御神籤 九枚目
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続いて映し出された同じ場所にいたのは、ネロと逢夏とこちらの世界のダンテだった。
「あれ?これってネロの秘密だよね。
なんでダンテさんいるんだろ」
「ディーヴァ!あんなグータラな奴“さん”付けで呼ばなくていい!」
「ぷっ!ダンテ、自分のことけなして楽しい?
……って、ネロ?どうかしたの?」
難しい顔して黙っているネロ。
逢夏を撫で続けていた手も、心なしかこわばったような気がする。
「いや、なんでもない」
画面の中の2人はダンテにいかにもお金入ってます的な分厚い封筒を手渡していた。
逢夏の補足的説明によると、珍しくネロと逢夏がダンテに仕事の依頼をした時のことのよう。
…って、甥っ子からそんなに取るのかよ!案外がめついな、ダンテェイ!!
『ひー、ふー、みー…はいよ、と。報酬は確かにいただいたぜ。そんじゃあとは、』
封筒の中の札束を数え終えたダンテ、今度は腕を組んでその様子をイライラと見ていた逢夏へ手のひらを上に向けて差し出す。
他にも何かよこせ、と言いたげ。
『はァ?
いったいこの手はなんでしょうかッ!?』
スパーン!
触れるのも嫌だとばかりに、スリッパでその手を叩き落とす逢夏。
普通なら手首が折れる勢いにも負けず、ダンテは再び手を持ち上げて逢夏に差し出した。
『わかるだろ?
ストロベリーサンデーでもくれよ。最近ろくに食べてないんだ』
『じゃあ食べたらとっととお帰りやがれくださいませ』
ダンテが来るとわかっていたので奴の大好物であるストロベリーサンデーは、実は冷凍庫で事前に冷え冷え待機中の身である。
嫌いだ嫌いだと言いつつ用意しておくあたり、逢夏もたいがい素直じゃない。
『おいおい、さっき来たばっかりだろ。
そんな意地悪言うなって、子猫ちゃん?』
『子猫ちゃんんん゛!?』
『逢夏、気持ちはわかるけどそうカッカすんなよ。挑発に乗ったらダンテの思うツボだ』
そこでようやくネロが口を出す。
ダンテと逢夏の間では、たまにこんなやり取りが発生するので今の今まで黙っていたのだ。
『いいえ。いっぺん殺さないと気が済まない…』
『おっ!殺る気満々って感じだな。いいぜ、少しくらい遊んでやろうか』
『遊ばれるのはそっち。
ネロ、止めないでね』
『けどな、逢夏、』
『見にも来ないで!』
『……………』
“心配するな、危ないことには決してならないから”
と、ダンテが逢夏にわからないようにこちらに余裕の笑みを見せた。
ダンテの実力だけは認めている。
実力だけは。
だから任せておいても大丈夫であろう。
それに…たまには逢夏の悪魔としての鬱憤やら何やら溜まっているものを吐き出すガス抜きも大事だ。
と、この時のネロは考えていたそうな。
「血気盛んなことで」
「あいつに子猫ちゃんなんて言われて頭に血がのぼったの。
アンタも同じダンテ、変な事言ったら八つ裂きにして鳴門海峡に沈めてやるから」
「逢夏、怖いからやめようね。ね?」
「……ディーヴァちゃんが怖がるなら止めとく」
そしてしばらくして聞こえてくる破壊音と声、それをBGMにコーヒーを啜って終わりを待つ。
たまには砂糖を多めに入れたコーヒーが飲みたい気分だ。
そう、甘いものを。
賑やかだったそれが静かになり、かと思えば知った図々しいまでのデカイ方の気配と足音。
開いたドアから顔を覗かせたのは、無傷のダンテだ。
『ふぅ…。
逢夏の奴、かるーくいなしたあとルシフェルで木に縫い止めたらやーーーっとおとなしくなりやがった。
そこらの悪魔よりタチも口も悪いぜ』
ひとつも困っていない、むしろ楽しんでいたような顔でケロリと言う。
ん?まてよ、今こいつはなんと言った?
『は?縫い止めた…!?
おいこら!逢夏は無事なんだろうな!』
『まあまあ、慌てるなネロ。
大丈夫だって、爆発せずただ消える小枝みたいにちっこいのを刺したからな』
アレは基本的に剣山のような状態にした敵を爆発させるというもの。
木に縫い止めるだけなら確かに安全だが、ネロが心配しているのはそこだけではない。
『ダンテお前ぇぇぇぇ!!!』
外からものすごく怒った声が。
『……ほらな』
『はぁ…ガス抜きになるはずが逆にキレてんじゃねぇか』
下手に手加減なんかすればこの通り。
でも手加減してもしなくてもダンテの、スパーダの血族の相手をしているのだから変わりないといえば変わりないか。
『ちょいと書庫の悪魔の本借りるぜ』
ダンテはなんとも思ってないのか、ゆったりとした足取りで書庫方面へ消えていった。
余裕綽々で消えたダンテと反対に、続いてドスドスという足音を響かせながら駆けてきたのは逢夏。
こちらも服に小さく穴が空いている以外無傷。
『ネロ、アイツはどこ行った?』
『…書庫。逢夏もダンテも、頼むから家具は壊すなよ』
『努力出来そうならするわ』
目が据わっているので期待は出来なさそうだ。
はぁ、とため息ひとつ。
家の中ということで、早く戻ってくるであろう2人の為の茶を用意しておくかとネロは立ち上がった。
茶の用意をし冷蔵庫と冷凍庫をチェック、その目に冷凍庫に冷やされたダンテ用ストロベリーサンデーが留まる。
『………………』
ごくり、喉が鳴る。
ちょっとだけ、なら、いいんでは?
チラと頭をよぎった、悪戯心のような悪魔の囁きのようなそれ。
「あれ?これってネロの秘密だよね。
なんでダンテさんいるんだろ」
「ディーヴァ!あんなグータラな奴“さん”付けで呼ばなくていい!」
「ぷっ!ダンテ、自分のことけなして楽しい?
……って、ネロ?どうかしたの?」
難しい顔して黙っているネロ。
逢夏を撫で続けていた手も、心なしかこわばったような気がする。
「いや、なんでもない」
画面の中の2人はダンテにいかにもお金入ってます的な分厚い封筒を手渡していた。
逢夏の補足的説明によると、珍しくネロと逢夏がダンテに仕事の依頼をした時のことのよう。
…って、甥っ子からそんなに取るのかよ!案外がめついな、ダンテェイ!!
『ひー、ふー、みー…はいよ、と。報酬は確かにいただいたぜ。そんじゃあとは、』
封筒の中の札束を数え終えたダンテ、今度は腕を組んでその様子をイライラと見ていた逢夏へ手のひらを上に向けて差し出す。
他にも何かよこせ、と言いたげ。
『はァ?
いったいこの手はなんでしょうかッ!?』
スパーン!
触れるのも嫌だとばかりに、スリッパでその手を叩き落とす逢夏。
普通なら手首が折れる勢いにも負けず、ダンテは再び手を持ち上げて逢夏に差し出した。
『わかるだろ?
ストロベリーサンデーでもくれよ。最近ろくに食べてないんだ』
『じゃあ食べたらとっととお帰りやがれくださいませ』
ダンテが来るとわかっていたので奴の大好物であるストロベリーサンデーは、実は冷凍庫で事前に冷え冷え待機中の身である。
嫌いだ嫌いだと言いつつ用意しておくあたり、逢夏もたいがい素直じゃない。
『おいおい、さっき来たばっかりだろ。
そんな意地悪言うなって、子猫ちゃん?』
『子猫ちゃんんん゛!?』
『逢夏、気持ちはわかるけどそうカッカすんなよ。挑発に乗ったらダンテの思うツボだ』
そこでようやくネロが口を出す。
ダンテと逢夏の間では、たまにこんなやり取りが発生するので今の今まで黙っていたのだ。
『いいえ。いっぺん殺さないと気が済まない…』
『おっ!殺る気満々って感じだな。いいぜ、少しくらい遊んでやろうか』
『遊ばれるのはそっち。
ネロ、止めないでね』
『けどな、逢夏、』
『見にも来ないで!』
『……………』
“心配するな、危ないことには決してならないから”
と、ダンテが逢夏にわからないようにこちらに余裕の笑みを見せた。
ダンテの実力だけは認めている。
実力だけは。
だから任せておいても大丈夫であろう。
それに…たまには逢夏の悪魔としての鬱憤やら何やら溜まっているものを吐き出すガス抜きも大事だ。
と、この時のネロは考えていたそうな。
「血気盛んなことで」
「あいつに子猫ちゃんなんて言われて頭に血がのぼったの。
アンタも同じダンテ、変な事言ったら八つ裂きにして鳴門海峡に沈めてやるから」
「逢夏、怖いからやめようね。ね?」
「……ディーヴァちゃんが怖がるなら止めとく」
そしてしばらくして聞こえてくる破壊音と声、それをBGMにコーヒーを啜って終わりを待つ。
たまには砂糖を多めに入れたコーヒーが飲みたい気分だ。
そう、甘いものを。
賑やかだったそれが静かになり、かと思えば知った図々しいまでのデカイ方の気配と足音。
開いたドアから顔を覗かせたのは、無傷のダンテだ。
『ふぅ…。
逢夏の奴、かるーくいなしたあとルシフェルで木に縫い止めたらやーーーっとおとなしくなりやがった。
そこらの悪魔よりタチも口も悪いぜ』
ひとつも困っていない、むしろ楽しんでいたような顔でケロリと言う。
ん?まてよ、今こいつはなんと言った?
『は?縫い止めた…!?
おいこら!逢夏は無事なんだろうな!』
『まあまあ、慌てるなネロ。
大丈夫だって、爆発せずただ消える小枝みたいにちっこいのを刺したからな』
アレは基本的に剣山のような状態にした敵を爆発させるというもの。
木に縫い止めるだけなら確かに安全だが、ネロが心配しているのはそこだけではない。
『ダンテお前ぇぇぇぇ!!!』
外からものすごく怒った声が。
『……ほらな』
『はぁ…ガス抜きになるはずが逆にキレてんじゃねぇか』
下手に手加減なんかすればこの通り。
でも手加減してもしなくてもダンテの、スパーダの血族の相手をしているのだから変わりないといえば変わりないか。
『ちょいと書庫の悪魔の本借りるぜ』
ダンテはなんとも思ってないのか、ゆったりとした足取りで書庫方面へ消えていった。
余裕綽々で消えたダンテと反対に、続いてドスドスという足音を響かせながら駆けてきたのは逢夏。
こちらも服に小さく穴が空いている以外無傷。
『ネロ、アイツはどこ行った?』
『…書庫。逢夏もダンテも、頼むから家具は壊すなよ』
『努力出来そうならするわ』
目が据わっているので期待は出来なさそうだ。
はぁ、とため息ひとつ。
家の中ということで、早く戻ってくるであろう2人の為の茶を用意しておくかとネロは立ち上がった。
茶の用意をし冷蔵庫と冷凍庫をチェック、その目に冷凍庫に冷やされたダンテ用ストロベリーサンデーが留まる。
『………………』
ごくり、喉が鳴る。
ちょっとだけ、なら、いいんでは?
チラと頭をよぎった、悪戯心のような悪魔の囁きのようなそれ。