邂逅
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「チュチュルッチュッチュッ♪×2」
まただ。
また、あの少女の声が聞こえてきた。
これで、えっと…3回目か。
偶然なんだか、この近くに居を構えているんだか、会う確率高いな。
今ダンテがいる場所近くには魔女がひとり住むのみで、人間は住んでいないと聞く。
その魔女も確か少女と同じで魔獣が苦手らしい。
どんな人物かは知らないが、魔女の管理する広大な森と敷地には、大抵の魔獣を寄せ付けぬ『魔獣コナーズ』『魔獣取線香』『魔獣ホイホイ』がところどころに置かれ、たくさんの魔獣避けの魔術が施されている。
どんだけだ。魔術はともかくとして、オレ達は虫かよ。蚊かよ。ゴキブリかよ。
オレも先日、魔獣ホイホイにひっかかって酷い目をみた。実はかかるの5回目だ。
ただ散歩してただけだってのに、野生動物は引っかからず魔獣のみ狙いすましたかのように引っかかるとか、罠の仕掛け方プロ並みすぎんだろ。次こそは気をつけよう。
閑話休題。
少女はスキップしながら不思議な歌を歌っていた。
「ふっしぎなくすりのーまされてっ、(「のーまされて」裏声)シブヤでうーみをみちゃったのー」
不思議な薬を飲まされてなんだって?シブヤ?どこだよそこ。
と、謎の歌詞に心でツッコミを入れるダンテ。
そのダンテは心でツッコむのみで、決してそこを動かない。
今は茂みの中、少女に気づかれないよう息を潜め、様子を伺っているのだ。
しかたないじゃないか。あの少女は魔獣が苦手なのだから。
と、闇属性暗視スコープつまり夜目も望遠も利く視界で少女を捉える。
その手にあるのは…。
「またなんか食ってやがる…くんくん、…む!あれはアップルパイか」
焼き色のついた艶々なパイ生地、彼女の食べたあとから覗く中身より香ってくるほかほかな甘い蜜のような煮リンゴのかほり…アクセントに漂うスパイシーな桂皮。
非常に食欲をそそる匂いが、ダンテの鼻に届いた。ずるい!!
しかし、よく食べる少女だ。
呆れるような感心するような気持ちで様子を伺い、そしてそこから離れるべく踵を返し、蛇の尻尾や燃えるたてがみをなびかせ森の中を引き返すダンテ。
悠々、威風堂々としたさまは百獣の王。ひゅー、オレかっけー!
うむ、太陽光が体の炎を照らし、キラキラと輝いている。
今日は本当にいい天気だ。
…ぶるっ…。
そう、震えるほどに。
は?震えるほど?
「ありゃ、なんか寒い…?」
少女が木の向こうで呟く声が届いた。
たしかに少し肌寒い。
ダンテは火属性だが、寒さに完全に強いわけでも逆に弱いわけでもない。
もちろん、寒いから凍傷したよー、とか凍死しましたー、なんてことはありえないが、人並みに寒さを感じることは出来る。
しかし、今日はいい天気なのに、寒い…しかもダンテが震えるほどの寒さ。それはどう考えてもおかしい。
ダンテが疑問を浮かべていれば、徐々に寒さが増していく。パキパキ、と木々や草花に霜がついてゆく。
ずぅん、ずぅん。
そのうち、ダンテがいる方とは反対側から、凍った山のような何かが、少女の方へとやってきた。
「ここにいたんか!」
「げっっっ!!」
山と思っていたもの、それは馬鹿でかいカエルのような、チョウチンアンコウのような魔獣だった。
こいつが大きなだけのただのアンコウだったなら、さぞかし美味かろう。アンコウ鍋にして食っちゃる。あん肝最高。
…が、実際はそんな可愛げも旨味もあったものじゃあない。
少女を呼び止めるこいつの名はよく知ってる。
オレがたまに邪魔していた煉獄とは正反対の地域にいる氷のカエル魔獣…バエルだ。
けど、そんな辺境にいるであろう魔獣と、少女にいったいどんな関係が?
思ってる間に、バエルが氷でできた柱を、少女を逃すまいと少女の背後に檻のようにドカンと落とす。
吹き荒ぶ冷気に髪や衣服を乱し、少女は恐れ慄いた。
「ひぃぃ、魔獣さん貴方しつこいですよおおおお!!」
「あったぼうよ!
おめぇにとーんときちまったからこんなとこまで遠路はるばる来たんでぃ!」
とーんとくる。
確か恋に落ちた、という意味の江戸方言だったか。
無数の兄弟を持つというバエル、その中の1匹が江戸っ子だったとは驚きだが、なるほど読めた。
「嬉しくない嬉しくない…!
べらんめぇ口調のカエルの魔獣さんなんてほんと勘弁………!」
「大人しか嫁になれぃ!」
「いーやー!お断りします……!」
嫌がる少女に無理やり迫るたあ、言語道断だ。
困ってる少女を見過ごすことはできない。
何よりその少女は、カエルのものではなく、このダンテ様のもの。オレのものはオレのもの。少女のものはオレのもの。少女の体もオレのもの!つまり、少女はオレの獲物。OK?
はあ?バエルが先に見つけてたら奴のもの?そもそも無理やり迫るバエルと考え方同じ?
そんなの関係あるか!
オレのルールはオレが決める。
ダンテは牙剥き出しで唸り声をあげながら、少女とバエルの間へと飛び出した。
「やいやめなゲコ公!」
「な、なんだてめぇは!」
「オレか?オレの名はダンテだ!
たくさんいる兄弟のうちの末っ子にして秘蔵っ子、燃え盛る炎の化身たぁオレの事よ!」
ダンテはなかなか有名だ。その家族はさらに有名で、魔獣ならば知らぬわけがない。
魔界では最強と謳われた父を持ち、下に控えるはツワモノ揃い粒揃いの兄弟。
その秘蔵の末っ子だ。
「知るか」
コケッ。
椅子があったら椅子ゴケしそうなほどずるっとコケた。
まさか知らんとは。
「ちぇ…バージルなら属性上まだしも、正反対の炎使いたるオレじゃ、あまり有名じゃなかったか」
「なーにをブツクサ言ってんでぃ!
おてめぇちの顔出すところじゃあねぇ。すっこんでろぃ!」
「てめぇこそどっかいけよゲコゲコ野郎!」
唸り声響くその口から、啖呵とともに火の粉が漏れ出す。
その熱さを打ち消すように、バエルのドデカい口からも、冷たい冷気が撒き散らされていた。
火花散る両者。
「ひゃああ…魔獣同士の喧嘩だぁ…!」
かわいそうに、少女は腰を抜かし這々の体で後退していく。
這々の体どころか本当に地を這っているので、スカートがめくり上がりそうだ。あとちょっとのところで見えなかったのが残念でならない。
「クソッタレが!!」
ビシャッ!
氷のような吹雪のような技を、胃の内容物ごと吐き出し、汚い言葉をも吐き出すバエル。
相手を凍らせようとするそれを、ダンテはいとも容易く避けた。
「『クソ』ッタレはてめえじゃねぇか。
垂れてんのは下からじゃなくて上からみてぇだけどな」
ぷわ~ん…。
そしてバエルが吐き出した場所からものすごい臭いが。
「って…こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーー!」
ゲロだけどゲロ以下!
バエルの吐き出した呼気、そして胃液混じりの臭い氷の息吹、異臭漂う森の中!
もらいゲロしそうなヒロインと読者諸君、吐く場合はキラキラモザイクどうぞ。
「たしかにくさい…。
うぷ、臭さで腐る前にアップルパイ食べちゃお」
少女の元へも臭いが届いたようだ。気持ち悪そうに口元を押さえたかと思うと…。
「もひもひもひ、へけ!」
持っていたアップルパイを食している。
「この状況でまだおやつタイムたぁ、すげーやつ。
臭くて腐るって…オクサレ様の臭気かよ…」
「え、オクサレ様って┌(┌ ^o^)┐これ?」
「ちげぇ!
ここに腐向け表現ないからそのオクサレ様はお帰りください」
少女の言っているのは男同士の恋愛を見るのを至上の喜びとする不思議な生き物。
反対にダンテが言っているのは、神の湯屋で働く少女の話に出て来ていたオクサレ様だった。
「無視すんじゃあねぇ!」
その時バエルが、氷の塊を少女とダンテの間に落とし、注意を向けさせてきた。
「「!」」
間一髪、ダンテは少女を守るように立ち塞がると、鋭い咆哮波を放つ。
それは紫の薄い膜となって集積し、闇色に輝く魔法陣として宙に展開した。
陣から次々出現する闇色の球。それこそが、ダンテの闇属性攻撃魔法だ。
シャドーボールと思っても言ってはいけない。いいね?
まただ。
また、あの少女の声が聞こえてきた。
これで、えっと…3回目か。
偶然なんだか、この近くに居を構えているんだか、会う確率高いな。
今ダンテがいる場所近くには魔女がひとり住むのみで、人間は住んでいないと聞く。
その魔女も確か少女と同じで魔獣が苦手らしい。
どんな人物かは知らないが、魔女の管理する広大な森と敷地には、大抵の魔獣を寄せ付けぬ『魔獣コナーズ』『魔獣取線香』『魔獣ホイホイ』がところどころに置かれ、たくさんの魔獣避けの魔術が施されている。
どんだけだ。魔術はともかくとして、オレ達は虫かよ。蚊かよ。ゴキブリかよ。
オレも先日、魔獣ホイホイにひっかかって酷い目をみた。実はかかるの5回目だ。
ただ散歩してただけだってのに、野生動物は引っかからず魔獣のみ狙いすましたかのように引っかかるとか、罠の仕掛け方プロ並みすぎんだろ。次こそは気をつけよう。
閑話休題。
少女はスキップしながら不思議な歌を歌っていた。
「ふっしぎなくすりのーまされてっ、(「のーまされて」裏声)シブヤでうーみをみちゃったのー」
不思議な薬を飲まされてなんだって?シブヤ?どこだよそこ。
と、謎の歌詞に心でツッコミを入れるダンテ。
そのダンテは心でツッコむのみで、決してそこを動かない。
今は茂みの中、少女に気づかれないよう息を潜め、様子を伺っているのだ。
しかたないじゃないか。あの少女は魔獣が苦手なのだから。
と、闇属性暗視スコープつまり夜目も望遠も利く視界で少女を捉える。
その手にあるのは…。
「またなんか食ってやがる…くんくん、…む!あれはアップルパイか」
焼き色のついた艶々なパイ生地、彼女の食べたあとから覗く中身より香ってくるほかほかな甘い蜜のような煮リンゴのかほり…アクセントに漂うスパイシーな桂皮。
非常に食欲をそそる匂いが、ダンテの鼻に届いた。ずるい!!
しかし、よく食べる少女だ。
呆れるような感心するような気持ちで様子を伺い、そしてそこから離れるべく踵を返し、蛇の尻尾や燃えるたてがみをなびかせ森の中を引き返すダンテ。
悠々、威風堂々としたさまは百獣の王。ひゅー、オレかっけー!
うむ、太陽光が体の炎を照らし、キラキラと輝いている。
今日は本当にいい天気だ。
…ぶるっ…。
そう、震えるほどに。
は?震えるほど?
「ありゃ、なんか寒い…?」
少女が木の向こうで呟く声が届いた。
たしかに少し肌寒い。
ダンテは火属性だが、寒さに完全に強いわけでも逆に弱いわけでもない。
もちろん、寒いから凍傷したよー、とか凍死しましたー、なんてことはありえないが、人並みに寒さを感じることは出来る。
しかし、今日はいい天気なのに、寒い…しかもダンテが震えるほどの寒さ。それはどう考えてもおかしい。
ダンテが疑問を浮かべていれば、徐々に寒さが増していく。パキパキ、と木々や草花に霜がついてゆく。
ずぅん、ずぅん。
そのうち、ダンテがいる方とは反対側から、凍った山のような何かが、少女の方へとやってきた。
「ここにいたんか!」
「げっっっ!!」
山と思っていたもの、それは馬鹿でかいカエルのような、チョウチンアンコウのような魔獣だった。
こいつが大きなだけのただのアンコウだったなら、さぞかし美味かろう。アンコウ鍋にして食っちゃる。あん肝最高。
…が、実際はそんな可愛げも旨味もあったものじゃあない。
少女を呼び止めるこいつの名はよく知ってる。
オレがたまに邪魔していた煉獄とは正反対の地域にいる氷のカエル魔獣…バエルだ。
けど、そんな辺境にいるであろう魔獣と、少女にいったいどんな関係が?
思ってる間に、バエルが氷でできた柱を、少女を逃すまいと少女の背後に檻のようにドカンと落とす。
吹き荒ぶ冷気に髪や衣服を乱し、少女は恐れ慄いた。
「ひぃぃ、魔獣さん貴方しつこいですよおおおお!!」
「あったぼうよ!
おめぇにとーんときちまったからこんなとこまで遠路はるばる来たんでぃ!」
とーんとくる。
確か恋に落ちた、という意味の江戸方言だったか。
無数の兄弟を持つというバエル、その中の1匹が江戸っ子だったとは驚きだが、なるほど読めた。
「嬉しくない嬉しくない…!
べらんめぇ口調のカエルの魔獣さんなんてほんと勘弁………!」
「大人しか嫁になれぃ!」
「いーやー!お断りします……!」
嫌がる少女に無理やり迫るたあ、言語道断だ。
困ってる少女を見過ごすことはできない。
何よりその少女は、カエルのものではなく、このダンテ様のもの。オレのものはオレのもの。少女のものはオレのもの。少女の体もオレのもの!つまり、少女はオレの獲物。OK?
はあ?バエルが先に見つけてたら奴のもの?そもそも無理やり迫るバエルと考え方同じ?
そんなの関係あるか!
オレのルールはオレが決める。
ダンテは牙剥き出しで唸り声をあげながら、少女とバエルの間へと飛び出した。
「やいやめなゲコ公!」
「な、なんだてめぇは!」
「オレか?オレの名はダンテだ!
たくさんいる兄弟のうちの末っ子にして秘蔵っ子、燃え盛る炎の化身たぁオレの事よ!」
ダンテはなかなか有名だ。その家族はさらに有名で、魔獣ならば知らぬわけがない。
魔界では最強と謳われた父を持ち、下に控えるはツワモノ揃い粒揃いの兄弟。
その秘蔵の末っ子だ。
「知るか」
コケッ。
椅子があったら椅子ゴケしそうなほどずるっとコケた。
まさか知らんとは。
「ちぇ…バージルなら属性上まだしも、正反対の炎使いたるオレじゃ、あまり有名じゃなかったか」
「なーにをブツクサ言ってんでぃ!
おてめぇちの顔出すところじゃあねぇ。すっこんでろぃ!」
「てめぇこそどっかいけよゲコゲコ野郎!」
唸り声響くその口から、啖呵とともに火の粉が漏れ出す。
その熱さを打ち消すように、バエルのドデカい口からも、冷たい冷気が撒き散らされていた。
火花散る両者。
「ひゃああ…魔獣同士の喧嘩だぁ…!」
かわいそうに、少女は腰を抜かし這々の体で後退していく。
這々の体どころか本当に地を這っているので、スカートがめくり上がりそうだ。あとちょっとのところで見えなかったのが残念でならない。
「クソッタレが!!」
ビシャッ!
氷のような吹雪のような技を、胃の内容物ごと吐き出し、汚い言葉をも吐き出すバエル。
相手を凍らせようとするそれを、ダンテはいとも容易く避けた。
「『クソ』ッタレはてめえじゃねぇか。
垂れてんのは下からじゃなくて上からみてぇだけどな」
ぷわ~ん…。
そしてバエルが吐き出した場所からものすごい臭いが。
「って…こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーー!」
ゲロだけどゲロ以下!
バエルの吐き出した呼気、そして胃液混じりの臭い氷の息吹、異臭漂う森の中!
もらいゲロしそうなヒロインと読者諸君、吐く場合はキラキラモザイクどうぞ。
「たしかにくさい…。
うぷ、臭さで腐る前にアップルパイ食べちゃお」
少女の元へも臭いが届いたようだ。気持ち悪そうに口元を押さえたかと思うと…。
「もひもひもひ、へけ!」
持っていたアップルパイを食している。
「この状況でまだおやつタイムたぁ、すげーやつ。
臭くて腐るって…オクサレ様の臭気かよ…」
「え、オクサレ様って┌(┌ ^o^)┐これ?」
「ちげぇ!
ここに腐向け表現ないからそのオクサレ様はお帰りください」
少女の言っているのは男同士の恋愛を見るのを至上の喜びとする不思議な生き物。
反対にダンテが言っているのは、神の湯屋で働く少女の話に出て来ていたオクサレ様だった。
「無視すんじゃあねぇ!」
その時バエルが、氷の塊を少女とダンテの間に落とし、注意を向けさせてきた。
「「!」」
間一髪、ダンテは少女を守るように立ち塞がると、鋭い咆哮波を放つ。
それは紫の薄い膜となって集積し、闇色に輝く魔法陣として宙に展開した。
陣から次々出現する闇色の球。それこそが、ダンテの闇属性攻撃魔法だ。
シャドーボールと思っても言ってはいけない。いいね?
