御神籤 九枚目
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「さて、と。昼食も済んだしまだまだ今日という日も長いし、ディーヴァに次のくじをひいてもらうとするか」
カラカラと振ってみればまだまだたくさん入っていそうな、意外とそうでもないような御神籤の箱。
時間が早いなら、もう少し進めてみるのもいいかと思う。
「ひとつくらいなら消費できそうだもんね。
はいディーヴァちゃん、がーんばっ!」
というわけで、逢夏のエールと共に御神籤をひくディーヴァの手へと渡った箱。
だが、ディーヴァはあまり気乗りしていないっぽいぞ。
「う、うん…。ただ、あまりいい予感がしないんだよねぇ。
さっきネロが大吉引いちゃったし」
「頼むからそういう事言うのやめろよディーヴァ?
お前がそういう事言うと、まじで悪いのしかでてこないだろ」
「うう…ネロごめん」
変な内容は特に避けたいところなネロ。
前作の悪魔のすごろく含め、実害が多いのは、女である逢夏やディーヴァより男衆の方が大きかった…気がする。
「それはそうとさっきのアレはネロにとって大吉なのか?
大吉要素なかったような気がするけどな」
先ほどの内容…最悪の場合、まかり間違ってネロとダンテが魔女を殺してしまうというパターンもあった。
逢夏の本体である魔女の肉体を失った場合どうなるのかはわからないが、良い方に転がるとは考えにくい。
そんな危うい内容だったのだが果たして?
「そういえばそうだ。ネロ、どうだったの?」
「うーーーん。
最初は大凶の間違いかと思ったけど、最終的には大吉だった………と、思う。
それに、色々な逢夏が見れたしな。
魔女の逢夏も、ここにいる逢夏も、どっちも俺の愛する逢夏だ」
恥ずかしそうに鼻の頭をポリポリと掻くネロ。
今頃になって最初の問いかけに戻るわけだが、ネロの答えは“どちらも逢夏だから愛している”だったよう。
それは全てを認めてもらえた事と同じこと。
これほどまでに嬉しいことはない。
「ネロ…嬉しいっ!!」
感極まったのか思い切りネロに飛びつく逢夏。
ネロも、その体を決して離さぬよう、ゆっくりとそして、強く強く抱きしめた。
「はいはいはいはい!
そういう甘ったるさはもういいっての!
ディーヴァ、こいつらが溶けたアイスクリームみてぇにでんでろでんになる前に、さっさとくじひいちまえ!」
「え…う、うんー?」
他人の甘い雰囲気など見ていても胸焼けするだけだ。
先ほどのディーヴァとの甘ったるい雰囲気を棚に上げたダンテは、ネロと逢夏の間に入って邪魔をした。
「でんでろでんとか失礼しちゃう!
ダンテなんか、豆腐の角に頭をぶつけちゃいなよ」
「うーん。豆腐の角はないから、代わりにレッドクイーンの角(尖った刃の部分)に頭をぶつけ(叩き割られ)るくらいのがいいんじゃないか?」
「テメェ等好き勝手言いやがって…。
いてっ!逢夏は足を踏むな!!ネロは人の顔を右手で抓るな!!いてててて!!!」
というわけで。
文句たらたらな逢夏と顔には出さなくともちょっぴり不機嫌そうなネロ、そしてその報復にとレッドクイーンで叩き割られない代わりに足を踏まれーの抓られーのされているダンテをそのままに、ディーヴァは箱の中へ手を突っ込む。
ぐるぐると中身を掻き回すディーヴァに、逢夏もネロもダンテもそれまでの行動をすぐピタリと止め、固唾を呑んで見守る。
そして出てきた御神籤の内容は…?
「…………」
ディーヴァ、絶句。
「おーいてて。レッドクイーンよりマシって言ってもやっぱいてぇよな~。
…ん?どうしたディーヴァ」
「ディーヴァちゃん、くじの運勢どうだったの?勿体ぶらずにはやく教えてよ~」
「まさか……」
逢夏のこの反応…。
楽観的にも見えるダンテと逢夏とは正反対、ネロの表情が一気に固くなる。
ネロの危惧する通り、くるぅりと振り返るディーヴァの表情は、いつになく暗く落ち込んでいた。
「ゴメン、ネロの言う通りになった。
大凶…引いちゃった」
「は、大凶?」
「だから一番悪い運勢だってば」
「はあああああああっ!?
嘘だろ、お前ホントにディーヴァかよ!?
そろそろ大吉引けって!」
ダンテはその言葉を理解するのにちょっぴりかかったようだ。
ディーヴァに詰め寄り、激しく言及してきた。
さすがに胸ぐらは掴まずともそれに近い勢いで。
「うっ、ごめんなさい…」
「まあまあ。大吉から大凶まで6種類。ディーヴァだってそんな事くらいあるだろ?自分の彼女をそう責めてやるなって。
だいたい、ダンテだって一回は大凶引いただろ」
「そうそう、それに内容が重要なんだから。
あんまり気にしなーい気にしなーい」
それをフォローするネロと逢夏は大人の対応。
ダンテとは大違い。
「2人ともやさし~…。紳士だし優しいし、惚れちゃうね。あーあ、それに比べてダンテときたら…」
「うぐ…。ディーヴァ、ごめん」
「つーん」
ダンテの謝罪は無視され、くじの中身を見るディーヴァ。
丁寧に折りたたまれた白い和紙を開いた中は果たして…?
ぽんっ。
開けたと同時に、くじの上にあの悪魔が出現した。
「わ、びっくりした」
くじを持っていたディーヴァの鼻先が悪魔の顔に付きそうな距離である。
逢夏の本体眠る小屋に焼きリンゴの残りを置いてきた~とかなんとかで先ほどまでいなかったのだが、御神籤再開!大凶出現!の知らせに慌てて戻ってきたようだ。
それを証拠に、ほっぺたがリンゴで膨らんでモゴモゴしている。
「ォお!『ダィきォ』ぃイたヵ!
……ンヌ!ヒぃタノ、てンィ?ゥッそぁ!」
大凶を引いたのがまさか天使であるディーヴァだとは思わなかったのか、確認しに来た悪魔も驚いていた。
「悪魔さんまで…
もー!そのことはいいから、内容を読ませてよぉ!」
悪魔の体が邪魔で、内容が読めない。
ディーヴァの言葉はごもっとも、と悪魔が空中へと移動し再開。
「えーと。
『秘密がばれてしまうでしょう』だって」
「秘密ぅ?
それって、くじを引いたディーヴァの秘密だけか?」
「ディーヴァちゃんだけだと尺が余ります。読み手もつまらないです。だからここにいる皆の秘密です」
「逢夏、メタいこと言うなよ」
メメタァ!な発言は少し控えよう。
逢夏はお口チャックしようと口元に手を当てて押し黙る。
「ミんぁノぃみゥ、魔クァぃォ、ェれびぃデアッぴぉウ!
ァビヨぉジユんぱン、ぅギぇィメう!」
相変わらず何を言っているのかよくわからない悪魔の言語。
逢夏によると。
「全員の隠したがっている死ぬほど恥ずかしーい秘密の数々を、滞りなく余すところなく隅から隅まで魔界のテレビ特番にて生放送で暴露されまーす。
で、発表の順番もクジを引いて決めるんだって」
「なんか余計な脚色ついてねぇか」
「気のせい」
悪魔の言ったであろう言葉の数より明らかに多いが、まあ置いておこう。
発表の順番もくじを引いて決めるとのことで、悪魔から手渡されたやけにちっちゃくて紙で出来た御神籤の箱を手にした逢夏。
「手作り感マックスだね」
「さっき作ったんだって。早いね~。はいディーヴァちゃん、レディーファースト。お先にどうぞ」
「逢夏もレディーでしょ」
「私は男にもなれるのでいいんですー」
「………逢夏」
「すみませんもう言いません」
逢夏の名前を低く呼ぶだけで逢夏を黙らせたネロ。
まずはディーヴァが無言で引いたのが『煮ィ』、続いて逢夏がそっと取り出した『夜ン』、ネロが2つのうち1つを引いて当てた『惨』、残り物に福ありと最後に引いたダンテが『異血』という結果に。
つまり、ダンテ→ディーヴァ→ネロ→逢夏の順となった。
カラカラと振ってみればまだまだたくさん入っていそうな、意外とそうでもないような御神籤の箱。
時間が早いなら、もう少し進めてみるのもいいかと思う。
「ひとつくらいなら消費できそうだもんね。
はいディーヴァちゃん、がーんばっ!」
というわけで、逢夏のエールと共に御神籤をひくディーヴァの手へと渡った箱。
だが、ディーヴァはあまり気乗りしていないっぽいぞ。
「う、うん…。ただ、あまりいい予感がしないんだよねぇ。
さっきネロが大吉引いちゃったし」
「頼むからそういう事言うのやめろよディーヴァ?
お前がそういう事言うと、まじで悪いのしかでてこないだろ」
「うう…ネロごめん」
変な内容は特に避けたいところなネロ。
前作の悪魔のすごろく含め、実害が多いのは、女である逢夏やディーヴァより男衆の方が大きかった…気がする。
「それはそうとさっきのアレはネロにとって大吉なのか?
大吉要素なかったような気がするけどな」
先ほどの内容…最悪の場合、まかり間違ってネロとダンテが魔女を殺してしまうというパターンもあった。
逢夏の本体である魔女の肉体を失った場合どうなるのかはわからないが、良い方に転がるとは考えにくい。
そんな危うい内容だったのだが果たして?
「そういえばそうだ。ネロ、どうだったの?」
「うーーーん。
最初は大凶の間違いかと思ったけど、最終的には大吉だった………と、思う。
それに、色々な逢夏が見れたしな。
魔女の逢夏も、ここにいる逢夏も、どっちも俺の愛する逢夏だ」
恥ずかしそうに鼻の頭をポリポリと掻くネロ。
今頃になって最初の問いかけに戻るわけだが、ネロの答えは“どちらも逢夏だから愛している”だったよう。
それは全てを認めてもらえた事と同じこと。
これほどまでに嬉しいことはない。
「ネロ…嬉しいっ!!」
感極まったのか思い切りネロに飛びつく逢夏。
ネロも、その体を決して離さぬよう、ゆっくりとそして、強く強く抱きしめた。
「はいはいはいはい!
そういう甘ったるさはもういいっての!
ディーヴァ、こいつらが溶けたアイスクリームみてぇにでんでろでんになる前に、さっさとくじひいちまえ!」
「え…う、うんー?」
他人の甘い雰囲気など見ていても胸焼けするだけだ。
先ほどのディーヴァとの甘ったるい雰囲気を棚に上げたダンテは、ネロと逢夏の間に入って邪魔をした。
「でんでろでんとか失礼しちゃう!
ダンテなんか、豆腐の角に頭をぶつけちゃいなよ」
「うーん。豆腐の角はないから、代わりにレッドクイーンの角(尖った刃の部分)に頭をぶつけ(叩き割られ)るくらいのがいいんじゃないか?」
「テメェ等好き勝手言いやがって…。
いてっ!逢夏は足を踏むな!!ネロは人の顔を右手で抓るな!!いてててて!!!」
というわけで。
文句たらたらな逢夏と顔には出さなくともちょっぴり不機嫌そうなネロ、そしてその報復にとレッドクイーンで叩き割られない代わりに足を踏まれーの抓られーのされているダンテをそのままに、ディーヴァは箱の中へ手を突っ込む。
ぐるぐると中身を掻き回すディーヴァに、逢夏もネロもダンテもそれまでの行動をすぐピタリと止め、固唾を呑んで見守る。
そして出てきた御神籤の内容は…?
「…………」
ディーヴァ、絶句。
「おーいてて。レッドクイーンよりマシって言ってもやっぱいてぇよな~。
…ん?どうしたディーヴァ」
「ディーヴァちゃん、くじの運勢どうだったの?勿体ぶらずにはやく教えてよ~」
「まさか……」
逢夏のこの反応…。
楽観的にも見えるダンテと逢夏とは正反対、ネロの表情が一気に固くなる。
ネロの危惧する通り、くるぅりと振り返るディーヴァの表情は、いつになく暗く落ち込んでいた。
「ゴメン、ネロの言う通りになった。
大凶…引いちゃった」
「は、大凶?」
「だから一番悪い運勢だってば」
「はあああああああっ!?
嘘だろ、お前ホントにディーヴァかよ!?
そろそろ大吉引けって!」
ダンテはその言葉を理解するのにちょっぴりかかったようだ。
ディーヴァに詰め寄り、激しく言及してきた。
さすがに胸ぐらは掴まずともそれに近い勢いで。
「うっ、ごめんなさい…」
「まあまあ。大吉から大凶まで6種類。ディーヴァだってそんな事くらいあるだろ?自分の彼女をそう責めてやるなって。
だいたい、ダンテだって一回は大凶引いただろ」
「そうそう、それに内容が重要なんだから。
あんまり気にしなーい気にしなーい」
それをフォローするネロと逢夏は大人の対応。
ダンテとは大違い。
「2人ともやさし~…。紳士だし優しいし、惚れちゃうね。あーあ、それに比べてダンテときたら…」
「うぐ…。ディーヴァ、ごめん」
「つーん」
ダンテの謝罪は無視され、くじの中身を見るディーヴァ。
丁寧に折りたたまれた白い和紙を開いた中は果たして…?
ぽんっ。
開けたと同時に、くじの上にあの悪魔が出現した。
「わ、びっくりした」
くじを持っていたディーヴァの鼻先が悪魔の顔に付きそうな距離である。
逢夏の本体眠る小屋に焼きリンゴの残りを置いてきた~とかなんとかで先ほどまでいなかったのだが、御神籤再開!大凶出現!の知らせに慌てて戻ってきたようだ。
それを証拠に、ほっぺたがリンゴで膨らんでモゴモゴしている。
「ォお!『ダィきォ』ぃイたヵ!
……ンヌ!ヒぃタノ、てンィ?ゥッそぁ!」
大凶を引いたのがまさか天使であるディーヴァだとは思わなかったのか、確認しに来た悪魔も驚いていた。
「悪魔さんまで…
もー!そのことはいいから、内容を読ませてよぉ!」
悪魔の体が邪魔で、内容が読めない。
ディーヴァの言葉はごもっとも、と悪魔が空中へと移動し再開。
「えーと。
『秘密がばれてしまうでしょう』だって」
「秘密ぅ?
それって、くじを引いたディーヴァの秘密だけか?」
「ディーヴァちゃんだけだと尺が余ります。読み手もつまらないです。だからここにいる皆の秘密です」
「逢夏、メタいこと言うなよ」
メメタァ!な発言は少し控えよう。
逢夏はお口チャックしようと口元に手を当てて押し黙る。
「ミんぁノぃみゥ、魔クァぃォ、ェれびぃデアッぴぉウ!
ァビヨぉジユんぱン、ぅギぇィメう!」
相変わらず何を言っているのかよくわからない悪魔の言語。
逢夏によると。
「全員の隠したがっている死ぬほど恥ずかしーい秘密の数々を、滞りなく余すところなく隅から隅まで魔界のテレビ特番にて生放送で暴露されまーす。
で、発表の順番もクジを引いて決めるんだって」
「なんか余計な脚色ついてねぇか」
「気のせい」
悪魔の言ったであろう言葉の数より明らかに多いが、まあ置いておこう。
発表の順番もくじを引いて決めるとのことで、悪魔から手渡されたやけにちっちゃくて紙で出来た御神籤の箱を手にした逢夏。
「手作り感マックスだね」
「さっき作ったんだって。早いね~。はいディーヴァちゃん、レディーファースト。お先にどうぞ」
「逢夏もレディーでしょ」
「私は男にもなれるのでいいんですー」
「………逢夏」
「すみませんもう言いません」
逢夏の名前を低く呼ぶだけで逢夏を黙らせたネロ。
まずはディーヴァが無言で引いたのが『煮ィ』、続いて逢夏がそっと取り出した『夜ン』、ネロが2つのうち1つを引いて当てた『惨』、残り物に福ありと最後に引いたダンテが『異血』という結果に。
つまり、ダンテ→ディーヴァ→ネロ→逢夏の順となった。