離してください…っ」
「オイコラ敬語ついてる」
「………離して」
前回敬語を外すように言ったはず。それを忘れてもらっては困ると、少し怒気を交えて言えば、少女はすぐに応えた。
なのでダンテもおとなしくその手を離す。
「この近くに住んでるのか?」
「知らない人としゃべったら危ないって昔ママに教えられたからお口チャック」
口の前、指でバッテンを作り黙秘権発動!…だったようだが、ダンテはそれを無視した。
「カエル野郎の前で聞いたから知ってるだろうけどオレはダンテ。
はい、改めて名乗ったから知り合いな。
お前は?」
「お口チャックって言ったのに…」
「相手に名乗らせて自分は名乗らないってのは、礼儀知らずだとママに教わらなかったか?ん?」
少女は胡乱げな視線でダンテを見るが、ダンテはどこ吹く風。少女の言葉の先をどんどん促して、自身の望む方へ誘導していく。
「まったく、勝手に名乗ったんでしょーが。
……ディーヴァ。初めて会ったあの森の近くに住んでるの。これでいい?」
少々投げやり感があるが、少女ーーディーヴァが名を紡ぐ。
ダンテは口の中で噛んで含めるように、小さく呟き、しかと覚える。
「ふーん。やっぱあの辺に住んでたんだな。
名前はディーヴァ、と。いい名だ。よし覚えた。骨の髄まで刻んだぜ」
「刻まんでよろしい」
にしても、あのあたりには魔女が一人で住んでいるはずだが、もしかしたら一般人が住む集落でもあるのだろうか。
もともと地図を見ていたわけでもなし、その辺はテキトーにしか覚えていない。
「なあディーヴァよ、オレたち会うのはかれこれ四度目だよな。
しかもここは最初お前と会った場所とは結構離れた場所、と。
やっぱ運命だろ。オレたちは運命で繋がってる」
一度は離したその手。
だが、ダンテは愛を織り交ぜた言葉を発しながら、ディーヴァの肩に手を伸ばした。
「ええー…運命?
会う回数多いし確かに因縁くらいは感じるけど、運命…?」
ぱし、とその手が振り払われる。
魔獣嫌いのディーヴァだ。魔獣であるダンテが勝手に触る、というのはさすがに許されていなかったか。
「運命だと思うぜ。
オメガバース設定ならお前Ωでオレαな。運命の番(つがい)な」
「やだよぅそんな運命。せめてあたしがαがいい…」
「お前にαが似合うとでも?」
「…思えないねぇ」
クスクスと笑いあう。
お触りは禁止。でも、こうして笑いあうくらいは許されているとわかってホッとする。
後半が凄くおかしいことになっているが、これが本日のダンテの腹の虫が鳴く声だった。
「腹減った…」
食料探してウン千里!…というわけではないが、ダンテは食料を探していた。
食料難というわけでもないこのご時世だが、仮の契約をその辺の魔女と結びまくって遊び歩いたその結果、ダンテはことごとく昼も夜も仲良くしていた魔女諸君に捨てられた。よって食事もパー!資金もパー!
二股三股した当然の報いである。
まだ1人だけ仮契約を結んでくれている魔女がいるにはいるのだが、そちらは束縛が激しく、逆にダンテが仮契約を解除したいと思っているくらい。
お陰で寄り付くわけもなし、食事も期待はできない。
空腹を紛らわせようと水を飲んでみるも、やはり水では限界がある。
そろそろ腹を空かせ過ぎた尾のヘビとも喧嘩別れしそうな勢い。
そんな感じでフラフラしながら腹を抑えて歩いていると、草木の香りに混じりふんわり甘くて美味しい匂い。それもダンテの好物のひとつ、苺の匂いが漂ってきた。
「あー…これは苺のかほり…。
ストサンくいてー、ストサン…。でっかいアイス乗っかってるやつ……」
今ならダイイングメッセージで『ストサン』って書けそうなくらいには、ストサンに欲求が向いている。
ほんと!誰か!食料プリィィィィズッ!ストサン付きで!!
「ずぇぇったぁい~きみ~ぃはぁ、わかぁってぬわぃ、わかぁってぬわぁい~い、わぁ~」
そしてまたも聞こえてくる、あの声。
随分とまた、熱唱しているようで、腹減りモードでなければ、楽しく聞けたろう。
…って、いやいやいや、ここはあの少女と出会った森とは違う森だ。なのにあの少女の声が聞こえるなんて、まさかそんな事が。
そう思いながらも、もう一度鼻を、そして耳を研ぎ澄ます。
苺の匂いではある。が、よくよく嗅いでみると、それは苺の乗ったショートケーキの香りだとわかる。
付随するは、ここ最近の出会いで覚えたあの少女の香り。…若い雌のいい匂いだ。
そして、研ぎ澄ました耳に聞こえるのが先ほどの続きだろう、歌声。
ダンテは相手が誰だかわかったところで、改めて声をかけることにした。
「い~ちごの乗ったぁ、しょぉぉぉおとけぇぇぇ、」
「よっ!また会ったな!
オレみたいなのが来て驚いたか!そのケーキ少しオレに分け、」
「イ゛ァァァァ!!貴方この間の火の魔獣さんんん!!」
ヒロインにあるまじき雄叫び。
剣を振り下ろす時のダンテの声ではないのだから、ヒロインがそんな声出すのはやめよう。
叫んだ後、少女はダンテの見ている前で、慌ててケーキをむっしゃぁぁぁ!したかと思うと、あっという間に木の陰へと隠れた。
酷い。こちらはまだ何もしてない。
少しケーキを分けてもらおうと、そう思っていただけだというになんというスピードで逃げる奴だ。
「おーぅ…食うのも早けりゃ逃げるのもはえぇな…。カエル野郎並みだぜ」
悲しいような呆れるような気分でそう漏らすダンテに、少女が木の陰から顔だけ出した。
「魔獣同士の戦いに巻き込まれるのはごめんですしお寿司の手巻き寿司!」
「いや、カエル野郎どころか他の魔獣いねぇし。なんだよお寿司の手巻き寿司って…」
「他の魔獣いるいない関係なーし!貴方魔獣!だからあたし逃げる!おけ!?」
少女が話す度、顔だけでなくヘッドドレスのさくらんぼに似た装飾がぴょんぴょん揺れる。
ネコ科だからか、揺れ動く物を見ていると襲いかかりたくてウズウズするので、そこから出るよう促す。
「はあ~…。いいからそこから出てこいよ」
「や」
「出ないと…」
「目玉をほじくるぞって?」
「ススワタリ相手でもなしオレはそんな事しません。
こないだ助けたのだーれだ?」
「……助けてとは頼んでない。けど、貴方です………」
足を一歩踏み出し、気を掴む指を緩め、少女が最大限に警戒心をあらわにしてそこから出てきた。
そして、ダンテの顔をそっと見上げて前回の感謝を述べる。
「その節はどうもありがとうございました…。はいこれでちゃんとお礼言いましたしそれじゃ…さよな、」
言い終えるとそのままさよならコース。
言葉を受ける側からすれば、礼を言われている気分には全くならない物。
目だけが笑っていない恐ろしい笑みを浮かべたダンテは、一瞬にして距離を詰め、少女の肩を掴んだ。
「まあまあ逃げるなって、な?」
「ッ!!
離してください…っ」
「オイコラ敬語ついてる」
「………離して」
前回敬語を外すように言ったはず。それを忘れてもらっては困ると、少し怒気を交えて言えば、少女はすぐに応えた。
なのでダンテもおとなしくその手を離す。
「この近くに住んでるのか?」
「知らない人としゃべったら危ないって昔ママに教えられたからお口チャック」
口の前、指でバッテンを作り黙秘権発動!…だったようだが、ダンテはそれを無視した。
「カエル野郎の前で聞いたから知ってるだろうけどオレはダンテ。
はい、改めて名乗ったから知り合いな。
お前は?」
「お口チャックって言ったのに…」
「相手に名乗らせて自分は名乗らないってのは、礼儀知らずだとママに教わらなかったか?ん?」
少女は胡乱げな視線でダンテを見るが、ダンテはどこ吹く風。少女の言葉の先をどんどん促して、自身の望む方へ誘導していく。
「まったく、勝手に名乗ったんでしょーが。
……ディーヴァ。初めて会ったあの森の近くに住んでるの。これでいい?」
少々投げやり感があるが、少女ーーディーヴァが名を紡ぐ。
ダンテは口の中で噛んで含めるように、小さく呟き、しかと覚える。
「ふーん。やっぱあの辺に住んでたんだな。
名前はディーヴァ、と。いい名だ。よし覚えた。骨の髄まで刻んだぜ」
「刻まんでよろしい」
にしても、あのあたりには魔女が一人で住んでいるはずだが、もしかしたら一般人が住む集落でもあるのだろうか。
もともと地図を見ていたわけでもなし、その辺はテキトーにしか覚えていない。
「なあディーヴァよ、オレたち会うのはかれこれ四度目だよな。
しかもここは最初お前と会った場所とは結構離れた場所、と。
やっぱ運命だろ。オレたちは運命で繋がってる」
一度は離したその手。
だが、ダンテは愛を織り交ぜた言葉を発しながら、ディーヴァの肩に手を伸ばした。
「ええー…運命?
会う回数多いし確かに因縁くらいは感じるけど、運命…?」
ぱし、とその手が振り払われる。
魔獣嫌いのディーヴァだ。魔獣であるダンテが勝手に触る、というのはさすがに許されていなかったか。
「運命だと思うぜ。
オメガバース設定ならお前Ωでオレαな。運命の番(つがい)な」
「やだよぅそんな運命。せめてあたしがαがいい…」
「お前にαが似合うとでも?」
「…思えないねぇ」
クスクスと笑いあう。
お触りは禁止。でも、こうして笑いあうくらいは許されているとわかってホッとする。
