御神籤 九枚目
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「これがダンテの、…秘密………、なの?」
ダンテの秘密とは、なんともまあ滑稽で陳腐で、しょうもない秘密であった。
ディーヴァ以外のお二人さんは、なんとも言えず失笑と苦笑を織り交ぜたような表情。
だがディーヴァは辿々しく発言しつつもなんだかとっても感動している感じ。
「………オレな、いつかお前に美味いモン作ってやろうと思ってて、こっそり練習してたんだ。いつも美味いモン食わせてもらってるばっかだから。
でもその前にバレちまったな。…すまん」
「どうして謝るの?
あたし、ダンテがそういう風に考えてくれてたっていう、その気持ちだけですっごく嬉しいよ」
ありがとうダンテ。
ソファーの上、ディーヴァの手のひらがダンテの手にそっと重ねられ、そして愛おしむように繋がれる。
甘い空気に包まれた2人を、ネロと逢夏はしばしのあいだ微笑ましく待った。
「しっかし、生放送って言ってたがこんなのどうやって撮ったんだかな」
「ぁ苦マぉィおーイーぅッ!!」
「悪魔の企業秘密、だって」
「あそ」
テレビ放送で聞こえるわけないのに、何故かこちらの言葉にもテレビのスピーカーの中から返事が返ってきた。
だがもう何でもあり過ぎて、突っ込む気が起きない。
「よし、テレビのオレは失敗したが、帰ったら今度こそディーヴァに美味いモン作るからな。
最終的にはチーズ使ったチョ~美味いメシを!」
「えっ!ほんとダンテ!?絶対だよっ約束だよっ!!」
チーズの名を聞き、期待度満点うきうきのディーヴァ。
「ああ、約束だ」
「ダンテお前、ビッグマウスすぎ。
そんな大きなこと言って、大丈夫なのかよ」
「オレは有言実行の男だ」
「ほー!有言実行なんて言葉、ダンテでも知ってるんだね」
「てめっ…バカにすんなよ逢夏!」
「有言実行する宣言したとこで言っちゃ悪いがあの様子じゃな…、アンタ料理するのにゃ絶対向いてないと思う。
これからも素直にディーヴァに頼んでおく方がいいんじゃねぇか?」
「うっせぇなネロ!余計なお世話だ!なあ、ディーヴァ?」
「んーーーーー。
ネロの言う通り…かも。
やっぱりダンテの料理の腕ちょっとだけ心配だから、チーズ料理作ってくれるならマッケンチーズ、とかでもいいんだよ?」
マッケンチーズ、つまりアメリカの超簡単なおふくろの味マカロニチーズ。
作り方は至って簡単、茹でたマカロニにチーズやホワイトソースをぐるぐるまぜまぜハイおしまい。
「オレが成長しないっておもってるだろ?
さては期待してないなディーヴァ…」
「う、うーん………。
……………ダンテ、ごめんね?」
「ひでぇな」
肯定と変わりない返答に、ダンテはがっくりとうな垂れた。
「えー、とにかく!ダンテにしては素敵な秘密だったよねっ!」
「これでおわり、か?」
出たのは大凶だったはずなのに、呆気ない&味気ないほどに大凶らしからぬ展開。
大吉と言われても相違ないが…?
「ぁダ、あぅルゥ!」
「………ダンテの秘密、まだあるみたいだよ」
そこからダンテの信頼と信用が地獄の底までガタ落ちするのは早かった。
ディーヴァとのお付き合い当初より減らし続けてきた負の遺産、借金やツケ、督促状請求書その他諸々がまだダンテの部屋に隠されていたのだ。
それもディーヴァが手に取ることがないであろう火器銃器を取りあげた雑誌の間に挟んで、だ。
咎めるような視線がダンテを射抜くので、ダンテは開口一番、謝った。
「隠してて悪かった、ディーヴァ」
「はあ…………ダンテ、まだ隠してたとはねぇ。
………って、あああああ!!!!」
「ん?げぇぇっ!?」
続きを見ていたら、画面の中のダンテが雑誌に続いて手にしたのは、本の隙間奥に隠されし布切れ。
それを見たダンテとディーヴァが叫ぶ。
「あの布切れがどうかし……!?」
「ふむふむなるほどぉ~、ディーヴァちゃんは普段ああいう下着を着てるんだね」
そう、ディーヴァが見覚えがある捨てたはずの下着だ……捨てたはずの。
「やっべぇ!
画面隠せ隠せ!今すぐ映すのやめろぉぉぉぉ!!!!」
「ちょっとぉ!何がやばいのよダンテーー!!」
ダンテをがっちりホールドするディーヴァと、ディーヴァを振り払う事が出来ずに焦ってばかりでたたらを踏むダンテ。
ダンテとディーヴァの様子も、画面の中も面白いと黙ってニヤニヤ視聴する逢夏。
そしてネロは想像した。
これが逢夏だったらどうだ。
逢夏の下着に興味がないと言ったら嘘になる。
愛する者の身につけていた下着や衣服にも性的興奮を見出すその気持ち、ネロとてダンテと同じ男だ、わからなくもない。
『ん~、ディーヴァ本人はもちろん好きだが、やっぱディーヴァの下着もイイよな~。
大好物だ』
そう言った画面上のダンテは手の中のソレを嬉しそうに……いやらしい手つきでニギニギしだした挙句、トイレに消えた。
一同ピシリと固まり、ひく。
「へ、へ、へ、……変態だーーー!」
「さすがにない。ひくわー、めっちゃひくわー」
「おいーっ!何こんなの撮ってんだコノヤロウ!!
ディーヴァにバレただろが!」
マネージャー通せよマネージャー!とアホな事をテレビに向かって騒ぐダンテの言葉に、まるでその行動を嘲笑するかのようにうんともすんとも言わない悪魔の番組。
そしてふと気づく。
隣から数センチ、自分からススス、と離れるようなディーヴァの気配に。
その顔に浮かぶのは怒りとも青ざめたとも違う、いささか白んだ表情で見下しの感情。
「ダンテ…トイレで何してたかよくわからないけど、なんとなく碌な事じゃないってあたしでもわかるよ。………最低だね」
「これは…その……」
「…………変態」
「くっ……!
ディーヴァ、オレはなディーヴァが好きだから…ディーヴァの全てが大好きだから!
だからディーヴァの下着すらも好きなんだ!!!!」
「っ!?」
「……何この茶番ぽい寸劇。甘い空気と言ってる台詞が合わなさすぎない?ねぇネロ、これでいいのかな」
「まあまあ。そう言わずもう少し我慢しててやろうぜ」
心底甘い空気なのはダンテのみ、だろうしな。
「え、と…ダンテ…………、」
「ディーヴァ、わかってくれたか?」
「お尻を触るこの手は何?」
「それはオレの手が勝手に…」
「やっぱ変態。近づかないで」
「グハッ!」
「………でも、なんだろ。末期なのかな、
そんなダンテもちょっとだけ嬉しい…かも」
「ディーヴァ…ああ、よかった!」
なでなでぎゅー。
本格的に甘ったるい空気を垂れ流し始めたダンテとディーヴァ。
そのすぐ隣に座るネロと逢夏のことは御構い無しにイチャコラするのを見て、2人は苦笑して眺めるだけだ。
「あーあ、ディーヴァちゃんそれホント末期だわ」
「同感。俺が思ってたディーヴァのイメージ崩れてきたよ、悪い方にな」
どれもこれもダンテの影響。
ネロにとってディーヴァはどちらかというと妹に近い存在。
これ以上そのイメージを悪くしないためにも、ダンテとディーヴァは少し離れた方がいいのでは?などと思い浮かんだ。
「お二人さんは放っておいて、と。
ネロも下着泥棒してるダンテ見て、変な事想像した?」
「変な事?」
「私の捨てた下着、俺も拾ってみようかなとか変態な事考えてな~い?」
テレビの光に照らされて光るアーモンド型の瞳がネロの心を見透かそうとじっと見つめてくる。
「んなっ!?そんなこと俺は考えるわけないだろ!!」
「本当かなぁ。ネロもダンテと同じ血が流れてるから不安だなぁ。焦っちゃってるのがまぁた、アヤシイ~。
……なーんてね!」
否定はできなかった。
一瞬でも考えた事などと言えない。
ダンテの秘密とは、なんともまあ滑稽で陳腐で、しょうもない秘密であった。
ディーヴァ以外のお二人さんは、なんとも言えず失笑と苦笑を織り交ぜたような表情。
だがディーヴァは辿々しく発言しつつもなんだかとっても感動している感じ。
「………オレな、いつかお前に美味いモン作ってやろうと思ってて、こっそり練習してたんだ。いつも美味いモン食わせてもらってるばっかだから。
でもその前にバレちまったな。…すまん」
「どうして謝るの?
あたし、ダンテがそういう風に考えてくれてたっていう、その気持ちだけですっごく嬉しいよ」
ありがとうダンテ。
ソファーの上、ディーヴァの手のひらがダンテの手にそっと重ねられ、そして愛おしむように繋がれる。
甘い空気に包まれた2人を、ネロと逢夏はしばしのあいだ微笑ましく待った。
「しっかし、生放送って言ってたがこんなのどうやって撮ったんだかな」
「ぁ苦マぉィおーイーぅッ!!」
「悪魔の企業秘密、だって」
「あそ」
テレビ放送で聞こえるわけないのに、何故かこちらの言葉にもテレビのスピーカーの中から返事が返ってきた。
だがもう何でもあり過ぎて、突っ込む気が起きない。
「よし、テレビのオレは失敗したが、帰ったら今度こそディーヴァに美味いモン作るからな。
最終的にはチーズ使ったチョ~美味いメシを!」
「えっ!ほんとダンテ!?絶対だよっ約束だよっ!!」
チーズの名を聞き、期待度満点うきうきのディーヴァ。
「ああ、約束だ」
「ダンテお前、ビッグマウスすぎ。
そんな大きなこと言って、大丈夫なのかよ」
「オレは有言実行の男だ」
「ほー!有言実行なんて言葉、ダンテでも知ってるんだね」
「てめっ…バカにすんなよ逢夏!」
「有言実行する宣言したとこで言っちゃ悪いがあの様子じゃな…、アンタ料理するのにゃ絶対向いてないと思う。
これからも素直にディーヴァに頼んでおく方がいいんじゃねぇか?」
「うっせぇなネロ!余計なお世話だ!なあ、ディーヴァ?」
「んーーーーー。
ネロの言う通り…かも。
やっぱりダンテの料理の腕ちょっとだけ心配だから、チーズ料理作ってくれるならマッケンチーズ、とかでもいいんだよ?」
マッケンチーズ、つまりアメリカの超簡単なおふくろの味マカロニチーズ。
作り方は至って簡単、茹でたマカロニにチーズやホワイトソースをぐるぐるまぜまぜハイおしまい。
「オレが成長しないっておもってるだろ?
さては期待してないなディーヴァ…」
「う、うーん………。
……………ダンテ、ごめんね?」
「ひでぇな」
肯定と変わりない返答に、ダンテはがっくりとうな垂れた。
「えー、とにかく!ダンテにしては素敵な秘密だったよねっ!」
「これでおわり、か?」
出たのは大凶だったはずなのに、呆気ない&味気ないほどに大凶らしからぬ展開。
大吉と言われても相違ないが…?
「ぁダ、あぅルゥ!」
「………ダンテの秘密、まだあるみたいだよ」
そこからダンテの信頼と信用が地獄の底までガタ落ちするのは早かった。
ディーヴァとのお付き合い当初より減らし続けてきた負の遺産、借金やツケ、督促状請求書その他諸々がまだダンテの部屋に隠されていたのだ。
それもディーヴァが手に取ることがないであろう火器銃器を取りあげた雑誌の間に挟んで、だ。
咎めるような視線がダンテを射抜くので、ダンテは開口一番、謝った。
「隠してて悪かった、ディーヴァ」
「はあ…………ダンテ、まだ隠してたとはねぇ。
………って、あああああ!!!!」
「ん?げぇぇっ!?」
続きを見ていたら、画面の中のダンテが雑誌に続いて手にしたのは、本の隙間奥に隠されし布切れ。
それを見たダンテとディーヴァが叫ぶ。
「あの布切れがどうかし……!?」
「ふむふむなるほどぉ~、ディーヴァちゃんは普段ああいう下着を着てるんだね」
そう、ディーヴァが見覚えがある捨てたはずの下着だ……捨てたはずの。
「やっべぇ!
画面隠せ隠せ!今すぐ映すのやめろぉぉぉぉ!!!!」
「ちょっとぉ!何がやばいのよダンテーー!!」
ダンテをがっちりホールドするディーヴァと、ディーヴァを振り払う事が出来ずに焦ってばかりでたたらを踏むダンテ。
ダンテとディーヴァの様子も、画面の中も面白いと黙ってニヤニヤ視聴する逢夏。
そしてネロは想像した。
これが逢夏だったらどうだ。
逢夏の下着に興味がないと言ったら嘘になる。
愛する者の身につけていた下着や衣服にも性的興奮を見出すその気持ち、ネロとてダンテと同じ男だ、わからなくもない。
『ん~、ディーヴァ本人はもちろん好きだが、やっぱディーヴァの下着もイイよな~。
大好物だ』
そう言った画面上のダンテは手の中のソレを嬉しそうに……いやらしい手つきでニギニギしだした挙句、トイレに消えた。
一同ピシリと固まり、ひく。
「へ、へ、へ、……変態だーーー!」
「さすがにない。ひくわー、めっちゃひくわー」
「おいーっ!何こんなの撮ってんだコノヤロウ!!
ディーヴァにバレただろが!」
マネージャー通せよマネージャー!とアホな事をテレビに向かって騒ぐダンテの言葉に、まるでその行動を嘲笑するかのようにうんともすんとも言わない悪魔の番組。
そしてふと気づく。
隣から数センチ、自分からススス、と離れるようなディーヴァの気配に。
その顔に浮かぶのは怒りとも青ざめたとも違う、いささか白んだ表情で見下しの感情。
「ダンテ…トイレで何してたかよくわからないけど、なんとなく碌な事じゃないってあたしでもわかるよ。………最低だね」
「これは…その……」
「…………変態」
「くっ……!
ディーヴァ、オレはなディーヴァが好きだから…ディーヴァの全てが大好きだから!
だからディーヴァの下着すらも好きなんだ!!!!」
「っ!?」
「……何この茶番ぽい寸劇。甘い空気と言ってる台詞が合わなさすぎない?ねぇネロ、これでいいのかな」
「まあまあ。そう言わずもう少し我慢しててやろうぜ」
心底甘い空気なのはダンテのみ、だろうしな。
「え、と…ダンテ…………、」
「ディーヴァ、わかってくれたか?」
「お尻を触るこの手は何?」
「それはオレの手が勝手に…」
「やっぱ変態。近づかないで」
「グハッ!」
「………でも、なんだろ。末期なのかな、
そんなダンテもちょっとだけ嬉しい…かも」
「ディーヴァ…ああ、よかった!」
なでなでぎゅー。
本格的に甘ったるい空気を垂れ流し始めたダンテとディーヴァ。
そのすぐ隣に座るネロと逢夏のことは御構い無しにイチャコラするのを見て、2人は苦笑して眺めるだけだ。
「あーあ、ディーヴァちゃんそれホント末期だわ」
「同感。俺が思ってたディーヴァのイメージ崩れてきたよ、悪い方にな」
どれもこれもダンテの影響。
ネロにとってディーヴァはどちらかというと妹に近い存在。
これ以上そのイメージを悪くしないためにも、ダンテとディーヴァは少し離れた方がいいのでは?などと思い浮かんだ。
「お二人さんは放っておいて、と。
ネロも下着泥棒してるダンテ見て、変な事想像した?」
「変な事?」
「私の捨てた下着、俺も拾ってみようかなとか変態な事考えてな~い?」
テレビの光に照らされて光るアーモンド型の瞳がネロの心を見透かそうとじっと見つめてくる。
「んなっ!?そんなこと俺は考えるわけないだろ!!」
「本当かなぁ。ネロもダンテと同じ血が流れてるから不安だなぁ。焦っちゃってるのがまぁた、アヤシイ~。
……なーんてね!」
否定はできなかった。
一瞬でも考えた事などと言えない。